仮面ライバーサンシャイン 光の導き手   作:シママシタ

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やばいよ、もうサンシャインが終わってしまうなんて!
こっちはまだ、2話の途中なのに……。
時が進むのって速いなぁ(執筆スピードが遅いだけ。)


海の音

そして、日曜日。光助と梨子は淡島にあるダイビングショップに来た。そこには既に千歌と曜がおり、二人は光助と梨子を見つけると、大きく手を振って、声をかけてきた。

 

「あっ、梨子ちゃん!それに光助君!」

 

「おはよう。千歌ちゃん。曜ちゃん。」

 

「よっ、ちかっち、曜ちゃん。」

 

梨子はお淑やかに、光助は軽く手を挙げて挨拶を返す。

 

「みんな集まった?」

 

4人が集まると、ダイビングショップから青い髪で大きなポニーテールを下げたダイビングスーツ姿の少女が現れた。この人が

 

「あなたは?」

 

「私は松浦果南。千歌と曜の幼馴染でね。梨子ちゃんと光助君だっけ?よろしくね。」

 

初対面の光助と梨子に果南は優しげな笑顔を振りまく。その笑顔と健康的なボディーラインがくっきりと浮き出るダイビングスーツを目の当たりにして、年頃の光助は顔を真っ赤にして目をそらす。

 

「果南、こっちも終わったよ。」

 

「ありがとう。」

 

すると、ダイビングショップから果南と同じく、大人びた少女が果南に声をかける。千歌は見たこともない少女を見て、果南に誰かと聞く。

 

「ねぇ、果南ちゃん。この人は?」

 

「そっか、千歌も曜も初めてだよね?」

 

「お呼びかい?果南。」

 

果南がその少女紹介しようとすると、タイミングよくその少女は5人の前に現れ、自ら紹介し始めた。

 

「私はレイラ・ガルシア。気軽にレイって呼んで欲しい。」

 

エメラルドのような綺麗で繊細な長い髪をかきあげるレイ。瞳は青目で鼻は高く、スラリと伸びた脚に光助ともさほど変わらない身長。果南もかなりスタイルのいいが、レイはそれ以上にスタイルがよかった。

 

「レイか……。名前的に日本人じゃないけど……何処出身?」」

 

「一応スペインでね。まぁ、物心つく前にはアメリカに移住したんだけどね。」

 

「へぇ、それにしては日本語が上手だね。日本に来たことあるの?」

 

「いや、ないんだけど、アメリカでずっと勉強していたしね。それに日本語を話せる友達がいたからね。」

 

外国人にもかかわらず、流暢に日本語を話すレイに曜は感心する。

 

「それで、アメリカからこの果南の家に?」

 

「いや、違うけど?本当は別の家にいたんだけど、いやぁ〜、脱走して海で溺れているところを助けられてね。そのまま、果南の家に居候ってわけ。」

 

光助の質問に予想外の答えが返ってきて、果南を除く4人は驚きを隠せない。一体、脱走したくなる家とはどんなものなのかと光助は恐怖を抱かずにはいられなかった。

 

「い、居候?」

 

「私はいわゆる家出少女でね。」

 

「どうして家出?」

 

「まぁ、気に入らないことがあってね……そんなことはどうでもいいじゃん?それより、千歌だっけ?」

 

千歌が家出の理由を聞こうとする。しかし、レイはあまり言いたくないのか、適当に話題をはぐらかし、千歌へと近づく。

 

「そうだけ……わぁ!」

 

すると突然、レイは千歌の腰に右腕を巻き、左手で千歌の顎をクイっと持ち、無理矢理目線を合わせた。あまりの予想外の出来事とレイの女性としてのカッコよさと美しさに惹かれ、千歌は顔を真っ赤にして慌てふためいてしまう。

 

「うん。童顔で可愛いねぇ。果南の言う通り、妹って感じだね。」

 

「わわ、レイ……ちゃん///」

 

「ねぇ、今日から私の妹にならない?それより、姉妹以上なんか私と一線、超えて見ない?」

 

