阿修羅転生   作:サボリ魔ー

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此処から強化の始まり。


あしゅらにっき 二之話

 ×月◯日

 

 立ったら畳み掛けるように喋って、修行する、と言い出した俺に、お世話役の皆様は狂喜乱舞だった。

 またあのおじいさんが出てきて、アシュラ様が云々かんぬん。もう面倒くさいから、聞き逃しに聞き逃して愛想笑いだけ浮かべておいた。それだけでも十分だったようで、更に嗚咽を漏らしながら泣き始めた。

 

 俺の修行には多くの人が賛同してくれた。数にしてこの家のお世話役、三十人中の二十三人。凡そ八割である。更に、この人たちは、全員が俺の指導役として頑張る、と言ってくれた。なんか凄い、史上最強の弟子になった気分だ。

 因みに、現在はチャクラというものを扱える存在は極少数であり、扱えるもの達は皆、俺の父に指導を受けている。それ故に、レベルもまた尋常ではない。それこそうちはマダラがゴロゴロ居るようなレベルだ。まあ、チャクラを使えるのが、俺を含めても百人程度しか居ないのだが。

 

 そうこうして、俺は三日前から修行を始めた。筋トレはアレとして、仙人の息子であることからチャクラコントロールやチャクラ量の増強をベースとして修行を開始した。

 

 結論。無能は何をやっても、無能。

 褒めるところが一つもなく、寧ろ下手くそさが見えるわ見える。ジメッとした草原に落ちている比較的大きな石ころの裏側に、虫がくっつきまくってるようなそんなレベルで、ただただ不愉快だった。俺自身、自分にそんな嫌気がさす程だ。教えている彼らは溜まったものではないだろう。

 しかし、指導役の皆さんは優しく厳しく指導してくれている。素晴らしい人達だ。まあ、まだ三日目であるから、まだまだ頑張ってみる余地はある。と言うことで、頑張ろう。

 

 

 

 ×月□日

 

 万事休すか……!

 

 指導は多岐に渡った。だが、そのどれもが軒並み壊滅。

 いやはや此処まで自分に才能がないとは思いもしなかった。それ程までに極悪である。

 

 しかし、此処で止めては男がすたる。というか、兄に殺されるバッドエンドしかない。

 だから、諦めない。

 

 

 

 ×月△日

 

 一年かけて、俺は漸く基礎的なことが完了した。普通なら三ヶ月で終わる修行を、四倍の一年かけて漸くクリア出来たようだ。人格が違う以外何も変わっていないはずなのに、これほどの無能ぶり。これを努力と愛情で天才を超えたと言うのなら、ある意味でクレイジーサイコホモの先祖の弟とも言える。

 

 ともあれ、俺は木の上での移動から、忍の走り方やら、本当に基本中の基本だけを修練した。修行中に横目でチラッと確認した限りでは、兄はもう火遁をブッパしていた。本当に、才能のない自分が情けなくなる。

 しかし、諦めずに指導を続けてくれる人たちがいる以上は俺が諦めるわけにもいかず、俺は日夜特訓の日々である。

 

 というかだが、既に一年を経過しているのに、未だに俺は父を見たことがない。あの爺さんを育児放棄で訴えたら勝てるんではないだろうか。

 それ以前に憲法など存在しないのだが。

 

 

 

 ×月◎日

 

 修行開始から三年の月日が経った。俺は漸く、指導役の人達と徒手格闘で組手が出来るようになった。持って五分という勝負になってない感じも多分にあるが。まあ、指導役の人達の姿すら視認できずに首筋に手刀を入れられて寝ていたあの頃に比べれば大した進歩だろう。

 だが、それも徒手格闘に限った話だ。

 ぶっちゃけ、俺は忍術という忍術を使えない。これは「俺が一つに特化させたほうがいい」と言ったからもあるが、原作で明記されていた生命エネルギーの覚醒をしていないからだろう。覚醒すれば兄と並ぶレベルになれるのだろうが、一体いつになったら訪れるのか気が気でない。

