とある魔術の禁書目録(真理の扉)   作:まーぴん

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第二十章『上ノ恵ハル』

 

 

 

 

「や……やだ……助け……」

ザザザザザ

 

「にげろ………このままじゃおれはおまえを……」

 

ザザザザザ

 

「く、はははは…はははははははは……最高の結果じゃ……アレイスターよ これが人の神秘じゃ……!!」

 

ザザザザザ ザザザザザ

 

「………………」

 

 

救いとは……

ーーーー殺すことで救済出来るのだろうか。

 

 

「…………………」

ごめんね みんな

 

 

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、ネズミが迷い混んだのかな」

 

「…………あ……」

 

「ふふ、こんなところに可愛らしい女の子が来るなんて珍しいわね」

 

クラスメイトの後をつけた私に待っていたのは案の定、私の知らない世界であった。未知のそれは簡単に好奇心から恐怖へと変わる。

 

「どうしたの?怖がることはないわ。こっちにいらっしゃいな」

 

「鏡見てみなよ姉ちゃん。血痕がベタリと付いてる。そりゃ怯えちゃうよ」

 

「あらあら、人の汚い首を持っているあなたには言われたくないわよ」

 

「汚いって、美しいコレクションだよ失礼な……ほらこのくびれがまた……」

 

言わずもがなすぐわかった。私はきっとただでは帰れない。いや、生きて帰れないと。

 

 

「……ここで同年代の女の子を見てないかな」

 

正直、声を出すのも精一杯だった。

私の質問に遠くで目が合っている二人はクスクスと会釈している。ゾクッ…… と、得体のしれない、肌に刺さるような見えない何かが私に襲いかかる。

それでも何か言わないと恐怖からは逃げれない。

 

「どうする?」

 

二人の男女のうち、女の方が男に茶々をいれるような声があった。女はその血まみれな口元を服の袖で隠しながら、目元で怪しく笑う。

 

「なーに、彼女が何か知っても変わらないだろうし、話してもいいんじゃないかな?ほら、彼女は見たところ能力者としては落第っぽいし」

 

あっけらんと男は顔色一つ変えない。

 

「それともめんどくさいなら話さなくてもいいよ。だってほら、これから死ぬ女の子に価値はないしね」

 

もはや、駆け引きなんてなかった。

何を話しても、どうやら私に未来はないようだ。

なら、するべきことは一つである。だが、

後退りしようと足を動かしたいのだが思うように身体が動かない。ピクリとでも動いたのなら二人が襲ってくるのではという恐怖が拭えない。

今更ながらどうしてこんなところに来てしまったのだろうと、純粋な疑問さえ浮かぶ。

 

対して、研究員の格好をしている二人はなんて事のない調子でさっき投げ掛けた質問について触れる。

 

「今日はね、あの老いたオジチャンにとっての念願の日なのよ。自分の所有物に反旗をされた哀れな木原さんの、ね?」

 

「木原追求のオジチャンはな、君のお友だちの女の子に不死身(イモータル)の能力を持つ最高の所有物を奪われてずっとご立腹だったのさ。なにより腹をたてたのは上ノ恵ハルが反旗をするなか、彼女に芽生えた右手の能力を確認してなお、主人にあるまじき力不足で逃がしてしまったこと」

 

「んで、彼女をここに呼んだの。それもあの時と状況は全く一緒。不死身の能力を彼女と同じ孤児員にいた子供たちに植え付けて襲わせるのよ。復讐としても実験としてもね」

 

「まあ、今回も失敗だよ。一時的に不死身になった子供たちに数々の能力を植え付けてみてもやはり、疑似な不死身の能力が相反に身体がショックを起こすんだ」

 

「今ごろはもう、口も聞けぬ化け物になってるんじゃないかしら?」

 

「思い出すな。化け物になった同じ孤児の家族を殺して生きた上ノ恵という女の絶叫を……」

 

 

 

『へぇ、それはまた随分と胸くそが悪い話だ』

 

 

………

 

 

「ん?」

 

「またお客さん?」

 

 

『ああ、客だよ。茶は出さなくていい』

 

「………その、頭のゴーグル……まさか」

 

「いや、それよりも姉ちゃん……後ろにいるあの男は……例の……」

 

『手土産だ。つまらない物だが受けとれよ』

 

ドォッッ と銃音が響いた。

しばしの間、未知の力の衝突があった。

どうやら知らない世界で私がこの世を去るのはまだ先になるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして忘れていたのだろう

 

あの日たくさん咲かせた花を。赤い薔薇を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私、佐天涙子は行動を共にすることになった三人の者達と進み、たどり着いた場所には満開の花が咲いていた。赤い花が

 

 

 

 

 

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