第4話です。
今回で序章が終わり、次回から本格的に話が動きます!
光助の目の前は真っ赤に染まっていた。草木は火に焼かれ、黒い煙が立ちこめ、少しでも呼吸をすればむせて咳が止まらない。そして、岩や地面にたくさんの血がべっとりとつき、あたりには死体やその一部がゴロゴロと転がっていた。残念なことに悲鳴は聞こえなず、助けを求める声も何も聞こえない。おそらく生存者はいないだろう。
そして光助はとある闇の集団を見た。おそらくあの闇がこの惨劇を起こしたのだろう。その闇の集団は光助に気づくことなく、周りの木をなぎ倒しながら何処かに向かって歩いていた。すると、そんな惨劇の最中、一つの光が現れる。その光は闇の集団を祓い、一瞬のうちになぎ倒して行った。
しかし、その光は突然、もがき苦しむようにゆらゆらと揺らぎ始め、その光は闇に染まり、闇の存在へと変わった。
そして、その闇の存在は光助に気づき、とんでもない速さで迫ってきた。そのあまりの速さに光助は逃げることも出来ず、一瞬のうちにその闇にのまれてしまった。
♦︎♦︎♦︎
「ハァハァ……ゆ、夢……か?」
悪夢によって最悪の目覚めとなった光助。全身は汗でぐっしょりと濡れ、シャツが肌にこびりつき不快な気分だった。そんな不快感から逃れようと、シャツを脱ぎ、タンスから新しいシャツを取り出す。
着替えながら一体あの夢は何なのかと考察してみるもあまりいい考えは思いつかなかった。ただ、あの光に関しては何処かで感じたことのあるとてと強い光だったことは確かだった。
「光助君、おは……」
梨子が光助の部屋のドアを開けて光助を呼んだ。しかし、梨子の目には上半身の裸の光助が映り、梨子は顔を真っ赤にして壁に隠れる。
「おはよう、梨子ちゃん。俺の部屋に何しに来たの?」
だが、そんな梨子の気など知らず、光助はそのままの梨子の元へと近づいた。そして、梨子は恥ずかしさと背徳感で光助をまともに見れず、目をそらしながら、呼びに来た理由を言う。
「う、うん……朝食の準備が出来たから……」
「そっか。待ってて。今すぐ着替えるから。」
そうとわかると光助は急いで着替えて、梨子と一緒に一階のリビングに降りていった。
♢♢♢
朝食後、光助は自室に籠もってひたすら希望の光についての資料と睨み合っていた。しかし、依然としてめぼしい情報は得られずにいた。
「どうしたものかね。」
机に置いてあったホープドライバーを手に取り、じっと眺める。これはseadと対抗する為に作られたという予想は出来る。しかし一体いつ、何処でどうやって作られたのかは予想することも出来ない。さらに仮面ライダーに変身するメカニズムすらわからず、謎だらけである。
「……ダメだ。」
光助の脳はあまりの謎の多さでパンク寸前。まともな考えが思い浮かばず、唸ってしまう。
とりあえず、一旦気分を切り替えようと、光助は外へと出る。
「やっぱり海はいい。」
目の前にある砂浜まで赴き、果てまで広がる海を見て、心を落ち着かせていた。心地よい潮風、さざ波の音、水面に反射する光の全てが綺麗で、その感動がごちゃ混ぜだった光助の心を洗い流す。
「いい町だな。」
突然、隣から見知らぬ青年が立っていた。横顔からでもイケメンだということはわかり、髪は赤みがかかった茶髪で癖っ毛がすごく、少し不思議な雰囲気を醸し出しいた。
そして、その雰囲気は何処か光助自身と通じるものを感じた。
「あなたは?」
「まぁ、旅人かな?」
青年はただ海を見つめながら光助の質問に答える。
すると、その青年は光助を見るや否、はっきりと言い放った。
「君は何か悩んでる気がするんだけど。」
まるで自分の心を見抜いてるような気がして、光助は驚きを隠せずにいた。
「は、はい。ちょっと調べ物で行き詰まってて……」
「本当にそれだけかい?」
「はい?」
