「お…、お姉ちゃん」
雪穂は叫んだ。とても見知っている人物が現れたからだった。
「ん、雪穂、やっほ~」
雪穂の前に現れたのは雪穂の姉、高坂穂乃果だった。
「わわっ、わわわわ」
はるかは興奮していた。あの伝説のスクールアイドルが降臨したからだった。
「みなさん、お元気でしたか」
穂乃果の隣にいた海未が挨拶する。
そして、レポーターは興奮気味で紹介した、伝説を。
「いまや、伝説の~、スクールアイドル、μ’s、ここに降臨“”」
ヒューヒュー
観客、いや、会場中が興奮のるつぼと化した。
最終話 叶え!!世界中(みんな)の夢!!
「μ’sです。よろしくお願いします!!」
ステージには穂乃果達μ’sの9人が横一列に並んでいた。
「(絵里)お姉ちゃん」
亜里沙が絵里を呼んだ。
「あっ、亜里沙、よく頑張ったね」
絵里はラブライブ優勝を果たした亜里沙を撫でて褒めた。
「まきりんぱなのみなさん、こ、こんにちは…」
はるかはコチコチになりながら、まきりんぱなに挨拶をする。
「わーい、私達の後輩だニャー」
凛が興奮してはるか、愛の周りを飛び回る。
「わ、私達こそ、こんにちは」
花陽も緊張気味で挨拶する。
「秋葉愛さん、とてもいい曲、とてもいい音色、素晴らしいじゃない」
真姫が愛の曲を褒めていた。
「ありがとうございます」
愛は真姫の前でも緊張せずにお礼を言う。
「海未先輩、おはようございます」
はやては偉大な先輩の海未に少し緊張しながら挨拶をした。
「はやてさんですかね。こちらこそよろしくって、お互い様ですね」
海未緊張気味のはやてを心思ってやさしく挨拶する。
「ことりさん、こんにちは!!最近はどうですか?」
みやこはことりの前ではしゃいでいた。
「…、みやこちゃん…」
ことりはそんなみやこに戸惑いを見せていた。
「(にこ)お姉様、どうしてここにいるんですか?」
こころがにこにどうしてここにいるのか質問するが、
「それよりも、いつものあれ、しよう、にこにこに~」
と、ここあがにこにいつものあれを請求する。
「そうだねぇ、にこにこに~」
にこは少しとぼけるふりをして、いつものあれをする。すると、こころあも、
「「にこにこに~」」
と、にこに合わせてする。
「てっ、こうしている場合じゃない。(穂乃果)お姉ちゃん、どうしてここにいるんですか」
雪穂は現実に戻り、穂乃果に質問する。
「だって、ここに呼ばれたに決まっているじゃない」
穂乃果は当然のように答える。
そこに、博子が現れた。そして、言った。
「μ’sのみんさんは私が呼び出しました。本来なら、K9が優勝し、μ’sにも勝つことで私の育てたK9こそ、日本で一番のスクールアイドルだと証明したかったのですが、予定が狂ってしまいました。ここはμ’sに勝ってもらい、伝説には逆らえない、そして、勝利こそ全てであることを証明してもらいますわ」
そこに天が母親である博子に駆け寄り、こう言った。
「お母さん、もうやめようよ」
でも、博子は次のように言って、天につらくあたる。
「お前は負けてしまった。負け犬だ。そんなやつは私の子どもじゃない。さっさと去れ」
「お母さん!!」
天はそう言って博子に抱きつこうとするが、博子はそれを振りほどいた。
「(穂乃果)お姉ちゃん!!こんな大人の策略にのっていいの!!」
雪穂は穂乃果に詰め寄るが、穂乃果はこう言って簡単にあしらった。
「私達はだた観客のために歌うだけ。それが彼女(博子)の策略だって関係ないもん」
雪穂はこれを聞いて完全に怒ってこう言った。
「(穂乃果)姉ちゃんのわからずや!!」
博子と天、雪穂と穂乃果、この2組の光景を見たレポーターはすぐに幕引きを図るようにしようとしてこう言った。
