阿修羅転生   作:サボリ魔ー

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あしゅらにっき 四之話

 △月◯日

 

 転生眼が出来た(白目)

 なんで? と俺も思った。まあ、蛇の目に反射した俺を見て分かったことだから、百パーセントと言う訳ではない。ただ、フヨフヨと体の周りを浮遊する、父のチャクラを使った六道仙人モードで出る求道玉に似た白い玉を見るからに、小数点以下十桁まで九なのは確実だろうが。

 超速再生のような事も出来るとはいえ、ウルキオラのように目をえぐり出すこともできず、詳しくは調べられなかったが、父の弟であるハムラが開眼していたし、親戚関係から開眼できたと考えるのがベストだろう、と結論付けた。というか、魔眼の類の入手に全身で狂喜していたら、黒歴史を封印している左脳が痛み出して、それ以上考えられなくなったんだけども。

 

 さて、白眼(笑)の輪廻眼と呼ばれる、転生眼を何故か手に入れてしまった俺だが、能力は、これを開眼しておけば、自然エネルギーを吸収し、三つ全ての仙人モードを使っている状態と同じになるようで、他にも劇場版でトネリが見せたような能力と思ってくれていい。

 六道仙人モードと合わせて使うと目も当てられないことになる。

 

 今日からはこれに慣れる修行になりそうだ。仙術に類稀な適性のあった俺だから、そこまで時間はかからないと思う。

 

 しかし、転生眼から白眼には変えられないのだろうか。

 感じたい限りでは、完全上位互換。いや、完全高位互換といった感じだ。はっきり言って、白眼(笑)の上位互換と言うと侮辱になるほど圧倒的に転生眼は強い。

 開眼して六時間三十二分の俺が言うんだから、ハムラの伯父さんなんて髪まで真っ白になるくらい、それを痛感していることだろう。

 ハゴロモいいなぁって。

 

 

 

 △月×日

 

 この一ヶ月、俺は転生眼に慣れるついでに、一つのプロジェクトを進めていた。それは影分身が消えない理由の模索。

 一ヶ月中、チャクラの供給を切ったり、消えろと念じたりしてみた。その研究は熾烈を極めた。

 しかし、俺はついに発見したのだ。

 

 影分身が消えない理由を。

 

 そんな茶番はさておき、原因は俺だった。

 

 陰陽遁と言うのをご存知だろうか?

 陰陽遁とは、無から形を作る陰遁と形に命を吹き込む陽遁に分かれ、その二つを同時に行使し、作った形に生命を芽吹かせる。正しく神の所業であるその忍術を使えるのは、この世界でもただ一人、俺たちの父、大筒木ハゴロモである。

 

 さて、原作を最終盤まで読んでいるものならわかるかもしれないが、インドラとアシュラはこのチャクラを別々に一方ずつを持っているのだ。そして、アシュラは俺。

 ならば、陰遁か陽遁かを持っていてもなんの不思議ではないのだ。

 そして、原作でアシュラの転生者であるうずまきナルトは、陽のチャクラを持っていた。形あるものに命を吹き込む、陽のチャクラである。

 更にそれは、系譜として受け継がれるように、ナルトの先代の転生者である千手柱間も持っていた。柱間はこのチャクラがあったからこそ木遁という血継限界を使えた。それが正しいとするならば、千手の秘術とされた木遁を柱間よりも過去の者が使えないはずがないのだ。

 それこそ千手の始まりである、俺が使えても、な。

 

 結論として、俺はこれを使えた。

 あの時、解放されたエネルギーにはこいつがたっぷりと溜まってたようで、こいつを影分身に練りこんでいたようだ。

 こいつのお陰で奴等は、生命体として独立して存在出来ているようだ。言うなれば、聖杯戦争に参加させられる英雄達みたいな、偽物で本物の命を持っている。そして、その動力源は俺の溢れる生命エネルギーを内包したチャクラだ。

 今尚、俺のチャクラは減り続けている。なのに俺がこうして立てているのは、影分身が活動しだしてからすぐに仙術を習って、自身のチャクラ枯渇をどうにか防げたからだ。つまり、仙術を覚えるのが一日でも遅ければ、チャクラが枯渇して干からびているところだっただろう。本当に良かったと思う。

 

 だが、喜んだり安堵している場合じゃない。何故なら、俺の影分身は生きているということなのだ。しかし、奴等は何故かスキル、単独行動まで手に入れているようなのだ。それもEX位の。まあ、一個体の独立生命体なのだから当たり前なのだが。

 つまり、俺は殺人を犯さねば、強くなれないのだ。

 生き残る為だ。百歩譲って殺人はいい。しかし、なんとか士郎を殺しにかかるエミヤなんとかのように、自分を殺さなければならないのは嫌だ。精神が磨耗しているわけでも破綻しているわけでも、そもそも根本から腐っているわけでもないのに、誰が喜んで自分殺しなどするか。

 しかも殺すにしても、影分身がそばに居ない今、俺はチャクラの供給を切るという、生命体として生きている影分身たちに無駄な事をしなければならないのだ。きっと奴等は単独でチャクラを練る方法くらい確立させていることだろう。あれ? じゃあ、なんで奴等は俺からチャクラを奪ってんだ?

