「私、京城みやこ、音乃木坂の2年生」
「解散を賭けた勝負が決まり、長くて短い2週間が始まった。自分達で作詞作曲の完全新作。そのため、これまで作詞作曲してこなかった(雪穂達)3人は試行錯誤の上で、ようやく「Little wing」(仮)を完成」
「最終日、私が改名をしようと言うと、雪穂先輩が猛反対、口論となる。しかし、その夜、雪穂先輩は亜里沙先輩の電話で、過去の栄光からの重圧によって負けそうになっていたことに気付く。そして、勝負が始まる前に雪穂は私、亜里沙先輩と相談」
そして、「私達はNew age改めオメガイズです!!」
オメガイズという新しい名前でもって変わろうとしていた。
一方、愛先輩達「マキシマム」も万全をもって対応…。
今、まさに運命のゴングが鳴り響く。
(OP 1番のみ)
第4話 「代表は誰?」(前編)
「今から始まるのは音乃木坂のスクールアイドルの座を賭けた勝負!!これまで活動していたNew age改めオメガイズに対し、新星マキシマムが挑む!!これは面白い展開になりそうだ!!」
フューフュー
観客席は大盛り上がりをしていた。いや、学校中が盛り上がっていた。スクールアイドルの座をめぐる争い。それを決めるべきして今回の勝負がある。
「ルールはいたってシンプル。各グループ1曲(1番のみ)を歌ってもらいます。そして、その後で各教室の前に設置した投票箱に音乃木坂のスクールアイドルとしてふさわしい方を書いてください。なお、その他の意見を書いてもよいです。そして、投票数で一番多い方が音乃木坂のスクールアイドルとなります。なお、負けた方は解散となります」
司会がこう言うと、細かいルールなどを説明した。観客は自分達がスクールアイドルを決めるということで緊張していた。それは雪穂達もだった。
説明終了後、ついに運命のゴングが鳴る-!!のかと思ったその時…。
「ひがし~、オメガイズ~。に~し~、マキシマム~」
司会のちょっとふざけた言葉に周りはズッコける。
「ちゃんとやりなさい!!」
愛の注文が飛ぶ。しかし、これにより、観客全員の緊張の糸が切れた。雪穂達の緊張も切れた。大きな笑い声が鳴り響く。だが、これは司会の側の配慮だった。緊張しては良い審査もできない。その意味ではよかったのかもしれない。また、雪穂達も緊張していては良いパフォーマンスはできない。良いパフォーマンスをするには良かったのかもしれない。
「それでは取り直して、まず、最初にオメガイズ、お願い致します」
今さっきのおふざけで緊張の糸が解けた雪穂達。その近くには雪穂、亜里沙の友達が来ていた。三つ子の生徒であった。
「がんばってきてね」
「ありがとう、ラン」
雪穂がお礼を言う。
「応援しているよ」
「がんばってくるからね。スー」
亜里沙が答える。
「マキシマムをぶっ飛ばせ」
「ミキ先輩、それはちょっと…」
答えに窮するみやこ。
この友達、通称、キャンディーズ三姉妹。オメガイズの大ファンであるとともに、New age結成の2年前から裏方として雪穂、亜里沙達を支えてきた。
三姉妹の声援を後にして、舞台袖に立つ3人。
「あの~、ここで掛け声かけませんか」
みやこが提案する。それに雪穂が答える。
「そうだね。そういえば掛け声ってまきりんぱな先輩の卒業ライブの時以来だね」
そして、3人で円陣を組む。
「1」「2」「3」
雪穂が言うと、亜里沙、みやこが続けて言う。そして…。
「「「オメガイズ~、パワー、アップ」」」
3人が一斉に叫ぶ!!
掛け声の後、3人は講堂のステージへと進む。そして、前に雪穂、後ろに亜里沙とみやこが並んだ。
「「「聞いてください。オメガイズで『Little wing』(仮)」
雪穂達3人が言うと曲が始まった。
『ラブライブΩ オメガイズ 挿入歌 「Little wing」(仮)』
「大空はとっても広い
私たちは飛んでみたい
小さな羽で飛んでみたい」
大きく動く3人。次の節に移る時、小さく縮まる。
「でも私たちは飛べない
生まれたてだから
少しも飛ぶことができない」
小さく縮まることで小鳥を表現している。この節が終わる瞬間、大きく羽ばたくように外に飛び出した!!
「それでも飛びたい!!」
そして、小鳥が飛びたいが飛べない様子を表現しながら歌った。
「大空に飛んでいく
小さな翼でとんでいく
彼方の地にススみたい!!
飛びたい!!
飛びたい!!
どうしたら飛べるのですか」
曲が終わると、あたりがシーンとなる。そして、大きな間のあとで、
オー!!