「君は他に何か迷ってるような気がするんだ。」
この時、光助は感じた。自分はこの人には何一つ勝てない。おそらく、仮面ライダーに変身してもだ。この人は若いにもかかわらず、まるで何十年間も壮絶の日々を送って、悟りを開いた老人のような貫禄があった。
だからなのだろうか。その溢れ出る安心感と頼もしさに惹かれ、光助は胸の奥に追いやっていた悩みを打ち明けた。
「……突然、すごいものを手に入れたんです。」
「うん。」
「手に入れた時はただ無我夢中で……その時はどうなってもいいと思ってたんです。……でも今になって怖くなったんです。そんなものをちゃんと正しく扱えるのか……それに、自分が自分じゃなくなるみたいで……。」
光助の本気の悩みを青年は真面目に聞く。そして、青年は光助に問いかける。
「じゃあ、君はどうしてそんなものを手に入れたんだ?例え、それを手に入れることが偶然でも何でも、君にそれを掴ませたきっかけがあるはずだ。」
「それは……。」
それはseadから梨子達を守るため。かと言って流石に見知らぬ人にそんなことは言えるわけはなく、言葉を濁らす。
しかし、青年はそんな光助の思いを察し、あえてそのきっかけを深く掘り下げることはしなかった。
「そのきっかけを忘れなければ道を踏み外すことはないはず。大丈夫だよ。見る限り君は強い。その力に悩んでる間はきっと心配はないよ。」
「えっ⁉︎力って!一体あなたは何者なんですか!」
青年は光助の抱えていた悩み、力に気づいていた。当然、光助は驚き、一体何者なのかと問いかける。しかし、青年はただニヤリと笑い、そばに置いてあった白いバイクのエンジンをかける。
「うん……先輩の言葉を借りるなら……」
そして去り際にバイクのまたがり、ヘルメットを被りながら、ある人の決め台詞を呟いた。
「通りすがりの仮面……」
最後の方はバイクのエンジンと強い潮風の音で聞こえなかった。そして、その青年はそのまま何処かに行ってしまった。
「あの人は一体……」
結局、あの青年を何者なのかわからず終いであった。しかし、光助はあの青年から自分と似たようなもの同士のような気がしてならない。
さらに、この出会いは何処か運命じみたものではないかと感じたのだった。
♢♢♢
「いや〜買った買った。」
夕暮れであたりはオレンジに染まっているなか、バイクにまたがりながら大きな荷物を抱え、沼津から帰ってきた光助は満足そうであった。結局、希望の光についてこれ以上調べても何もわからないだろうと考え、とりあえず中止にしたのだ。そして、明日から学校が始まるということでその準備と、その他の日用品を買うために沼津に出ていたのだ。
「梨子ちゃんも誘えば良かったかな?」
光助の中では女の子は買い物が好きというイメージがあったため、どうせなら連れてくれば今更思った。とは言っても東京に比べてお店も少ないため、満足してくれるかと思えば、そうとは限らなかった。
「それじゃ、家に帰って、おばさんのご馳走でも……」
ふと、人の気配を感じ、その方向、砂浜に目をやる。
「……ちかっちに……梨子ちゃん⁉︎」
砂浜にはセーラ服を着た千歌と何故か水着を着た梨子がそこにいた。一体何事かと気になった光助はバイクを道の脇に置いて、2人の元に向かった。
「あっ、こうちゃん!」
「光助君?」
「2人ともこんな所で何をしてたの?それに梨子ちゃん、その格好は?」
「……海の音が聞きたくて……」
「は?」
まず、光助には何故海の音が聞きたいのかということがわからなかったが、千歌が直ぐにその理由を教えてくれた。
「実はね、梨子ちゃんはピアノが出来て、さらに作曲も出来るんだって。でも、作曲が行き詰まっててね、それで海の音を聞こうとしてたんだって。」
「はぁ。」
梨子がピアノを弾けたことと作曲が出来ることに驚きつつも、その奇想天外な行動のおかげで、インパクトとが薄く感じられた。
