今回は何と、変身します。2話でですよ!早くないですか?早くないですね。
日本一の富士山と海を望める町、静岡県沼津市。桜内梨子はつい最近この町に来た高校二年生である。親の事情で東京の秋葉原から引越してきたのだ。
梨子はこの町についてよく知るために、現在、海岸沿いを散歩をしている。海からの心地よい潮風と気持ちのよい暖かな日差しを楽しみながら散歩を楽しんでいた。
「あ、第一町人発見。」
すると、急にバイクに乗った男に声をかけられ、梨子は驚き、思わずこけそうになってしまう。
「いやいや、ただ道を聞きたいだけなんだよ。このさ、空丸遺跡に行きたいんだけど。」
男はそう言って警戒心解くために、素顔を見せるようにヘルメットを外す。
ヘルメット外したその顔は、白い髪にパッチリの二重で鼻が高く、中性的な顔立ちでモデルでもやっているのかというくらい顔が整っていた。素顔を見せたことで梨子の警戒心は和らいだものの、この町に来たばっかりであり、道の案内など教えることは出来ず、むしろ教えて欲しいくらいだった。
「えっと……すみません。最近この町に引越してきたばっかりであまりよく知らなくて……」
「そうか。どうしよっか……」
「あの、何かお困りですか?」
めぼしい情報を得れず、これからどうしようかと少年が悩んでいると、みかん色の髪とグレー色の少女が現れ、少年に声をかける。
「あぁ、うん。空丸遺跡って所に行きたいんだけどね。」
「あっ!それならこの道をカクカクシカコ、それで三森商店の角を曲がってクスクスくっすんすれば辿り着くよ。」
「おお!ありがとう!おかげで助かった。」
初対面だと言うのに、快く道を教えてくれたみかん色の少女に少年は目一杯の感謝をする。
「そういえば見かけない顔だけど?」
するも、グレー色の少女が梨子と少年の顔をマジマジと見つめてそう言った。道を教えてくれた時には気づいていたが、どうやらこの2人の少女は長くこの町に住んでいると少年は思った。
「あぁ、今日この町に越してきたからね。因みにこの子もだよ。」
「えっ?……うん。」
まるで長年一緒にいる友達のように少年に紹介され、その自然さに梨子は疑問に抱きつつもただ少年と2人の少女の会話を聞くだけであった。
「そうなんだ!それならこれから顔を合わせることも多くなるかもね。そうだ!自己紹介しようよ。私は高海千歌。ちかっちって呼んでね。」
「私は渡辺曜。よろしくね。」
みかん色の子は高海千歌とグレー色の子は渡辺曜は元気よく自己紹介し、少年に好印象を与えた。
「ちかっちと曜ちゃんね。よし、覚えた。次は君だね。」
「えっ!わ、私は桜内梨子って言います。」
また突然に話を振られ、準備が出来ていなかったことと緊張でどもりながら何とか自己紹介をすることが出来た。安心して大きな息を吐くと最後に少年が名前を言った。
「それじゃあ、俺の番だな。俺の名前は舘光助。よろしく!」
「光助君か〜それじゃあ、こうちゃんって呼んでいい?」
「ちょっと、千歌。年上かもしれないよ?」
確かに光助は身長が高く、顔つきも少し大人っぽいというか中性的なせいか何処か色っぽく、少なくとも千歌と曜と同じ高校生には見られなかった。
「ということは君たちは高1?」
「いえ、私たちは高校2年生で。」
「なら同い年じゃん。だったら別に問題なんてないよ。」
光助が同い年だと知った、3人は驚きを隠せない。それほど、見た目とのギャップがあるのだ。
「というか、みんな同い年なんて……」
「梨子ちゃんもなの⁉︎すごい!こんだけ同い年が集まるなんて、私たちは何か持ってるね!」
梨子はその偶然に驚き、千歌は楽しんでいた。そんな2人の態度を見た曜はやっと光助との距離を縮め、改めて曜なりの自己紹介をする。
「そうかも。なら改めて光助君、梨子ちゃん、ヨーソロ!」
「ヨーソロ?」
右手で敬礼をして、軍人かなんかのように振る舞う曜。その様子に2人はぽかんとするが、なかでも気になったのがヨーソロという言葉であった。都会から来た2人にはその言葉の意味がまったくわからず、頭の上にハテナマークがたくさんを浮かべる。そんなよくわかってない2人に曜はその意味を話した。
「私のお父さんはね船の船長をやってて、ヨーソロっていうのは船を操縦する時に真っ直ぐに進みたい時に言う言葉だよ。」
