ふざけたチート野郎が異世界から来るそうですよ?   作:ひややっこ@大豆100%

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投稿が遅れて本当に申し訳ないです。
次回からはちゃんと投稿できるようにします。

あと、今後のストーリーで重吾のギフトの正体を明かすタイミングについて悩んでるので何でもいいのでコメント頂けると嬉しいです。

1話、2話でUA700回行きました。ありがとうございます。


“ノーネーム”なのですよ?

ーー場所は箱庭二一〇五三八〇外門。

 

ジン・ラッセルは石造りの階段に座り込み、外門を通る人々をぼんやりと眺めながら、黒ウサギの帰りを待っていた。

 

「ジン坊ちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性二人と男性一人が?」

 

「はいな、こちらの皆様方がーーー」

 

黒ウサギは振り返り、カチン、と固まる。

 

「.........え、あれ?もう一人いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から“俺問題児!”ってオーラを放っている殿方が」

 

「十六夜なら“ちょっと世界の果てを見てくるぜ!”と言って駆け出していったぞ。あっちの方に」

 

「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

 

「“止めてくれるなよ”と言われたもの」

 

「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「“黒ウサギには言うなよ”と言われたから」

 

「嘘です!絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう御三人さん!」

 

「「「うん」」」

 

ガクリ、と前のめりに倒れる。

そんな黒ウサギとは対照的に、ジンは蒼白になって叫んだ。

 

「た、大変です!“世界の果て”にはギフトゲームのため野放しにされている幻獣が」

 

「幻獣?」

 

「確かにいたな。てか今十六夜が戦ってるぞ?」

 

「え?分かるの?」

 

耀が興味津々と言った様子で尋ねてくる。

 

「まあな、五感がそこそこいいんだよ」

 

正しくは恩恵なんだけど、まぁいっか。

 

「戦ってるんですか!?」

 

ジンが蒼白になったまま聞いてくる。

 

「ああ、なんかまずいのか?」

 

「は、はい。“世界の果て”付近には協力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間には太刀打ち出来ません!」

 

「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバー?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー?.........斬新?」

 

「それって百円入れたらコンティニューできたりするのか?」

 

「冗談を言っている場合じゃありません!」

 

ジンは必死に事の重大さを訴え、遂に黒ウサギはため息を吐きつつ立ち上がった。

 

「問題児を捕まえに参ります。事のついでにーーー“箱庭の貴族”と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」

 

うーん、十六夜も化け物じみてるから大丈夫だと思うんだけどな。

 

「待てよ、黒ウサギ。俺が行く。」

 

「重吾さんが?」

 

「俺の方が場所を知ってる分いいだろ」

 

「で、ですが...」

 

「じゃ、行ってくる」

 

歯切れの悪い黒ウサギは放っといて駆け出す。

その瞬間ーー重吾の姿が消えた。比喩ではなく、確かに消えた。

 

「重吾さんはいったいどんな恩恵を......?」

 

黒ウサギは神妙な顔で呟いた。

 

ーー重吾sideーー

 

「あーあ、能力一つ見られちまったな」

 

独り言を呟きながら十六夜の元へと向かう。

 

「まあいいか、一つくらいなら」

 

眼前が開け、僅か数瞬後には森を抜けて大河の岸辺に出た。

 

「お、重吾じゃねえか、どうしたんだ?」

 

「やっぱり無事だったか」

 

「当たり前だろ」

 

十六夜はヤハハ、と豪快に笑う。

 

(それにしても、あの能力を使ったのに追いつくのにこんなに時間かかったとか、こいつ人間やめてんだろ)

 

十六夜の身体能力は人間とは思えないモノだった。......ところで、あのでかい蛇は何だろう。

 

「なんか面白そうなことしてんじゃん」

 

「だろ?アレと戦ってるんだよ」

 

『まだ......まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ!!』

 

十六夜が指したそれはーーー身の丈三〇強はある巨軀の大蛇だった。

 

