とある魔術の禁書目録(真理の扉)   作:まーぴん

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第六章

1

 

 

 

 

第七学区にある学生寮の一室。とある少年の部屋の朝は早い。

何しろは高校生の身分で飼い猫一匹と少女一人を養っている。すると食事は電子レンジに放り込んでおしまいとか、面倒だから外食で済ませようとか、そんな手抜きをする訳にはいかない。基本的には自炊上等。味なんか二の次で良いからとにかく量、これ常識。

少しでもコストパフォーマンスの向上に神経をすり減らし、ところによっては『あれ……?ラーメンって、敢えて麺を伸ばした方が良くね?敢えてだよ、敢えて!ほっ、ほら、味が致命的にならないギリギリのラインを見極めてですね!』だの『キャベツの芯?食えるよ!ジューサーで粉々にしてから牛乳と蜂蜜と林檎の皮を突っ込んでもう一度スイッチを押せば!』だの、料理というよりは悪ふざけのような奮闘努力に邁進したりもしているのだ。

 

が、その日の朝は違う。

 

先程述べた少女一人は猫を抱きながら椅子に腰を掛けて寝ており、その隣の少年も椅子に腰を掛けながら寝ているが、どこか魘(うな)されているように時折唸り声を挙げていてる。

 

そして、その日、一番初めに目を覚ましたのは同じく椅子に寝ているはずが人影が見当たらない……。

 

身長15センチの『魔神』。

 

「どうやら、まだ墜落はしていないみたいだな」

 

全席の椅子が埋まる中、一つだけ未使用の席があるかのように思える椅子にこの魔神はいた。

 

「……んん、……朝御飯なのかな……」

 

「朝御飯は無さそうだが、朝を無事に迎えることが出来ている」

 

「……」

 

目を覚ました少女は自分と空席のような席を挟む真ん中の席にいる少年を確認する。

 

「……もう朝なんだよ。グッドモーニング…私はハングリーなんだよ」

 

「う、ううーん……。オティヌス、この世界が多勢に無勢だろうが俺は決して屈指はしないぞ……くーすー……」

 

塗り替えられて無限にあったウチの一つの世界の夢でも見ているのか、どこか苦々しい顔で寝言を言っている少年は目を覚まさない。

 

これに関しては部が悪いのか15センチの身体で人一人分の席を堪能しているオティヌスは何とも言えない顔をしているが、その間もつかぬの間で、鋭い視線を、それも獣の……。

 

「スフィンクスもお腹が空いてるみたいなんだよ」

 

「おい、絶対にそいつを近づけるなよ?」

 

それに反して、少女に抱き抱えられている獣は、後退る獲物が逃げるモノだと勘違いをしたのか力のある、だが声は小さいうねりをあげ、ターゲットを目から放さないでいる。

 

「墜落の危険の前に神の危険は常に隣り合わせにいただと!?おいおい起きろ!!神の命がかかっているのだぞ!?」

 

「……むにゃむにゃ……管理人のお姉さんが10031人誘惑してこようが……」

 

「最低な夢に没頭しているな!?冗談抜きで畜生の獣を私から遠ざけろ!!」

 

「む……私が入ればスフィンクスはオティヌスに手をかけ…」

 

少女が最後まで言い切ることはなかった。

そして、神の叫び、願いは届くことはなかった。

 

「んあ?何だよオティヌス、もう朝になったのか?……あふぁあ……」

 

「…………………………………」

 

返事はない。

 

神は死んだのだ。

 

 

 

 

…………………

 

 

 

「もう少し、融通を聞かせてくれ」

 

少年の手のひらの上でオティヌスはそんな風に言った。

 

「でも、スフィンクスは朝食目的ではなく、ただオティヌスと遊びたかっただけなんだよ」

 

「たわけ、自分より倍もデカイ獣が目を光らせ襲ってくる…巨像と蟻は現実では戦慄物だぞ」

 

ポケットサイズの一般使用のハンカチをタオルのように巻き付け、先程まで猫に食わえられていたオティヌスは物々と言う。

 

「それにしても今はどの辺だ?」

 

