感染した涼風、天津風、磯風、時津風の前にブラックホエールの部隊が立ちふさがっていた。
「ゆき、こいつらの相手は私達に任せな」
『大艦長、でもあの感染した艦には乗員が……』
「乗員は乗っていないさ。少し前にブルマーが救出した。今はあのネズミどもが操ってる」
『待ってください!乗員が乗っていないというのは報告を受けてますが、艦を破壊させるのは……』
真霜が止めに入るが、安奈はため息を付いた。
「悪いけど、こっちは真雪から許可をもらっているのさ。だから勝手にやらせてもらうよ」
安奈は通信を切り、乗員たちに命令をした。
「海に潜りな!」
「了解!」
黒鯨が海へと潜っていった。
そして涼風、天津風の間の海上がせり上がっていき、黒鯨が浮上した。
浮上した影響で涼風と天津風は大波に飲まれていった。
「黒鯨は戦艦でありながら、海に潜ることも可能なのさ。他にも色んな事ができるけど、今回は海の藻屑になっちまいな」
磯風と砲撃の撃ち合いをする弥生
「全く元々命じられていたことだけど、まさかこんな状況だったなんてね」
「私達第五部隊の最初の任務だもんね」
第五部隊の最初の任務。それは如月の救援。
その任務達成がまいの今の目標でもあった。
「さっさと終わらせるよ!艦首開いて!」
磯風と距離をおき、弥生の艦首が開く。
艦首の中から2つの主砲が現れた。
「これは如月の戦闘データを元にして装備されたウォーターカッター!おまけに2つよ!お姉ちゃん!」
「目標!磯風!ウォーターカッター発射!」
ウォーターカッターが二本発射され、磯風を真っ二つに切り裂いた。
「いや~張り切ってるね~まいの奴は」
「私達も頑張りましょうよ。艦長」
部下の一人がレオナにそう言うが、レオナはあくびをしていた。
「頑張るって、もう終わってるよ」
筑摩の艦首は開いており、時津風が鉄の杭に串刺しにされていた。
「筑摩の切り札の一つ、バッカルコーン!近づかないと打ち込めないのが難点だけど、ネズミごときが操ってるんだ。打ち込むのは簡単だったよ」
ブラックホエールの活躍を見ていた私達
「本当に凄いっすね」
「あれが本来のブラックホエールよ」
ブラックホエールの武装は本来、ありとあらゆる艦隊を沈めるためにあるのもの
いざ戦闘になれば、ブラックホエールが負ける姿は想像できない。
「ミケちゃん、聞こえる?」
『う、うん、ブラックホエールの凄さに、皆が驚いていて……』
「今は集中しよう!武蔵の前に出て」
『うん!』
皆が頑張ってくれているんだ。
私達はそれに答えるために、武蔵を止める
如月と晴風が武蔵の前に出た。
それと同時に援軍に来てくれた天神たちが、砲撃による援護をしてくれている
「艦長!如月、晴風!武蔵の前に出ました!」
「ミケちゃん!噴進弾を発射して!」
『分かった!タマちゃん、メイちゃん』
晴風から噴進弾が発射された。
噴進弾から発生した煙が武蔵を包み込む
これなら武蔵は私達の姿を確認できない
「ミケちゃん!先に行って!」
『う、うん』
晴風が武蔵へと向かう中、私は雨にある指示を出した。
「雨!準備は?」
『完了だよ!』
「それじゃ、お願い!」
如月の装甲が見る見るうちに剥がれていき、艦首が黒い装甲に変わっていた
「ちょ、ゆき!装甲が剥がれているっすけど、いいんっすか?」
「装甲が剥がれたのは突撃の速度を上げるためよ」
「あの艦首は?」
「今回は救出メインだから、あまり艦を傷つけないようにコーティングさせたの!それじゃ行くわよ!」
如月は武蔵へと向かっていく
煙の中にいる晴風の姿は見えないけど、きっと無事だと信じている。
今、私達は武蔵を正面から止めること
猛スピードで武蔵へと突撃した瞬間、如月が大きく揺れ、艦橋にいた全員が倒れそうになっていた。
武蔵と正面衝突した後、雨から連絡が入った。
『あっ、ごめん、如月の耐ショックを付けるの忘れてた。艦橋は大丈夫?』
「艦長、後で雨を叱っていいですか?」
「時間がなかったから仕方ないわよ」
『いや、それぐらいの時間はあったんだけどね』
うん、これは後で怒ってあげないと。
「艦長!武蔵の横に晴風の姿を発見っす」
晴風は武蔵の横に止まっていた。
もしかして勢いをつけて、武蔵を横から止めたのかな?
私は晴風に連絡を入れた。
「ミケちゃん、」
『ゆきちゃん、武蔵を止められたね』
「うん、あとは乗員を救出しに行くだけ。だからミケちゃん、一緒にモカちゃんを助けよう」
『で、でも』
「大切な友達を助けることが私達の役目なんだよ」
私がそう言うと、ミケちゃんはしばらく黙りこみ、そして
『うん、一緒に行こう』
通信を切り、私は波奈たちに向かってある言葉を告げた。
「波奈お姉ちゃん、トシコお姉ちゃん、行ってきます」
「いってらっしゃいっす」
「………いってらっしゃい」
武蔵に乗り込んだ私は、襲い掛かってくる乗員を軽く手刀を食らわし、晴風が接舷している場所でミケちゃんを待った。
しばらくしてミケちゃんがやってきた。
「ゆきちゃん」
「行こう。ミケちゃん」
私はミケちゃんと手をつなぎ、武蔵の艦橋へと向かう。
向かっていく最中、万里小路さん達が乗員たちの鎮圧を行っているのが見えた
そして武蔵の艦橋前に着くと、
「モカちゃん!」
ミケちゃんは必死に艦橋の扉を叩いたり、体当たりをしたりしていた。
すると突然扉が開き、ミケちゃんは誰かにもたれかかった。
「ミケちゃん……」
「モカちゃん、やっと会えた」
「うん」
良かった。無事だった。
私はモカちゃんと目があった。
なんて言えばいいのか分からず、焦ってしまう私。
だけどモカちゃんは涙を流していた。
「もしかして………ゆきちゃん?」
「………」
どうして私の幼なじみは、成長してるはずの私が誰なのかって分かるのかな
「モカちゃん、私の事分かるの?」
「分かるよ。どんなに変わっていても、貴方が如月ゆきだって分かるもん。ミケちゃんもだよね」
「うん」
ミケちゃんは笑顔でそう答えた。
私のことをモカちゃんが覚えていてくれていた。
そんな時何故か私は涙を流していた。
どうしてだろう?涙なんてあの日から流したことないのに……
私はそのまま泣きじゃくるのであった。
「えっ、ゆきちゃん!?」
「どこか怪我してたりとか?」
戸惑うミケちゃんとモカちゃん、この涙はきっと嬉し涙なんだと思う私だった。
「モカちゃん、私もミケちゃんと再会してからずっとモカちゃんにも会いたかったよ」
武蔵戦終了とようやく再会出来た3人でした。
次回は原作ラストまでやる予定です。
別に次回が最終回では有りません