「え~、見苦しい光景を見せてしまい申し訳ございませんでした。とはいえ、ラブライブに優勝したオメガマックス。あの伝説のスクールアイドル、μ’sとまさかの対決!!はたして、どちらが勝のでしょうか。楽しみですねー。しか~し、ちょっとここで休憩を入れさせてくれ。今から15分後、再開するぜ。それまでボルテージをマックスにしていてくれ~」
そして、怒りに満ちている雪穂を愛とはやてが無理やりステージ袖に連れて行く。それ以外のオメガマックスのメンバー、μ’sともそれぞれの楽屋に戻った。あの博子と天を残して。
「なんなの。(穂乃果)姉ちゃんの態度。本当にノー天気なんだから!!」
雪穂の怒りは楽屋に戻っても収まらなかった。
だが、普段通りではないメンバーがあと3人いた。
「(絵里)お、お姉ちゃんとた、戦う、か、勝てるの、か、かな~」
亜里沙はこう言うと、ここあも、
「あの偉大な(にこ)姉ちゃんと戦うなんて、勝てっこないよ~」
と言い、こころも、
「勝つなんて無理なんです~」
と駄々をこねていた。
亜里沙、こころあの3人はμ’sのお姉ちゃんと戦うことを前に自信を喪失していた。μ’sが優勝したラブライブを身近に見てきた姉の偉大さを直接感じていたからだった。
そんな4人を見て、業を煮やしたメンバーがいた。そして、そのメンバーが雪穂の前に立った。
パシッ
楽屋内に雪穂のほっぺを叩く音が鳴り響いた。
「み、みやこ…」
雪穂は驚いていた。雪穂のほっぺを叩いたのは…、みやこだった。みやこは言った。
「雪穂さん!!よく考えて見て下さい!!確かに穂乃果先輩はあの中洲博子の策略にのせられているかもしれません。しかし、よく穂乃果先輩の話を思い出してください。観客のために歌う。それって私と同じくみんなとスクールアイドルを楽しもうとしているのでありませんか!!」
その言葉に愛が続けて言う。
「みやこの言う通りですわ。亜里沙、こころ、ここあも聞いてください。私達はこれまで4か月間、いろんあことがありました。雪穂達と私達のユニット対決、こころあのイタズラ騒動、期末テストの攻防、iD、K9との対決、紆余曲折はありましたが、それを私達は一緒に乗り越えてきましたではありませんか。思い出してください」
穂乃果、亜里沙、こころ、ここあは思い出していた、これまでの4か月間、愛、はるか、はやて、みやこと一緒にやってきた日々を、8人一緒にやってきた日々を。
「私もあの伝説のスクールアイドル、μ’sと戦えることを考えると膝がぶるぶるする気がします。でも、それでも、私は伝説を超える、絶好の機会だと思っております」
はるかがこう言うと、はやてもこう言った。
「僕達は伝説を超えていく。けっこういい響きじゃないか。それに、伝説を超えていくといった最終目標、かっこよくないか」
そして、最後にみやこが4人にこう言った。
「私達は楽しくやってきたからここまでやってこられた。最初、雪穂さんと亜里沙さんだけの「ラブライブ優勝」の夢、それが私達5人が加わり、楽しく、そして、仲良くやってきたから達成できた。それをあのμ’sに、伝説にぶつけていきましょう」
それを聞いた穂乃果、ありさ、こころ、ここあの4人。
「そうでした。私としたことが、最初からあきらめていたなんて…」
と、亜里沙は明るい顔でこう言うと、ここあも、
「そうだね。(にこ)お姉ちゃんにいいところみせないと、イヒヒヒ」
と、イタズラしそうな顔でいい、こころも、
「そうです、そうです。(にこ)お姉様をぎゃふんと言わせてやるです~」
と、喜んで言った。
そして、雪穂はみんなの前に立ち、こう訴えた。
「そうだよ。私達はこれまで楽しんでスクールアイドルを続けてきたから、これまでやってこれた。お姉ちゃんたち楽しんでやってきたから伝説になったんだ。なら、どれだけ楽しんだかによって結果も決まるんだ。あの女(博子)の策略なんて関係ない。私達は私達で楽しんでいこう、そして、伝説を超えていこう!!」
この雪穂の決意に7人は、
「「「「「「「オー!!」」」」」」」