「後ね、東京から来たって言ってたから、スクールアイドルについても聞いてたんだ。」
「スクールアイドル……?」
千歌の口から聞いたことのない単語を聞いて、光助は顔をしかめる。今まではずっと父親の研究について調べるくらいしかしていなかったため、光助はこういう芸能などの娯楽の情報については少々疎い。
「うん、これ見て。」
「これが……スクールアイドル……。」
すると、千歌はスマートフォンを取り出し、光助に画面を向ける。その画面には制服を着て、何やらポーズを取っている9人の少女達が映っていた。
「どう?」
「……割と普通でビックリした。なんかこう……煌びやかなイメージがあったんだけど。」
「ふふ、こうちゃんと梨子ちゃん、おんなじこと言ってる。」
光助は正直に感想を言うと、千歌はほんの少し微笑んだ。それは光助と梨子が全く同じ感想を言ったことに対してだったからだ。
「だから、びっくりしたの。」
突然、千歌から真面目な空気が醸し出される。
「私ね普通なの。」
千歌は海を見ながら、自分のことについて語り始めた。
「私は、普通星に生まれた普通星人なんだってどんなに変身しても、普通なんだってそれでも、いつか何かあるんじゃないかって思ってたんだけど……気がついたら高2になった。」
そして、千歌はスマートフォンにイヤホンを取り付け、光助に手渡し、梨子の隣に座らせる。さらに、光助には右耳に、梨子には左耳にイヤホンをかける。
「そんな時出会ったの……あの人たちに!」
千歌はスマートフォンの音楽アプリの再生ボタンを押し、音楽を流した。
《START:DASH》
光助と梨子の片方の耳には心地の良い歌声、メロディが流れこんでいく。
「みんな私と同じような、どこにでもいる普通の高校生なのに……キラキラしてた。」
千歌は話を続けるも、2人の耳にはμ’sの歌しか入ってこない。特に光助はその音楽に聞き惚れていた。
そして、聴き終えると光助の目から一筋の涙が溢れ落ちる。
「光助君?」
急に泣き出す光助を梨子が心配する。一方、千歌は聖母のような暖かな笑顔で光助を見つめていた。
「……すごいな……この人達……感動しちゃった。」
光助にとって初めての感覚だった。時間にしてわずか5分。しかし、そのたった5分が光助の心を強く掴んだ。
「ね、すごいでしょ!」
千歌は話を聞かれていないにの関わらず、得意げな笑顔を振りまき、光助の感動をしたことを喜んた。
「だから、私も思ったの。私もこの人達のように輝きたいって!」
そして、千歌は高々に宣言する。自分もμ’sのようにたくさんの仲間と一緒にスクールアイドルをして、輝きたいと。その言葉には何も曇りもない、純粋な憧れと希望があった。
「うん……これなの見ちゃったら憧れちゃうよ。」
光助は涙を拭きながら立ち上がり、千歌のその決意に同情する。
『ぬふふ、いいねぇ。かわいこちゃんがそろってるわ。』
突然、不穏な空気と声が聞こえ、3人はその方向を向く。そこには巨大で鋭利な爪を持ち、女性らしい体型をしたSead、「ネイルsead」がチキチキと爪を鳴らしながら、近づいていた。
「Sead!」
感動的なところを邪魔されたこともたり、光助はseadにギッと睨みつける。
『さぁて、私の美の為にこの素晴らしい爪をあなた達の鮮血で染めさせて!』
「ひっ!」
ネイルのその狂気に梨子は思わず悲鳴が漏れてしまう。
『あなた達の体を切り開いてあげるわ!』
「いや、切り拓くのは……未来だ!」
爪を立て、ジリジリと3人に詰め寄るネイルの前に光助がホープドライバーを携えて立ちはだかる。
「あんたにちかっちの夢を、希望を潰させやしない!」
そして、ホープドライバーを腰に巻く。すると、ホープドライバーの中心の玉が光り、光助は光に包まれる。