 

 それについて俺は、一度出会ったばかりの父に訊いた。「テメェ、才能の分配ぐらい真面目にやれやボケェ!」と。

 ギョッとする父の顔も面白かったが、それに対してただ一言、「すまん」と謝られたのには罪悪感が酷かった。子供の戯言と一蹴することもなく頭を下げられては、ちょっぴり冗談の入っていた俺には猛反撃に等しい。その後のことは恥ずかしくて書きたくはないが、少しツンデレ気味の反応であった、と書いておこう。

 漸く会えた父にこれという。

 

 父は優しかった。ただ、積極的な人ではなく、それに自身が母を殺したことで、親として何をしてやればいいのかが分からない、いや、自分が口出していいのか分からないようで、兄のあの様子にも何も言わずにいるようだ。その辺り、親としてはダメだが、人としては正しいと思う。

 だから、俺も何も言わなかった。まあ、手っ取り早く強くなる方法を聞き出し、更に修行も付けてもらえるように頼み込んだ。勿論、家族としてではなく、一介の忍として。

 

 さて、そういうわけで明日からは父との修行もある。今日はこのくらいで切り上げて睡眠をとることにする。

 

 

 

 ×月▽日

 

 フハハハハハハ。

 俺は漸く、覚醒した! 分かる分かるぞお!

 溢れるチャクラ! 滾る闘志! 湧く思考!

 え? いやいや、頭が湧いてるとかじゃないから! いや本当だよ⁉︎

 ……。

 

 うむ、しばし、頭が湧いていたようだ。気をつけよう。

 俺は父との修行を開始して、二年。遂に、俺の中に秘められていた生命エネルギーが開放したようだ。その凄まじさとくれば、兄さえも凌駕する程だ。ついでとばかりに、父の六道チャクラを手にし、六道仙人モードになれるようにもなったが、本当にこれはついでだ。何故なら、まだ仙術チャクラを操る修行をしていないからだ。使えない。

 そんな現在、必要性を見出せない能力を手に入れると同時に俺が研究していた忍術が漸く完成した。これがあれば、俺はどこまでも強くなる。いや、神にすらなれるかもしれない。

 

 だからと言って、修行を疎かにすることはない。寧ろ今からが俺の始まりだと思っている。

 

 さて、これから修行の始まり。この言葉で俺が開発した忍術が分かるだろうか?

 分かるだろう。修行に最適の、NARUTO史上最悪の忍術だ。それは、殺しても死なない穢土転生と並ぶレベルの禁術。更に、二次創作に置いて、主人公強化の最も簡単な手段の一つ。

 この術さえあれば、いくら努力したところで、その努力は塵芥に等しく、更に最低下劣な忍、卑劣様が開発したことで更にその株が大暴落した秘術。

 

 その名も影分身の術。

 

 正史なんて知らねえよ、俺が生きられたらそれでいいんだ、と言う身勝手な考えで一生懸命に開発した術だ。これさえあれば、他の術は一瞬と言っていい期間で会得出来る。更に、千人出せば千倍の経験が積める最高の忍術。まあ、その分だけ疲れるという欠点もあるがな。

 というか切実な問題。これ以外に螺旋丸とか千鳥とか、有名な忍術でもない限り、記憶から消え出しているのだ。まあ、記憶の老朽化は当たり前だね。

 

 そして、現在、俺は溢れんばかりの生命エネルギーを影分身に練りこんで、影分身たちにも修行を行わせている。数は、千人。ははは、これで俺は最強だ。

 

 それと、俺のチャクラの解放を機に、父は何かを考え始め、俺に新たな修行の場を教えてくれた。これが恐らく、十尾を分解して一から九の尾獣を造る事だろう。

 まあ、十尾の力があれば、と思うが、下手に突いて藪蛇だった時が怖いので、その話は俺は関わりありませんと無視している。

 

 で、新たな修行の場として教えてもらったのは、妙木山だった。

 ふっ。

 

 ……虫食べないといけないのかなぁ……。

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