と、大声で答えていた。
「ついにオメガマックスvsμ’sの対決が始まります。オメガマックスは伝説を超えるのか。それとも、μ’sが伝説として力を発揮するのか」
休憩してまもなく、レポーターがこう言って観客を煽っていた。そのためか、観客のボルテージはマックスとなっていた。
ステージ袖からオメガマックスとμ’sが出てくる。それぞれ、ステージ衣装に着替えての登場だった。
「あっ、雪穂~、その衣装でどこかに冒険でもいくの~」
穂乃果が雪穂に対してマイク越しに言う。そう、オメガマックスは冒険に行くような衣装で登場したのだ。雪穂はそれに対して穂乃果にマイク越しに言う。
「そういう(穂乃果)お姉ちゃんこそ、どこかのカーニバルでも行くんですか~」
対するμ’sはカーニバル風の衣装を着ていた。ただ、オメガマックスが冒険福か探検服のような格好でところどころにメンバーのカラーがあしわられているに対し、μ’sの衣装は衣装全てがメンバーのカラーに染まっている。
「雪穂、あれって、あの曲用の衣装だよね」
亜里沙が雪穂にこそこそと耳打ちする。雪穂も、
「そうだね。あの曲をここで披露するんだ」
と言う。これに気付いたはるかは雪穂に質問した。
「あの曲って、なんですか?」
雪穂はあることを話した。
「マキシマムとのユニット対決、亜里沙が楽譜帳を持っていたことをおぼえていない?あの楽譜帳にのっていたんだけど、これまで発表したことがない曲なんだ。それをここで発表するなんて」
「それってすごいことなんじゃ…」
はるかが驚いているうちにμ’sのスタンバイが終わった。
「ついに伝説のステージが始まります!!それではμ'sのみなさん、お願いします!!」
レポーターの声と共に穂乃果が前に出る。そして、穂乃果が言う。
「みなさん、こんにちは。私達…」
「「「「「「「「「μ’sです」」」」」」」」」
と、全員で名乗りをあげた。穂乃果は続けて言う。
「私達は久しぶりに9人で集まったのはほんの1か月前でした。ラブライブの事務局からサプライズゲストとして出演して欲しいと言われました。最初は乗り気ではありませんでした。が、また9人でなにかをやりたいと思い、ここに集まりました」
その横から希が言う。
「だってカードがそう伝えたんだから」
ほのかはその望みの言葉を受け、言う。
「たしかに、カードの言う通り、この1ヶ月間、この9人で練習すると、昔の楽しかった思い出がよみがえりました。久しぶりの感触、久しぶりに思い出す楽しかったあの日々、それにつれて、とても楽しく練習してきました。その楽しさをここで、オメガマックスにぶつけたいと思います!!」
そして、あの曲のスタート位置に9人は並んだ。
「今から歌う曲は新曲となります」
エーーーー
穂乃果が言うと、会場中にどよめきがなった。ただ、穂乃果はそんなの関係ないがごとく言う、祭典の開幕を。
「聞いてください。μ’sで『Music S.T.A.R.T!!』」
真姫をセンターに手を挙げておろしてスタートした。そして、大きく踊る9人。サビに入ると、手を横に上げ、ジャンプし、膝まで手を下におろす。そして、大きく踊ってはサビではそれを繰り返す。会場中はμ’sのパーティーに招待された気分になっていた。それはまるでμ’sという楽しいパーティーを永遠と見てみたいように。
そして、μ’sの曲が終わった。その瞬間、
ウォー
という観客の怒号が聞こえた。
「やっぱりμ’sは凄かった。たった1ヶ月で新曲を完璧に歌い上げるとは…」
レポーターの言葉に穂乃果が答える。
「それでも、この9人だからできたと思います」
「本当に楽しい1ヶ月だったと思います」
絵里がそう言うと、凛も、
「本当に楽しかったにゃー」
と、答える。
「もっと聞きたいと思うが、まだオメガマックスが控えているんだ。名残惜しいがそれはまたいつか。それではμ'sでした。大きな拍手、頂戴なぁ」
