魔法学園の最強魔法使い   作:秋ピザ

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1週間ちょいぶりの投稿。
この作品は割と文字数が多いんだよね。展開自分で考えてる分自由度が大きいからかな?


その2

「さて、とっととカジノの方に出掛けて軽く仕事を終わらせ………」

 

そう言った矢先、腹が鳴った。

そういや寝る前に物を食べた覚えがない。

あー、そういや今午後2時くらいか。確か寝る前は午前11時ちょいだった気がするから、3時間弱寝てた事になる。

あと最後にものを食べたのは朝。そら腹が減るさ。人間……だもの。うん。

ここは一度飯を食ってから出掛けるのが良いか。

とりあえず軽めによろしく。家政hゲフンゲフンもとい使い魔よ。パンあるいは麺な。

「今完全に家政婦って言いましたよね……まぁ間違っては居ないんですけど」

 

自分で認めるのかそこは。

一応使い魔として捨てちゃいけないとこもあるだろうに。

まったく、最近の使い魔はなってないね。

「それ最初に言ったのマスターですよね!?」

 

そうだっけ?いやー、歳を取ると記憶が跳んでなぁ。俺も老いたもんだ。若い頃はテストの時数学以外マトモに解けた試しが無いくらいなのにさ。

「解き方は覚えていても暗記系無理だったんですね」

 

仕方ない。俺だし。

諦めた方が良いこともあるさきっと。

つーか飯作れよ使い魔。サーヴァントってのは元々飯使いって意味だし、あくしろよ。

「今の誤字ですよね。あと今日は柚子風味パスタです」

 

残念、意図的にやってるんだよ。召し使い。

「はいはい。それじゃ待っててくださいねー」

 

あ、そうそう。下らない裏技だけど俺の魔法使えばパスタ茹でるの時短出来るぞ?三秒くらいに。

 

おいおい、そんな便利なものがあるなら先に言えという視線はやめておくれよ。俺だって忘れてたんだし。

まぁ簡単な事だぜ?ただ加速魔法を改変して使うと時間を加速するタイプになるのを利用してパスタが早く茹で上がるってこと。

「そうですか。じゃあソースの方は一応作り置きがあるのでよろしくお願いします」

 

了解。

「『世界よ、その者の時を加速せよ』」

 

ちなみにこの魔法、使う言語の問題から俺しか使えないんだよね。あと調整もイメージだよりだから結構難しい。

まぁ便利だけどさ。忘れる程度に。

何せ使えるのが暗殺とか料理とかくらいだし、頭を捻ってもせいぜい三分でクッキングするアレを作り置き禁止して問題なくすることしか出来ない……いや他にもいくつか使い道あるんだろうけども。

悲しいね俺の頭。性能は悪いみたいだ。ヒラメキ力はあっても普通の思考力は低い。クイズ番組くらいしか向いてる物無さそう。

あれ?なんか目から汗が……

「なんで泣いてるんですか?あとパスタです。どうぞ」

 

……気を取り直そう。飯出来たし。

うん、俺のレベルの低い頭ならすぐ忘れる筈さ。こんなこと。

あっ、このパスタうめぇ。

なんだろ微妙にスッとする感じがなんとも言いがたい。そう、夏に食ったら良さげな感じだ。まぁ今は春だが、俺としては悪くないと思う。元々柑橘系は嫌いじゃないしな。

予想してた訳じゃないが予想外に美味かったので五分とせずに食い終わり、満足した。

いやー、飯って大事だよ。うん。

人間誰しも飯は譲れないものがあるもんな。

特にこの国の人は殴られてもバカにされても怒らないとまで言われているのに飯を粗末にされたり飯を邪魔されると容赦なくキレると名高いくらいだし。国名は日本じゃないが。

まぁ実際の所、殴られた所で常時魔力を自分の自然回復力を下回る範囲で消費し続けるタイプの結界を最低限義務教育の段階で習うから痛くないし、バカにされても怒らないのは単に精神への負荷がそれなりに自身の魔力を強化すると言うのは少なくともこの国では一般論だ。

つまりされても意味が無いから怒らないだけであって、飯が関わるとキレやすいのはただ生活に割と余裕があるからか飯へのこだわりが高めな国民性が原因でしかない。

俺もそれは自分でも良く理解している。

何せ随分と前にある白い羽の生えた生物に招かれたんだが、飯時にその手下らしい奴に襲撃されて大人げなく『ゼロ・レイン』という広範囲に絶対零度の雨を降らせる魔法と『ライトニング・レイン』という広範囲に無数の雷を落とす魔法、『テンペスト・フィールド』という竜巻の魔法を同時に使って家主ごと焼き払った覚えがあるほどだ。