『あなたは何者?』
ネイルはその光に本能的な危機感を感じ、怖気付く。しかし、何もわからないものにこうも恐怖を覚えるのかわからず、少しでも知ろうと、光助に問いかける。
『俺は……仮面ライダーホープ!悪を絶ち、希望を紡ぐ戦士!』
その問いに答えるように、光が消えると同時に黄金の戦士、仮面ライダーホープが現れた。
『くだらないわ!』
文字通り、恐怖を間に当たりにしたネイルはそんな弱気をぬぐうため、くだらないと一言で一層し、気を紛らわせる。そして、一気にホープに詰め寄り、その自慢の爪を振り下ろす。
『はっ!』
ホープはその攻撃を余裕で避ける。ネイルは攻撃を繰り返すも、ホープは全て避ける。なかなか攻撃か当たらず、ネイルは苛立ちが募る。
『ええい!ちょこまかと!』
『あんたの動きが大きすぎるんだよ!』
ホープは横から振るわれた爪をジャンプで避け、そのままネイルに顔面にキックを決める。
『オラッ!』
『グワァァァァ!』
そして、ネイルが怯んだ隙に、パンチとキックを不規則にかつ連続で畳み掛け、ネイルにダメージを与える。
『みんなの希望を消させやしない!』
ホープは助走をつけ、高く跳ぶ。そして左脚に光の衣が纏われ、その脚をネイルにめがけて突き出し、跳び蹴りをする。?
『ライダーァァァァキィック!』
必殺のライダーキックはネイルに直撃し、左脚に纏われていた光の衣は徐々にネイルを包み込む。
『ガァァァァァァダァッ!』
最後に光の衣がネイルを完全に包み込み、球体になると、ホープは後ろに回転しながらネイルとの距離を取る。
そして、光の球が崩れ去ると中からネイルに取り憑かれていたOLがバサリと倒れた。その女性をホープは咄嗟に抱き上げ、隅へと置いておいた。
「光助君……大丈夫?」
梨子が心配になり、ホープにそう言うと、ホープは変身を解く。
「うん、俺は大丈夫だよ。それより、2人は怪我ない?」
ホープから戻った、光助は振り向きながら2人に優しげな笑みを浮かべた。
♢♢♢
次の日、梨子は洗面台の鏡の前で真新しい制服を身にまとい、最終確認をしていた。今日から始ま学校生活では幸先のよく始めたいということで、
髪の調子、服のシワなど念入りに確認する。
「うん。これで大丈夫。」
準備が出来たところで、出発しようと洗面所から出る。
「長かったね。」
「光助君⁉︎待ってたの⁉︎」
「まぁね。」
すると、左側で光助が暇そうにスマホを弄りながら梨子を待っていた。光助もこれから学校ということで、中学生の時から愛用している学ランを着こなしていた。顔立ちが中性的なこともあって、まるで男装している女子にも見えなくないということと同時に、わざわざ待たなくてもよかったのにと梨子は思った。
「それじゃあ、行こうか。」
「うん。」
そして、2人は学校に行くために玄関へと向かう。
「あら、もう行くの?」
すると、後ろから梨子の母親、凛子が2人を見送るために現れた。
「うん。」
「そうなの。梨子ちゃん、がんばってね。それに光助君も。」
「おばさん、ありがとうございます。」
凛子に見送られながら、2人は玄関のドアを開け、外へと出る。すると、光助はバイクの方へと向かい、近くに置いてあったヘルメットを2個を手に取り、その1つを梨子へと渡した。
「一緒に行かない?」
「でも、危なくない?」
「大丈夫だよ。俺にしっかり掴まっていればね。」
梨子はバイクの2人乗りに少々不安があったが、光助の言い分聞いて、とりあえず乗ってみようと決意し、ヘルメットを被る。それを見た光助は少しだけ笑みを浮かべ、同様にヘルメットを被り、バイクにまたがり、エンジンをかける。そして梨子は光助の背中にくっつくように乗る。
「それじゃあ、行きますか。」
バイクは唸りを上げて、勢いよく走り出した。
「ねぇ、光助君?」
「どうしたの?」
