とある魔術の禁書目録(真理の扉)   作:まーぴん

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おまけ。表舞台と裏舞台の異端者の約束

 

 

上条「博士、結婚って何ですかね」グニグニ

 

博士「ふぁぁ……(アクビ)」

 

博士「………」

 

博士「………何だ、唐突だな」

 

博士「血の血痕とかそういうボケをしたほうがいいか」

 

上条「しなくていいっすよ…あ、ちなみに力加減どうですの」グニグニ

博士「悪くはないな。そのまま肩を揉む事の継続をオススメしてやる」

 

上条「はいはい。わかりましたのことよ」

 

上条「そんで、結婚って何すかね」

 

博士「んー…」

 

博士「夫婦になるっていう法律的な行為の事だろ」

 

博士「大金がかかる」

 

博士「見せ物にされる」

 

博士「何から何まで忙しい」

 

博士「そして、自由が奪われてしまう」

 

博士「助手よ、結婚ってのはこんなもんさ。どうだ、満足したか」

 

上条「つまり、結婚は人生の墓場っていう事か」

 

博士「墓場ね……」

 

博士「結婚は人生の墓場という言葉の意味合いが私の考える結婚の定義なんだろうが」

 

博士「本来は使い方が違う」

 

博士「元々はフランスの詩人が考えた格言さ」

 

博士「自由な恋愛ではなく一人の人と深く愛し合い体を清め、墓のある教会で結婚しなさい」

 

博士「これが『結婚は人生の墓場』という意味の由来さ」

 

上条「不特定多数ではなく、一人の人と愛し合う」

 

上条「そういう儀式か」

 

博士「まあ、どっかの天然たらしが結婚を考えるのなら、それこそ墓場行きの儀式さ」

 

博士「それで、」

 

博士「何でそんなことを聞いたんだ、助手よ」

 

上条「…………」

 

上条「こことは異なる世界で色々考えてみた」

 

上条「俺の年齢なら、結婚をしていても可笑しくないはずだと、な」

 

博士「義務教育を終えたばかりの若造の台詞とは思えないな」

 

上条「肉体的年齢は、だろ?」

 

博士「………ふむ」

 

博士「精神年齢は星の誕生並みだったな」

 

博士「それこそ、何億も生きておいて生涯一人しか愛せない結婚という儀式なんて、墓場ではないか」

 

上条「だから聞いたんだよ」

 

上条「失敗とはいえ、魔神に近い存在になった俺は相当の事がなければ死ねないし」

 

上条「仮に結婚して、子供ができたとしても、親より先に子供や孫が死んでしまう」

 

上条「それに、見た目は永遠にこのまんまかもしれないだろ。そんなの面目立たないしな」

 

博士「そうだな。なら、なおさら結婚はしない方がいい」

 

博士「結婚っていうのはそういう覚悟をも腹をくくって決めなくちゃならない」

 

博士「良いことなんて、少ししかないさ」

 

博士「ただ、その『少し』のために結婚が出来るヤツはきっと凄いんだろう」

 

博士「理解はできないがな」

 

上条「確かに、理解はできないな」

 

上条「…………」

 

上条「それで、博士」

 

博士「…………」

 

博士「なんだ」

 

上条「手が疲れたんですがね」

 

博士「何をいう、まだ足のマッサージも残っているのだぞ。それと、私に甘いものを買ってきてくれ」

 

上条「おうおう、人使い荒い事で、せいぜい満足いくまで付き合ってやりますよ」グニグニ

 

博士「おう、その意気だ」

 

上条「全く……」

 

上条「なぁ、博士」

 

博士「……ん」

 

上条「結婚してみる?」

 

博士「私とか」

 

上条「おう、博士と」

 

博士「却下だな」

 

上条「そりゃそうだな」

 

博士「目の付け所はいいがな。誉めてやる」

上条「誉められてあげます」グニグニ

 

博士「うむ」

 

博士「なあ、助手よ」

 

上条「はい」

 

博士「私はな、またお前のトラウマになられるなんて、まっぴらごめんだよ」

 

上条「……」

 

博士「お前は彼女達の想いを一切断ちきれていない」

 

博士「絶ちきってはいけないんだろ」

 

博士「それを断ち切れば、お前はまた、生きる手段を失う」

 

博士「それが『復讐』であっても、だ」

 

上条「復讐なんてしないさ」

 

博士「どうかな」

 

博士「お前がこれから何を始めようとしているのか、私にはわかる」

 

博士「子供や孫が先に死ぬといったか?そんなのは嘘だ」

 

博士「助手よ、お前は必ず『復讐』をやり遂げたら世界の不幸を背負って、そして『死ぬ』」

 

博士「フラレて当たり前だ。もし、次にふざけた事を言うと頭をぶち抜くからな」

 

上条「…………」

 

上条「…………」

 

上条「博士」

 

博士「何だ」

 

上条「甘いものってあんみつの事だよな」

 

博士「ああ、良くわかってるな」

 

上条「それなんだがな」

 

上条「もう『冷蔵庫』に入ってる」

 

博士「ふふ、流石だ助手」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博士「次はいつ帰る?」

 

上条「……さあ、どれくらいになるかはわからないな」

 

博士「そうか」

 

上条「これで最後にするさ」

 

博士「そうか」

 

博士「………」

 

博士「なあ、上条当麻」

 

上条「ん、?」

 

博士「どれだけ別の世界にいようが」

 

博士「お前はお前だ」

 

上条「ああ、俺は俺だ」

 

博士「………」

 

博士「これ以上、我を失うなよ」

 

上条「そのつもりだ」

 

博士「つもりじゃダメだ。『約束』しろ」

 

上条「………」

 

上条「俺は約束を二度も破ってる」

 

博士「なら、三度目はない。そうだろ?」

 

上条「………重いな」

 

博士「約束は重い。良くわかってるな」

 

上条「肝に命じとくよ」

 

 

 

上条「じゃあ、また会おう」

 

博士「ああ、待っているさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何ヵ月後、博士は学園都市で上条当麻と上ノ恵に会う。

 

上条当麻は、何十、何百、何千、何万、何億。

どれだけたったかわからない時間をさまよい、博士のいる世界に帰る。

 

それは、上ノ恵との出会いがもたらした帰還であった。

 

 

 

『約束』が護られたかは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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