飯の恨みは恐ろしいのである。

 

……そういや仕事忘れてたな。

流石俺、こんな短時間で仕事を忘れてやがる。

あ、でも思い出せたからノーカンか?いやカウントするべきか……分からん。

まぁここはとりあえず結果次第で決めよう。

カジノで仕事が成功すればノーカンって事で。

「マスター、それどう考えてもノーカンにしかなりませんよね?」

 

知るか。

「あっ逃げた」

 

「……『ウインドバレット』『メタルコネクター』」

 

なんかちょっとムカついたので、ベランダに出て使い魔を魔法でレッカーしつつ空を飛んでやった。

空中で泣き叫ぶような声が聞こえたが俺は知らん。高所恐怖症の妖精なんて居るわけないもんな。

だって妖精って元々空飛んでるしな!

 

 

 

「『ウィンドバレット』」

 

何十回目かになるウィンドバレットで目的地である学校に辿り着く。

本来なら別の魔法を使っても良いんだが、まぁ今回は使い魔への八つ当たりをかねてるから仕方ない。

そもそもアレは一人用だしな。

大人数での移動に対応出来りゃ良いんだがどうしても俺しか移動出来ない。

その代わりというか、ウィンドバレットでの移動は車とかに比べても随分と速いから効率は良いんだが。ただし燃費は悪い。

さて、ここらでこれまで使いまくってきたウィンドバレット移動とかに対するもろもろは切り上げるとしよう。

とにかく今は仕事だ。

別になりふり構わなきゃ三分掛からんが、ここはちょいとお遊びを入れさせてもらおう。

単純では捻りが無いしな。

「おーい!開けろー!」

 

まず門の前でこう叫ぶ。

実際の所普通に開けてもらえば良いし、そうでなくとも軽く魔力をぶつけてやれば破れる程度の結界しか張ってないからそれでも良いんだが、ここはあえて叫ぶ。

何せ……

「コラァァァァ!!!」

 

生徒指導のセンセが来るからな。

ここでこのセンセに開けてもらうことの利点は無い。強いて言えば生徒指導室へ行くには最速ってくらいだ。

だがしかし今回目当てのカジノは生徒指導室には無いのでセンセに開けてもらったら上手いこと魔法で抜ける。

「『フラッシュ』!」

 

フラッシュは目くらましの魔法。戦争などの実戦においても隙を突いて使えば凄まじい効果をもたらす魔法だ。

なんといっても特徴はその名前の短さ。

気付いた時には光が来ている。

「ぬぉっ……」

 

故に不意を突いたならどうあがいても目を眩ませられるのである。

俺は目を抑えているセンセの横を使い魔を連れたまま通りすぎた。

目が……目が……とか言ってたが大丈夫だろうか。

あとで目がチカチカするようなアニメを送ってやろう。

俺はその先で目的の物へ向かう道に一番面倒だと思っているヤツを見付けた。

北崎茜……もとい、アカネ・キタザキである。

コイツの魔力と魔法の腕はこの学園の人間で俺を除けば一番だし、コントロールに関しては人間以外を除いても一位に収まるレベル。

コイツにはあまり見付かりたくないものだからここは軽く突破させて貰おう。

「『アースウォール』『メタルウォール』『グラビティウォール』」

 

土属性ウォール魔法の3コンボで囲む。

最後のはただ単に揃えたくてやっただけだが、大幅に手加減したから見付かった時の足止めに便利な事だろう。

え?そもそも見付からないように動けばいいと?むしろ魔法使った方が目立つ、と?

おいおいバカだなあ。

なんの為に壁があると思ってるんだ。

「『メタルコネクター』」

 

これをメタルウォールに撃ち込む。

何かと使えるこの魔法、普通であればただ対象と自分を繋ぐ鉄のワイヤーを張るだけの魔法なのだが、俺の特殊な魔法により、別の使い方が出来る。

「『引っ張れ』」

 

わずか一言でワイヤーが短くなり、俺を引っ張る。

その勢いである程度加速したところで解除し、勢いのまま滑空する。

すでに気付かれてしまったが問題ない。

何せ俺を直線的に追おうとすればグラビティウォールの餌食だ。

いくら威力を弱めてても5Gの重力を喰らったならば動けないだろうからな。俺でもそれは流石に動きづらいし。

「もうやめてくださいよ……」

 