「もう、日本のお空を飛んでる頃だと思うよ」

 

「そうか、やっとか……」

 

「お前がこの『飛行機』に乗っていて何も起きないはずがないだろう。今に墜落するぞ」

 

さすがに、とまで口に出たが、今まで飛行機に乗り無事に上陸出来た方が少ないことは自分が一番よく身に染みているのである。

 

「でも、もう既に日本の上なんだろ?ここまで来て…」

 

「機内で問題が起きることがないなら、着陸した後に問題が起きてしまうの、後者の方だろう」

「ヤダ、全く否定できない!?」

 

だが少年はテロにだって、緊急のパラシュートでバイバイだって今までナントカ屈しないでここまで来たバイオレンス少年である。右手を握り締め、問題の渦中に飛び込み戦争の集結をさせてしまうそんな男である。

 

今回もナントカなってしまうのでは、と、少年が自分に言い聞かせている所で、裏腹の予想外の天からの恵みが舞い降りてきた。

 

『え~、機内はまもなく学園都市国際ターミナルにて 着陸を致します』

 

「おお、ホラみろオティヌス!!」

 

「ちっ、後者の方になるのか…」

 

「ヤダもう!!」

 

 

 

元々我等、平凡な高校生と訳ありシスターと15センチの魔術の神はというと、

 

『急げ急げ!!さっさと飛行機に乗り込みやがれです!!』

「おまっ………!?」

 

『新たなる光』の小悪魔系魔術師に拉致に近い捕縛を受けたのである。

 

留年を気にする中、驚く間もなく、『最大主教』(アークビショップ)の旧友と名乗る国王であり女王のイギリストップのエリザードと合流し訳のわからぬまま国際会議に参加させられたのである。

 

軍事国家アメリカの大柄なあれと、デンマークで通信機越しでかち合ったロシアのあれと、他にもフランスの聖女やらイタリアのローマ教皇やらがいる中、学園都市のトップが召集に応じない代わりに私、『上条当麻』が出席する羽目になってしまったのである。

 

当然、身に覚えのない代役の上条はと、恐れ多く断るのだが、全面一致で何故だか大物達に『これほどの立役者はいないだろう』と認められてしまう始末。

 

そして、拉致に流されるように加わったインデックスと元、世界が一致団結して殲滅に掛かった魔神オティヌスも流れるように同席し、

 

案の定、オティヌスがいる時点でカオス極まりない状況での会議は上から目線のオティヌスの発言によりキレたキャーリサやら、途中参加のフィアンマにより殺伐したり、他にも戦闘狂のグレムリンの全能神やらで建物は半壊したりで、会議どころではなかった。

 

休憩を挟み、一休憩入れ、室内から出ると。

そっちの生活より優遇になるし、とキャーリサから、

どうです?せめて側近にでもと、性別が掴めぬロシアのトップから、

既に安定感のあるレッサーから、

ついでにトールから、

と、並々ならぬ勧誘をうけた所でも因縁があるらしいキャーリサとレッサーによるドンパチに巻き込まれたりと。

とにかく帰りたかったのは言うまでもない。

 

なんやかんやで、痛み分けで終了した会議は終わり、上条達は帰りの航空機に乗り、そして今に至る。

 

 

 

「おい、人間」

 

「着陸なら無事に済みそうですが?」

 

そっちではないと言い、15センチの神は神妙に言う。

 

「あの、ピエロのことだ。何かあるぞ」

 

「……ピエロね……。」

 

『娘の愛した世界は終焉を迎えると』と、会議の終わりに特殊な右手を持つ自分以外には聞こえたと言う学園都市のトップによる魔術による宣言があったらしい。

 

これに関してはイギリス女王エリザードが後日、学園都市に刺客を送り込むらしいのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とうま、朝御飯がまだなんだよ」

 

「なら、さっさと寮に帰ろう」

 

特に問題なく着陸でき、第七学区の通りを歩く。

週末でもない、ここ学園都市の日中のほとんどの者は学生の本分でもある学校へと駆り出されている。

着いてすぐ、留年の危機を背負うツンツン頭の高校生は少しでも出るべきだと学校へと向かおうと思ったが、居候の胃袋の問題や食費云々の問題があり、外食するわけにもいかず、自宅で有り合わせの何かを作ることを最優先にし、学生の本分を後にする。

