霊術院へ入学して数ヶ月...。リオ達は魂葬実習へ言っており、引率の上級生二人が付添いで生徒達の実習を見守っていた。そして数匹の最下級虚の群れが現れ、皆に襲いかかった。
「クソッ!この硬さでこいつらが“
学生の一人が10番代の鬼道を放ちながら叫んだ。炎が虚に命中し、しばらくして煙が晴れると傷一つついていない。そのまま逃げようとすると庇うように少し上の年代と思われる細身で長い白髪の男と黒髪の男がが前に飛び出した。
「そろそろ下がってくれ。ここからは私達が請け負う。“破道の63”雷咆炮ッ!」
白髪の男が指を突き出し、鬼道を唱えると指から眩い大きな雷が放出され、虚の一体を貫いた。そしてゆっくりと倒れるのを見て生徒達は歓声を上げた。
「おォォォッッッ!」
上級生の勇姿を目の前で見れた事を喚起し、自分らも優秀な死神へなるべく鍛錬に励もうと考える者が多くいた。だがそれは夜一の声に遮られた。
「よしリオッ!次は成功させよ。」
学生達から少し離れた所にいつもの3人組が五匹の虚からの攻撃をゆうゆうと躱していた。この3人は優秀であるため、個別に動く事を許されているのだ。
「うぃ〜。“破道の90”黒棺。」
手のひらに小さな五つの黒い光が現れると、五匹の虚を覆えるギリギリの大きさの五つの黒い箱が現れ、それぞれを閉じ込めた。そして一瞬で箱が割れると身体に大量の傷の入った虚が見え、静かに倒れた。
「お〜感服っス。90番代の鬼道の威力を分散して他方位に分けるなんてやっぱり天才っスね〜。」
喜助が笑いながらリオを褒めた。扱いの難しい90番代の鬼道を威力を保ちつつ、分けたのだ。ただかなり威力はかなり低いようだ。
「何を今更...。むしろ四度目でやっと成功させたんじゃぞ。本物なら一度で決めておるわ。」
夜一は呆れたような顔をしてリオと喜助を見た。そして天才過ぎる幼馴染にしては時間がかかったと言いたげな口調だった。
「ひでぇな夜一。陰口になってねぇよ。まぁ事実だね。鬼道の分離操作は成功したけど威力は死ぬ程落ちてる...。これも失敗。まだまだ俺は未熟だね。」
リオはそして手の平を突き出して、倒れている五体の虚に狙いをすませた。
「だけどもうこっちは極めてるんだよね。“破道の88”飛龍撃賊震天雷砲。」
リオがそう唱えると手の平に巨大な雷がビリビリと轟き、稲妻の咆哮が虚の残骸を一撃で消し去った。
「やっぱ90番代は難しい。まぁ時間の問題かな...。」
リオはそうつぶやくと、少し離れた場所にいた引率の上級生の二人が会話をしていた。
「流石は四大貴族の当主ってとこだね。ねぇ浮竹...。」
黒髪の上級生が浮竹と呼んだ白髪の青年にリオの鬼道の才能を褒めていた。その様子はどこか思慮深さを感じた。
「そうだな京楽。俺達じゃ敵うレベルじゃない。」
浮竹は京楽ではリオには敵わないと潔く認めた。すると京楽が何を思ったのか3人の元へ走っていった。
「ちょっくら行ってくるよ。」
京楽は浮竹にそう言うと京楽は夜一の目の前に移動し、夜一に顔を近づけた。
「ねぇ君ィ〜。可愛いね。今度さ茶屋でもどうかな?」
ニコニコしながら、夜一をナンパした。リオは少しピクッと反応したが、夜一の判断に任せた。
「ぬぉ?なんじゃお前は...。気持ち悪い。」
夜一は顔を引きつり、後退りをした。生理的に無理なようだ。すると京楽はニコニコしながら夜一に詰め寄った。
「ひどいな〜。僕は女の...ムグッ!」
京楽は突然、自分の口が塞がれた。そしてそのまま顎に激痛が走ると身体が浮いた。するとリオが自分の顎を掴み、右手一本で自分の身体を支えてると理解した。
「嫌がってんだろ...。顎つぶされたくねぇなら夜一にもう近づくな...。」
リオは殺気のこめられた目で京楽を睨みつけると京楽は冷汗をかいて顔を青ざめさせた。
「リオ...。」
夜一は自分を庇ってくれたのだと理解し、両手で赤く染まった頬を隠すように塞いでつぶやいた。それに対して京楽はリオの腕を軽くペシペシと叩きながら降参を示した。だがリオは一向に手を緩めない。
「むむほッ(わかった)!むむほッ(わかった)!」
京楽は慌てて同意するとリオは手の力を緩め解放させると、涙目になった京楽はリオの手形で青くなった自分の顎をスリスリしながら、浮竹の元へ走って逃げ帰った。
「お二人ともわかりやすいっスね。」
喜助は二人の様子を見てつぶやいた。そして護廷十三隊でリオに再会した時、京楽はこの時のトラウマで涙目になったとかならないとか