ふざけたチート野郎が異世界から来るそうですよ?   作:ひややっこ@大豆100%

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Yes!黒ウサギが呼びました!

「マジかよ...」

 

秋雨重吾は知らない世界の4000m上空にいた。

 

いや、正しくは4人だ。

 

4人の少年少女はなす術もなく落下地点に用意してあった緩衝材のような薄い水膜を幾重も通って湖に投げ出される。

 

 

ーー時は遡りーー

 

秋雨重吾は降る雪を眺めながら左手をポケットに入れ、右手で缶コーヒーを口に運ぶ。

 

「しかしさっぶいな」

 

雪が降り、真っ白になった道を進む。

 

「ただいまー」

 

おかしい。返事がない。

 

「帰ったよ、母さ...ん?」

 

彼を待っていたのは母ではなく一枚の封書だった。

 

「......なんだ、これ」

 

封書を手に取る。

封書には達筆でこう書かれていた。『秋雨重吾殿へ』と。

 

「ふうん...どこの誰だか知らねえが面白いことしてくれるじゃねえか...」

 

いつも通りの生活に飽き飽きしていた彼は嬉嬉として封を開け、その文章を読んだ。

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』

 

 

ーーそして現在に至るーー

 

「きゃ!」

 

「わっ!」

 

「...」

 

ボチャン、と着水。水膜で勢いが衰えていたため三人は無傷で済んだ。

 

「だ、だずげで」

 

重吾は泳げない。抵抗も虚しくどんどん沈んでいく。

 

誰かに抱きかかえられ、水面に引っ張り上げられる。

 

「.........大丈夫?」

 

声の主は無表情の美少女だった。

 

「ありがと、正直やばかった」

 

息を切らしながらなんとか立ち上がる。

 

他の2人はそれぞれが罵詈雑言を吐き捨てて

いた。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

 

「そうだけど、まず“お前”って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後気を付けて。それで、そこで猫を抱えている貴女は?」

 

飛鳥は猫を抱えた少女に質問をする。

 

「………春日部耀。以下同文」

 

「そう。よろしく、春日部さん。それで、さっき溺れていた貴方は?」

 

「秋雨重吾だ。よろしくな耀、飛鳥」

 

「えっ?」

 

耀が俺を見て疑問の言葉を発した。

 

「ん?何?」

 

「名前。どうして名前で呼ぶの?」

 

あれ?もしかして男に名前で呼ばれるの嫌いな人?

 

「あ~悪い。もしかして嫌だったか?なら、やめるけど……」

 

「ううん。嫌じゃない。ただ、気になっただけ」

 

あぁ~そういうこと。

 

よかった、一瞬嫌われたかと思ったぜ。

 

「いや、だって友達って普通は名前で呼ぶもんだろ」

 

「えっ、友達?」

 

あれ、もしかして俺とは友達になりたくないってオチ?

 

何それ。

 

俺、すげぇー、恥ずかしい奴じゃねーか。

 

「いや、溺れかけてたのを助けてくれただろ?もしかして、俺と友達は嫌?」

 

「ううん。むしろ、嬉しい。ありがとう、重吾」

 

そう言って彼女は微かに笑った。

 

あっ...可愛い...

 

「よろしくね、重吾君。最後に野蛮で狂暴そうなそこの貴方は?」

 

「見たまんま野蛮で狂暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれ」

 

中々、面白い自己紹介をする奴だ。

 

「取扱説明書をくれたら考えてあげるは十六夜君」

 

「ハハハ、面白いな。重吾だ。よろしくな、十六夜」

 

「おう、よろしくな、重吾。後、今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

心からケラケラ笑う十六夜

 

傲慢そうに顔を背ける飛鳥

 

我間せず無関心を装う耀

 

うわお、すごい個性的なメンバーだな。

 

ついでにいえば、あそこの茂みで隠れている奴も気になる。

 

「取りあえず、そこに隠れている奴に話を聞くか?」

 

十六夜の言葉に反応して振り返る。

 

へぇー、十六夜も気づいてたのか。

 

「あら、気づいてたの?」

 

どうやら飛鳥も気づいてたみたいだ。

 

「当然。かくれんぼじゃ、負けなしだぜ。重吾と春日部も気づいてんだろ」

 

このパターンってもしかして……

 

「風上に立たれたら嫌でもわかる。」

 

やっぱりか。

 

「まぁな、あんな獲物を狙うような視線送られちゃーな」

 

俺達の言葉に反応したのか、隠れていた人物が現れた。

 

「や、やだな~、御四人様、そんな怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?」

 

現れたのは、ミニスカートにガーダーソックスを履き、

 

頭にウサ耳を生やした少女だった。

 

「なんだ?バニーガールか?」

 

「ウサギ人間かしら?」

 

「……コスプレ?」

 

「ビッチだろ」

 

上から順に十六夜、飛鳥、耀、俺の順番だ。

 

「ちょっと待って下さい!御四人様方、好き放題にいい好きです!というより、最後の方は失礼にも程があります!」

 

ウサ耳少女が怒りを露わにして切れる。

 

「俺達は前振りなしに呼ばれた揚句、湖に叩き落とされ死にかけたんだが………どう思うよ、十六夜君?」

 

「全くだぜ。これじゃー怒りが収まらないなぁー」

 

十六夜が棒読みで答える。

 

「同感ね。ちゃんと説明はしてもらうわよ」

 

「同じく」

 

悪そうなことを企む俺たちの思惑に感づいたのか、

 

ウサ耳少女がたじろぐ。

 

「そ、それに関しては黒ウサギのミスです。申し訳ありません。」

 

ウサ耳少女がウサ耳をへにょらせて謝るが………

 

「それで許すと思うか?」

 

十六夜が許しませんでした。

 

「ま、待ってください!ここは一つ穏便に黒ウサギの御話をどうか聞いていただけませんか?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「無理です」

 

「あっは、取り付くシマもないですね」

 

ウサ耳少女もとい黒ウサギはバンザーイ、と降参のボーズをする。

 

その時、隣にいた耀が消えていることに気付く。

 

どこ、行ったんだ?

 

っと、よく見たらいるじゃねーか。

 

黒ウサギの背後に。

 

「えい」

 

「フギャ!」

 

力ない声で黒ウサギの耳を強く引っ張る。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウ

サギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

 

「好奇心の為せる業」

 

「自由にも程があります!」

 

耀を起こるのに夢中で背後から来る十六夜に気付いていない。

 

「へえ? このウサ耳って本物なのか?」

 

十六夜は黒ウサギの右耳を掴み

 

「なら、私も」

 

飛鳥が左から左耳を掴み、引っ張る。

 

「ちょ、ちょっと待――――――」

 

黒ウサギの言葉にならない悲鳴が森中に響き渡った。

 

十六夜然り、飛鳥然り、黒ウサギ然り、耀然り

 

この世界に来て早速のイベントが面白すぎだろ!

 

俺は早速胸を高鳴らせていた。

 




初投稿です。
初めて小説を書いたので、ミスや至らないところなどまだまだあると思うので、ご指摘よろしくお願いします。

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