別のがっこうぐらしの小説を書いているくせにまた新たにがっこうぐらしの小説を投稿させて頂きました。
こっちはちゃんと終わらせますので暖かい目でご覧下さい。
あの日、授業が早めに終わって、でも空があまりにも青くてきれいで、まっすぐ帰るのがもったいなくなったから、親友の圭と、ショッピングモールに立ち寄った。
「すごーい、それ読むの?」
書店で洋書を選んでいると、後ろから圭が覗き込んでくる。
「翻訳版は読んだから読めるかなって・・・」
「ふーん」
感心した声を出す圭。その声に少し恥ずかしくなって私は本で顔の半分を隠した。
『キャーー!』
その時、遠くの方から沢山の叫び声が聞こえてきた。その声はどれも悲鳴に近いもので、突然起こった普段聞かない非常の声に私はもちろん、圭も、そして周りの人達は何が起こったのか分からずにざわつき始める。
「今の、なに?」
「窓の方だ!」
私と圭はすぐそばの開いている窓から外を見る。
「なに、これ・・・」
「人が人を…食べてる!?」
外の景色を見た私達はおもわず目を疑った。
・・・そうでもしないと、この光景を受け入れる事が出来なかったから。
外では逃げ惑う人達を襲う肌を黒く変色した人型のモノ達で溢れかえっていた。
肌を黒く変色した人型のモノ達に襲われた人は、文字通り身体を噛み千切られ、暫くすると肌を黒く変色し、起き上がり、生きている人たちを襲い始める。
(なにこれ・・・。まるでゾンビ映画じゃない・・・。)
しばらくその光景を見ていると、周りの人が避難しているのに気付き、その人達につられる様にして私は圭の手を引いて走り出す。
向かうのは階段か、エレベーターか・・・。
「どっちだろう・・・」
「エレベータで下へ!」
しかし指差したエレベータは私達が入る前に下に降りてしまった。
私はすぐさまボタンを押す。エレベータが上がってくるその時間がいつもより長く感じた。
漸く来たエレベータの扉が開く。
・・・中には人だった死体が散乱していた。
そして動かない筈の死体の1つが圭の足を掴む。
その手は外にいたのと同じように黒ずんでいた。
「きゃあああ!」
「圭!」
黒ずんだ手から圭を引き離すと、私は再び圭の手を引き走り出した。
下はもう駄目だから向かうのは上の階。
そこに向かう途中、何度も人が襲われている光景を目にしたが、私達は自分達が助かる為に、それらを全て無視して走った。
「わっ」「停電!?」
逃げている途中で停電が起き、周りが真っ暗になる。
「痛っ」
私はコードに躓き、倒れる。
「大丈夫?」「うん」
圭が駆け寄ってきて身体を起こしてくれるが、胸が痛い。走るのはもう無理そうだ。
「こっち!」
私の様子を察した圭が近くの試着室のカーテンを開け、私達は狭い試着室の中に入りカーテンを閉める。
「―――! ――――!」
外から何か聞こえ、私達はカーテンを少し開ける。
「「ひっ」」
外では3人に襲われ、腕を天に伸ばし助けを呼んでいる女性の姿。女性の声は徐々に小さくなり、「グチャ」と言う音と共に、伸ばしていた腕は床に降り、声は聞こえなくなった。
そして暫くすると、女性は起き上がった。その肌は黒ずみ、女性は自分を襲ったモノと一緒に覚束ない足取りで、徘徊を始めた。
【何が起きたのか、本当に理解出来たのはもう少し先だった。ただ、何か取り返しのつかない事が始まったことだけは分かった。】
あれから何時間経ったのだろう。私達は試着室で身体を寄せ合って震えていた。
カラン
「「!」」
何かカーテンの向こう側で物音がした。私は近くにあったハンガーを手に取る。
「おい、誰かいるのか?」
聞こえて来たのは呻き声でなく、ちゃんとした人の声。そしてカーテンの向こう側に明かりが灯る。
そっとカーテンを開けると、大学生位の男性が、手に持つ懐中電灯で私達を照らしていた。
――――
「ほらほら、疲れたでしょ、座って座って。」
あれから私達は、大学生位の男性に案内され、5階に来ていた。
そこには私達以外にも8人程の生存者が、避難生活をしていた。
ざっと見る限り、大学生位の人が多かったが、1人だけ老婆がいた。
「バチが当たったんだよ。みんないい気になって・・・。地獄が溢れたんだよぉ・・・。」
老婆は私達の顔を見るなり、手に持つロザリオを握りしめ呟く。
周りの人は老婆の言葉を気にしていない様子だったが、私は、何故か老婆が言った言葉が頭から離れなかった。
その後、“あいつら”に噛まれていないか身体検査を受け、私と圭は同じ布団で眠りについた。
【テレビで見たような避難生活。布団だけやたら高級なのが奇妙だった。】
『やっ・・・、誰かっ』
3人に襲われ、腕を天に伸ばし助けを呼んでいる女性の姿。女性の声は徐々に小さくなり、「グチャ」と言う音と共に、伸ばしていた腕は床に降り、声は聞こえなくなった。
暫くすると、女性は起き上がった。その肌は黒ずみ、女性は自分を襲ったモノと一緒に覚束ない足取りで徘徊し始める。そして徐々に私と圭のいる試着室に距離を詰めて来る。5m、4m、3m、2m、1m・・・。
「!」
私は布団から飛び起きた。そして周りを見回すが、さっきまでいたモノの姿はどこにもない。
「はぁ、はぁ。・・・夢、か。」
再び布団を被ったが、さっき見た悪夢のせいで、あまりよく眠れなかった。
――――
私と圭がここに来てから数日が経ち、避難できた11人で協力して住みやすくしていった。
仕事は男女別々。男性は下の階への遠征。女性は家事を担当した。
「おーい、帰ったぞ」
下の階へ行っていたみんなが帰って来た。
「おかえりなさい」
圭が、私達を助けた大学生の男性、みんなからリーダーと呼ばれている人を出迎える。
その顔は恋する乙女のようで、今までに見た事もない笑顔だった。
そういえば最近、圭がリーダーと一緒にいる所をよく見るようになった。
この前は2人一緒に食堂で話しているのを見たし・・・。
きっと圭は彼に恋しているのだろう。この前その事を聞いてみたら顔を真っ赤にしながらも否定はしてなかったから間違いはないと思う。
「これはおまけだ」「さっすがー!」
リーダーはいつもおまけを持ってくる。
役には立たないけど、楽しい何か。
今日持ってきたのはお酒で、みんなでパーティーをすることになった。
――――
「それじゃあ・・・」
「「「カンパーイ」」」
リーダーの音頭で乾杯をする。
みんながお酒を飲んでいる。もちろん未成年の私と圭はジュースだ。
「お前らも飲む?」ヒック
「ワイン苦手だから」
1人の男性が私のコップにお酒を注ごうとしたが、圭に止められる。
(凄いな圭、なんか酔っぱらいの扱いに慣れている感じだ。)
「あれ? リーダー、手どうしたの?」
見るとリーダーは左手に大きな絆創膏を貼っていた。
「さっき、カナヅチでな」
そう言うとリーダーは慌てた様子で左手を隠す。
「あーん、かわいそう」「むっ」
隣にいた女性がリーダーに抱き着く。隣にいた圭がむすっとしていた。
その後、酔った人達に構われる事が多くなったので、私と圭は早々に先に部屋に戻った。
1話終了です。
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