「父さんが船長……すごいなぁ。」
とりあえず、その言葉が船にかんす父さんという言葉に少しだけ光助は反応を示すが、すぐに切り替える。
「そういえば、何で空丸遺跡なんかに行くの?」
「まぁ、探検かな?」
「探検⁉︎私も行きたい!」
「でも、空丸遺跡って数年前に周辺で土砂崩れがあって立ち入り禁止って内田さんが言ってなかったっけ?」
好奇心旺盛な千歌は一緒に遺跡に行こうとするが、曜は衝撃の一言を放ち、千歌は不満足そうな表情へと一転する。
「そうか……俺には関係ないけど。」
「行くきなの⁉︎危険じゃないかな……」
それでも光助は行こうとしており、梨子は危険だと引き止める。しかし、そんな警告を光助は耳に入れることはなかった。
「そうかもしれないけど、命をかけてでもやらなきゃいけないことなんだ。」
「ほら、こうちゃんもこう言ってるんだし。……因みに今のはこうちゃんのこうとこう言ってるんだしをかけて……」
「千歌、説明しなくていいから。」
千歌の悪い癖が出たと曜はため息を吐く。千歌はいきなりよくわからないダジャレを言い、周りを困らせる。本人にはその気はないのだが。さらにしなくてもよい種明かしも込みで周りはさらに反応に困るのだ。
「というか、ちかっち。命かけるって言ってるのに行く気なのか……」
「まぁ、いいじゃん!道案内も兼ねてね。」
「だがなぁ。」
「よーし、レッツゴー!」
光助の心配を他所に千歌はそう勝手に決め、1人で歩き始めてしまった。
「なぁ、曜ちゃん?」
「何?」
「もしかしてちかっちって、大変な子?」
「……そうだね。」
光助は曜の今まで苦労とこうなれば千歌を止めることはできないと悟り、半ば諦めた様子で千歌の後を追った。そして、そんな2人が心配な曜と梨子も渋々だがついていくことにした。
♢♢♢
「ここが空丸遺跡の入り口……」
歩き始めてから30分後、ようやく目的地である遺跡の入り口に辿り着いた。その入り口は海岸沿いの林のところにあり、曜の言っていたとうり、立ち入り禁止のようで、黒と黄色のテープが設置されてあった。
「とりあえず俺だけでも入るか。」
「えー!ずるい、私も入る!」
「千歌……流石に危ないよ。」
千歌が光助に続き、立ち入り禁止エリアの入ろうとするが、やはり危険と判断した曜は引き止める。しかし、千歌は子供のような理由で曜の警告を一掃する。
「でもおもしろそうじゃん!ねぇ、梨子ちゃんもそう思うでしょ?」
「えっ⁉︎私は……止めたほうがいいと思う。」
千歌に話を振られ、同意を求めるが、梨子も曜と同様に反対だったため、賛同せずに曜と同じようなことを言う。
「まぁな、普通なら曜ちゃんと梨子ちゃんの言ってることが正しいな。」
「わかってるなら光助君も……」
「だからさっきも言ったろ、命かけてもやらなくちゃいけないんだから。」
発案者である光助もその危険性を知っており、2人の意見には理解は十分であった。だからといって、光助にとってそれは止める要因には弱く、1人で行こうとテープをくぐる。
「とりあえず俺は行くよ。来たいなら来ればいい。」
「よーし!探検に出発!」
「ちかっち!危ねぇから走るなって!」
光助の後に続くどころか先を行く千歌に光助は慌てて、千歌の前に出る。誰かがついてくるのなら光助は前に出なければならいないのだ。そうすることによって、誰よりも先に危険を察知し、後ろの安全を最大限にすることが出来るからだ。
「もう千歌ったら!」
危険なのは承知だが、先行く千歌が心配になり、曜もテープをくぐって行ってしまった。
「ちょっと……」
そして1人取り残された梨子は、どうすればいいかわからず、半ばやけくそでテープをくぐった。この先に祠があるということで道はそこまで荒んでおらす、予想以上にはあるきやすかった。そして、すぐにみんなと合流することが出来た。
「結局みんなついてきたのか。」
後ろを振り向き、光助は少し呆れ越しにそう呟いた。これからどんな目にあうかわからないのにと内心思っていたが、それが間違いだったことに気づく。なんと、そんなことを思っている間に目的の遺跡に着いてしまったのだ。土砂崩れの影響で周り道など覚悟していたのだが、そんなことはせず、道を辿るがままだった。