レポーターがこう言うと、観客はμ’sに対して大きな拍手で送った。
「これがμ’sなんですね。凄いとしか言えないですね」
愛がそう言うと、はるかは、
「こ、これに勝てるんですかね」
と、足をぶるぶるしながら言った。
「これが雪穂さん達のお姉さんのライブ。凄いです。凄いです」
と、みやこははしゃいで言った。
「μ’sのライブにかける思い、そして、楽しさを受け取りました。が、僕達はそれ以上だと思うぜ」
と、はやては言う。
「そうです、そうです。私達の4か月間はにこ姉様の3年より濃いのです」
と、こころが言うと、
「濃度が濃い分、それだけ楽しんできた、ということだ!!」
と、自信を固めたように言う。
「亜里沙、この楽しさ、お姉ちゃん達にぶつけていこう。そして、勝とう!!」
と、雪穂は亜里沙に対して言うと、
「そうだよ。私達は伝説を超えていける存在だから」
と、亜里沙も何かを決意した風に言う。
「それでは、オメガマックスのみなさん、よろしくお願いします!!」
リポーターがこう言うと、オメガマックスはステージ中央に行き、円陣を組んだ。そして、手をグーにして前に突き出した。
「1」雪穂が言うと、ラブライブレスレットライトがオレンジに光る。
「2」亜里沙が言うと、水色に光る。「3」みやこがいうと、黄色に光る。
「4」愛が言うと、赤に光る。「5」はるかが言うと、緑色に光る。
「6」はやてが言うと、青に光る。「7」「8」こころあが言うと、それぞれ紫に光る。
だが、名乗りはそれだけでは終わらなかった。観客席が騒いでいた。そして、観客から大きな声が聞こえてきた。あの声が、そう、あの声の大合唱であった。
「9」!!そして、観客席一面に青空を示すスカイブルー、雲を示す白色が広がった。
びっくりして観客席を見る雪穂達8人。そこにはあのキャンディーズ3姉妹だけでなく、南理事長をはじめとした音乃木坂の生徒、先生のみんな、そして、穂乃果、雪穂の父母など関係者の姿があった。その人達を中心にラブライブレード、サイリューム、ペンライトなど全てが青空を描いていた。
「み、みんな~」
雪穂は涙を流していた。
「どうだ。私の父さんに頼んで、音乃木坂の全員を運んできちゃった」
と、ランが言うと、スーは、
「だって、私達姉妹の父さんは某航空会社の重役だもん」
と、答える。そして、ミキは、
「お前達の虹を青空で描いてやったぞ。これぞ、私達こそ9番目のオメガマックスメンバーだってことだぞ」
これを聞いて、雪穂は想い言った。
「私達を応援してくれる人たちこそ9番目のオメガマックスなんだ。私達には前から9番目のメンバーがいたんだ。応援してくれる人たちが…」
これは雪穂だけでなく、ほかのメンバーもそう思っていた。
「ところで、なんでミキだけピンクなんだ」
雪穂はミキにツッコむと、
「だって、ピンクの方が目立つんだ」
と、とぼけて言った。
「よ~し、もう一回やりましょう」
雪穂が言うと、円陣を組みなおして、手を前に出した。
「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」番号を言うごとに次々と虹色に染まっていく。
「9!!」そして、博多ドームに青空が描かれる(一人だけピンク)。
青空に虹が架かった瞬間、大声で叫ぶ。
「オメガ~、マックス、アップ!!」
オメガマックスはスタート位置に移動する。
そして、雪穂が言った。
「聞いてください。私達の思いをぶつけます。オメガマックスで『ホライズン』!!」
ラブライブΩ 最終話 挿入歌 「ホライゾン」
①
何も見えない真っ暗な世の中
目印もなくたださまようのみ
まわりも見えず ただぶつかるだけ
ただ
だけど彼方から1つの光
さしこんできたよ
やぁっと見えました
さあ行きましょう
明るい
(ホライゾン)
太陽が昇るたび