オティヌスはと言うとシートベルトで固定出来ない身体のせいか着陸のさい、酔ってしまってしばらく休ませてくれと、肩で頭を抱え込んでいる。

 

「しかし、あれだな。やけに静かって言うか…」

 

最後まで言い切ることはなかった。

 

「とうま、」

 

インデックスがその場に身構える。オティヌスも、

 

「ああ、これは既に、」

 

上条が遅れて一歩踏み出した直後だった。

 

 

 

『魔術の宝庫や魔術の神が随分と遅れを取ったものだな』

 

 

ドガッッッ!!!!!! と。

いきなり、眼前の建物が黒い大爆発に呑み込まれた。

 

音の洪水が襲い掛かり、上条はインデックスと一緒に思わず地面に倒れ込んできた。

 

上から何かが落ちた。

 

ただし、それだけには留まらない。爆発した建物の中から、または別の建物周辺から人が出ていく。だが、この状況で慌てる素振りなど見せずに。

 

直後に第二派があった。

 

学園都市の誇る頑強な建物が次々と、風船か何かのように内側から破裂していく。紅蓮の炎と黒煙を撒き散らし、時には残骸が真上に跳ね上がるような格好で。

脱出が遅れていれば、市民達が巨大なオーブンの中で丸焼きにされていただろう。

だが、何があった。

倒れ込んだまま、眼球だけをギョロギョロと動かす上条はそこで見た。

本来なら狂騒とした目付きで混乱が起きてなければ可笑しなこの状況で、市民の誰一人が声もあげず、走ることさえせず、まるでカラクリ人形のように手足をカクカクさせながら歩く始末を。

 

上条はうめき声を発した。

遅れて来た恐怖を感じ、彼は言う。

 

「……立ち止まったらダメだ、逃げるぞ!!!」

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

きんこーん、という電子音が聞こえた。

直後に、男性らしい合成音声が続いていく。

 

『これより標的上条当麻に対する生体認証走査行動を開始します。本作業を阻害する因子については物理的排除を実行します』

 

穹飛ぶ異形の兵器やら飛行船から発せられているもの、と上条は考えていた。

だが、違う。音源は近い。地上から近い、かつてフロイラインという華奢な女の子を救出した。また、同じく右手に異様な力が宿っている平凡な高校生、上里と『理想送り』(ワールドリジェクター)を取り戻しに向かったあの、『窓のないビル』と称される、あの場所から響いて放たれているものだ。

「……あれは学園都市に緊急の警告があった時のみ流れる警告用のスピーカーからだ。ハッキングでもしているのか……?」

『上条当麻につく武装解除の意思を表明しない者の場合、その意図の内容に関わらず排除行動の対象となります。繰り返します、これより、標的上条当麻に対する……』

 

爆発により黒い煙が舞う空にて、かつて学園都市からデンマークに送られてきたファイブオーバーのようなモノはなく。地上からもそのようなモノは見当たらない。

だが、自分達の間合いには見当たらない所で大きな爆発は幾度となく起きる。

 

チカッ、という白い瞬く光があった。

真っ先に気づいたのは、魔女の帽子を片手で押さえて黒い煙の舞う空を上条の肩で見上げたオティヌスだった。

 

「来たぞ」

 

「……嘘だろ?」

 

思わず、インデックスの手を掴む。

そのまま勢い良く地下への入り口目掛けて走り出す。

 

直後の出来事だった。

 

黒い煙の舞う更に上の、まるで天から地を切り裂く一本の剣。それは水の塊である。

強烈、という言葉さえ生ぬるい速度と圧力。

大量の粉塵の壁がそれらを視覚化し、音速の四倍から五倍の速度で建物の残骸やら木を薙ぎ倒していく。それは圧倒的な水蒸気爆発(水爆)によって生み出された猛烈な熱波の壁だった。学園都市が誇る金属やコンクリートなどを融解させ、地面が赤熱していく光景が頭に浮かぶ。