「これが空丸遺跡……」
「なぁ、曜ちゃん。本当に土砂崩れなんてあったのか?」
「うん、確かにそう聞いたけど……」
「そうか……見る限り。土砂崩れどころか落石すらも起こってないはずなんだか。まぁいい。」
光助は事前情報との大きな矛盾に頭を悩ませるが、今は考えてもしょうがないと思い、頭を切り替える。
「祠以外何もないね。」
千歌が残念そうに呟く。確かに広場の中心に古びた祠がポツンと建てられていただけだったのだ。しかし、光助にとっては都合のいいことであった。なぜなら、目的の物を探すのに目星が祠が以外無いのだから、無駄な時間が割けられるのだが。
早速、光助は祠を開け、中に何かないかまさぐる。
「光助君⁉︎何やってるの!」
「そんなことしたらバチが当たるよ!」
「父さんの言う通りになら……」
曜と梨子はその行動に驚き、止めようとするが光助はただ無我夢中に目的の物を探す。そして、ピタリの動きを止め、不審に思った3人は急いで光助の元に駆け寄った。
「見つけた……」
「何これ……」
梨子は光助の探し求めていたものを目の当たりにして、顔を歪ませる。
「ただの石だよね?」
千歌は光助の手に握られた物を見て、思わず本音を漏らしてしまう。だがそれもそうで、光助自身も現物を目の当たりにして千歌と同じ思いを抱いていた。
「だよな……。でも、父さんが言うにはこれの希望の光っていうアーティファクトらしいんだけど……。これじゃあ、海岸の石と見間違えてもおかしくないな。」
「父さん?希望の光?」
「いや、こっちの話だから気にしなくていいよ。とりあえず、家に戻ってゆっくり調べてみよう。」
バックから袋を取り出し、そのアーティファクトを仕舞おうとしたその時、後ろから突然声をかけられ、全員がビクッと反応してしまう。
「ここで何をしているんだい?」
恐る恐る後ろを振り向くと、いたって普通の格好をした30代の男性がこちらを睨んでいた。何故そんな普通の男がこんなところにいるのか。そんな理由など安易に予想できた。
「ここは立ち入り禁止ではないのか?」
若い男女が立ち入り禁止エリアに入るところを見れば、誰だって気になるし、注意するのは当然だ。直様、曜は頭を下げ、ここから離れようする。
「ごめんなさい!すぐにここから離れますから。」
「それだけで済むと思ってるのかなぁ?」
「じゃあ、どうすればいい?」
光助がそう言うと男はニヤリと笑い、不穏な空気を醸し出し始めた。
「なら、渡してもらおうか……」
すると、当然男が黒い霧に包まれる。そしてその霧が払われるとその中から男性ではなく。
『君達の命を!』
青と紫の色をしたジャガーのような怪物だった。
「人が……化け物に!」
千歌と曜はそんな突然のことに恐怖し、パニック状態になる。しかし、梨子は恐怖こそするが、2人とは違った恐怖だった。
「オ、オーガ⁉︎……」
「違う!あれは……Seadだ!」
光助は怪物の名前を言うと3人を守るように前に立ち、ジャガーSeadと正面から対峙する。
「みんなは早く逃げるんだ!」
「こうちゃんはどうするの⁉︎」
「あいつの足止めをする。」
「無茶だよ!」
「自分で蒔いた種だ!自分でどうにかするさ!」
千歌の制止を振り切って、光助は無謀にもジャガーへと立ち向かう。
『人間のくせに生意気な!』
光助はジャガーの腹に全力のパンチを叩きこむがビクともせず、逆に腕を掴まれ、地面に叩きつけられてしまう。
「グハッ!」
そしてジャガーは光助の胸を何度も踏みつけ、その度に光助の口からは空気が抜けるようにひゅうひゅうと音が漏れる。
『ふん、他愛もない。』
瀕死の光助を他所にジャガーは千歌たちのほうにゆっくりと迫る。千歌たちは急いで逃げようとするが、恐怖で足が竦み、動けずにいた。
「やめろ!」
だが、そんな彼女たちを少しでも逃げる猶予を稼ごうと光助は地面に伏せながらもジャガーの足を掴み、動きを少しでも止めようとする。
「友達には……死んでも手を出させない!」
そう光助が言ったその時!地面に落ちていたアーティファクトが光っていたことに梨子は気づき、急いでアーティファクトを手に取る。
『小癪な!なら、望み通り死なせてやる!』
そして、ジャガーが光助の頭を踏み潰そうとした足をあげた瞬間!
