仮面ライバーサンシャイン 光の導き手   作:シママシタ

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長らくお待たせしました。
同人活動やらテスト勉強にとやることが多く、なかなか手がつけられずにいました


君の為の物語

翌日。以前、言っていたように淡島の大階段で練習をすることになったAqoursメンバー。

しかし、階段に登っている途中で花丸はルビィを先を行かせ、背中を見送った後、花丸は一人で階段を降りて行った。

作戦は成功だ。花丸は元は本気でスクールアイドルをやるつもりはなかった。ただ、問題は自分が動かなければ、誰よりもスクールアイドルがやりたいルビィが動かないのだ。

その為に花丸はわざわざこんな作戦を企画したのだ。

 

「どうか、ルビィちゃんにスクールアイドルをやらせてあげて下さい!」

 

「国木田さん……」

 

そして、花丸は前から呼び出していたダイヤの前に立ち、頭を下げて、ルビィのスクールアイドルの許可を貰おうとする。

生真面目なダイヤも所詮、一人の人間。ましてや、姉だ。

妹でたるルビィの頑張っている姿を見て、何も思わないわけがない。

 

「やっぱり、そういうわけか」

 

「先輩……」

 

すると、組織を裏切ったどこぞのダイヤモチーフのライダーのように木の陰から見ていた光助が花丸達の前に出る。

 

「薄々気づいてたよ。花丸ちゃんがルビィちゃんをスクールアイドルをさせる為にあんな提案をしてきたってのはさ」

 

「幻滅……しました?」

 

「いいや。それが花丸ちゃんのやりたいことなんだろ」

 

光助は今までの花丸の行動は否定はせず、逆に肯定していた。

それが花丸のやりたいことなら光助には止める義理はない。

寧ろ、人の為の行動ならそれは賞賛されるに値するものかもしれない。

しかし、光助にはたった一つ、納得いかない点があった。

 

「でも、俺は昨日言ったよね?やりたいことがあるなら我儘を言ってもいいって」

 

昨日の花丸の様子。ルビィの話から花丸はスクールアイドルが大好きで、そして、やりたがっているのは明白だった。

だが、花丸は身を引いてまでも、自分を犠牲にしてまでもルビィをスクールアイドルにすることを選んだ。

 

「我儘言って、わざわざみんなにに迷惑をかけることなんてしたくないずら!まるは鈍臭くて……地味で……あんな華やかなスクールアイドルなんて……似合わない!」

 

花丸は声を荒げて反論する。

確かに花丸の言ってることは十分正しい。我儘を言って他人に迷惑をかけるのは褒められることではない。

 

「それは違いますわ」

 

「生徒会長?」

 

だが、ダイヤはこれに意を唱えた。

正論ではあるかもしれないが、花丸の言葉には一種の諦めや逃げがあった。

それがダイヤにとって気に食わないものであった。

 

「ルビィの好きなスクールアイドルの方国木田さんと同じように自らを鈍臭くて地味だと思っていました。ですが、友人達の後押しと勇気で彼女も夢に見たスクールアイドルになったのです! 」

 

ルビィの好きなアイドルーー小泉花陽もまた、花丸のようにアイドルに憧れていたものの、自分自身が無く、夢の一歩を踏み出せずにいた。

しかし、後に同じμ’sのメンバーとして手を取り合う、星空凛と西木野真姫に後押しされ、夢に--スクールアイドルになるという夢を叶えたのだ。

 

「おらはそんな物語の主人公でも何でもない!まるは所詮、脇役……そんな存在ずら!」

 

「違う!これは花丸ちゃんの物語だ!花丸ちゃんの人生はまごうことなき花丸ちゃんが主人公の物語だ!」

 

「まるが……主人公……。そんな大役……まるには務まらないよ……」

 

しかし、そんなシンデレラストーリーは簡単に起きる訳がない。何より、起こったとこほで自分はそんな主人公という大役は務まらないうえ、重荷を背負う覚悟はなかった。

だから、自分は脇役でいい。主人公を傍らで見守る脇役。

 

「なら、変身すればいいんだ!大役の務まる自分に!新しい自分に!花丸ちゃんの憧れるμ'sの星空凛さんのように!」

 

「な、なんで凛さんのこと!」

 

光助から口から凛という名前を聞いて、花丸は驚く。

 

「ルビィちゃんから聞いたよ。花丸ちゃんの……推しってやつ。その凛さんをさ……俺はあんまり知らないから語れないけど……あの人だって変われたんだよね」

 

「でも!あれは凛さんだから!」

 

花丸は凛に憧れていた。凛は可愛らしくもあったが、どこかボーイッシュさを感じる少女だ。そのせいで幼い頃にある男子達から言われた心ともない言葉によって、可愛らしい服装を着ることにトラウマを植え付けられた。

しかし、μ’sメンバーのおかげで、そのトラウマを克服し、あるファッションショーで花嫁衣装を着ることが出来た。

そんな変われた凛に花丸は憧れていた。

いつかは自分も変われたらと。地味な自分から輝ける自分にと。

だが、自分にはそんな勇気も力はない。あれは凛だから出来たことだと諦めていた。

 