 あ、そう考えたら腹が立ってきた。俺の糧にもなんねー癖に、どっかほっつき歩いて俺が経験し得ないような楽しい日々を過ごしてんだろうな……!

 

 くっそ!

 ぶっ殺してやる……!

 

 

 

 △月□日

 

 放っておこう。

 出た答えは、諦めだった。

 一周回って落ち着いたら、妙に悟りを開いたような感覚になって、命を殺すのはいけないねって思ったんだ。

 まあ、最初っからこちらが打つ手立てがないのだから、こうなるのは必然でもあるんだけどね。

 

 ただ、兄をぶっ殺してやりたい俺は、力はあったほうがいい。力はあるだけいい。そう、幾らでもいいのだ。取り敢えずは、兄が起き上がる気力もなくなるくらいの圧倒的な力があればいいのだが、手に入れるために手っ取り早いのは影分身の消去。他に手がないわけではないが、今の段階では思い浮かんでいない。影分身の消去に気を取られて、他のことに頭が回っていなかったのだ。

 全くままならないものである。

 

 さて、修行の成果はずいぶんなものだと思う。原作の回想で出たアシュラの能力のようなものは再現できた。求道玉を手に出現させた阿修羅兎。

 ……まあ、俺の場合、阿修羅というよりも千手観音になってしまい、数も三体と多かったが……。

 うん、きっと原作も出来たはずだ。大丈夫、天狗になるようなことじゃない。

 

 それに付随するように、忍術の方も上々だ。と言っても、不器用なのか器用なのか分からないのだが、忍術は螺旋丸以外殆ど使えなかった。螺旋丸に性質変化をもたらす事は出来ても、螺旋丸以外にすることは出来なかった。

 しかし、螺旋丸として発動さえすれば、あとは自由に形に変えられるようで、ナルトが原作で求道玉でやっていたような棒を作ったりもした。長さも自由自在で、「13㎞や」とドヤ顔で遊んでいた。

 それでいいのか螺旋丸。『螺旋」と『丸』は何処に行った。

 

 唯一、螺旋丸以外で使える忍術はある。それは木遁だ。出来る出来るとは思っていたが、本当に出来るとは。というか、気持ち悪いくらいに扱えて、才能という大きな問題に再度、打ちひしがれた。

 努力でなんでも出来るわけではなく、努力せねば何も叶わないことは、この世界で生きてきて理解をしている。

 ただ、才能があればあるほどに、その努力の実りに喜ぶことができ、また、把握することで目標を確認しやすくなるという努力を促進する効果もある。

 

 ぶっちゃけた話。

 才能がないと、ずーっと同じところを迷走しているようでモチベーションが上がらないのだ。

 才能ない、努力する、努力の成果が現れない、それでも努力する、またも結果は現れない。こんなものを繰り返していたら、そりゃ諦めたくなるというものだ。

 

 だから、才能がないのに、努力する人がどれ程に素晴らしいのか、俺は理解出来た。

 愚直にひたすら努力することがどれ程難しいことか、そして、それがどれ程尊重されるべきことか、俺は自身の才能と向き合って初めて理解出来た。

 

 今の俺に敵はない。

 傲慢になるつもりも、自分の努力をひけらかして優越感に浸る訳でもないが、自分が自分の思う素晴らしい事をしていると考えると、凄くやる気が出てきた。

 ただただ、これは自信だ。

 自分が頑張ったとか、自分は誰にも負けないとか、自分の不安を消すものではない。

 自分自身が正しい道を歩いているという、憑依した俺の本物のアシュラの人格への決意というか、証明だ。

 

 お前の代わりだが、上手くやれている、というな。

 

 話が逸れた。

 こうして文字にしてみるのも悪くはない。見えた希望と目標に邁進できるのは気分がいい。

 

 よし。

 明日からは螺旋丸以外にも何かを使えないか、調べてみよう。

 大丈夫、今の俺ならなんでも出来る。

 怖いものなんて何もないからな。

 

 いや、兄は怖いとです。




これは序章ですが、作者は一応、本章・原作前編を書きためております。そこまで書いて、結局日記調はやめました。つまり、注意書きの危惧なく、日記調は序章までになる可能性が高いです。
現状、まだ投稿はしていないので注意書きからその項目を消しませんが、その話を投稿したら消すようにします。
途中報告でした。
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