明るいあしたが待っている
まわりが見えなくても
必ず照らしてくれる
迷うことがあったとしても
見失うことがあったとしても
ススメばいいのさ
②
なにもなくたださまようのみ
音も聞こえずただしずかなだけ
ただ寂しさがあるだけさ
だけど真上からやさしい光
さしこんできたよ
やぁっと見えました 友という仲間が
さあ踊りましょう
強いキズナを結ぼうさ
(ホライゾン)
月が昇るたび
強い仲間が待っている
ひとりになっていても
必ず探してくれる
寂しいことがあったとしても
弱くなることがあったとしても
ススメはいいのさ
日は東に 月は西に
月は東に 日は西に
必ず見える
だから心配ない
胸をはって生きようぜ
太陽が昇るたび
明るい明日が待っている
月が昇るたび
強い仲間が待っている
迷うことがあったとしても
寂しいことがあったとしても
ススメばいいのさ
ウォーウォー
曲が終わった瞬間、観客のボルテージはマックスを超え、振り切れようしていた。
「μ’sも凄いが、オメガマックスも凄いぞ~。いや、μ’s以上かもしれない。メンバーだけでなく、観客全員が「ホライゾン」と叫んでいた。これが会場全体で楽しむことなんだ。オメガマックスの隠された実力が出た瞬間かもしれないぞ~」
レポーターがそう叫ぶと、そこな大人、仕事はちゃんと進めた。
「とはいえ、これは勝負。μ’sとオメガマックス、どちらが良かった判定をどうぞ」
レポーターの声でA-RISEを含めた全員が判定する。すると、全員が…。レポーターが叫ぶ!!
「全員、オメガマックスに手を挙げたぞ。オメガマックス、勝利!!オメガマックス、ついに伝説を乗り越えたぞーーーーー!!!!」
ウォー
この瞬間、観客は雄叫びをあげた。そして、オメガマックスも、
「「「「「「「「やっ、ヤッター!!」」」」」」」」
8人は同時に言うと、まわりに集まり、泣きだした。はやてやみやこみたいにガッツポーズをするもの、雪穂、亜里沙みたいにずっと泣いているもの、メンバーそれぞれだった。
「ちょっと待って!!」
そんな興奮に水を差す1人の女性、中洲博子は叫んで止めた。そして、博子は言う。
「μ’sが負けた!!この私に勝利を運んでくれるんじゃないの!!このスクールアイドルという業界、勝つことが全て。μ’sと言う伝説すらあのできそこない(オメガマックス)に負けるなんて。μ’sが負ける、それこそ、伝説が終わるとき。そう、μ’sも地に落ちた、としか言えない…」
「ちょっとそれは聞き捨てなりません!!」
博子の言葉にキレた人物がいた。A-RISEのつばさだった。
「私は言ったはずです。スクールアイドル勝利至上主義はやめてほしいと。それは勝利ばかり目指すあまり、みんなで楽しむといったスクールアイドル本来の姿からかけ離れてしまうからです。そして、勝利した者が敗者を見下すことはその姿からさらに離れてしまう。結果、そのグループは孤独に陥る。K9がその典型でしょう」
そして、つばさは博子に断罪を下す。
「スクールアイドルは勝ち負けの世界ではない。アイドル、観客全てが楽しむことが一番大事なんだ。そんなことができないなんて、スクールアイドルの顧問としては失格です!!」
そう言われた博子は穂乃果にすり寄り、言った。
「ねぇ、穂乃果さんは私の意見に賛成なんでしょ」
でも、穂乃果の口からはまったく意外な答えを出した。
「スクールアイドルは楽しんでいく。楽しんでもらうことが大事!!」
「わ、私の答えが間違っていた…。いや、有望なアイドル特待生を集めれば…」
この言葉に穂乃果はすぐに反論した。
「それはちょっと違うかもしれない。だって、優秀な人達を集めても、それがうまく機能するかは別問題だから。チームワークが大切だからねぇ。あっ、そうだった。忘れていた。私達も海未ちゃん、ことりちゃんといった幼なじみで最初組んで、そして、次々と大きくなって9人になったんだよ。仲の良い、ときにはぶつかる。でも、最後はみんなと楽しむことが一番大事なんだよ」
