白子と黒猫の誓い   作:ニルドアーニ四世

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評価をしてくださった方々...。本当にありがとうございます!

まさなの赤バーまで行きました。色々投稿してきて初の赤なのでちょっとテンションがあがってます。


<番外編> リオ風昔話

数年前

 

 

 

〜現世(明治時代)〜

 

 

 

 

「ふむ...。休養とはいえ何をしていいかわからん。服も土産も買ったしの。」

 

リオと夜一は現世へ遊びに来ていた。現世へは霊圧を制限するなどの制限や事前の許可が必要なため、軽々は向かえないのだ。

 

「そうだね。とりあえず食事か甘い物でも食べる?何食べたい?」

 

服や土産は買ったためやる事がなくなったのだ。現世の情報は少ないため何をしていいかわからないが現世の料理が尸魂界へ持ち込まれるものだ。

 

「むぅ...大福じゃな。尸魂界のとどちらが美味かを確かめる良い機会じゃ。」

 

 

(現世(こっち)が美味かったらサボって現世へ通いそうだね。)

 

 

「まぁ美味い大福何てどこにあるかわかんにいし、聞くか...。ん?何か目立ってね?」

 

リオはアルビノ故の純白の肌から目立つのだ。そしてこの国では白い髪ですら好奇の視線をぶつけられる事が多いのだ。そしてリオが適当な女性を捕まえ話しかけて老舗の和菓子屋を紹介され、そこへ向かった。

 

 

***

 

 

 

 

〜和菓子屋〜

 

 

 

 

 

「ムホッ...何じゃこの味はッ!餡子の粒子という粒子が儂の舌を挑発しておるわッ!」

 

夜一は意味不明な感想を述べるとご機嫌そうにムフーという疑問が聞こえる様な感じで食べ始めた。

 

「何その表現...。」

 

リオは夜一のご機嫌な様子を見て微笑ましく思ったが、一応ツッコミを入れた。

 

「これはまた来ぬといかんな...。」

 

 

(また現世へ⇨認められない⇨命令無視⇨夜一脱走⇨寂しい⇨死...。)

 

 

「...。」

 

リオは一瞬でロジックを立てると側でリオの容姿に見惚れていた若い女性の店員に声をかけた。

 

「ねぇ店員さん。これのレシピくれない?」

 

すると女性の店員は慌てていた。まさか話しかけてくれるとは思わなかったのだ。すると頬を赤く染め、わなわなと震えだした。

 

「こっ...これは秘伝のレシピなので少し難しいかと...。申し訳ありません!」

 

店長からそう答えるように言われているのだろうが、女性の扱いを知り尽くしているリオは押せばイケると判断した。

 

「くれないの...。だったら今夜にでも俺に教えてくれないかな?もちろん手取り足取りね。まぁ立場が逆転するかもだけどね。」

 

リオは立ち上がり、女性店員の頬へ手を添えると色気のある瞳で見透かすように目で訴えかけた。

 

「そっ、そっ、それはどういう意味で⁉︎」

 

女性はこの手の男に慣れていないのか慌て始めた。そしてリオはその様子を見て楽しそうな顔をすると後ろから拳がリオへ向けて放たれた。

 

「そのまんまの意味だよ。君が『グホッ!』

 

夜一は思いっきりリオを殴るとグッタリしたリオの後ろ襟を掴んで引きずって店を出ようとした。

 

「済まんの...良き大福じゃった。ほれ!総隊長殿に書物でも買いにゆくぞ。」

 

 

 

 

***

 

 

 

本屋

 

 

 

 

「選びきれんの...。」

 

リオと夜一は本屋で総隊長に買う本を探していたが、普段どのような書物を読むかわからない以上どの本を選んでいいかわからないのだ。

 

「総隊長にはこれでいんじゃね?」

 

リオは手にした本を夜一に見せた。

 

 

***

 

 

 

『うさぎとかめ』

 

 

出版 こどもぶんこ

 

 

 

***

 

 