レイが硝子の花園を展開するのを目の当たりにして、梨子と曜は千歌と同様に顔を真っ赤にし、光助は顔を引きつらせ、果南はまたいつものかと呆れ、止めに入る、。

 

「レイ、やめなさい。」

 

「もぉ、果南ったら。いいところだったのに。」

 

唇を尖らせ、不満そうにするも渋々、千歌を手放す。千歌は手放された後も、意識が朦朧としていて、ただ茫然と立ち尽くしていた。

 

「あの、果南さん?レイって……。」

 

「まぁ……レイはああいう人だから……。」

 

「何か……すごい人だ。」

 

「ちょっと、光助だっけ?誤解してない?私はどっちもイケる口だからね!」

 

「……。」

 

レイという得体のしれない人間に光助はただ、ヒクことしかできなかった。しかし、すぐに、光助のレイの評価が」すぐに変わる。

 

「それよりあなた、いい目してるわね。」

 

するとレイが光助をまじまじと見始め、光助は思わず後ずさりしてしまう。それは千歌のように餌食にされるのではというのと、その野獣のような瞳に気圧され、殺されるのではないかという二つの恐怖からだった。

 

「もう、やましいことはしないから。ただ、なんか真っ直ぐで強い目をしてたから気になっただけ。」

 

しかし、レイにはその気は全くなく、ただ光助が勝手に怖気づいていただけであった。

 

「レイ、こっちに来てくれない?」

 

「あ、うん!今から行くわ。」

 

すると、レイは光助にウインクをして、果南の元へと向かっていった。一人取り残された光助はただレイという謎の人物にただ畏怖するだけだった。

 

♢♢♢

「梨子ちゃん、聞こえた?」

 

「ううん……。」

 

海面に上がってきたダイビングスーツ姿の梨子に千歌が海の音が聞けたかと聞くが、梨子はあまりぱっとしない表情で首を横に振るだけだった。海に潜り始めて、既に30分以上が経過していたが、海の音は聞こえず、行き詰っていた。

 

「なぁ、果南さん。海の中だと音は聞こえにくいんでしったけ?」

 

「うん、だから聞くってよりかは、イメージするのが大事だね。」

 

「なるほど……。」

 

「熱心だね。」

 

顎に手をあて、真剣に考える光助を横目に見て、果南は

 

「いえ……、あいつらの力になれることって、ただ一緒になって探すくらいしかできませんし……。」

 

すると光助はおもむろに口を開いて、語り始めた。

 

「それに楽しいですし。みんなと何かするってことが。俺は今まであんまりこういうことしたことなくて……だからなんか新鮮で、ワクワクするっていうか。例えるなら、徳川の埋蔵金を探すような……。」

 

「……。」

 

話すことに夢中になっている光助は横目で果南を一瞥すると、どこか上の空のような様子で黄昏ていることに気がついた。いや、正確には別のところを眺めていたようどこかを思いを馳せて、なにか遠くの見えない何かを見てるようだった。

 

「果南さん?」

 

「よかった。千歌が突然、男の子の友達が出来たって聞いたから、一体どんな人なのかなって心配だったけど、君なら千歌達を任せられるよ。」

 

果南は手を高く上げ、体を伸ばし、安心したような様子だった。しかし、光助はその安心は先程の黄昏ている時とは何か違うような気がした。

 

「こうちゃん!もう一回潜るから、来て!」

 

「ほら、千歌達のところに行きな。待ってるはずだから。」

 

「あっ、はい!」

 

果南に背中を押され、光助はそのまま千歌達の元へ向かった。

 

♢♢♢

春先の海はダイビングスーツを着用してもまだ肌寒い。曇りということもあって薄暗く、静寂で孤独な空間がそこにあった。しかし、母なる海と言われるように、妙に居心地が良く、安らかな気持ちになる。

 

(確かに果南さんが引き込まれるのもわかる気がする。)

 

陸とは違う景色を楽しみながらも光助は本来の目的である「海の音」を探していた。わずかな音、肌に伝わる感覚、視覚。ありとあらゆる感覚を研ぎ澄まし、そしてイメージして「海の音」を探す。

しかし、一向にわからず、ただゆったりと潜っているだけの時間が続いている。ふと、梨子達のほうを見ると、

 

(明るくなってきたな。)

 

すると、今まで薄暗かった空間に一筋の光が差し込む。太陽が出てきたのかと、光助はただそれだけを確認するために上を向いた。

 

(なんだ……これ!)