 

上条当麻には見覚えがあった。

かつてデンマークにてオティヌスと世界を敵に回しながらミミルの泉へ目を回収しに行っていた時、一番初めに何があったか。第一位を背負ってきてあの計り知れない爆発を起こしたのは、言うまでもない、学園都市だ。

 

オティヌスにかつて救われた時のように、インデックスの口を塞ぎ、地面に覆い隠すように地下の中で伏せる。

 

 

天からの攻撃は、あの時と同じ、たっぷり数秒間続いた。

 

数十秒。

上条は知っている。あの時、君臨した学園都市の代名詞、第一位を。上条はインデックスやオティヌス、インデックスの抱える猫の安全を確認し、地下から外へ出る。

 

 

 

燃えている木材やら瓦礫やらが辺りに散らかり、黒い爆風が漂う中で上条は思わず声をあげる。

 

 

それは、この惨状に驚いたからではない。

 

 

上条当麻の予想とは違う光景を眼の辺りにしたからだ。

 

 

あれだけのことがあったはずなのに、

 

建物一つ倒れていないどころか、傷一つついていない。

燃えている木材や瓦礫やらは一番最初に爆発した残骸なのか、核爆発は関係ないのかと確証がないがそう思うしかなかった。

 

辺りを霞ませる酷い爆風の煙の中、カラクリ人形のようにカクカク手足を動かす人達がこちらに向かってくる。

 

あれはきっと、学園都市に在宅している一般の者だと上条は今更ながら確認をする中、何もなかったかのように傷一つなく、服の汚れなくこちらに、上条の方にと向かってくる。

 

突然のことで半場パニックに陥っていた上条は呆気に取られている中、遅れて地下から出てきたインデックスの掌にいるオティヌスは言う。

 

「あの時とは違って轟音が一切響いていなかった。それにこの特異気象な状況できのこ雲が上がってすらいない。」

 

「……………………………………………………」

 

少年は予想外の出来事以前に、この状況に呆然と立ち尽くしてしまう。

言われて見れば核爆発が起きたにも関わらず核爆発に伴う現象の一つが見当たらなかった。

「大丈夫」

インデックスだった。

「これは、学園都市で行われた現象だから勘違いするかもしれないけど、これは科学だと、そう見せ掛けている魔術による現象だと思う。」

「……これが…魔術だって!?」

オティヌスがインデックスの掌から上条の肩に移動しながら言う。

「お前との幾千億の戦いのうち、直接戦った時だって爆発系統の魔術は使ったはずだ。この規模の爆発だってやろうと思えば魔術で再現できた」

あっけらかんに言うオティヌスの言葉にのみ込みが遅い上条であるが、何十、下手したら何百いるかも分からない異様な人達がかなり近い距離まで迫ってくるのを確認すると再び走り出す。

 

「アイツらは何なんだ、何故、何故、爆発にあっていない!?」

 

「は、はぁ、はぁ…操られているんだよきっと!!魔術によって、それも爆発から身を護るだけの魔術の加護まで加わってもいるのだと思う。この辺全体の、学園都市全ての建物だって魔術によって護られているのかも…!!」

 

「嘘だろ、学園都市全ての規模がどれだけあると思ってるんだ。そこまで魔術が行き届くモノなのか!?」

 

「学園都市統括理事会のトップ、元、世界最強の魔術師と唱われたアレイスターのやつなら可能だろうな。後日何かあるだろうと踏んではいたが、もうか…あのピエロ野郎が!!」

 

「な、まてまて、学園都市統括理事会のトップ!?……何で俺がそんな偉い奴に狙われなきゃなんねー!!?」

 

「さあな……。こっちには理由がなくても大物に襲われたことなら散々あっただろうに」

 

「あら、やだ、ホントだーー!!!!」

 

息切れしているインデックスを気にしながら統べなく逃げるだけの状況を打破せんと後ろで起きる爆発の風圧に度々吹き飛ばされながら強引に路地をくねくねと走りながら、最低限距離を取ろうと走る。

