「俺の蓮華雹泉は全ての穢れを祓う...。半分に削がれたとはいえ、あんたの汚れ程度の黒なんて祓えない道理はないよね...。」
リオは妖艶な笑みを浮かべて和尚を見た。リオは身体を蓮華雹泉の極薄い氷で覆ったのだ。そして黒く塗られた氷を内側から破壊しただけである。
「ってか、さっきのやべぇな。気に入ったわ“裏破道3の道” 鉄風殺ッ!」
リオが右手を振るうと和尚と同等以上の大きさと勢いの風龍が和尚を襲いかかった。すると和尚は素早く右に移動しようとしたが、傷が痛みコンマ1秒遅れ、和尚の左側の脇腹を抉った。和尚はしゃがんだまま左手で出血を抑えようと脇腹を抑え、右手で抑えているが“一文字”を床へ置いている。
「とんでもない小僧じゃの...。」
(わしの真打の能力を探るためにワザと動かなかった...。それよりも警戒すべきはこやつの才能...。わしの知る限り奴程の才能を持つものは見た事がない...。迂闊にわしの技が使えなくなったわい...。だがこちらも早く終わらせねば王悦達がのぅ...。)
「あんたの方こそ、とんでもない和尚だよ。僧侶にしては血の気あり過ぎでしょ。」
リオは軽く言い返すと和尚は確かに的を射ていると思った。どっちもどっちなのだと...
「儂の黒はとことん主と相性が悪いようじゃな。白と黒、そして汚すモノと祓うモノ。」
「言えてる...そろそろ終わりにしようか...。俺は裸をおっさんに見られる趣味はないんでね...。」
「儂も見る趣味はないわい。儂の出血死も主の霊圧が尽きるのも時間の問題じゃ。早う終いにしよう。」
和尚はどうせジリ貧でこちらが敗れると理解していたため提案をした。だがリオは不満そうな声をあげた。
「出血と霊圧を一緒にするなよ。ってか今のあんたじゃ、俺に霊圧を尽かせるのは無理だよ...
“東の太刀” 慈雨流源...。」
リオは己を心臓辺りを刺した。すると一滴の血も流れず、リオにも痛みは感じないようだ。すると裏破道でついた傷がシューッと音を立てて癒えた。すると使用した霊圧がグングンと回復していった。そしてリオが刀を引き抜くと身体に空いた穴もすぐに塞がった。よく見ると体力をも完全に回復したようだった。
「...ッ!そんな能力は記録に載っておらんぞッ!」
(諒影のヤツは東の太刀の効果をただの傷を癒すだけ回復能力だと偽っておったのか⁉︎)
「流石は父上だね...。蓮華雹泉の穢れって言うのは穢らわしいモノだけじゃあない...。それは蓮華雹泉にとって美しくないモノ全てが穢れだよ。傷や生半可な霊圧、無くなりかけた体力は美しいかな?もうわかるだろ?」
...東の太刀は傷だけでなく、霊圧、体力をも回復させる癒しの剣だ...
リオは麒麟児から一度だけ見てモノにした歩法を使い、和尚の正面から再び斬り裂いた。すると和尚の急所を確実に息絶えた。リオは倒れている零番隊を見下すように見るが、すぐに真顔に戻り呟いた。
「“兵主部 一兵衛”。」
リオは和尚の名前を呼んだ。すると和尚の身体の傷が一瞬で癒えた。すると和尚は上半身を持ちあげてリオをみた。
「なぜわしを生き返らせた?」
和尚の一文字による能力の一つに一文字の所有者である和尚を蘇らせる力がある。これは己と同等クラスの霊力がないと意味がないが名前を呼んだ人の霊力を少し和尚に分け与える事により叶う芸当である。
「敵じゃないあんたらの命はどうでもいいんだよね...。早く転がってる連中を天示郎の温泉に連れてってあげなよ。」
倒れている3人の内の一人のリーゼントの髪をしている男...。回復鬼道を造った“泉湯鬼”
麒麟児天示郎を見た。彼は温泉を使った回復術を得意としている。リオとは余りウマが合わなかったが、仲が悪いというわけでもなかった。
「うむ。恩にきる。」
和尚は倒れている三人を担いで天示郎の温泉へ走って向かった。和尚の背中が見えなくなるとリオは呟いた。
「ふぅ...。俺の卍解の能力がバレてたら普通に負けてたね。まぁ結構楽しめたし、良い肩慣らしになった。」
(凍泉の太刀には攻撃の型は一つしかないから、本来は戦闘向きじゃないんだよね...。いや〜父上の慎重な性格に感謝だね。)
さてと... 尸魂界を滅ぼしますか...
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