バイクに乗りながら、梨子が光助にこれからの学校生活のことについて質問した。
「……私達が通う学校のことわかってるよね。」
「あぁ、わかってるよ。」
2人は同じ学校に通う。一見、普通なのだが、光助にとって、否、男子にとってはその学校に行けることはありえないのだ。
「……大丈夫だよね、光助君。」
そんな学校でたった一人の男子として、少なくとも1年間を過ごす光助が梨子には心配だった。しかし、光助はそんなことはまるで気にしておらず、むしろ前向きに捉えていた。
「心配しないでよ。例え、女の子ばっかでも上手くやってみせるよ。」
そんな話をしている間に、2人はその学校へと続く坂道にたどり着き、そのままその道を進んでいった。
その坂の近くの看板にはこう書かれていた。
浦の星女学院高校
そう光助は男子でありながら女子校へと通うのだ。
♢♢♢
千歌はため息を大きく吐き、机にうつ伏せになる。
「スクールアイドルを始めるのも大変だね。」
同じく隣に座る曜も、机に伏せる。
「もぉ〜せっかく曜ちゃんが手伝ってくれるのに〜。」
「仕方がないよ。規定の人数には足りてないんだから。それに……作曲だね……」
2人は今まで、生徒会長に部の設立の申請を行ったのだが、5名という規定のから外れていたことと、いくらスクールアイドルを始めたとしても作曲出来る人がいなければ話にならないと言われ、突き返されて、現在に至る。
「作曲なら、私がやれば!」
そういうと、千歌は小学生が使うような可愛らしい絵が表紙の音楽の教科書を取り出す。それを見た曜は苦笑いをせずにはいられなかった。
「みなさん!これから転校生を紹介します。」
すると、担任の先生が教室に入ってきて、クラスの生徒全員か席に着き静かになる。しかし、転校生の話を始めた途端、ざわめき始める。
「それで……2人いるんですが……その…………もう1人に関しては特殊な事情があって……とにかく仲良くしてあげてくださいね。」
さらに、特殊な事情というのが少女達の好奇心を湧かせ、さらにざわめきが大きくなる。
「特殊な事情って……誰なんだろうね。」
曜は千歌の耳打ちをする。
「それでは、入ってきてください。」
「「あっ!」」
「それではもう1人の方も。」
「「あぁ‼︎」」
千歌と曜はその新しい転校生を見て、思わず声をあげてしまう。特に2人目に関しては何故、ここにいるのかと大きな疑問を抱く。
「東京の音乃木坂から来ました。桜内梨子です。」
「風都の風都高校から来ました。舘光助です。」
2人の転校生を見て、クラスは当然どよめく。それもそのはず。浦の星女学院は女子高のはずなのに、新しい転校生はその女子高には似合わない学ランを身にまとっていたのだ。
「光助君……」
案の定の反応に、梨子は隣にいる光助を心配そうに一瞥する。しかし、そんな心配は無用であった。
「あっ、ちかっち!それに曜ちゃん!」
「あなた達は!」
「こうちゃん!」
光助は早速、千歌と曜を見つけて、周りなど気にせず大きな声で2人に挨拶をする。そして、千歌と曜も驚きもあって、それに反応してしまう。
「こ、光助君⁉︎何で女子高に⁉︎」
「言ったろ、特殊な事情だって。」
曜は光助にこの学校に転校してきた理由を聞いたが、光助はただ事情としか、言わなかった。
「奇跡だよ!」
すると突然、千歌が立ち上がり、光助と梨子の元へと駆け出した。クラスの生徒達は何事かと一斉に千歌に注目する。
「2人共!」
そして千歌は2人に手を差し出して、あることをお願いした。
「一緒にスクールアイドル!始めませんか!」
2人は一瞬驚くが、光助はすぐに笑みを浮かべ、その手を取ろうとする。その時、横目で梨子を一瞥する。梨子も笑みを浮かべていて、自分と同様に手を取るのだろうと思っていると、梨子は予想と正反対のことを言い出した。
「ごめんなさい。」