 

 

「適当に選ぶでない。じゃが懐かしいの...。お主が四宝院家に来る前に父上は絵本を土産としてよく儂と夕四郎にくれたのだ。」

 

リオは懐かしそうな顔をした。それに対してリオは父親に欲しいモノがあると言えば何でも買ってくれただろうが、当時から物欲がなかったため、おねだりをする事はなかった。

 

「へぇ...。」

 

リオはペラペラとめくって絵本を読み始めた。夜一は絵本の似合わぬ男はそうはいまいと考えたが何も言わなかった。

 

 

 

 

***

 

 

 

3分後

 

 

 

「どうじゃ?結局は慢心を持たず努力をするもの勝つというモノじゃったろ?」

 

夜一は絵本を読み終わったリオに感想を求めた。案外懐かしい事を話すのは楽しいし、盛り上がるのだ。

 

「分かってないな。当たり前だけどウサギが本気になればカメなんて相手にならないよね。それにウサギがカメが横切る前に起きるか、カメに追いつける範囲を逆算してセットした目覚まし時計で持ってりゃ大丈夫だったよね?」

 

「は?」

 

夜一はリオの予想外の感想を聞いて頭が真っ白になった。確かに冷静に考えてみればそうだ。仮に一度挫折を味わった天才なら二度と手を抜かぬ事を覚えるだろう。

 

「世の中ってそういうもんだよ。才能ある奴が本気で物事に取り組んだら、凡人やそれ以下の連中はいくら努力しても構わない。そして“ウサギ(天才)”は幾らサボっても最低限の努力で“カメ(凡人以下)”の力量を遥かに凌駕する。」

 

リオは淡々と感想を述べた。つまりこの本は天才に勝てる時は油断した時だけで、本気を出したら凡人以下は勝てないという現実を教えさせる絵本なのだと再認識させた。

 

「儂の思い出を汚すな。」

 

だが純粋な気持ちをリオに踏みにじられた夜一は静かにつぶやいた。

 

「余談だけど、もし俺がカメだったら初めからバレないようにタクシー使うよ。だってまともにやったら勝ち目ねぇもん。」

 

凡人以下が天才に勝つには卑怯な手を使うしかないと意味の言葉を言った。

 

「お主は子育てには向いておらぬな...。子供の夢を壊しまくる様子が思い浮かぶわ。」

 

夜一はリオとの家庭を想像した。そして妻役は誰でも良かったのに自然と自分に担わせたという事を夜一は気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

<〜夜一’s妄想〜>

 

 

 

 

食事を終えたほのぼのとした家庭でエプロンをしている夜一は食器の洗い物をしていた。リオがテーブルの片付けを終えるとズボンの裾を引っ張られた。

 

「ねぇお父さん...。この絵本読んで!」

 

黒髪で色の白い5歳ほど美少年が子供が真新しい本を持っている。どうやら初めて読む本であるようだった。

 

「うぃ〜。」

 

リオは軽く了承するとあぐらをかき、自分の膝の上に息子を乗せると絵本の一枚目をめくった

 

 

 

 

 

***

 

 

 

“桃太郎”

 

 

 

むかしむかし...ある時おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに...

 

...おばあさんは桃を包丁で切ると中から赤ん坊が現れ産声をあげました。

 

 

***

 

 

「ねぇ何で赤ちゃんは斬られなかったの?」

 

息子は上目遣いをした瞳をキラキラさせてリオに尋ねるとリオは微笑んで疑問で返した。

 

「お前はどう思う?」

 

リオは息子にそう尋ねると息子は顎に手を置いて考えた。そしてその答えを言った。

 

「う〜ん...。桃の中で避けたのかな?おばあさんはお年寄りだったから包丁の刃に避けられただろうしね。」

 

リオの息子だから頭が同年代の子供と比べていいのか、比較的簡単にスラスラと答えた。するとリオは満足そうな顔をして答えた。

 

