準備ができた、と思って外に出て来たのは良いものの何処へ行こう?
「なぁ紫帆。」
「な、何?」
紫帆は瞬時に反応する。
どこか照れ臭いというか慌てているというか、そんな気がする。(当たり前か。)
続けて紫帆に聞く。
「どっか行きたいところあるか?」そう聞くと紫帆は斜め下を向き「うーん。」と唸りながら、顎に手を当てて考え込んだ。
たしかに急にこんなこと聞かれたら誰でも詰まるだろう。
俺は聞き方が悪かったと思い、質問を変えようとした。
その時、紫帆は人差し指を立てて、
「瑠璃河原公園に行かない?」
と言った。
考えてみれば、瑠璃河原公園と言えばデートスポットだな、付近に結構LVホテルとかがあって、そこの利用者がリラックスに訪れるからだとかなんとか聞いたことあるな。
さっきの事を振り返れば紫帆の気遣いかもしれないな。
これは断れない。気がする。
「おう、行こうぜ。」
なんか、紫帆の立場になると気の毒だ。
咄嗟に俺は謝ろうと紫帆に話しかけた。
「あのさ、さっきの事…実はさ、」紫帆は顔を赤くしてあたふた周りを見ながら俺の言葉を遮った。「え、あ、全然、全然気に…してないから!」状況的に俺は素直に真実を述べようとしていた。だが、紫帆は何かまずいお誘いでも申し込まれるのだと捉えていた。その紫帆の捉え方に俺は気付かなかったので、何故人の謝りを妨げるのだろうと疑問に思った。紫帆はなおも顔を真っ赤にして周りの目線を気にしながらあたふたしている。(かなり可愛いから別にry)。あぁ、俺、追い込まれていくなぁ。
そんなこんなで瑠璃河原公園に着いた。
紫帆は俺を非常に気にするようになった。
あぁ、もう無理だ。
立ち直れない。
「じゃ、じゃあしばらくお散歩でも楽しんでるか。」
紫帆は不安そうに小さく頷いた。
なんか、このままじゃあ紫帆が可哀想だな。
何かしらしてあげないとな。
と、近くにアイス屋が見えた。
「紫帆、アイス食べるか?」
紫帆は久しぶりに嬉しそうに微笑み、大きく頷いた。
そして、そのままアイスを購入してベンチに座った時だった。
ズゥゥゥゥン。
何かの音と共に地響きがする。
紫帆はアイスを眺め続けていた。
気付いてないのか?ていうか何?一体何の音だ?
ドォォォォォン。
まただ。だんだん近づいてるような、と思った時だった。
バギャンという痛烈な破壊音と共に地面に均等にしかれたレンガを破壊し、一人の人間が、俺の前に出てきた。
流石にそれには紫帆も気付いたようだ。
「は?俺?」
男は俺に視線を向けてニヤけた。「へっへっへぇ、俺は鎖原ってぇんだ。多少世話になったな。お前が楠木十騎か?」何で俺の名前知ってるんだよ。
こういう危ない奴には俺は喧嘩売りたくなるんだよなぁ。
「何か俺に用か?」
鎖原という男は少しも考えずに、「一身上の都合により排除しに来た。」と言った。
排除って…何か今日は色々ツイてないなぁ。
溜め息をつき、俺は紫帆に「紫帆、悪いが、先に帰っててくれ。走ってな。」
と指示をすると途端に紫帆は不安を見せる。「え?う、うん
!し死なないでね!」大丈夫。死なねぇよ。
そういえば、と俺は思うと、「おめぇ見たことあるぞ。」その言葉に鎖原は驚く。俺は自信ありげに、「確か、アクチノール産業の副社長だな。
ウゼェほど」男は落ち着いたかのようににやりとした。「へぇ、ガキの癖に要領がいいな。」なんか、嘘でもつかれているような気分になったが、今は関係ない。誉められたことを気にもとめず、「何故潰す。」かなり詰問のつもりだった。だが「一身上の都合さ。」即答された。それしか言えねぇのかと叫びたくなった。「なら対峙するまでだな。」とか言ってカッコつけて適当に構え作ったけど、俺になにかできるのか?多分あっさり死ぬやつじゃんこれ。う~わ~。人生百合色だわ。と、「あれ、カズじゃん。」不意に聞きなれた声がする。「は?」そこには、記憶がある内に自然に仲良くなった。唯一の
友達、貴志 山門がいた。「あれ?や、山門?」
「なにしに来た?」貴志は堂々と「音の正体を突き止めに来た。」馬鹿野郎。俺は「逃げろ。死ぬのは俺だけで十分だ。」と言ったが、山門は首を振り、「俺には逃げる義理も友達を見殺しにする義理もねぇよ。」と言った。いやいやいや、二人とも死んで終わりだろ。「なんか良い策はないのか?」山門は焦り気味に言った。「だからこいつをもってきたんだよ。」そう言って小さいスイッチを取り出すと同時にボタンを押した。
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