「うわぁぁぁぁ!」
梨子がアーティファクトを持ったまま、ジャガーに体当たりをくらわす。幸いなことに片足をあげていたため、ジャガーはそのままバランスを崩し、その場に倒れた。そして、梨子はすぐに光助を引っ張り、ジャガーと距離を置く。
「梨子……ちゃん……」
「光助君!これ!」
梨子は光り輝くアーティファクトを光助へと差し出す。
「何で光ってるんだ?」
「わからないよ!でも、それが希望の光じゃないのかな?」
光助はその光ることに疑問を抱いたが梨子のその一言で理解した。そしてニヤリと笑い、アーティファクトを手に取り、握りしめる。すると、光助の頭の中に声が響き渡る。
『お前は自らを犠牲にして戦えるか?』
実態のない声は光助にそう問いかける。自分を犠牲にとはと光助は考えた。命、記憶、体、存在……それらを犠牲にしてまで戦う。背後から得体の知れない何かが這い寄ってくるような気がした。そしてそれに捕まったら最後、二度とそれからは逃げられないのだろう。死ぬまで背負う呪い。そこまでして戦う必要などあるのか?光助はひたすらに自分に問いかける。
ふと、ジャガーを見る。ジャガーの背後には男性の幻が苦しんだ様子でこちらを見ていた。そして手を伸ばし、助けを求めていた。光助はその手を掴もうと目一杯は伸ばしたが届くことはなく、男性の幻は消えてしまった。
「この手じゃ……何も掴めない。」
そして光助は自分の無力さ知る。さらに目の前に男性の末路が映し出される。
ジャガーは光助達を皆殺しにし、元の男性へと戻る。そして、遺体が重なる現場を見て、男性は恐怖で発狂し、嘔吐する。さらに心からジャガーが男性に頭にこの殺人のシーンは流し込ませる。男は見たくないと目を瞑るも映像は途切れることなく、逃げ場すらない。男性がジャガーへとなり、自分たちを殺し、男性へと戻る。それを何度も見せる。これは自分じゃないと男性は否定もする、時間が経つにつれ、男性の精神は崩壊し、終いには自分がやったと言ってしまう始末。
そして、心の闇に囚われた男性は完全にジャガーに乗っ取られ、死んだ。
「どうして……こんな!」
光助の心に霧がかかる。心の闇という無情な悪意に絶望する。そして、誰の心にも潜む悪意に怒り、嘆いた。一体これをどうやって救えばいいと心の中で叫ぶ。そんな悩み、立ち止まる光助に救いの手が述べられる。
『お前なら出来る。』
「と、父さん⁉︎」
先程の声とは打って変わり、ただの声から暖かく、優しげな声が光助に語りかける。そして、その声は光助の霧かかった心に突き刺さる。
「父さん!父さん!」
ハッと気づいた時には声が聞こえなくなり、視界が明るくなる。ふと回りを見回すと、最初に声が聞こえたあの時から状況は変わっていなかった。まるで今まで時が止まっていたかのようだった。そして、その時間に見たもの思い出す。バラバラだった思いは1つになり、自然とやるべきことが見えた。
『小娘が!』
怒りを露わにし、ジャガーは立ち上がり、梨子を殺そうと標的に定める。梨子はそれに恐れ、足が震える。だが、そんな梨子を庇うように光助が再び前に出る。
服は土で汚れ、顔は傷だらけで体にはガタがきている。にもかかわらず、勇敢にジャガーへと立ち向かう。そしてポツポツと自分の思いを語り始めた。
「俺は……父さんの言ってた希望の光ってものを見つけたかっただけだ。父さんの研究は嘘じゃないし、無駄じゃなかったって証明したかっただけなんだ。だからSeadとなんて戦いたくないし、今すぐ逃げたいさ。でも……折角できた友達を失いたくない!」
右手に握りしめられたアーティファクトを強く握りしめる。すると、アーティファクトが目を開けることが出来ないほどの光を発し、梨子達とSeadは思わず、目を瞑ってしまう。しかし、光助はずっとアーティファクトを見つめていた。
