ハイスクール・フリート Freedom   作:水甲

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晴風に明石と間宮が接舷し、平賀監査官と共に買い出しメンバーが晴風に合流したのだった。

 

「えっと、こちらは海上安全整備局情報調査隊の平賀二等監察官」

 

「本当に申し訳ありませんでした!」

 

今回のしまさんの騒動について謝るましろさん。監査官はそれを笑って許すのであった。

 

「あの……情報調査隊って、」

 

「あなたのお姉さん、宗谷真霜一等監察官の率いる部署であってるわ。私がここに来たのも宗谷監察官の指示よ。先行していた明石と間宮と合流して晴風に接触して真偽を確かめよってね」

 

平賀監査官が説明している中、明石艦長の杉本珊瑚と間宮艦長の藤田優衣が並んだ。

 

「しろちゃんのお姉ちゃんって、ブルーマーメイドだったんだ」

 

ミケちゃんは驚いているけど、ましろさんは何だか浮かない顔をしていた。

 

「……我々情報調査隊は晴風が主体的に離反した可能性は低いと見ています。ですが海上安全整備局ではそれに懐疑的であり、晴風の乗員を疑問視する声が多数派なのが現状よ」

 

「そのために如月とともに行動しているという事実を確認したかったんですね」

 

楓やキリからあらかたの事情は聞いている。だからこそ今回ミケちゃんたちが無事に戻ってこれたのも納得できる

 

「貴方は……」

 

「如月艦長の如月ゆきです」

 

私の名前を聞いた瞬間、監査官は何かに気が付いたのか、震える声で訊ねてきた。

 

「まさか、私達の汚点と言われたあの事故の行方不明者……」

 

「はい、あの事故の後、私はブラックホエールに助けられました。そして今はあの如月の艦長です」

 

私は北上の修理を受けている如月を見た。

 

「あの第四部隊の工作艦。流石はブラックホエールというべき改造だったわね」

 

平賀監査官、買い出しメンバーは北上に乗ってここまで来てくれた。

 

オーシャンモール近くにいたのは狐さんが連絡を入れ、何かあった場合でも直ぐに対応できるようにと来てもらったみたいだ。

 

「何だか楓とキリが少し迷惑をかけたみたいですね。申し訳ありません」

 

「いえ、彼女たちの行動は迷惑だと思っていません。むしろ彼女たちを褒めてあげて下さい。如月艦長」

 

「はい、それとしまさん……立石志摩さんの件ですが、あの時の彼女は明石、間宮に囲まれた事による錯乱からああいった行動に出たんじゃないと思います」

 

あの時のしまさんはまるで何かに操られているように見えた。

 

そういえばしまさんを助けた時、彼女のポケットからあの時のネズミがいた。

 

あのネズミは今は美波さんが保護してるみたいだけど、後で大艦長に報告を入れたほうがいいよね。

 

私の思い過ごしならいいんだけど……

 

「分かりました。貴方の意見を聞いた上で聴取を行います」

 

監査官は離れようとしたが、すぐに立ち止まり私の方を見て、頭を下げながら言った。

 

「如月ゆきさん。ブルーマーメイドの代表として謝罪をさせて下さい。あの事故で我々が間に合っていたらきっと貴方の家族……あの船の乗員を助け出せたはずなのに……」

 

「いえ、謝らないで下さい」

 

監査官の謝罪を遮った私は更にこう告げた。

 

「ブルーマーメイドが間に合っていたとしても、もっと被害が大きかったと思います。もしかしたらブルーマーメイドにも何人か犠牲者が出ていたかもしれません」

 

ずっと言いたかった言葉を言える気がする。だってあの事件が汚点だと言われ続けるのはおかしい事だってわかる。

 

「こうして私は生きています。それにブルーマーメイドはあの悲劇を繰り返さないようにしてくれています」

 

私は笑顔であの言葉を告げた。

 

「あなた達ブルーマーメイドが私の憧れだということは変わりません。だから、もう謝らないで下さい」

 

監査官は頭を上げた。その目には涙が流れていた。

 

「……そうね。謝るべきじゃなかった。生きていてくれてありがとう」

 

「はい!!」

 

心からの笑顔で私は返事をするのであった。

 

 

 

 

 

「前にゆき艦長が言っていたブルーマーメイドに言いたかった事って、この事だったんですね」

 

「う、うん」

 

「どうかしたんですか?艦長」

 

「シロちゃん、何だかね。ゆきちゃんのあの笑顔を見るの久しぶりな気がするの」

 

「あの笑顔って……いつも私達に見せている笑顔と変わらないような気がしますけど」

 

「私の気のせいだったらいいんだけど、ゆきちゃんと再会してから見せてくれた笑顔って、何だか笑顔じゃないというか……なんて言えばいいのかな?」

 

「何か不自然な感じがするということですか?」

 

「う~ん、不自然なのかな?ごめんね。変なこと言って」

 

「いえ」

 

でもゆきちゃんと再会してから、私は何故かゆきちゃんに対して何か違和感を感じている。

 

買い出しに行くとき、楓ちゃんが呟いていた言葉

 

『岬さん、ゆきちゃんのことおねがいしますね』

 

あれってどういうことなんだろうか。

 

 

 

監査官と話を終え、ミケちゃんたちの方を見ると何故かミケちゃんは浮かない顔をしていた。

 

「どうしたの?」

 

「ううん、なんでもないよ」

 

何だか気になるけどあんまりしつこく聞かないほうがいいよね。

 

すると北上から白髪の少女が降りてきた。

 

「ゆき、如月の修理はもう少しで終わる。補給も済ましておく」

 

「ありがとう。夕」

 

「ん、頼まれたから」

 

「ゆき艦長、そちらの小さな少女は一体?」

 

「しろちゃん、この人は北上の艦長さんだよ。それも私達より2つ年上の」

 

ミケちゃんからそれを聞き、直ぐに謝るましろさん。夕は気にせず話した。

 

「気にしなくていい晴風副長。よく言われる」

 

「夕はブラックホエールの整備員の中で一番偉い人で、ブラックホエールの改造艦の設計をしたり、切り札も考えてくれてる」

 

「思いついたものを艦に活かせるように考えるのは疲れるけど、結構楽しい」

 

「今回は修理と補給だけ?」

 

「修理とウォーターカッターの調整。あれは雨が思いついて開発したもの。もう少し扱いやすく出来るようにしてる。雨は技術や発想は私よりいいけど、一発限りの武装しか作らない」

 

夕は眠そうな顔で晴風を見つめた。

 

「修理と調整は他の皆に任せてある。私は明石の艦長とともに晴風の整備を手伝う」

 

「うん、ちゃんと杉本艦長に了解を得てからね」

 

「解ってる」

 

夕はそのまま杉本艦長のところに行くのであった。

 

私は例のネズミの写真を撮らしてもらい、大艦長に資料を送らないと……

 

あと気になることが一つ、武蔵が行方不明だということだ。一体どこにいるのだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で原作四話終了です。次回は武蔵との遭遇戦の話をやります。

武蔵との遭遇戦後はまたオリジナルの話になります
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