 

海面から光が一筋となって差し込み、まるで柱のようだった。そして、その景色はやがてイメージとなって頭の中を駆け巡る。

 

(これってもしかして!)

 

もしかしてと気付いて周りを見回す。梨子たちも上を向いて同じ景色を見ていた。すると、梨子がピアノを弾くように手を出す。それを見て光助は確信する。

 

これが「海の音」なんだと。

 

♢♢♢

「えっ!梨子ちゃん手伝ってくれるの!?」

 

翌日の放課後、梨子がスクールアイドルを手伝ってくれると聞き、千歌はすごく喜び、梨子に跳んで、抱き着こうとするも、避けられてしまう。

 

「勘違いしないでね。あくまでも作曲の手伝いをするだけよ。ピアノの練習があるからスクールアイドルをやってる暇はないの。」

 

「そんなぁ……。」

 

一緒にスクールアイドルと勘違いしていた千歌は余程ショックなのか、がっくりとうなだれる。

 

「むぅ、こんな時、こうちゃんがいたら説得してくれるのに。」

 

「千歌ちゃん。光助君に一体何を求めてるの……。」

 

千歌の光助頼りに曜は光助を気の毒に思った。

 

「そういえば、光助君は?」

 

「用事があるって、生徒会室に行ったよ。」

 

「生徒会室!?」

 

生徒会室と聞いて、千歌はあの堅物の生徒会長を思い出した。

♢♢♢

夕日が生徒会室を紅に染める。光助は背筋を伸ばし、緊張した様子で目の前に座って書類を確認する黒髪の少女を凝視する。

 

「確認しました。これで、一応の手続きは終了しましたわ。」

 

この学校の生徒会長、黒澤ダイヤは受け取った資料を封筒にいれ、机の引き出しにしまう。取りあえず、今まで滞っていた編入の手続きが終了して、光助はひとまず安心する。しかし、生徒会長の前ということで無駄に緊張してしまい、

 

「申し訳ございませんでした。理事長が不在とのことでいろいろと迷惑をかけてしまって。」

 

「い、いえ……、俺は全然気にしてませんし!」

 

本来ならば手続きなど入学した当日に終わる予定だった。しかし、理事長が交替することになり、さらに新理事長がいないという不測の事態になり、学校側も混乱してしまい、光助の手続きどころではなく、そして現在に至る。そのことを理事長の代わりに生徒会長であるダイヤが謝罪し、光助は逆に申し訳ない気持ちになり、慌ててしまう。

 

「でも理事長が変わるって相当……。」

 

「はい……。だからこそあなたの力が必要なのです。」

 

浦の星は年々、入学希望者が少なくなっていきこのままでは廃校になってしまうと危惧されている。光助はそんな廃校を阻止するために入学してきたテスト生なのだ。

 

「わかってます。でも、男女共学への判断材料のために女子高に入ってほしいなんて言われたら、驚いちゃいますよ。」

 

光助は廃校を阻止するための一つの計画、共学化のためにこの学校に入学してきた。しかし、光助は共学なんかにせず、このままの状態で廃校を阻止できたらと望んでいる。

 

「でも、あいつらがいるか……あっ。」

 

ダイヤの前でしてはいけない話を思わず話してしまいそうになり、光助は自ら口を押さえる。

 

「千歌さん達のことですね。」

 

