白い。
何も無い。
何時までも景色が変わらない世界。
『 』は、そんな世界に突如…現れた。
★☆★☆★☆★☆
俺は、気がつくと途轍もなく広く世界にいた。 物など無く、何処までも白く音すら無い。
『はて…何故俺は、此処に?』
そう俺は呟こうとするが声が出なかった。 その事に、不思議に思い取り敢えずは自分の事を確認してみた。
視界は良好、感触などは地面だと思われる所触ると手越えがあった。 聴覚は今の世界に音が無いために不明…そして、1番驚いた事があった。
自分の身体が真っ黒であった事。
身体全体が満遍なく黒く、今いる世界では『異物』と言わんばかりの姿だった。 鏡とかが無いから、顔は見れないが黒いであろう。 念の為に、顔を手で触ってみると…。
顔が無い!
目、鼻、口、顔と言えるパーツが一切無く、のっぺらぼうのような顔だった。 不思議な事に、目が無いのに視界があるのは思わず首を捻らせてしまった。
何はともあれ、俺は自分の確認が終え他にやる事が無くなり歩き始めた。
俺が歩き始めてから、どれぐらいの時間が過ぎたであろう。 まして、この世界に時間の概念があるのかは不明。 それでも俺は、白い世界をひたすら歩き続ける。
常人なら、刺激の無いが無い空間にある程度いるだけで発狂するであろう。 だが、俺は不思議と楽に歩き続けられていた。 何処までも広がる白い世界の果てに目指すように。
ここだけの話…余りにも白い世界の為に、周りの景色が変わらない為実際に歩けているのかは解らない。 分かるのは自分の足が動かしている事だけ。
この世界に俺が現れてから、今の今まで世界に変化は無かった筈が突如と自分の身体に異変が起こった。
『!! なんだ!なんだ! 何が起こるんだ!!』
俺は、突然に起きた身体の異変に驚きよりも喜びだった。 長い間、何の変化の無い世界にいた所為で俺自身が刺激に飢えていた為の反応だった。
俺の身体は、この世界に来てから温度すら無かった筈が少しずつと身体は何かに包まれるような温かみを帯びていく。
『…温かい、そっか。 これが温かみだった』
俺は余りにも気持ちの良い温かみに、思わず歩くのを辞めてしまいその場で寝っ転がってしまった。
そして、変化は俺だけでは無く世界にも…
ズドォォォォォォォォン
突然、俺がいる場所から遠く無いと思われる場所に大きな何かが落ちた音が白い世界を鳴り響いた。
『ぬわぁぁ!! 何じゃらホイホイ!?』
音も久しく聞いて無い為に、大きな音により一層と驚く俺。 飛び起きては、その音源の場所に向かって走りだす。
すると、そこには…
『ぬうぅぅ…手荒な事だ。 次の宿主が決まったのか、新しい宿主の中に入ったらこれでは気が滅入ってしまいそうだ』
首は長く、翼があって、手足には爪が長く生え、口の中の歯は牙があり、体は偉く大きく、 そして俺が一番目を光らせたのは、綺麗に光る鱗の色…紅。 芸術には完成と不完成とあるが、これは…不完成。
まだ高みがあると言える程、今は綺麗に見えるだけで深さが無かった。 元々、俺に芸術系な心はあったのかは知らない。 だけど、これだけは言える。
『美しい…』
俺はドラゴンの目の前で、一言。 余りにも鱗に目が行ってしまったのか、肝心のドラゴンの事など眼中に入っていなかった。
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『はははははははははははっ! 今回の宿主は、面白い奴だ!』
盛大に笑うドラゴン。 それもその筈、人から恐れられる存在であるドラゴンが人と思われる黒い存在から褒められた事に心から笑っていた。
『そんなに可笑しいか? 褒めた事が…』
『いやいや、本当に不思議な奴だ。 二天龍である俺を美しいって言った奴は、お前が初めてだ。 はははははははははははっ! 』
腕を組みながら悩む黒い存在と、身体を横にして心底楽しそうに笑うドラゴンが一体ずつ白い世界にいた。
『二天龍? なんだそれ』
『お前は…いや、知らなくて当たり前か。 俺の名前はア・ドライグ・ゴッホ。 今は神器【セイグリッド・ギア】とやらに封印された龍よ。 遥か昔にな…』
『ほぅほぅ、あれでも何で封印されたんだ? ドライグとやらは、悪い事をしたのか? それとも…弱っちぃ?』
『!? 何を言う! 俺は二天龍であり世界では上位に位置する存在だ! 弱っちぃくなどない!!』
