この素晴らしい世界に聖石を!   作:ホムラ

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第十二話

デュラハン討伐から数日が経ち、最近は冷え込むようになった

この世界の冬が近いのだろう

 

俺はウィズの店に厄介になってるから凍えることは無いが、カズマは馬小屋で生活していると言う

流石に心配だな……

 

まぁそれはともかく、俺はこの世界に来て色々見てきたが驚くことばかりだ

 

畑から秋刀魚が取れたり、川からバナナが獲れたり、野菜が生きていたりと

日本ではありえない事ばかりだ、俺もいくつかキレた出来事もあったな

 

それら出来事も含めて、俺は思ったことがある

 

この世界には、日本で言うところの便利グッズが少ない

 

例えば火だ。魔法を取得しておけば苦労は無いが、俺みたいに魔法を習得してない奴が火を起こすには火打石が必要だ

つまり火打石は魔法を習得していない者の必須アイテムになってたりする

 

結局のところ、俺が何を言いたいのかと言うと――

 

 

―――オイルライターが欲しい

 

 

この世界にオイルはあるが、それを活用している様子がない

つまりだ、この世界でライターを造れば儲けられるんじゃないかと言う事だ

 

幸いウィズにも、売れそうなものなら置いてもいいと了承を得ている

 

ただ、俺一人だけで作るのはキツイ物があるから、カズマにも手伝ってもらおうと思っているのだが―――

 

 

 

 

 

―――俺は今、雪山にいた

 

 

 

 

 

「どうしてこうなった!」

 

「何訳の分からない事叫んでるのよツバサ!ほら、あんたも雪精を倒しなさいな」

 

ギルドに行ったところまでは良かったが、何がどうして雪精討伐に付き合う羽目になったのか覚えていない

 

「まぁいい、ライターの事をカズマに話すのはこの後でいいだろ

 行くぜ『シルファリオン』!」

 

俺は剣を音速の剣に変化させ、雪精の大群に突っ込み、七体斬った

 

「むぅ、やりますねツバサ。カズマー、爆裂魔法で辺り一面をぶっ飛ばしていいですか!?」

 

「おーし、まとめて一掃してくれ」

 

「了解です!」

 

めぐみんが爆裂魔法を唱える為、俺達は一旦めぐみんから距離を取る

 

「『エクスプロージョン』!!」

 

轟音と共に、白い雪原のど真ん中に茶色い地面を剥き出させたクレーターを作り上げた

 

魔力を使い果たしためぐみんは、雪の中にうつ伏せで倒れ

 

「八匹!八匹やりましたよ!レベルも一つ上がりました」

 

冒険者カードを見せつけつつそう言ってきた

 

雪に埋もれていなければカッコいいのにな

 

これで一応、俺が七匹、カズマが三匹、めぐみんが八匹、合計十八匹

アクアが捕まえた分も加えると二十二匹か

 

だいぶ稼げてるんじゃないか?

 

………ふむ、これだけ稼ぎが良いクエストを誰もやらないのが気になるな

いくらデュラハン討伐の報酬金が高かったとはいえ、簡単に稼げるクエストを見逃すのには何か理由があるのかもしれない

 

そう思っていると、突然そいつは現れた

 

「な、何だアイツ……」

 

俺とカズマの敵感知に引っかからなかったところを見ると、レベルが高いか、その場に突然現れたの二択になるが

 

一つ分かってる事は、コイツはヤバい

 

ダクネスは興奮してるし、めぐみんは倒れたまま死んだふりをしている

 

めぐみんは動けないから仕方ないとはいえ、ダクネスが興奮していると言う事は

間違いなくコイツは強いのだろう

 

「カズマ、ツバサ。なぜ冬になると、冒険者達が雪精討伐を受けないのか

 その理由を教えてあげるわ」

 

アクアの説明を簡単にまとめるとこうだ

雪精を大量に狩ると、その主、冬将軍が現れるそうだ

冬将軍は国から高額賞金を懸けられている特別指定モンスターらしい

 

元々、冬の精霊は事態を持っておらず、冒険者達の思念を読み取ってその姿を形成するものらしいが

冬にクエストに出かけるものは日本からの転生者だけらしく、つまり、冬将軍の姿を形成したのは日本人というい事に

 

「つまりこいつは、日本から来たどっかのアホが、冬と言えば冬将軍みたいなノリでで連想したから生まれたのか!?なんて迷惑な話だよ!!」

 

まったくもって同感だ……

 

さて、これまでのクエストに加えて雪精を倒しまくったおかげで、俺のレベルは二十三になっている

このパーティの中では一番レベルも高い

 

だが、正直勝てる気がしない

ここは撤退するしかないだろう

 

そう思っていると、雪将軍に斬りかかりに行ったダクネスの剣が、あっさりと折られてしまった

 

「ああっ!?わ、私の剣が!!」

 

ダクネスの剣を折った、と言うより斬った冬将軍は、攻撃して来る気配もなく

そのまま俺達を見渡している

 

「冬将軍は寛大よ!きちんと礼を尽くして謝れば、見逃してくれるわ!」

 

アクアはそう言って、腰のポーチから瓶を取り出し、中に閉じ込めていた雪精を解き放った

 

冬将軍は、それをゆっくりと見上げ、アクアに眼を戻す

 

その瞬間、アクアは自分の頭を雪につけ、土下座の姿勢をしていた

 

「何やってるのっ!DOGEZAよ!DOGEZAをするの!ほら、皆も武器を捨てて早くして!

 謝って!」

 

………モンスター相手に土下座する女神に対してどう反応して良いものか

 

とりあえず俺は、背に剣を戻し

土下座はしないが、膝を地面につけ頭を下げておいた

 

「おい何やってんだ!お前も早く頭を下げろ!」

 

「くっ!私にだって、聖騎士であるプライドがある!誰も見ていないとはいえ、騎士たる私が、怖いからとモンスターに頭を下げる訳には!」

 

カズマとダクネスが言い合いをしているが、今頭を上げるとやられかねないからな

 

横目でチラッと見てみると、カズマが強引にダクネスに頭を下げさせたところだった

 

ダクネスが何か言っているが、どうせろくなことじゃないと思う

 

「カズマ、武器武器!早く手に持ってる剣を捨てて!!」

 

アクアがそう叫び、カズマは手に持っていた剣を持ち上げてしまい

 

それを見た雪将軍は刀をカズマの首めがけて振り下ろした

 

「―――っ!?」

 

何の躊躇いなく行われたその行動を目にした俺は、自然に体が動いていた

 

「テメェエエエエエっ!!」

 

背中のテン・コマンドメンツをエクスプロージョンへと変化させながら引き抜き

そのまま雪将軍へと振り下ろした

 

「『爆撃乱舞』!!」

 

縦横無尽に剣を振りまくり、冬将軍に反撃の余地を与えず一方的に攻撃する事がコイツの攻略法だと、勝手に決めつけた俺は

そのまま休むことなく、爆発の反動をも無視して、ひたすら斬り続け

 

冬将軍は叫ぶことなく、その場から消え去った

 

おそらく討伐できたのだろう、なんとなくレベルが上がった感覚がする

 

「――――――――――っ!!」

 

なんか後ろで叫び声が聞こえるけど、うまく聞き取れない……

てか、思う様に…体が動か………ない…………

 

視界はゆっくりと地面へと向かい、倒れる瞬間

俺の意識は途切れた





短いですが今回はここまで!
次回は雪精後ももう少し続きます!





他の人の作品読んでて感想とか欲しいなと思ってきた今日この頃
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