「違うよ。誰でも変われるんだ。俺だって変われたし、梨子ちゃんだって、ルビィちゃんだって変われた!可能性はみんなに等しくあるんだ!」

 

今日、光助に説得されるまでは。

花丸の手を握り、熱い眼差しで見つめ、光助は一生懸命、後押しする。

花丸が変われると信じて。変わって欲しいと願って。

 

「先輩……」

 

光助の懸命な姿に花丸の心は揺れ動く。しかし、あくまで動くだけで、決心するには至らない。

まだ、関わりの浅い光助にはここまでが限界だろう。

 

「館さん……」

 

一方、いつの間にか蚊帳の外に追いやられていたダイヤは懸命な光助と恩師を重ね合わせていた。

親子だから似ているのもあったが、話すことも、何事にも懸命なその姿すら、似ており、複雑な心境に陥る。

 

「……ねぇ、花丸ちゃん。ポケットに入ってるのは何?」

 

「え?……本ずら……」

 

突然、熱い声色は冷まされ、氷のように冷たくなる。

いきなりどうしたのだろうと花丸は気になったが取り敢えず、本を出し、光助に見せる。

 

「花丸ちゃん!危ない!」

 

その本を見た途端、光助は花丸から本を取り上げ、がむしゃらに投げ捨てる。

あまりの突然のことに花丸は怒りを込み上げる間もなく、ただ動揺するだけ。

一方、宙を舞う本は突然、黒い瘴気に包まれる。

そして、瘴気は人型サイズにまで大きくなり、中から異形が現れる。

 

『チッ!気づかれたか』

 

「ほ、本が怪物に⁉︎」

 

「また、怪物ずら⁉︎」

 

『私はストーリー。悪夢という名の物語を司る者』

 

白いコートに読めない筆記体のような文字が縦縞模様が描かれ、白目の単眼にシルクハットの異形、ストーリーseadが丁寧な物言いで自己紹介をする。

 

「本がseadになるとか、何でもありか」

 

『本というのは書き手や読み手の思念が宿りやすいのだ。特に人目に触れる公共施設の物なら非常に生まれやすい』

 

「ご丁寧にどうも。それで、お前の目的は花丸ちゃんか?」

 

seadの分際でやたらと丁寧な説明に拓人は気に食わないと眉をしかめる。

 

「あぁ、そうだ。こんなチンケな女の物語など、誰が求める?」

 

「誰がっめ俺が求めているさ」

 

花丸の人生を侮辱しているような物言いに光助は怒りを露わにする。

ストーリーは所詮はたった今生まれた存在。刹那の存在が長い間生きていた花丸の人生を侮辱する資格はないと光助は思っていた。

 

「みんな、変われるんだよ!俺だって!あんな卑屈な人間からここまで変われたんだ!だから、俺は信じる!花丸ちゃんが、1人の主人公として、自分の物語を歩けるって!その為にも俺は!花丸ちゃんを!花丸ちゃんの物語を守る! 」

 

それに例え、今までの花丸の人生が意味が薄くても、これから濃くしていければいい。

花丸は若い。今から覚悟を決め、輝こうとしても決して遅いということはない。

そして、その人生を潰そうとする輩がいるなは、自分が叩きのめすだけ。

光助はそう意気込んでいた。

 

「変身!」

 

花丸の夢を--物語を守る為、光助は光の力を振るう。

ホープドライバーをポケットから取り出し、腰に巻く。

そして、ドライバーから光が発せられ、光助を包む。光の中から現れた光助は黄金の肉体を身に纏い、仮面ライダーホープへと変身する。

 

『仮面ライダーホープ!光を紡ぎ!悪を絶つ!』

 

『フン!貴様がどれ程意気込もうが、私の立てた勝利への物語はブレることはない!』

 

口上を高々に宣言し、ホープはストーリーに殴りかかる。

一方のストーリーはそのまま強く念じるだけであった。

 

『何!』

 

「舘さん!」

 

動かないストーリーをホープは殴ろうと拳を振り上げるが、その寸前で地面から生えて来た蔓によって、体を拘束されてしまう。

 

『ふふ。友人を守る為に奮闘する勇者を返り討ちにする物語も悪くはないな』

 

『はぁ?おいおい、テンプレを無視した斬新なアイデアとか思ってるのか?そんな捻りもない物語じゃ、読者は喜ばないぞ』

 

『読者など関係ない!私自身が満足出来る物語ならそれで良い!』

 

ホープの挑発を真っ向から否定し、ストーリーは攻撃を仕掛ける。

指をパチンと鳴らすと、ホープが突然、発火する。

 

『何⁉︎』

 

『ふはは!このまま、火炙りになってしまえ!』

 

ストーリーの能力。それは自身を中心に、半径100m以内の範囲を我が物とする能力。

範囲内なら完全に物理法則を無視をした攻撃や、ストーリーにとって都合のいい状況を作り出せる能力だ。

しかし、弱点として、その範囲及び物語に置いて、中心に居なくてはならず、中心から離れる瞬間移動や、消えてしまう透明かなどは使えない。

 

『ぐぅぅぅぅ!』

 