『じゃあ、なんで封印されたん? 強いならおかしく無い?』
『うぐぅ…』
黒い存在に言われた言葉に、手間取っているドラゴンの姿はシュールだった。 実際には、ドライグは同じ二天龍であるドラゴンとどうでも良い事で喧嘩をしてしまった所に封印された龍であった。 その事を言うには、ドライグには言い辛かった。
お世話とは感じない言葉を言ってきた黒い存在に、その事を言って幻滅されたく無かったドライグだった。
『まっ、いっか。 言いたく無い事なんて、誰にでもある事だし。 取り敢えずは言える事は、ドライグは強いドラゴンだって事はわかったし』
黒い存在は、軽く会話の流れを切ってその場に寝っ転がり始めた。 それを見たドライグは不思議そうに聞く。
『どうした、黒いの?』
『黒いのって…確かに黒いけど。 まぁ、ドライグがこの世界に来るまで何も無かったんだけど…今は何か包まれてる感じの温かみを満喫してる所』
『それは…黒いの。 お主、今自分の状況が…っ! そうか、今考えてみればおかしいな事だ。今までの保持者は誰もが、覚醒してから俺との会話が出来ていた。 しかし、目の前にいる黒いのは…』
突然ブツブツと独り言を言い始めるドライグを、見ながらも横になりながら黒い存在はぐて〜としていた。
『ドライグ〜、結局の所は俺の事が何か解ったの?』
『あぁ、今のお主は思念体。 そして、恐らく本体は今頃は人間の女の腹に孕んでいるな』
『はぁっ!?』
余りのドライグの言葉に、黒い存在は行き良く起き上がる。
『推測だが、俺自体が思念体。 俺の存在がセイグリッド・ギアみたいな物。 セイグリッド・ギアは、選ばれた者だけが使える武器みたいなもんだ。 そして、本来の俺の姿も見え会話出来るお前は思念体って言ってもおかしくは無い。 そして、今お主が感じている温かみは母の腹の中だろう』
『マジか…』
『本当にお主は珍しい宿主だ、産まれる前から俺と会話するなど前代未聞だぞ?』
『そう言えばドライグは、その何人かの保持者との交流はあったのか?』
『俺を保持する者達は多かったが、会話出来る奴は少なかった。 そして、会話できても俺に恐れる者ばかり…1人を除いて』
『へぇ〜、そんな奴いたんだ。 でも、ドライグも大変だったろ? 話せるのに話せないのは。 別にドライグ自体が保持者に悪い事をする訳では無いんだろう? それなのに、恐れられて話せないのは辛いもんだよ』
黒い存在は、取り敢えずは自分の状態が整理出来たのか再び寝っ転がっていた。 そして、ドライグは黒い存在を眺めていた。
(本当に不思議な奴だ、目の前にいる俺を怯えない人間は。 それに加えて、逆に心配するほど。 今回の宿主は…産まれた後が楽しみだ)
そんな事を考えていたドライグだったが、突然黒い存在は立ち上がる。
『そうだ、ドライグ』
『なんだ、黒いの?』
『ドライグの背中に乗せて欲しいんだ。 どうせ、産まれるまで此処にいる訳だからさ。 ドラゴンの背中に乗ってみたいんだ、お願い』
ドライグに向かって頭を下げる黒い存在。 それを見たドライグは、ふっと笑い片翼を黒い存在の前に置いた。
『構わんぞ、黒いの。 今後、長い付き合いになるのだ。 遠慮する事は無い』
『! うおおおぉぉぉっ!! ありがとうな、ドライグ! そして…よろしくな!』
そう言った黒い存在は、行き良いよくドライグの翼に乗っては背中にしがみ付いていた。
『俺、ドラゴンの背中にしがみ付いてる! やべぇっ、楽しい!!』
そんなはしゃぐ黒い存在を見ながら、微笑ましく眺めていたドライグだった。 その後は、色々と話したり喧嘩したり笑いあっていた1人と1体だった。
そして時は満ち、黒い存在は白い世界から抜け違う世界に産まれ落ちた。
『過保護かもしれんが、今回の宿主には…覇龍は使わせないぞ。絶対に』
彼が居なくなった白い世界で、ドライグは何かを決心したように呟いた。
どうも、ヨッピーです。
今回は、ハイスクールddです。
オリ主が一誠君に転生する前の話でした。
この先に色々とタグを増やしていくので。(´・Д・)」
後は、ドライグさんはオリ主に甘いですw
そんな世界でした!
では、サラダバー!ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( ̄◇ ̄)┘
ヨッピーは、不滅!