 

後ろを振り替える余裕がないが、自分達が通り過ぎた後ろ建物のほとんどが爆発していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここなら…どうだ…」

 

最初の爆発があった場所から随分と離れた所までこれたと思う。爆発の音も聞こえなくなった。

 

 

(御坂は、土御門や青ピや、皆はどうしてるんだ…)

 

まさか、爆発に巻き込まれているかもと最悪な事態にと考える中、他人のことは後回しだと、オティヌスが言う。

 

 

「まず、状況を打破するにも情報が無さすぎる。今は仮定を説明する時間も惜しいから単刀に言うが、爆発はお前の右手で打ち消すのは無理だ。説明はしないぞ」

 

「建物が幾つも爆発したのはあらかじめ、内側から何らかの爆発魔術が組み込まれているのだと思う」

 

「……爆発…ん、待てよ、爆発……何故建物が爆発したんだ!?」

 

「ん?」

 

「爆発は確か、何らかの魔術によって護られているんだったよな?だが、俺らは逃げる中何度も建物の爆発を背中で感じたはずだ!!あの核爆発しか護れないようになってでもいるのか?それとも内側からには弱いとでも?」

 

「ここまで規模の大きな、学園都市全体の魔術になると、とても強力だったあの核爆発は護れて他の爆発だけは護れないなんて、正確で綿密な魔術はそうそう組み込まれていないと思う」

 

「だったらなんで……イヤ、そもそも何で俺らはここまで逃げることができた?気になることと言えば、爆発はずっと俺らが通り過ぎた後ろの方でしか爆発は起きなかった……何故だ?」

 

何故爆発は俺らを囲むように起きなかった?前から、横からではなく後ろからしか、

最初の爆発で出会ってから俺らを追っていた奴等だってそうだ。後ろから迫ってくることはあったが、何故前からは来ない?単に新手がいないのか?

たまたま、最初からあの辺にしかいなかったのか?

 

いや、そうじゃない。

 

「俺らは、最初はいつ、どこで起きるかわからない爆発に巻き込まれるのを恐れて、ただ、逃げていたが、あれは全て俺らを誘導するために後ろから…?操られているアイツらだって後ろからずっと追って……」

 

「……窓のないビルから随分と離れてしまった。恐らく現況のアレイスターはそこにいるだろうな」

 

「なら、俺らはそこに行かなければならない。が、現にかなり遠ざかっているぞ」

強烈な核爆発の恐怖のせいか爆発から逃げるということばかり一点絞りになっていたのではないか?

爆発や操られている奴等は今こそ思えば、まるで『あそこ』(窓のないビル)を護るかのように後ろから迫ってきたではないか。

 

「戻るにしても危険すぎるな」

 

警告では、俺につくものも排除するとのことだった。となると、インデックスやオティヌスがここでリタイアすれば被害は加えないのかもしれない。

 

なら、俺一人で、と言おうとしたその時だった。

 

 

『誘導に気づくのはいいが、誘導先が危険ではないとは思わなかったのか?』

 

ドドッッッ!!!!! と。

建物を薙ぎはらうかのようにレーザーのようなものが頭上の上を貫いた後の爆発の音だった。

 

経験が上回ったのか、インデックスを引っ張り路地をすぐさま出たのが幸いだった。

 

「は、はぁ……間一髪だ……」

 

今の今までいた路地の建物は派手に瓦解していた。

 

もう、建物がどう魔術で爆発し壊れるかなんて議論している場合ではなかった。

そして、上条はここにきて冷静になる。

経験でわかった。今のこれは魔術ではないと…。

今のは超電磁砲(レールガン)である。

 

 

『前兆の予知が備わっていたとしても大したものだ』

 

「……嘘だろ??」

 

爆発の煙が晴れて、前を見ると。

 

『必要なモノは揃っている。あとはお前だよ上条当麻』

 

 

操られているのだろう。異様な歩き方をする身に覚えのある三人がこちらに近づいてきた。

 

 

『アクセラレーター、レールガン、メルトダウナー

一度にこれほどの面子を相手にするのは何回目かな?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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