白子と黒猫の誓い   作:ニルドアーニ四世

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リオの“愛”

 

 

 

 

 

 

 

 

喜助は8日間後、監視カメラと盗聴器を用意した。両方とも一センチ程の大きさで付属の本体に転送される仕組みのモノとかなりの精度のモノでリオは大層気に入った。やがて夜一も喜助を気に入った。常に3人で行動するのが当たり前になった。リオが喜助にへんなモノを造らせて夜一に殴られるという謎のルーティーンができた。

 

そして勉強も戦闘も学年トップのリオが勉強のできない夜一と戦闘ができない喜助をフォローしながら3人は学校生活を送って行った

 

 

 

 

 

 

 

<道場>

 

 

 

「それでは諸君らに“浅打”と会話をしてもらう。」

 

浅打は院生の時に一時的に貸し出される無銘の斬魄刀であり、入隊と同時に授与される。そして死神は浅打と練磨を重ねる事に己の魂や霊力にやって己だけの斬魄刀ができる。

 

そして力の低い死神は斬魄刀の本体と意思を疎通を行えない。そして意思の疎通ができ、力を解放する始解を習得する事が可能になる

 

 

 

リオは例外として父親の斬魄刀を受け継いだため、浅打は与えられていない。一般的な方法は座禅を組み、浅打を膝の上で精神を整えるのが一般的である。

 

 

「それでは始めッ!」

 

すると一斉に道場の床の上で禅を組み、各々の浅打を膝の上へ置いた。リオはとっくに意思の疎通はできているが、より強く“蓮華雹泉”の力を引き出すためにはした方がいいのだ

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

リオは精神世界にいた。巨大な美しい透き通るような泉の上に大きな蓮の葉の上に美しく立派な氷の屋敷がある。屋敷に近づくと扉がギィッと開いた。すると開いた先に品のいい青色に白い模様が散りばめられた着物、そして漆黒の如く色の美しき髪、そして氷で造られた蓮の花を髪飾りをつけている。そしてサファイアのような瞳でリオを見ると妖艶に微笑んだ。

 

「久しいの。最近は女子(おなご)共を誑かしたり、黒猫を揶揄うのに夢中だったからからかの...。まぁ中に入るがよい。」

 

背を向けて付いて来るように言うとリオは口を開き、そのまま屋敷の中に入ろうとした。

 

「フフッ。確かにそれは否定はできないな。それでは入らせて頂くよ。」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

<屋敷の中>

 

 

 

「貴殿は何がしたいんじゃ?愛しておるのはあの黒猫のみじゃろ?そして黒猫もまた貴殿を愛しておる。何故他の女子を食らうのじゃ?妾からしてみれば子供が自分の気持ちを素直にできぬ様にしか見えぬ。」

 

氷の机を挟んで椅子に座った二人は会話をしていた。そして“蓮華雹泉”はリオに疑問をぶつけた。

 

「君には見透かされてるね。俺にとって“愛”てのは求めるモノじゃなくて、与えるモノだと理解したからだよ。」

 

リオは正直に包み隠さずに答えた。そしてこの答えこそが己の愛であると確信していた。

 

「ほぅ」

 

リオの哲学めいた返答に興味深そうな声を漏らした。常人には導け出せぬ世の理を見抜くのが得意なリオの思想を蓮華雹泉はかなり気に入っているのだ。

 

「“自分が幸せにする”じゃなくて“好きな人が幸せになるようにする”。これが『本物の愛』だよ。もちろん“愛する人(夜一)”が「俺で」又は「俺と」なら幸せになれると思うのならそれでいい...。でもさほとんど俺や喜助の二人の男ぐらいしか知らない夜一じゃその判断はまだまだ不十分だと思うんだよね。だから俺は夜一の気持ちを知りながらも拒まないといけないし、その判断ができるようになるまで待たなくちゃいけない。夜一も分かってるよ。だってあんなにバレバレなのに一度だって俺の事を好きだって言った事ないもの。」

 

リオは蓮華雹泉の目を見つめながら、笑みを浮かべ、夜一への愛を語った。そして蓮華雹泉は静かに主の気持ちを理解した。

 

 

(確かにその通りじゃな。妾としては夜一とくっつくのが理想だと考えるがの...)

 

 

「ふむ。ならば妾がこれ以上聞くのは無粋だろうな。好奇心とはいえ浅はかな問いを立てたのは謝罪しよう。」

 

蓮華雹泉は己の非礼を詫びた。だがリオは笑いながら口を開いた。

 

「構わないよ。俺だってたまにはグチぐらい溢したい。これからもよろしく頼むよ。“蓮華雹泉”。」

 

リオはそろそろ精神世界から出ようと立ちあがった。そしてこれからも相棒として自分についてくるように頼んだ。

 

「貴殿は妾の主人じゃろう...。そんな事言う必要など微塵も無い。貴殿が力を振るいたいと思いし時、妾は持てる力の全てを貴殿に預けよう。」

 

リオは「ありがとう」というと、精神を見出し、現実へ戻った。目を開くと夜一や喜助は未だに意思の疎通ができなかったのか、リオを見ていた。周囲の学生達も誰一人成功者はいないようだった。

 

 

 

 

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