「目の付け所はいいが甘いな...。俺はおばあさんが桃の周りのみを切ったのだ。生まれたばかりの赤ん坊は動けないし、見えねぇよ...。

 

俺としてはおばあさんは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“老いた凄腕の剣豪”だと思う。」

 

リオのぶっ飛んだ思考に夜一は洗っていた皿を台所に落とすと声をあげた。

 

「お主はなんでそうなるんじゃ⁉︎」

 

その言葉を聞くとリオは上半身を捻って夜一の方へ顔を向けた。

 

「夜一もまだまだだね。だっておばあさんは一人で洗濯をしていたんだろ?ってことは一人で赤ん坊の入った巨大な桃を持って帰れる程の力を持っていた。先の赤ん坊が避けられない事からおばあさんは赤ん坊を避けて切ったのだ。つまりおばあさんは赤ん坊の気配を察知しているということ。即ちこれらの技術からおばあさんは凄腕の剣士であると推察できる。」

 

リオが持ち前の思考力を発揮して答えると息子は目をキラキラさせて納得した。

 

「本当だ!おばあさんは剣の使い手だったんだね!お父さん続き!続きを読んで!」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

〜赤ちゃんを桃太郎と名付けて我が子のように育てました。そして立派な青年となった桃太郎は悪いことをする鬼の住む鬼ヶ島へ向かいました。そして鬼を見事退治すると宝の山を持ち帰り、桃太郎はおじいさんとおばあさんと一緒に幸せに暮らしましたとさ〜

 

 

 

***

 

 

 

「ねぇお父さん!どうして桃太郎は鬼から奪った宝の山をどうしてみんなに配らなかったの?どうして独り占めをしたの?」

 

息子は純真無垢に年不相応の疑問をリオにぶつけるとリオは驚いたような顔をしたが、すぐに答えた。

 

「鋭いな...。それはおばあさんが力だけでは幸せになれないと知ったからだ。おばあさんは剣豪を引退し、隠居生活に身を置いていたおばあさんは年老いた身体を駆使し、自ら働かなければならないほど貧しかった。」

 

おじいさんの芝刈りとはおそらく売る為に切ったのだろう。つまり生活費を稼がねばならぬ程貯金が底をついていたと考えられる。

 

「もしかしたらおばあさんが桃太郎に指示をしたの?自分で稽古をつけて?」

 

息子はついにリオの考える正解に辿り着いた。するとリオは息子の頭を優しく撫でて解説と補足をした。

 

「その通り...。おばあさんは剣豪として名を馳せたであろう。だが年老いたことにより狼藉を働く程の力を持つ鬼には勝てぬと悟っていたのだ。だから若き桃太郎を鍛え上げ鬼を退治させた。桃の中の赤子の底知れぬ才を当時から感じていたのかもしれん。」

 

確かに桃の中に赤ん坊の気配を察知していたおばあさんなら可能かもしれない。

 

「へぇ...。じゃこの絵本が子供に刷り込みたい事ってこの世は利用する者とされる者っていうことなんだね!」

 

息子はリオの頭脳を少し拗らせた発言をしたが、必ずしも間違っていなかった。

 

「そうだ。いいか?この世はありとあらゆる力により人としての優位性が導かれる。“権力”、“財力”、“戦闘力”、“思考力”、“考察力”、“身体能力”まだまだ存在するが、これらの無数の力をより多く持つ者が皆を利用する立場になりやすい。お前には既に五大貴族としての“権力”、“財力”は手にしたと言っていい。だが他の力はまだ未熟だ。鍛錬に励むぞ...。」

 

「うん!」

 

 

 

***

 

 

 

「...儂は一体何を考えておるんじゃ‼︎‼︎」

 

静寂な本屋に包まれた空気を夜一は盛大に破壊した。そして夜一はリオの唖然とした顔が恐ろしく新鮮であった。

 

 

 




リオ風の昔話の解釈ですが、どうですか?ちょっとどう感じられるかわからないので寒いわとか別にいんじゃね?とかいう感想下さい。
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