しかし、ダイヤは既に光助の話そうとしていたことがわかっており、光助はダラダラと大量の汗を流す。曜曰く、ダイヤは古風な家の出身で、スクールアイドルのような浮ついたものを毛嫌いしているらしい。だから、ダイヤの前では千歌達の話題を出さないようにしていたが、自分のそういう詰めの甘いところを憎む。

 

「生徒会長は……スクールアイドルの活動を認めてないんでしたっけ。」

 

「ええ、そうですが。」

 

「どうしてなんです?」

 

「まず、部活を立ち上げるには最低でも5人の部員が必要にもかかわらず、千歌さんは……。」

 

千歌の部活申請のことをダイヤは思い出すと、わなわなと震え、怒りを表す。千歌から何度も部活の申請を断られていることを聞いていたが、ダイヤの気苦労を見ると、これはルールを守らない千歌が悪いのではと思わずにはいられなかった。

 

「それに……。」

 

「それに?」

 

「……いいえ、やめておきますわ。とにかく、わたくしはどんな理由があろうとスクールアイドルは断固として認めません。」

 

ダイヤは何かを言いかけようとしたが、思う節があったためか結局それ以上は言わず、ただスクールアイドルは認めないと宣言しただけだった。真面目で頑固なその姿勢は名前通りのダイヤモンドのよう。これを砕くのはかなりの労力が必要だなと、光助はただ苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

「あと、光助さん。あなたはこの資料を書かれている通りだとあなたは風都出身だそうですね。」

 

「はい、その通りですけど。」

 

「なぜ、東京のほうの風都からわざわざ、この町に来たのですか?」

 

「それは……行方不明の父親を捜すためなんですけど……。」

 

特に普通の口をしかし、真面目なダイヤだ。行方不明の父親なんて単語を聞いたら、ものすごく申し訳なさそうにするのではと考え、口を紡ぐ。

すると案の定、ダイヤは思い詰めたような表現で光助を見ており、光助は慌てて、心配しなくていいと言う。

 

「あぁ、そんな難しい顔しないでください!そんなデリケートなことじゃないですから。」

 

「そうですか……。よろしければ舘さんのお父様の名前をうかがってもよろしいですか?私もできればお力添えになれれば……。」

 

ダイヤはせめてもの詫びとして、光助の力になりたいと言ってきた。光助は難色を示したが、この町でそれなりの大きさを誇る黒澤家なら何か知っているのではと思い、取りあえず、ダイヤのその願いを聞き入れた。

 

「ありがとうございます。名前は舘正義って言うんですけど。」

 

「正義先生!?」

 

名前を聞いた途端、ダイヤは机から乗り出し、光助の目の前にまで迫る。思わぬ行動に、光助は驚きは尻餅をついてしまう。

 

「先……生!?」

 

「どうりで苗字が同じで……。」

 

「父さんを知っているんですか!」

 

先生と言われている理由などさておき、光助はダイヤに話を聞くため、尻をさすりながら、詰め寄る。

 

「知ってるも何も、私たちにとって……。」

 

「ちっ!こんな時に!」

 

ダイヤが話をし始めたその時、タイミング悪く、光助の携帯から着信音鳴り響く。こういう時限って苛立ち、無視しようかと思ったが、相手がOHRだったため、仕方なく通話に出る

 

『光助様。seadが現れました。至急、現場に急行してください。』

 

オペレーターらしき女性はただそう言い残し電話を切る。その直後、画面一杯に地図が現れ、交差点のところに赤い点があり、そこが現場らしい。

 

「すみません。また今度、父さんの話を聞かせてください。」

 

「どうしましたの!?」

 

ダイヤの言葉を無視し、光助は苦虫を噛み潰したような表情のまま生徒会室を後にした。

一人取り残されたダイヤはその光助の後ろ姿を彼の父親である自らの恩賜と重ね合わせた。

 

 

「よく見ると似てますわ、先生と。見た目も……こうやって何も言わずに勝手に何処かに(・・・・・・)いってしまうのも……。」

 

 

 

 

 




次回にはアニメ2話が終わる予定です
お楽しみに!
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