穂乃果の言葉にただ茫然と立つ博子。
「わ、私の考えが全て間違っていた…。スクールアイドル勝利至上主は幻想だったの…。私が無理やり連れてきたアイドル特待生も…」
そして、つばさは博子にこう言った。
「スクールアイドルは素人同然の人もいる。しかし、それでも、みんなで楽しもうとしている。覚えていてほしい。K9みたいに勝利のみに進むことはしないでほしい。みんなで楽しんでいきましょう、スクールアイドルの世界を!!」
この言葉はのちにスクールアイドル勝利至上主義とアイドル特待生制度に風穴を開ける言葉として、後世に語り継流れていく。
しかし、この言葉で観客はさらにヒートアップした。
オメガ オメガ オメガ
オメガコールに沸く。しかし、ほかの言葉も。
μ’s μ’s μ’s A-RISE A-RISE A-RISE
3組を呼ぶ大合唱が鳴りやまない。
「みなさん、お静かに~。って、言えませんよ~」
レポーターも困惑している。そこに、雪穂があることを言った。
「それなら、オメガマックス、μ's、A-RISEで合同コンサート、ここで開いちゃいましょうか」
突然のアイデア。だが、穂乃果、つばさは乗り気だった。
「そうだな。突然だが、A-RISEとしてもここで決めないとな。私達は参加するぞ~」
つばさがこう言うと、穂乃果も、
「つばささん、ずる~い。私達も参加しま~す」
こうして、突然、オメガマックス、μ’s、A-RISEの合同ライブ、のちに「後夜祭」と呼ばれるライブが始まった。
「私の夢が…」
突然始まったライブをよそに博子はただ立っていただけだった。
「お母さん、しっかりして」
天が博子を抱きしめて叫んだ。そして、天はこう言った。
「たしかにお母さんのしてきたことは間違っていたかもしれない。でも、それは学校を廃校から救うためにしたこと。それが成功したから暴走したのでしょ」
そう、博子は福博女子大学の廃校を防ぐためにアイドル科を作り、同じく廃校の危機のあった付属についても大学の下部組織としてアイドル科を作ったのだ。それが成功したのが、それに連れて暴走してしまったのが原因だった。
そして、天は言った。
「その過ちは直せるんだよ。これからは私達も楽しくスクールアイドルをしていきたいんだよ。お願いだから、私と一緒にその過ちを直して、楽しんでいこうよ」
そして、博子の周りにはK9のメンバーが集まっていた。
「私達からもお願いします。これからもご指導をお願いします」
みんなに代わり、カオルが博子にお願いをする。
博子はK9のメンバーに声をかけた。
「私こそ、ごめん。でも、その願い、私からもお願いするね。これからはみんなと楽しみましょう」
すると、そこにオメガマックスのメンバーが現れた。
「K9のみなさん、観客が呼んでいるよ」
ここあが言うと、こころも言う。
「そうです、そうです。みんながお呼びです」
「天さんの歌声、とっても良かったですもの」
と、愛が言えば、はるかも言う。
「それでも愛の方が上ですけど」
「どちらでもいいんじゃないかな、今は」
と、はやてはこの2人にツッコむ。
そして、
「K9を呼ぶ声が大きくなっています。はやく来てください」
と、亜里沙が言うと、
「さあ、行きましょう。私達のステージへ」
と、雪穂は天達K9を迎えようとしていた。
「わ、私達、行ってきます。お母さんも見ていてください。新生K9を」
オメガマックスに導かれ、ステージへと駆け上がるK9。そして、K9コールと共に、オメガマックスと一緒に歌いだすK9。博子はこの光景を見て、一言こう言った。
「綺麗…」
こうして、博多ドームはオメガマックス、μ’s、A-RISE、K9を含めたスクールアイドル達の歌声が、いや、楽しみの声が響き渡っていた。