明石から修理を受けている晴風と北上からの修理を受ける如月。
そんな中、麻侖さんから赤道祭をやろうと話が出たらしく、私達はその準備に追われている頃、
ブラックホエール大艦長安奈は一人、ある慰霊碑の前に来ていた
「あの事故から9年。あなた方の娘さんはもうしっかりしてきています」
そう呟いているとそこにもえとまいの二人がやってきた。
二人の手には花束があった。
「なんだい、あんたらも来てたのかい」
「第五部隊出航前に行こうと思っていましたから」
もえがそう言いながら、花束を慰霊碑の前に置くのであった。
「……ここに来るのは初めて」
「まいはそうだったね。この慰霊碑はゆきが乗っていた客船事故の慰霊碑さ」
慰霊碑にはゆきの名前も書かれていた。
「そのうちゆきの名前を消すらしいけどね」
「ゆきは変われたの?」
まいはあの一件の後、ゆきのある問題について姉であるもえから聞いていた。
安奈はそれを聞くと、安心した表情をしていた。
「波奈から連絡があってね。少しずつだけど変わっていってるってさ」
「大艦長の心配事が一つ減りましたね」
「そうだね。長かったけどね」
「はい」
安奈ともえの二人がそう言う中、まいは端末である情報を目にした。
「大艦長、部下からの連絡だとブルーマーメイドは、感染した艦の救出作戦『パーシアス作戦』をやるみたい」
「その作戦に晴風と如月は参加するわね」
もえもまた送られた情報を見ながらそう言うと、安奈はある事を考えていた。
「残っている行方不明の艦はなんだい?」
「えっとですね。涼風、天津風、磯風、時津風です。そして武蔵」
「………どうにも嫌な予感がするね」
「嫌な予感ですか?」
「残っている感染艦は時期にブルマーが何とかしてくれそうだけどね。それでもありとあらゆる可能性を考え始めると……」
「いや、大艦長の考えすぎですって」
まいが呆れた顔をしながらそう言うが、もえもまた考え始めた。
そしてある可能性が出た。
「まさかと思うけど」
「いやでも、それはあり得ないと……」
「だけど奴らは魚雷や主砲を恐れたりしないって報告を聞いてる」
「それならば……あり得るかもしれない」
安奈ともえの会話に入れずにいるまい。
すると新たな情報が送られてきた。
「さっき上げた駆逐艦四隻、ブルマーに救出されたらしいよ」
「まずいわね。急いでブルマーに連絡を入れな!乗員の救出を急げって」
インディペンデンス級沿海域戦闘艦「弁天」の艦長宗谷真冬が時津風の乗員を救出しているのを見守る中、あるメールが送られてきた。
「なんだ?こんな時に……知らないアドレスだし……」
メールを開くと差出人はまいだった。
「こいつはブラックホエールの……よく私の所に送ることが出来るなんて」
ブラックホエールがちょくちょくハッキングしているのは、姉である真霜から話を聞いていた。
真霜はブラックホエールの行動についてはよくは思っていなかったが、真冬自身はそんなに気にしていなかった。
「なんて書かれてるんだ?」
メールを読み上げるとそこには書かれている文面を見て、驚きを隠せないでいる真冬。
「いや、あり得るわけが……」
そう思っていたが、突然、部下から報告を受けた。
「艦長!時津風が……」
「どうした!?」
「乗員救出後、ネズミの掃討を行おうとしたのですが、突然艦が動き始めました」
「くそ!?ブラックホエールの報告通りか」
「どういうことですか?」
「他の3隻はどうなっているか調べろ!同じ状況かもしれない」
真冬は部下に指示を出しながら、メールに書かれていたネズミの仲間意識という文字が頭に離れなかった。
「陸の生物が舐めたことを……」
急いで基地に戻ってきた安奈たちは、早速ある情報を真雪から聞いていた。
「そうかい、乗員救出後、四隻の艦が勝手に動き出したんだね」
『えぇ、考えてもいなかったわ。ネズミがそこまでするなんて……』
「奴らの目的地は……武蔵だね」
『可能性は高いわ。このままだと現状動かせるブルマーの艦では……』
「それならちょっとした許可を貰えれば、何とか出来る」
『………安奈が考えていることは分かっているわ。許可するわ』
「助かるよ。後でお礼はするさ」
『期待しているわ』
真雪校長との通信を切った安奈は、基地にいる全員に伝えた。
「全員よく聞け!!現在基地にいる第一部隊、第二部隊、第五部隊は今より出航し、武蔵の元へ行くぞ!!」
その言葉を聞いた基地内の全員が早速動き出した。
安奈は更に続けた。
「今!この海はクソッタレのネズミ野郎に荒らされている!!我々は海の自由とともに!!クソネズミどもを艦ごと沈めるぞ!!」
この日、ブラックホエールが動き出した。
次回もオリストになります。