睦月との戦闘にて砲撃を受けてしまった如月。晴風と共に撤退しようとするがそれを逃がそうとしない睦月。
そんな時、現れたのはブラックホエール第二部隊クリオネの改造型重巡洋艦筑摩だった。
「姉御!如月が被弾してるみたいだよ」
「あのゆきんこがあそこまでやられちまうなんて……まぁいいさ、信号送りな!」
筑摩の艦長、阿東レオナの指示に従い如月、晴風、睦月に発光信号送った。その信号は……
『我らブラックホエール第二部隊クリオネ!如月、晴風の救援に来た!!』
その信号を受けた私たち如月は……
「レオナさん……」
「まさか姉御が来てくれるなんて思っても見なかったっす」
「もしあちらが昔の筑摩だと思っていれば……恐ろしい目に会いますね」
更にレオナは睦月に対して通信で警告を行った。
『第二部隊の恐ろしさを知っているなら投降をすすめる!解ってるだろ!まい!!我らの恐ろしさを』
そして睦月では
「姐さん……悪いけどクリオネの弱点は知ってるわよ!如月の突撃と同じように艦首が開いた瞬間、主砲をぶち込むわ」
まいは知っている。改造型筑摩の切り札は艦首がクリオネの捕食と同じようなことが出来ることを……だがそれを行うには接近するしか無い。
「私の邪魔をするな!!」
睦月の主砲は筑摩へと向けられた。
そして晴風では……
「あれってゆきちゃんたちと同じブラックホエールの?」
「ブラックホエール第二部隊クリオネですね。もしかするとあの睦月を追ってきたのでしょうか?」
ココちゃんがそう言う中、さっき目が覚めた女の子が安堵の表情をしていた。
「姉御が来てくれるとは何というド奇跡じゃ」
どうやらあの筑摩の艦長とは知り合いみたいだけど……
「でもクリオネって何だか可愛らしいですね」
「確かにブラックホエールの色んな話からは想像できないくらい可愛らしい部隊名だね」
リンちゃんとメイちゃんの二人がそんなことを話している中、シロちゃんだけが何かを思い出していた。
「どうしたの?シロちゃん?」
「……私はクリオネを初めてみた時、運が悪くてクリオネの食事シーンを見たんだ」
クリオネの食事シーン?どんな風なんだろう?外見からして可愛らしい感じなのかな?
ココちゃんがタブレットで調べていると何故か凍りついていた。
「……これは……副長も運が悪いですね」
「あぁ、もし第二部隊が名前のとおりなら……」
一体どんな食事シーンなんだろう?
「おっと睦月がこっちに主砲を向け始めてるなぁ~」
「さすがはもえさんの妹さんっすね!こっちの切り札を読んでるみたい」
だがレオナは焦りもせず笑みを浮かべていた。
「だけどな!戦場では過去のデータを捨てたほうがいいぞ!それも相手はブラックホエール!海の怪物は変わり続けていく!魚雷『流氷の天使』発射準備!」
「準備完了!」
「ファイヤー!!」
筑摩から発射された魚雷三発が睦月へと迫ってきた
「まずい!乗員全員魚雷が当たった瞬間避難開始!」
魚雷が睦月に当たったが爆発も何も起こらなかった。まいは思わず笑ってしまった。
「あは、あはははは、つい身構えたけど………不発だったみたいわね!」
「か、艦長……報告です!?し、浸水してきています!」
「どういうこと?ついに限界を迎えた?」
「報告によりますと……艦の下部より鉄の杭が刺さって……そこから浸水してきているとのこと」
「鉄の杭?漂流物にでも……まさか……」
まいは気がついた。さっきの魚雷はただの魚雷じゃない。魚雷が目標物に当たった瞬間に鉄の杭で艦に穴を開けられたことに
「気がついたね。これがクリオネの第二の切り札の『流氷の天使』だよ。クリオネは頭部から六本の触手を伸ばして、獲物を捉えこんで養分を吸収する。それをモチーフにしたのがあの魚雷だよ。魚雷が目標物に当たった瞬間、バッカルコーンっていう鉄の槍を食い込ませるんだよ。まぁ三発ぐらいしかないしね」
レオナは笑みを浮かべながら、艦橋にいる般若の面を被った女性に指示を出した。
「奴らが海に逃げ込んだ瞬間、捕獲!如月からも狐を出しな」
筑摩からの指示を受けたわたしは狐さんを呼び出した。
「狐さん」
「……はい」
「般若さんと協力してまい達の拘束を」
「……了解」
狐さんがそのまま姿を消すのであった。そして沈みかける睦月では……
「艦長!?このままでは睦月が沈みます」
