自分の子のように、親の心境で生徒を幾度も卒業という、社会に送り出す手伝いをした。
明るく、前ばかり見ている彼等はそれぞれの道の光をまっすぐ、時には挫折しながらも目指して進んで行くのでしょう。
トラブルばかり起こし、騒ぎの中心に居たりする、俗に言う問題児な教え子も沢山いたけど、そんな子達がふとした時に顔を見せに来てくれる、私はこんな時が何よりも教師として幸福に感じる時間に思える。
そんな、私の教え子の中の騒ぎの中心に居る、問題が絶えない一人。
急な出来事だった。
今日突然前触れなく生徒が転入すると連絡があった。
他にも突然の事はあったが、何より、挨拶しに来た生徒は、サングラスを身に付け、サングラス越しからでも分かる眼帯を右に付けていた。
雰囲気や容姿が変わったが、
でも、
確かにそれは私の知っている人物だった。
その教え子は何の前触れなく現れたのだ。
彼の名簿に目を通した時、
記されている上ノ恵アキという、彼の名前を見た時は、どういう冗談かと目を疑った。
だが、かつて、変わり果ててしまった時の彼と、今、目の前にいる彼の面影はあまりにも変わっていなく、あの時とは違う、眼帯をした容姿を見て私は、深く聞き入るのをやめることした。
「色々あったのだと思います…でも、まずは、」
「お帰りなさい。上条ちゃん」
少し驚いた彼は『上ノ恵アキ何ですけどね…』と、気まずそうに目を軽く背けて、
『また、お世話になります』
頭を掻きながら居心地が悪そうに彼はそう言った。
そして、
「ウチの助手がお世話になるな」
彼と一緒に現れ、突如、赴任してきた
「今日からしばらく教師としてお世話にな……」
「……ええ、と、小学生の間違えではないのか?」
子供が迷い混んでるぞと、勘違いをしている彼女、
「違うのですよ!私は先生なのです!」
背丈の話をするならば、博士という赴任してきた教師も幼さが目立つのだが、自分より上なのは確かなので悔しいがやめておいた。
「ん、では、小萌先生とやら、少しの間ここでお世話にならして貰うが…」
「おお、これが噂の先生!!」
言い切る前に後ろから上下ジャージの人物か赴任してきた彼女の頭に手を置く。
「おお、小萌先生とどっこいどっこいじゃん……あーでも小萌先生の方が全体的にちっこいかな」
「ちょ、黄泉川先生、新しい先生だけじゃなくて私にも失礼ですよ!!」
「白衣着てるってことは、理数系の先生って事じゃんか、私は体育の教師じゃんよ」
「……なんだこのじゃんじゃんは」
頭に置かれた手を置くな、と、手を払い、同じく、今日から世話になる彼の方に逃げるように移動する。
「お、こっちのはまたイカシテんじゃん。サングラスが輝いてるじゃんよ」
よろしく、と、ツンツンの頭をポンポンすると、彼もまた無表情ながら手を軽く払う。
「それじゃあ、明日から短い期間ですが、ウチの生徒を頼むのですよ」
おまけ(後書き)
「どうした、さっきから落ち着かないな
なんだ、挨拶でも浮かばないのか?」
「………いや、いつもあるものがないとな、」
「ああ、あの被り物がないと落ち着かないのか
被れば良いじゃないか」
「高校デビュー過ぎるだろ」
「なーに、サングラス付けて眼帯してるヤツがあの帽子を被っても今さらマイナスにもプラスにもならないさ」