白子と黒猫の誓い   作:ニルドアーニ四世

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新たな出会い

 

 

 

 

 

その後、クラスが振り分けられた。リオは学校側に圧力をかけて夜一と同じクラスになるようにしていたので同じクラスだった。すると一人ずつ自己紹介をしていた。

 

「儂は“四楓院家22代目当主”四楓院夜一じゃ。かといって貴族として振る舞う気はない故安心して欲しい。」

 

夜一がそう言うと少しざわついた。朝霧は二年前に病気で他界してから夜一が当主となった。あの頃は夜一は泣き叫んでいたが、リオがかつて朝霧から言われた言葉をかけると少しずつ立ち直った。

 

「堅苦しくない?趣味とか言わなくちゃ。」

 

座った夜一はリオにそう言われると「む?そういうものなのか?」と言いたげな顔をした。するとリオの順番が回ってきた。

 

「“藤堂家第24代目当主”藤堂リオだよ。よろしく〜。夜一と同じで権力とかに興味ないから仲良くしてね。」

 

リオは普段より少しテンションをあげて自己紹介をする。すると女子達のいい意味での悲鳴があがると夜一は少しムスッとしたがスルーした。自己紹介とはフランクにすべきなのか...と夜一は少しだけ見直したような顔をしていると再び口を開いた。

 

「趣味は夜一のストーカー(付き添い)で、趣味が似てるヤツは“ブチ殺す”(小声)から遠慮なく話しかけてくれ。」

 

リオは清々しいほどの笑顔を振る舞いて皆に手を振った。クラスの皆は一瞬“ストーカー”というワードが聞こえかけたが、気のせいだと思った。すると夜一は他の女子達より特別扱いされている事を示されたせいか、少し頬を赤らめた。

 

「これが正解だよ。周囲にはフランクな印象を植えつけつつ、己の敵を炙り出す斬新な手法。」

 

リオは満足げな顔をしているが、「だいたい同じ趣味のヤツがアホでなければ出てこぬじゃろ。」と言いたかったが、言ったら負けの気がしたので言わない事にした。

 

「アタシは浦原喜助。流魂街の出身っス。趣味は開発で最近は現世の盗聴器や監視カメラを性能を保ちつつ、小型化する研究をしてるっス。」

 

胡散臭そうな金髪で少しボサボサした頭の男が挨拶をした。そしてかなりの問題発言をしたようだったが、皆は冗談だと思った。いや、そう思いたかった。

 

「あいつは盗聴器や監視カメラとか一体何を言っておるのじゃ?のぅリオ...。リオ?」

 

軽く小馬鹿にするように喜助についての意見を聞こうとリオの方を見るとそこには空の椅子しかなかった。

 

「ちなみにそれは一つ幾らで売ってくれる?あと幾らでより性能のいいモノができる?」

 

リオの声が聞こえた方向を見ると喜助と二人で立ったまま話しあっていた。その様子は商談のようだった。

 

「アハハ。ざっと“一万文”くらいっス。いやぁ〜最近資金不足でしてねぇ。ご援助助かるっス。」

 

喜助は頭をポリポリ搔きながら、軽いノリで礼を言った。するとリオは“資金不足”という言葉を聞くと口を開いた。

 

「よし三万やろう。その代わり俺がスポンサーな。いい取引が...『グホッ』!」

 

夜一はリオの後頭部に白打を叩きこむと、夜一はぐったりしたリオの襟を掴んでズルズルと引きずりながら席へ戻って行った。そのまま落とすように席に乗せると席に座ろうとしながら質問をした。

 

「主は何をしておるんじゃ?」

 

夜一は机の前側に顔のみもたれかかっているリオを見た。だがその顔は鍛錬以外で稀に見る真剣な表情であった。

 

「浦原喜助か...。あいつは優秀だ。それに個人的にも気に入った。」

 

リオは先ほどのやり取りから喜助がただの変態でないという事を見抜いていた。そして夜一は感心したような声を漏らした。

 

「ほう...。珍しいのぅ...主が他人に興味を示すなど...。」

 

リオは幼少期の出来事から人を見る目と他人への警戒心が異常に強い。そしていつもリオの側にいた夜一もまたリオの影響でほんの少し人を見る目が良くなったと考えている

 

「あいつは俺からはなから資金を奪い取るつもりだったんだよ。いや、ちょっと語弊があるな。正確には注文の品を造るコストで浮いた金を他のモノに使う気だろう。」

 

先ほどのやり取りのみで導きだされたリオの考察に夜一は戸惑い、そして理解できなかった。

 

「は?なぜじゃ?」

 

夜一は素直にリオに尋ねた。考察力と思考力も己では敵わないと理解していたからだ。

 

「だいたい流魂街に盗聴器と監視カメラを開発する需要なんてあるか?それに趣味だとしても、その二つのアイテムを持ってなければ研究なんて不可能だろ?そもそも瀞霊廷にすら滅多に出回らない現世のアイテムが都合よく流魂街に落ちてて、都合よくアイツが持ってると思うか?」

 

尸魂界には現世のアイテムは滅多に出回らず、大変高価であるのだ。治安の良いとは言えない流魂街で研究などできるとは到底思えない。

 

「むぅ...確かに。」

 

夜一はリオの考察に納得したような声をあげた。

 

「おそらくあいつは俺が一番欲しがるであろうモノを“趣味として”提示したって事はそれを造れる技術があるって事だ。根拠は四大貴族の可能だと言った注文に応じなければタダでは済まないと思うのが普通だろ?」

 

つまり浦原喜助はリオから資金を得るためにワザと趣味が盗聴器と監視カメラの研究だと言ったと考えたのだ。

 

「ほぅ。じゃから主はそれを見抜いた上で開発ができるように金を多めに渡すと言ったのか...。主にとって欲しいのは金より技術というわけか...。」

 

四大貴族の当主であるならば、その程度の財産など軽く出せる。それより貴重な技術を得ようとする方が貴重で有意義だと考えるのが当然である。

 

「そういう事。向こうも俺の考えなんて見抜いてるよ。まぁ実際監視カメラとか盗聴器なんて要らない。でもアイツに専門外のモノを“0”から産み出す技術があるなら、金は幾らでもかける価値はある。しくじればもう近づかねぇよ。」

 

 

 




喜助と夜一の出会いや出身などは原作で明記されてなかったので、自分なりにねじ込みました。
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