「くっ、どうやらここで終わりね。全員避難して……避難した直後に掃除員に拘束されるけど……抵抗はしないで」
十分後、睦月から飛び降りる乗員たちが二人の掃除員に捕まるのであった。
戦闘終了し、ようやく落ち着いた頃、ミケちゃんとましろさん、そしてシュペーから助けた少女ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルク、長いのでミケちゃんはミーちゃん。私はミーナさんと呼ぶことに。
その3人と筑摩からレオナさんと拘束されたまいが如月の艦橋を訪れていた。
「レオナさん、今回の救援ありがとうございます」
「いいってことよ。こっちの任務に巻き込んで悪かったね。ゆきんこ」
「あのそのゆきんこはやめて下さい」
未だにその呼び方されていると子供扱いされているみたいで嫌だ。
「何言ってるんだよ。ゆきんこはまだお子様だからね。あんたはまだ……」
レオナさんが何か言いかけた瞬間、波奈の方を見て言うのをやめたのだ。
「晴風の艦長、岬明乃に副長の宗谷ましろだね。事情は聞いてる。大変だろうけどついさっき安奈大艦長から連絡があったね。あんたらの校長が『学校に所属する艦に対して横須賀へ帰投』っていう命令を出したみたいだよ。晴風の反乱も保留扱いさ」
それを聞いたミケちゃんとましろさんの二人はほっとした表情をしていた。
「姉御、お久しぶりです」
ミーナさんとレオナさんの二人はどうやら知り合いみたいだけど、レオナさんは一体いつ知り合ったんだろう?おまけに如月の武装についても知ってたみたいだし……教えたのかな?
「おぉ、ミーナじゃないか。何であんたがこっちに?テアは?」
「……艦長はシュペーにいます」
ミーナさんは語った。女子海洋学校との合同演習のために合流地点に向かう途中、突如乗員が命令無視をするという異常事態に陥り、共に正気を保っていた艦長テアから近くにいた晴風へ避難するようにとの命令で帽子を託され脱出した。
「ふむそれは災難だったね。にしても乗員が命令無視か……ゆきんこはどう思う?」
「……猿島、シュペー、そして多くの艦の行方不明……全て繋がっているように思えますが……」
「情報不足だね。とりあえずはゆきんこたちは晴風と一緒に横須賀に行きな!私達はこれからこいつを連れて行かなきゃな」
レオナさんは拘束されているまいを見た。ブラックホエールの艦を盗み出し、私達への攻撃。普通はかなり厳しい処分が待ってる
「……まい、どうして私達を襲ったの?」
「……あんたが、お姉ちゃんのマリン・スノーを奪ったから……許せなかった。新参者のあんたがお姉ちゃんの部隊を引き継ぐなんて……」
確かに私はもえさんからマリン・スノーを引き継いだ。だけどそれには理由がある。でも私がそれを伝えても信じてもらえない。私はレオナさんの方を見て……
「レオナさん、まいを……睦月乗員の処罰の方を軽くしてあげて下さい」
「……解ってるよ。そこらへんは大艦長も解ってる。それじゃ、ゆきんこ、海の自由とともに、また出会えることを願うよ」
「はい」
レオナさんはそのまま、まいを連れて行くのであった。
そして被弾した如月を私は見つめた。
(雨の修理だけじゃまずいわね。波奈とトシコに頼んで第四部隊を呼ばないと……あれ?二人は)
波奈とトシコの姿は艦橋にいなかった。さっきまでいたのに
レオナとまいが筑摩に戻ろうとしていた時、波奈とトシコが呼び止めた。
「なんだい?」
「レオナさんは……ゆきのことをどう思いますか?」
「……今のままではあいつはまた失っちまうよ」
「でも、睦月が晴風を狙った際、感情が先走ったっす!」
「私もそう思いました。あの子は変わりつつあります。あの岬明乃と再会してから……」
波奈とトシコの二人がゆきのことを伝えるが……
「だけどそれは一時的なこと。まぁ結果的にはまいのおかげでもあるけどね」
「何の話よ?」
機嫌悪そうにしているまい。レオナは微笑しながら……
「ゆきんこの弱点さ。もしもの時頼んだよ。大艦長は今の状況を考えて……第五部隊を設立しようとしているからね」
クリオネvs睦月との戦いがかなりひどい文章に……
現状、ブラックホエールには第四部隊まである設定です。そして第五部隊とは……
次回は原則の話しに戻ります