「ええええええ!」
梨子は頭を下げ、丁寧に断ったのだ。直前まで、このまま千歌の勧誘に乗ってくれそうな雰囲気だったのだが、
♢♢♢
とある薄暗い廃工場でひときわ異様で妖艶な雰囲気を漂わせる女性が何かを待っていた。
「シキリ様。」
すると、何処からか、顔も何もなくただの人形の黒の怪人が現れ、シキリと呼ばれる女性の横に出る。
「
それを伝えた黒の怪人は輝惡澄のことを伝えるとすぐさま影となって消えた。一方、シキリは何やら不可解な笑みを浮かべていた。
「おい、シキリ!が現れたって本当か!」
すると、話を聞きつけたオールバックで上裸の屈強な男、ゴウダメが玩具を見つけたような目をしながらシキリの元に現れた。
「落ち着け!ゴウダメ。今は仕掛けるにはまだ早い。」
今度は入り口からヘッドホンを首にかけ、眼鏡をかけた細身の青年、メザーグがゴウダメを静止しながら2人の元に歩み寄ってきた。
「おい、メザーグ!折角ツェー奴が現れたんだ!早く殺したいとは思わねぇのか!」
「確かに早めに対処したいのはわかる!しかし、奴の力がどれほどかわからない以上、無闇に手を出すのは危険だ!」
「このチキン野郎!」
「脳筋が!」
後先を考えないゴウダメと知能派のメザーグは意見か全く合わず、相当仲が悪い。そのため、顔を合わせる度にこうやって互いに噛みつきあっている。
「待ちなさい、2人共。」
するとシキリが2人の喧嘩を仲裁する。これにはゴウダメもメザーグは何もできない。
「今回は私もメザーグの意見に賛成だわ。」
シキリのお墨付きをもらい、メザーグはゴウダメに挑発するように目線を送り、ゴウダメは地団駄を踏む。
「しかし、いずれは倒さなくてはいけないわ。そうしなければ我々seadの未来はないのだから。」
♢♢♢
場所は変わって淡島。この淡島のダイビングショップでは今、松浦果南が開店の準備をしていた。本来なら、千歌達と一緒に浦の星女学院に通っているはずなのだが、ダイビングショップを経営している祖父が怪我をしてしまい、祖父が回復するまで果南はダイビングショップの手伝いをしているのだ。
「ふぅ、とりあえずこれでいいかな。」
男性でも重く感じる酸素ボンベを果南は何とか運び、酸素ボンベを置くと、額の汗を拭う。そして、目の前の海を眺める。
「ちょっとだけ潜ろう。」
準備を終え、まだ開店までまだ時間があるということで少しだけ潜ろうかと思い、荷物を持って、沖まで船を出そうした。
「……あれは?」
しかし、ふと岩場に目をやると何かが打ち上げられており、奇妙な胸騒ぎを覚え、急いでその場所へと向かった。
「えっ⁉︎何でこんなところに!」
そこの岩場には何と人が打ち上げられていたのだ。うつ伏せであったが、肩くらいにまで伸びた緑色の髪。そして水に濡れたせいで体に服がピッチリとくっつき、細身の綺麗な体のラインと大きなお尻から見るに女性であることはわかった。
「と、とりあえず救急車呼ばないと。」
果南は冷静に119番をして、救急車を呼んだ。そして、女性を安全な所へと運ぼうと抱きかかえると、女性のズボンのポケットから何かが落ちた。
「な、何これ。」
果南はその落ちた物へと目をやる。果南の目には黒く銀色のライン、そして中心は丸い玉が入った、アーティファクトが映っていた。
序章 終
次回、仮面ライバーサンシャイン
「梨子を捕まえろ!」
第1章開幕!
いかがでしたか?
光助が変身する仮面ライダーにも何やら秘密があり、そしてseadの集会、謎の女性と謎が深まるばかりです。
因みに、海で光助と会話していた人物に深い意味はありません。ただ、自分の作品を読んでいる人なら、あれ?と思うかもしれません。
後、序章では自分のもう1つの学校仮面ライバーと繋がってるのではというところがありますが、次からそういう描写は一切やらないようにします。