大歓声が響いた。あまりにもふりつけが良く、それについて拍手を送る人が多かった。この様子を見た雪穂達はびっくりした。これまでの冷たい目ではなく、暖かい目での拍手だったからだった。
「これがスクールアイドルのステージなんだ」
みやこは感動した。このステージがスクールアイドルとしての初めての経験だったが、その中で初めて味わう感覚を味わったのだ。これほど気持ちの良いものだと気付いたからだった。
雪穂、亜里沙もやりきったと思った。しかし、もし駄目だったらスクールアイドルをやめないといけないと思うと、ちょっと気が引けるような気持ちにすぐになった。
「ダンスは良かったですわ。しかし、曲が少し悪かったんじゃないの」
愛が雪穂達に文句があるかごとくけしかける。
「それもそうだけど、そちらはどうなの!!」
雪穂が迎え撃つ。まるで虎と龍、ならぬ、犬と猫の争いである。
「すいませんが、次の準備に移りたいのですが」
司会が真ん中にはいる。次は愛達の番だった。
「スクールアイドルの見本を見せてあげますよ!!」
たんかを切った愛は舞台袖に戻る。
「私達も掛け声しましょう」
はるかが提案、愛もそれに賛同する。
「そうですね。やってみましょうかね」
そして、掛け声を始める。
「1」「2」「3」
愛の掛け声にはるか、はやてと続く。そして…。
「「「マキシマム、パワー、オン!!!」」」
3人は叫ぶ。
「それでは、マキシマムの皆さん、お願いします」
司会の呼びかけで横一列に並ぶ愛達3人。
「「「マキシマムで『花・鳥・風・月』!!!」」」
愛達3人の曲名の叫び声と共に曲が始まる。
『ラブライブΩ マキシマム 挿入歌 「花・鳥・風・月」』
「花は咲きみだれ 鳥は鳴き聞かせ
風はふぶかされ 月はかがやかせ
ビルも立ち乱れ 尾錠も咲き乱れ
日本中まざれ 混沌(カオス)巻き起こせ
全てもえあがれ 混ぜて萌えあがれ」
手をグーにして胸の前に折りたたむように踊る3人。
このとき、亜里沙があることに気付く。
「これ…、何かの曲の振付に似ている…」
だが、ここではやてのラップが始まった。
「燃えろ 燃えろ 燃えまくれ」
まるで男みたいな声でラップを奏でるはやて。
そして、次の小節に移ったそのとき。
「萌えろ 萌えろ 萌えまくれ」
はやて、今度は女性の萌えた声でラップを奏でる。これがマキシマムの秘密兵器「はやラップ」「はや萌えラップ」である。観客は興奮のるつぼにはまる。
「(はやラップ) 燃えろ 燃えろ
(はや萌えラップ)萌えろ 萌えろ
(はやラップ) 萌えろ
(はや萌えラップ)萌えろ」
交互に男性声と萌え声が切り替わるラップ、そして。
「モエまくれ!!」
2つの声、いや、ラップが重なる!!
キャー
観客が叫んだ。
だが、そのときの振付は指を上に指し示すものだった。
「やっぱり、あの曲の振付が同じ…」
亜里沙のかんは確信へと変わった
「全てを1つにすれば 生まれるのさ私たち
全てを混ぜて混沌(カオス)に 失うものは何もない
全てのものがハッピーに うまくいく心配ない
素晴らしい 日本文化(ジャパンカルチャー)に
動き始めよう 世界中に
文化を発信 していこう」
観客はマキシマムの歌に引き付けられてしまった。
しかし、途中の振付もピースを上に上げたりなどしていた。
「なんかの振付に似ているよね…」
これに気付く観客も何人かいた。しかし、それでも歌で圧倒されていた。
こうしてマキシマムの曲が終わった。
キャー
オメガイズ以上の完成を観客はしていた。
「はるか、なんなの、あのラップは」
みやこはすぐにはるかの所に行き、ラップの真意を聞いた。
「あれはね、はやラップ、はや萌えラップだよ。はやラップは男っぽいラップ、はや萌えラップは萌えた声でラップ。これをすることで曲にインパクトを与えるんだ」
得意そうに答えるはるか。
「どう、私達の優勢でしょ」
愛、自慢そうに答える。
「く~」
悔しがる雪穂。
しかし、この一声で状況が一変する。
「これって『kira-kira センセーション』の振付によく似ているよ」
亜里沙の一声。しかし、それは観客もうなずき始めた。
「確かに似ている」「いや、ほとんど似ているよ」
亜里沙は音乃木坂に入学する前、μ’sの振付をよく勉強していたため、μ’sの歌の振付はよく覚えていた。しかも、この「kira-kira センセーション」、μ’sがラブライブ決勝で優勝を決めた曲である。そのため、ある程度の生徒は振付を知っていたのだ。