「蛇神.........!って面白そうだな!」

 

ケラケラと笑う十六夜は事の顚末を話す。

 

「なんか偉そうに『試練を選べ』とかなんとか、上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ。俺を試せるかどうか試させてもらったのさ。結果はまあ、残念な奴だったが」

 

『貴様......付け上がるな人間!我がこの程度の事で倒れるか!!』

 

うわお。蛇神めっちゃ怒ってますよ、十六夜さん。

 

「手伝うか?」

 

「何を言ってやがる。これは俺が売って、奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

本気の殺気を込められた言葉に思わずたじろぐ。

 

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

 

「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」

 

『フンーーーその戯言が貴様の最期だ!』

 

三本の水柱が蛇神の雄叫びに応え現れた。

竜巻く水柱は川辺を抉り、十六夜の体を激流に飲み込むーーーー筈だった。

 

「ーーーハッーーーしゃらくせえ!!」

 

十六夜は竜巻く激流の中、ただ腕の一振りで嵐をなぎ払った。

 

『馬鹿な!?』

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

大地を踏み砕くような爆音。胸元に飛び込んだ十六夜の蹴りは蛇神の胴体を打ち、蛇神の巨軀は空中高く打ち上げられて川に落下した。

 

「十六夜さん!重吾さん!」

 

その時、ちょうど黒ウサギが到着した。

 

「まさか、蛇神様を倒されたのですか!?」

 

「ああ、なんかまずかったか?」

 

「い、いえ...」

 

黒ウサギは内心の興奮を抑えきれず、鼓動が早くなるのを感じ取っていた。

 

 

 

 

そろそろいいか。

 

「なあ十六夜、ちょっと話があるんだがいいか?」

 

「奇遇だな。俺も話があったんだ」

 

「「お前って本当に人間か?」」

 

ですよねぇー。絶対聞いてくると思ったよ。

 

「俺は人間であるつもりだぞ。お前はどうなんだ?」

 

当たり障りない程度にはぐらかす。

 

「まあ俺も人間のつもりだがな」

 

十六夜にもかわされたか。

 

「きゃーきゃーきゃー♪見てください!こんな大きな水樹の苗を貰いました!コレがあればもう他所のコミュニティから水を買う必要もなくなります!みんな大助かりです!」

 

その後、俺と十六夜は黒ウサギの審判権限のことや、コミュニティの現状を聞いた後にトリトニスの滝を見に行った。

 

「魔王に旗と名前を取られてノーネームか......ま、こんなデタラメで面白い世界に呼び出してくれたんだ。その分の働きはしてやる。けど他の2人の説得には協力しないからな。騙すも誑かすも構わないが、後腐れないように頼むぜ。同じチームでやっていくなら尚更な」

 

十六夜が帰り道に急に真面目に切り出した。

 

「.........はい」

 

黒ウサギは心の中で深く反省した。

 

(初めからちゃんと説明すればよかったな......ジン坊っちゃん、大丈夫でしょうか)

 

「辛気臭いのはやめようぜ。せっかくの異世界が台無しだ。」

 

静寂を破り、辛気臭い雰囲気を壊そうと発言する。

 

「なあ十六夜」

 

「なんだ重吾?」

 

「ミニゲームをしようぜ」

 

「...ほう?」

 

十六夜は楽しいといった感情を隠しきれてない表情でニヤリと笑う。

 

「ゲームはかけっこだ。どっちが早くお嬢様達のところにつけるかってとこか。五秒後にスタートな」

 

「いいぜ、その勝負......乗った!!」

 

五、四、三、二、一

 

 

 

次の瞬間、二人の姿が消えた。

 

「ーーー!」

 

その様子を見ていた黒ウサギは二人の底の見えない力を前に期待で胸を膨らませていた。




ありがとうございました。
次回はテスト週間に入るので1週間のうちに投稿できるかどうかといったところです。

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