さーて、面倒な奴も突破したしさっさと行きますかねー。

それに使い魔が死にそうだからこっからは最速で行かせてもらおう。法廷速度とか知らん。

方法は簡単だ。ウインドバレットとその他一部魔法を併用して人にあらざる速さを叩き出すまで。

「『ウェイトダウン』」

 

まず特殊な魔法……割と有名だが種類上特殊な魔法に入る魔法を使う。

これは重い物を持つときとか、人に抱えられる時とかその他色々な運送等に使える。

弱点は効果時間が術者の腕次第ってところ。その代わり一定で重さを半分に出来る。

今回はそれを俺自身に使ったから体重が半分になる。

それゆえに同じウインドバレットでも効果が違ってくる。

まぁこれだけで終わらないがな。

「『ストームグライダー』」

 

風の力で滞空時間を長くして滑空力を上げる魔法。

今時ベルトで変身してバイクに乗ってる特撮ヒーローは大抵これを使ってる。スタントマンにも必要な魔法だな。

まぁそっちの用途ならこれより一段レベルの低いウインドグライダーで構わない。何せこっちは速すぎるからな。滑空がとんでもない速さになる。

そして、これに加えてさらにウインドバレットを使うとなんとスタートダッシュの勢いを最大限に引き出し、さらにそのスピードを殺さずかなりの距離を移動できるのだ。しかも最高クラスの効率。

え?何故ここまで使わなかったのかって?ただの気分だよ深い理由なんてない。強くなると気まぐれを起こしちゃうんだ。強者の気まぐれってやつ。

 

俺は無意味な説明をしつつ、3つのウォールを維持してした魔力を止める。

これでグラビティウォールは消滅するだろう。

あと残りのウォールも時間が経てば消えるだろう。つまりあの女が追い掛けてくる。

だから逃げるのだ。空へ。

「『ウインドバレット』」

 

ウインドバレットで自らを空へと押し出し、軽くなっているお陰で軽々と吹き飛ぶ自分の体の姿勢を空中で補正、滑空する。

古来より人は空へ憧れて来たと言うが、そういえば最初の魔法を使える人間は風の魔法を使ったんだったと思う。

やはり人間は空に憧れるらしいな。

俺はただ吹き飛ぶ際にしょっちゅう見るからもう憧れもクソも無いが……な!

ズザザザザザザ……

出発から到着まで約30秒。決して快適ではない空の旅にお付き合い頂きありがとうございました。

そう脳内アナウンスを流しながら使い魔を地面に放り投げる。

「い、痛いですよ!虐待です!」

 

まぁ、そう焦るなって。

まずここは日本だ。そしてここのルールは日本の法律だ。

んで、日本の法律は人のためのもの。

確か虐待も刑法だったか?知らんがまぁ、刑法は人が人を裁くためのガイドブックなのさ。

そしてお前は人間じゃねぇ、妖精だ!よってこれは虐待じゃないのだよ!

「物凄い暴論すぎて恐ろしいです」

 

おいおい、そんな褒めたって出るのはポケット(普通のものではない)の中のキャンディだけだぜ。

ちなみに梅、焼酎、芋、黒砂糖、ゴーヤ、すだちの六種類あるがどれが欲しい?

「なんか分かりにくい傾向ですね。じゃあ黒砂糖で」

 

ん?傾向?あぁこれか。

これは俺のポケットの中に蓄積されていっているキャンディ(土産用に買ってはもらってくれる相手が居なくて溜まっていく)コレクションの中から適当に厳選しただけだから、傾向なんて無いぜ?

あ、そうだ。黒砂糖だけ自作なんだよな。その飴。

「はぁそうですか……割と美味しいですね」

 

そりゃそうだよな。黒砂糖と言ってもちょっと特殊な魔獣の素材の中の奴使ってるし。

って大丈夫か?突然咳き込むなよ。

調子悪いと大変だぞ。これからカジノに入ってお話すると言うのに咳き込んでちゃな。




おまけ・この作品における魔法の名前のルールの一部。

風系で例を挙げると、ウインドやらテンペストやらの風の度合いを表したりする言葉とバレットとかバーストの形、効果を表す言葉で構成される。
ただしこれが適用されない魔法も結構ある。
以下は一部例。
時間系
肉体変化系
特殊系
固有魔法
など。
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