「でも、これってある関西系の学校のスクールアイドルの振付を参考にしたのに」
この振付を考えたはるか、反論を行う。
「そこが盲点だったんじゃないかな。『kira-kira センセーション』はμ’sがラブライブ優勝を決めた曲だもん。この曲を真似ようとするスクールアイドルは多いんだよ。それを参考にしたために逆に似ている部分がより目立ったんじゃないかな」
亜里沙の解説に顔を引きずり始めるはるか。
「でも、歌は良かったでしょ。これなら私達の…」
愛が弁明を始めるが…。
「これでいいのかな」「パクリでしょ~」
振付が似ていただけだったが、観客の中ではパクリ疑惑までに発展しそうにしていた。
「さっ、はやく投票しましょ!!」
愛は司会に投票を早くするように催促した。
「そうですね。それでは投票をすぐに行ってください」
少し焦っていた司会者、すぐに投票を始めさせた。
そして、1時間後、全ての投票を終え、臨時招集された選管の生徒達によって集計が終わった。
外は晴天だったが、集計が終わるころには崩れ始め、ポツリポツリと雨が降り始めていた。
雪穂達オメガイズ3人、愛達マキシマム3人は講堂のステージでその集計をいまやいまやと待っていた。
「集計が終わりました。それでは発表します」
ドラムロールがなる。息を飲む6人。そして…。
「発表します。オメガイズ、投票数…」
再びドラムロール。雪穂、亜里沙、みやこ、緊張する。
「ゼロ!!」
「え~!!」
ゼロという言葉に絶叫する3人。3人とも床に伏せてしまった。
「どうして!!」
雪穂は司会に詰め寄る。
「その理由はとして、一番多かったのは「振付はもちろん、歌もいい。ただ、作曲がちょっと…」でした」
ガーンとする雪穂。「これでは負ける。スクールアイドル人生終わりだ」と考えた。雪穂は突然外に向かって走り出した!!
「雪穂~」
亜里沙はこう言うと雪穂を追いかけるようにその場を去った。みやこもそれに続く。
「これで私達の勝ちですね!!」
愛は勝ち誇った顔をしていた。
「それはどうでしょうか」
司会はまるでなにかを知っている素振りをしていた。そして…。
「続きまして、マキシマムの投票数…」
オメガイズと同じくドラムロールが鳴る。勝ち誇った顔の愛と緊張するはるか、はやて。
「ゼロ!!」
これには愛、晴天の霹靂を受けたみたいに顔が引きつる。
「どうしてですの!!」
雪穂と同じように司会に詰め寄る愛。
「理由の多くが「作曲、作詞共にとてもよかったが、振付がパクリだと…」「ラップのインパクトありすぎ!!」でした」
と理由を述べる司会。
「うそでしょ!!こんな私が投票数ゼロなんて…」
すぐにでも泣き出しそうになった愛。真実を受け入れがたい表情だった。
「なんでゼロなんですの~」
愛はこう言って、泣きだしながら外に出て行った。
「待ってください~」
はるか、出ていく愛を追いかけていく。はやてもそれに続く。
「やっぱりこうなりますか」
観客席であの男性理事がこうつぶやいていた。
「秋葉愛のことをちょっと調べたんですが、彼女、秋葉家の中では落ちこぼれみたいです。両親、姉共に超一流。そう生まれてきたためにプライドが高い。そのため、友達になる人があんまりいませんでした。隣にいるのは昔の幼なじみのイエスマン、はるかと同じく幼なじみのはやてのみ。高いプライドのためにアイドルユニットを組む友達がいない。作詞作曲ならあの西木野真姫以上でしょう。けれど、ユニットを組めない以上落ちこぼれしかない。だから、アイドル特待生ではなく一般生徒でしかどこにも入れなかったのです」
男性理事の話にうなずく南理事長。男性理事の話は続く。
「まっ、もとから落ちこぼれと認識していたのか、音乃木坂に入学してもアイドルユニットを結成していませんでしたが、昨年のラブライブでの敗北に触発されたのか、自らユニットを結成しようと動いていたのですが、誰もが相手にしない。結果、勝負の直前での幼なじみのはるかとはやて、3人で結成するしかなかった。だが、準備期間が短いがゆえにこの結果になった。スクールアイドルは1日にしてならずですよ」
男性理事の解説に南理事長はただうなずき続けるしかなかった。
「とはいえ、これが吉と出てくれたらいいのですが…」
男性理事の言葉を裏付けるがごとく、集計結果の発表は続いていた。
「白票…、ゼロ、…、全票!!まさかの、いや、意外、いや、これが皆で決めた結果です!!」
意外な結果。しかし、これは音乃木坂の全ての人が望んだ結果だった。
続く…。
次回、「代表はだれ?(後編)」