とまととです!
これでこのSSも完結?ですかね!
・・・おたのしみに・・・
いろはの感情。気持ちパート長くてすみません!
でもそれが私のSSの特徴だと思っていただけたら幸いです・・・( ..)"
「・・・先輩」
「・・・ん」
「・・・・・・先輩」
「・・・・・・ん」
「・・・・・・・・・先輩」
「・・・なんだよ」
「・・・なんでもないです。なんとなく呼びたくなっただけですから。」
「・・・さいですか」
私はパレードの花火の中、周りからは賑やかな声が聞こえてくる。しかし私の頭の中では先輩と初めてあった時のことや、選挙のとき、模擬デート、そして・・・私の運命が決まったあの時、先輩が口にした「本物が欲しい」あの一言で私の中の価値観がすべてひっくり返されてしまった。
私は今まで本気で人を好きになったことはなく、葉山先輩でさえ自分を飾るために好きになったと勘違いしていただけだった。
もちろんその時は本気で好きだったと思っていたし、あの一言が無ければ今でもそう思っていただろう。
そして今こうしてこんなふうに考えることも無いものだと思っていた。
そして、この場所での葉山先輩への告白。
ほんとはこんな流れに任せて告白なんてするつもりは無かった。ほんとはもっと確実性があって、失敗なんて絶対にしなくて、そしてもっと誰もいなくてロマンチックな雰囲気で、私から言うのではなく、葉山先輩の方から言ってもらうつもりでいた。
でも私は私の気持ちを知りたかった。
いや、ほんとはとっくに気づいてた。
でも認めたくなかった。
なんで私があんな先輩のことを?
有り得ない。
私のタイプじゃ全然ないし。
ひねくれてるし。
ちょっと顔は整っているけど目が全部を台無しにしてるし。
葉山先輩みたいに優しくないし。
他の男子みたいに気取らなくて。
他の男子みたいに適当なのに。
でも誰よりも頼りになる。
そして困ったことがあると一番に、いや、あなたしか頭に浮かばなくて。
等身大の私を唯一見せることができて、あなたに私しか見て欲しくなくて。
あの特別な、あの3人の中に入れなくて悲しくて。
1度は、いや、何度も諦めようとしたけど諦められなくて。
あの日この場所で私が葉山先輩にした告白で全てが確信に変わってしまった。
『あぁ、そっか、私は本当にあのどうしようもない先輩の事が好きなんだ。』
それからの世界はまるで無色の世界に色がついたようだった。
今までそんな話をなんど耳にしても全く実感などがなかった。
好きな人がいてもいなくても何も変わらないし、みんななにを言ってるんだろうって、でも自分の本当の気持ちに気づいてからは本当にその通りだった。
どこに行ってもあの人は居ないかな。
今日はメイクの調子があんまり良くないから会いたくないな、でもやっぱり会いたいな。
今頃あの人はなにをしているのかな。
小町ちゃんに会う度にこんな子が妹になったらいいな。
こうして改めて考えるととても恥ずかしいけど、本当にそう思ってた。
だからこうしてまた先輩と一緒にいられるのが本当に嬉しい。
今日この先輩と後輩という関係が終わってしまうかもしれない。
きっとあなたは私を気にしてもう会わないようにするでしょう、関わらないようにするでしょう、それがあなただから。でも、いつまでもこの先輩と後輩という関係ではいられない。そうしたのは全部あなたなんですからね。あんな可愛くて素敵な人達に思われながらも気づかない先輩なので自分では全く気づいて無いでしょうけどね。
でも、自分の気持ちを伝えた後もこうしてあなたと2人でいられたら良いのにな。
「・・・・・・おい 」
「・・・おい、一色大丈夫か?」
そこで私ははっと我に返るのでした。
「あっ、先輩、どうしたんですか?」
「どうしたじゃあねぇだろ・・・
お前パレードが終わってんのに動かねぇし、それに・・・」
「それにどうしたんですか??」
「いや、なんで泣いてんだよお前」
そこで私は初めて自分が泣いていることに気づいたのでした。頬に手を当ててみると確かにそこは濡れているのでした。
「あは、あはは、なんでですかね、あんまりにもパレードが綺麗すぎて感動してしまったのかもしれないですね。」
「・・・んなわけねぇだろ、途中からパレードなんて見てなかっただろ。」
「そ、そんなわけないですよ!ちゃんと見てましたよ。」
こんなセリフに説得力が無いなんて百も承知と分かっているのですが、これ以上先輩には迷惑なんて掛けたくなかったのです。
「そっか、ならいいんだけどな 」
こうして無理に深入りしてこない所も好きだなぁと思いながら
「先輩、好きです、ずっとずっと前から先輩の事がすきです。」
ムードもなにもないパレードの後の妙に静まった広場の真ん中で先輩に私の気持ちを伝えてしまった。
もう元のふたりには戻れないようになる、それが怖くて今までずっと言えなかった気持ちを。
「一色、それは本当なのか?」
「はい。本当です。本当はずっと言わないつもりだったんですけど無理でした。
すみません、今日はこれで、失礼、、します。」
私は涙を堪えながら足早にその場から離れようとしたその時
何者かに腕をつかまれてしまった。
もちろんその何者というのは先輩以外居ないのですが。
「おい、一色待てよ。」
「すみません先輩、今は無理そうです。
今までは人を好きになったつもりだけでした。
これが私の本当の初恋で・・・
・・・初めて失恋です。」
ですが先輩はそこで語気を強めてこう言いました。
「だから!何勝手に1人で話を進めてんだよ!
俺も俺なりに今日のことは考えてきたつもりだったんだぞ。」
へ?そこで私の頭は真っ白になる。
間抜けな顔をしている私に先輩はこう続ける。
「だから、俺も今日そう伝えようとだな。
一応考えてきたんだよ。
一色が同じ大学に来るって知ってから、あぁ、またあいつが来るのかって思うのと同時に少しだけだが嬉しかった。
それから一色が入学して、久しぶりに会ってみると昔よりあか抜けて、メイクも落ち着いて大人っぽくなってて驚いたと同時に今までは気にしてなかったんだが他の男が一色にどういう目線で見ているか気になり始めてな。
そこで自分の中で一色に対する気持ちが分かったと言うか、まぁ、そんな感じだ。」
高校の頃と同じよう頬を赤くして目線を逸らしちょっとキョドっている先輩を私はにぃっと口角をあげて
「せんぱ~い、私のこと~、どう思ってるんですかぁ♪」
あえて悪戯っぽくいつもの私で先輩にこう尋ねる。
「うぐっ、もう言わなくてもわかるだろ・・・」
「私そんなに頭良くないので言ってくれないと分からないです!」
さっきまでの涙なんて忘れていつも通りの素の小悪魔笑顔で私は早く言えと言わんばかりに先輩に迫ります。
「・・・・・・きだよ」
「え~、よく聞こえませんよ??」
「だから、一色の事が、、好きだ。」
今までにないくらい顔を真っ赤に染めた先輩に私はとっておきの笑顔でこう告げるのでした。
「私も大好きです。先輩っ♪」
第1部というか取り敢えずは落ち着くところまで書けてよかったです!!
更新遅くてほんとすみません!
これも皆様の応援コメントがあったからですありがとうございます!
これでSS綺麗さっぱり卒業と考えていましたが。
頑張ってはるちゃんの未来なども考えておこうかなぁと考えております!
ただ、リアル多忙な為執筆速度が遅いので楽しみにしていて下さっていた皆様にとても迷惑をかけてしまっているのがとても心苦しいです。