サーヴァント召喚の話には、本編のネタバレが乗っていることがあるので、本編…1日目以降を見てから読むことをお勧めします。
再開
「シロウ、貴方を愛している」
金色の髪を美しくなびかせる少女は、たった一つだけ、少年にそう言い残した。
これで最後だ。
溢れ出る感情を抑えながら、少年は力強く少女の顔を見た。
暁の空…黄金色の朝日で目が眩む。風が優しく吹き荒れる。
もうそこには、少女の姿はなかった。
あの美しさも…あの力強さも何もない…
戦場を駆ける一人の騎士の姿は、影も形もなく消えていた。
失ったものもある。しかし得られたものは大きい。
一人残された少年は、目を細めてこう呟いた。
「ああーー本当に、お前らしい」
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こうして彼の…衛宮士郎の戦いは終わった。
勝者はセイバー。
聖杯は破壊され、第5次聖杯戦争は幕を閉じた。
筈であった。
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聖杯戦争を終え、日常の生活に戻っていた士郎の身に、突如として異変が起こる。
広がっているのは、ただただ真っ白なだけの空間…
夢だろうか…それにしては意識がハッキリしている。
「ようこそ諸君。君達は聖杯によって選ばれ、“ここ”に召喚された」
辺りを見渡す士郎の耳に、ふとそんな声が響いた。
男の声だ。それもただの男ではない。
士郎は驚愕と共に、眉間に皺を寄せてその男を睨みつけた。
「言峰…綺礼ッ…‼︎」
何故生きている…⁉︎そんな事を考えるよりも早く、士郎の足は動いていた。
士郎が足を踏み鳴らしながら、言峰へと近づき、その手を伸ばす。
ーーがしかし、掴めない。
言峰の胸倉を掴もうとしたその手は、言峰の体をすり抜けた。
「えっ⁉︎」
再度腕を伸ばす士郎であったが、何度やっても掴めるのは空だけだ。
その上、目の前の言峰は此方に気づいた様子もない。
言峰の口から、令呪という言葉が出てきた。
士郎は即座に自分の右腕を見た。
「ーーッ⁉︎」
確かに刻まれていた。
あの夜と同じ…セイバーを召喚した際に刻まれたものと相違ない。
令呪…
7つのクラスに分けられた、14騎のサーヴァント…
聖杯…
万能の願望実現器…
生き残った者だけが使用できる…
聖杯戦争…
言峰の口から飛び出してくるのはどれもこれも、士郎には聞き覚えのある言葉ばかりだった。
そして視界は完全に、真っ白な空間から黒へと変わった。
その直後に、士郎の体は浮遊感に襲われる。
真っ暗で何も見えないが、どうやら何処かへ飛ばされているようだ。
「な…何だこれは…⁉︎」
士郎が自分自身の身に起こりつつあった異常を目にし、思わず声を出した。
体全体に何かの模様が浮かんでいた。これも士郎には見覚えのあるものだ。
魔術回路…士郎が魔術を行使する際に、何度かその目で目撃したことがある。
しかし今回は違う。何の魔術も使っていないどころか、魔力すら全く使っていない。にも関わらず、士郎の身体にはこれまでにない程に、魔術回路が濃くハッキリと浮かび上がっていた。
それだけではない。同時に、士郎の頭に衝撃が走った。
痛みではない。例えるならば…ものすごい量の情報を、注射器の様なもので直接脳の中に入れられてるような感覚だ。
聖杯について…
異世界の英霊…
マスターとは何か…
魔術…
令呪の使用法…
そしてたった今与えられた魔術回路について等…
言峰が口にしていた今宵の聖杯戦争に関する、ありとあらゆる情報が一気に流れ込んできた。
訳も分からぬまま、混乱する頭でそれらの情報を吸収していく士郎。
何もできない。出来る事はただ、流れに身をまかせる事だけだ。
そして暫くして…おそらく数時間は経過したであろう後、士郎は自分の体が地面に着いている事に気がついた。
「ーーここは…?」
ゆっくりと目を開いた士郎は、首を回してその場を見渡した。
何も特徴のない、殺風景なワンルームマンションに士郎はいた。
キッチンやトイレ、シャワー以外には、家具は机とたった今士郎が腰掛けているベットしかない。
窓はたった1つ。そこから見える景色は、士郎の住む冬木の街並みに何処か似ていた。
「⁉︎…あれは…」
辺りを見渡していた士郎の目が、絨毯1つ敷かれていない茶色いフローリングを見下ろしていた。
そこには魔法陣のようなものがでかでかと画かれている。それも、これまた士郎の見覚えあるものだ。
そう、これはあれにそっくりだ。
衛宮家の倉庫にもあった…セイバーと初めて出会った時のーー
瞬間、床に画かれた陣と、士郎の右手に刻まれた令呪が一斉に輝き始めた。
正にあの時と同じ現象だ。
光は治り…気がつけばそこには、眩いばかりの金色の髪を揺らした、一人の騎士が立っていた。
騎士は凛とした目で士郎に問う。
「問おう、貴方が私のマスターか?」
記憶が蘇る。
あの夜の…ランサーのサーヴァントに襲われ、死にそうになっていた時に見た。あの希望の光を…
暫しの沈黙が訪れた。
当然嬉しくは思っている。ほんの数ヶ月程前の別れではあったが、二度と会えないと思っていた相手だ。それも最も愛しいと思える相手だ。
しかし何か声をかけようとしても、喉の奥で突っかかってしまい、上手く言葉に出す事ができない。
それでも必死に言葉を振り絞り、零れ落ちそうになる感情を抑えて、ようやく口に出した。
「変わらないな…お前は」
「…そちらも、息災のようで何よりです」
セイバーの声を再度聞いたからか…いつの間にか、心の中で何かが切れたかのように、士郎は衝動的にセイバーを抱きしめていた。
「おかえり、セイバー」
「……えぇ、ただいま。シロウ」
力強く自分の体を抱きしめる士郎に対し、始めは困った顔で慌てていたセイバーだったが…
士郎の震える様な声を聞き、優しい笑みで返事を返した。
【作品】Fate
【CLASS】セイバー
【マスター】衛宮士郎
【真名】アルトリア・ペンドラゴン
【性別】女性
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力B 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運A 宝具A++
【保有スキル】
対魔力(A)
ランクA以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
乗馬(B)
幻獣・神獣ランクを除くすべての獣、乗り物を自在に操れる。
直感(A)
戦闘時に常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。
研ぎ澄まされた第六感はもはや未来予知に近い。
視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。
魔力放出(A)
武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。
いわば魔力によるジェット噴射。
少女の身で強靭な破壊力を持つのは、その魔力故である。
強力な加護のない通常の武器では一撃の下に破壊されるだろう。
カリスマ(B)
軍団を指揮する天性の才能。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。
【宝具】
『
ランク:C 種別:対人宝具
不可視の結界。敵に武器の間合いを把握させない。
幾重にも重なる空気の層が屈折率を変えることで覆った物を透明化させ、不可視の剣へと変える。
シンプルではあるが、白兵戦ではその効果を大いに発揮する。
『
ランク:A++ 種別:対城宝具
神霊レベルの魔術行使を可能とする光の剣。
人々の「こうであって欲しい」という想念が星の内部で結晶・精製された神造兵装であり、最強の幻想(ラスト・ファンタズム)。聖剣というカテゴリーの中において頂点に立つ宝具。
『詳細不明』
本編未登場の為、表記を控える。