火に焼かれ、肌が剥がれるような痛みに呻き声を上げながらもホープは必死に耐える。

 

『貴様の物語はこれで終わる!このまま消し炭になってしまえ!』

 

『ふざけるな!俺の物語は俺が決める!花丸ちゃんの物語は花丸ちゃんが決める!てめぇが花丸ちゃんの物語に介入する余地はねぇんだよ!』

 

このまま、ストーリーの思うがままにされるのは許せなかった。

人の物語を私欲の為に終わらせる。そんなことをさせてはならない。

ホープは力任せに蔦を引きちぎり、炎に包まれたままストーリーの顔面を殴る。

 

『バカな!!』

 

ストーリーの能力を崩したホープを目の当たりにし、ストーリーは動揺を隠せない。

 

『何故だ!何故だぁぁ!』

 

『これで決める!』

 

一度、崩された物語は修復されことはない。

脚を震わせ、戦う気力がなくなった、ストーリーにホープは裁きの鉄拳を下そうと右腕に光の衣を纏わせる。

 

『てめぇのゲスじみた物語と一緒に砕け散れ!ライダァァァァパァンチッ!』

 

ホープはストーリーに必殺の「ライダーパンチ」を浴びせ、ストーリーは光の衣に包まれる。

 

『おのれぇぇぇぇぇぇ!』

 

衣の中から断末魔が漏れだす。

だが、次第にそれは聞こえなくなり、そして、光の衣が無くなると中からストーリーが憑依していた古い本が地面に置かれていた。

 

『全く。本までもがseadになるなんて、意外だな」

 

変身を解きながら、光助は本を拾い、汚れを軽く払う。

そして、ゆっくりと背後を向き、尊敬の眼差しで見つめる花丸とただ呆然と立ち尽くすダイヤの元へと歩く。

 

「二人とも、無事?」

 

「まるはだいじょうぶずら」

 

「ど、どういうことですの⁉︎こ、光助さん……あなたは!」

 

あまりの奇怪な状況にダイヤはパニックに陥っていた。

 

「まぁ……話すと長くなるなぁ。とりあえず俺はあの怪物と戦っている。それだけわかってくれれば良いです」

 

また、正体を知られてしまい、厄介なことになったと光助は気まずそうに頭を掻くのであった。

 

♢♢♢

 

「へぇ……本までがseadにね。もう、何でもありね」

 

松浦家が営むダイビングショップのロッジで光助から先日のseadの話を聞いたレイは驚きつつも、何でもありということに呆れてもいた。

 

「そうだな。本当に何でもありだから、レイにも伝えておくよ」

 

「そう。情報が無いのと有るのじゃ、全く違うからね。ありがとう」

 

ただ呆れる事実でも有益な情報には変わりない。レイはひとまず礼を言う。

 

「2人とも、飲み物飲む?」

 

「はい。いただきます」

 

「ありがとう。果南」

 

光助とレイが話し終えた頃、お盆を持った果南がタイミングよくダイビングショップから出てきた。

お盆の上には鮮やかな色をしたジュース。

どうやら、ダイビングショップで売っている商品のようだ。

 

「ありがとうございます。美味しい!」

 

ロッジに置かれた木の椅子とテーブルに座ってジュースに口をつける。

爽やかな味に甘みがあってとても美味しかった。

 

「そういえば、勧誘の件はどうなったの?」

 

「はい。ルビィちゃんはもう入部する気満々なんですけど、花丸ちゃんがまだ一歩踏み出せないようで。でも、それも時間の問題ですけどね」

 

「どういうこと?」

 

「自分で一歩を踏み出せないなら、誰かに手を引いて貰えばいいんです」

 

「でも、光助の説得があってもダメだったんでしょ?」

 

「俺はそんなカリスマじゃない。まだ、出会って間も無い俺は心を揺さぶることは出来ても、決心させるまでは出来ません。そこから先は友達や親友の役目です」

 

花丸にとって光助など所詮は先輩か命の恩人でしかないだろう。

それは確かに特別な関係ではあるが、大切な関係ではない。

特別な関係では表面上のことしかわからず、内面は詳しくわからないため、花丸を突き動かすのはかなり難しい。

大切な関係であり、花丸のことをよく知るルビィなら花丸を突き動かし、Aqoursへと導くことができるだろうと光助は考えていた。

 

「親友か……」

 

親友という言葉を聞いて、果南はどこか上の空をであった。

 

「あ、失礼」

 

すると、光助のスマートフォンから着信音が鳴り、すぐに出る。

 

「あ、千歌。……そっか!良かった!」

 

通話し始めるとすぐに、光助の表情がみるみるうちに明るくなっていく。

光助の反応を見れば、果南とレイもその喜びの理由が自ずとわかってくる。

 

「もしかして!」

 

「あぁ!Aqoursに新しく二人の新メンバーだ!」

 

そう、Aqoursに新たなメンバー。黒澤ルビィと国木田花丸が加入したのだ。




次回 仮面ライバーサンシャイン!

奴が降臨する!

「ヨハネ!降臨!」

「光助君と似てる?」

「仮面ライダーは厨二病じゃねぇ!」

次回、ヨハネ降臨!
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