「それに父さんはきっと、Seadになった人達を救いたいからこそこんな研究したんだろうな。……だから、俺はそんな意志を継ぎたい!」
アーティファクトをお腹に当てると、とある変化が起きる。今まで、石同然だったものが、鉄のようなものにかわり、黒と金色のラインの入ったドライバーへと変わる。そしてベルトとなり、光助の腰に巻かれる。
「覚悟……決めた!俺は戦う。みんなを救うために!底知れぬ闇に飲まれた人達を俺はこの手で助けたい!例え俺がどうなろうとも俺は戦う!」
手を目一杯前に出し、手を開けてグッと握りしめる。そして、光助が覚悟を決め、勇気ある一歩を踏み出した時、アーティファクトの中心にある透明な玉が輝き、光助は光に包まれる。
「光助君!」
梨子は光に向かって光助の名前を叫んだ。もしかしてこのまま消えてしまうのではないかと不安を抱きながらその光を見つめた。そして、光の中現れたのは光助ではなく
金色の肉体をまとった戦士であった。胸と腹筋は筋肉のような金色の鎧武となり、肩と脚にも同様の鎧をまとい、それ以外の所は黒く染まっていた。顔は額に一本角があり、目は水色の複眼で目の下には赤い涙が流したような跡があった。
「あ、あれは⁉︎」
「光助君……なの?」
目の前の超常的な光景に千歌と曜は目を疑うばかりであった。
『お、お前は何者なんだ!』
『さあな、自分でもよくわからないさ。でも、これであんたの心の闇を振り払えるのは確かだ!』
光助は構えを取り、ジャガーに挑発する。その挑発にまんまと乗ったジャガーは体制を低くし、光助に狙いを定めた。
『ふん!折角、体を乗っ取ったていうのに簡単に手放してたまるか!』
ジャガーは一気に走り出し、光助に襲いかかる。それを光助は悠々と避け、後ろからジャガーを掴み、投げとばす。
『パワーが上がっているだと⁉︎』
ジャガーはさっきより格段に力が強くなっていることに気づき、緩んでいた心を一気に引き締める。
『おりゃあ!』
光助は一気に跳び、ジャガーの顔面を殴ろうとするが、腕を掴まれ、防がれしまった。そしてジャガーは空いた左腕で光助の腹にパンチを決める。
多少、呻き声を上げるが、パンチによって防ぐ術を失い、がら空きになったジャガーに思いっきり蹴りを入れ、吹っ飛ばす。
ジャガーが痛みで動けないその隙に光助はジャガーと距離を取る。そして、助走をつけジャガーに方に跳び、左足を突き出し「ライダーキック」繰り出す。
『ガァァァァァァァァダァッ!」
突き出した左脚には光の衣がまとわれ、そしてジャガーへと激突する。
『ぬわぁぁぁぁぁぁぁ‼︎』
断末魔の叫びをあげるジャガーは左腕にまとわれていた光の衣に包まれ、叫びが聞こえなくなると同時に光の衣が消え、中から元の男性が倒れた状態で現れた。千歌たちは男性の状態を確認するため、急いで駆け寄った。気を失ってはいたが幸いなことに、命に別状はなくホッと胸を撫でおろす。
「どうやら無事だったようだね。みんなもその男性。」
その声に反応し、千歌たちは一斉に振り向く。そこには金色の戦士ではなく、中性的な顔立ちをした光助がそこにいた。そして、光助の顔を見るや否、千歌は説明を求めた。
「こうちゃん!あれって何なの?」
「さあな、自分でも何なのか本当にわからないんだ。」
「仮面ライダー。」
梨子はとある英雄の名前を呟き、光助達は一斉に梨子を凝視する。
「私には光助君が……仮面ライダーに見えた。」
「仮面……ライダー……」
光助は自由と平和の為に戦う戦士の名前を呟いた。
伝説は再び蘇る
今回の仮面ライバーはクウガとかアギトみたいなテイストで行こうと思います。
そして、別の自分の作品と続くことも決定しました。が、別にそっちの方は読まなくてもいいように話は考えます。ここはクウガとアギトの関係性をイメージしてください。
あっ、読まなくてもいいって言いましたが、暇があれば読んでください。