破壊者は愛する者たちを守るために戦う 作:ダーク・リベリオン
セシリアとの戦い後、士は千冬たちから質問責めにあっていた
自分のISについてあらかた教え終えた士は千冬にセシリアがどこにいるかを尋ね、1人セシリアのいる医務室へと向かった
面会の許可をもらい、士はセシリアと今回の出来事や彼女の身を気遣うかのような話しをした
そして面会時間が終了するに伴い、士はセシリアに早く元気になれよと言い残し医務室を後にした
それから一週間程度の時がたった
「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実戦してもらう」
授業の一環として飛行操作の訓練をすることになり、生徒たちは校庭に集まっていた
「まずは実際にやってもらう、神童弟、オルコット。お前たちからだ」
「えっ!?おれ!?」
「はい!」
自分が最初だということに一夏は驚きの顔を浮かべる
それとは逆にセシリアは素直に良い返事をした
あれから一週間たち、本人の謝罪などもあり、なんとか許しをもらい授業に復帰したのである
そして2人はISを展開する
「よし、飛べ!!」
一夏とセシリアが飛び立っていった
「ん〜、ぎこちないな一夏のやつ?」
「まったくだな」
「あっ、セシリアがフォローしてくれてる。やっぱり根はいいやつなんだなあいつも」
「ふん。どうだかな?」
一夏とセシリアの飛行操作を見て一夏の飛行技術がぎこちないことを呟く士と箒
そんな時、セシリアが一夏の近くに寄り添い飛行操作のコツを教えているような感じだった
士はセシリアが本当は優しい人だったことに満足気な顔をし、逆に箒は事件のせいかあまりセシリアにいい印象は持っていなかった
「神童弟、オルコット。次は急降下と完全停止をやってみせろ。目標は地表十センチだ」
千冬の指示のもと急降下と停止の指示を受け、先んじてセシリアがやってみせる
素早く急降下し、それでいて綺麗に完全停止をセシリアはやってのけた
「よし、見事だったぞオルコット、列に戻れ」
「はい。ありがとうございます…」
千冬にそう言われ、列に戻るセシリアはその足でチョコチョコと士の方へと歩み寄る
「あっ、あの…士さん」
「よぉ、セシリア。飛んでる時とかさっきの着地とか綺麗に出来てたな。それから一夏のやつに飛び方とか教えてくれてありがとう」
「…っ!いっいえ、大したことではありませんわ。それよりも…そうですか…ふふ。…綺麗でしたか、そう褒めてもらえて嬉しいですわ///」
もじもじするセシリアを士が褒めるとセシリアは頬を赤くして嬉しそうにニコニコしていた
「…」グィッ
「いてててて!?なっ、箒!?なんだよ?なんでつねるんだよ?」
「お前が鼻の下を伸ばしてるからだ」
「っ?」
なんでつねられたかも怒ってる理由もわからない士は不思議そうに小首をかしげる
そんなやり取りをしてるうちに次は一夏の番になった
「よし!うおォォォ!!!!」
一夏もセシリアと同じくらいの勢いで急降下する
「よし!そろそろって……あれ!?ととと、止まらない!?」
「あっ!?あのバカ!?」
異変に士が気づいてももう遅かった、飛行操作に慣れているセシリアならまだしも素人同然の一夏が成功するわけもなく
「うわぁぁぁぁぁー!?」
どんどんと猛スピードで一夏が士たちの元に向かって落下してくる
このままではみんなが危なかった
「たく、しょうがない!」
このままではまずいと士がバックルを腹に押し立てベルトを巻きつけ、ライドブッカーからガードを取り出す
「変身!」
『KAMEN RIDE・DECADE』
効果音が鳴り響くとともに士の周りに複数の影のようなものが現れ、それが士に重なる
そして色が灰色から鮮やかなマゼンタへと変わり、士は変身を完了させた
「(なるほど、あぁして変身するのか)」
千冬はディケイドの話しはきいていたが、実際にどのようにしてなるのかをこの場で理解した
そしてこの場の誰もがその光景に驚いていた
「ちょっと痛いだろうが我慢しろよ一夏!」
「はぁぁ!?それってどういう!?」
『ATTACK RIDE・BLAST』
「ふっ!!」
ババババババババババ!!
「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドスゥゥゥゥゥン!!
「よし、OK」
「いやいやいや!?OKじゃねぇよ!何すんだよつか兄!?」
「仕方ないだろ、あの場合は他に方法がなかったんだ。だいたい、あぁでもしなかったらみんなが怪我してたんだぞ?」
「うっ、そっ、それは…」
落下してくる士を止めようにも時間がないので一夏をライドブッカーで撃つとともに吹き飛ばし生徒たちとの衝突を阻止したのである
そのことに突っ込みを入れる一夏だったが、あのままだったら大変なことになっていたであろうことを指摘され、何も言い返せなくなってしまった
「神童兄の言う通りだぞ。これを機にもっと鍛錬を積むことだ。いいな?」
「はっ、は〜い」
千冬にも叱られしよれた花のようになった一夏であった
授業がひと段落して時刻は夕方
「おっと、もうこんな時間か?みんな食堂で準備してるんだろうな」
あの後、士は千冬に呼ばれ、用事を済ませた頃にはこんな時間になっており
他のみんなは一夏がクラス代表になったことを祝うパーティーの準備の最中だったため、急ぎ食堂に向かっていた
「ん〜?あっれ〜?おっかしいわね?」
「っ?」
しかし、ふと士の目にあるものが止まった
地図を片手に困ったような声をあげる小柄な少女が立っていたからだ
「受付ってどこにあるのよ?だーもう!!ほんと無駄に広いわねこの学園!!」
苛立ちのせいか急に怒鳴り声をあげる少女を不便に思ったのか士は彼女に声をかけることにした
「あの~?なにかお困りかな?」
「えぇそうよ!受付の場所がわからないのよ?」
士が声をかけると少女は振り向いた
「ってあれ?鈴?鈴じゃんか、久しぶりだな〜♪」
「ってなんだ士か〜、びっくりさせないでよね」
「「あははは……………」」
平然と会話したかと思ったらお互いにまるで時が止まったかのように固まってしまった
「って、りんんんんんんん!?」
「つかさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?何で!?ナンデアンタガ!?」
我に返った2人は驚きの声をあげる
「嘘…だって、一夏があんたはもう死んだって?」アセアセイヴァー
「い、いや。じつはいろいろあってな…ところでなんでお前がここに?」
「あたしはね。明日からこの学園に転入するのよ」
「ほへ~。そうなんだ」
鈴から説明を聞いて士は納得する
「ていうか生きてたんならなんで帰ってこなかったのよ!」
「っ!?」ビクビクウガ
いきなり怒鳴り散らしながら鈴が士に詰め寄ってきた
「あたしがどんな思いだったかあんたに分かる!?……一夏からあんたが死んだってきいて、あたし…あたし…」
士の胸に顔をうずめながら鈴は泣いていた
「…ごめんな。鈴」ナデナデンオウ
そんな彼女を優しく抱きしめ頭を撫でた
「落ち着いたか?」
「えぇ、もう大丈夫よ」
あのあと、数分もの間泣きじゃくった末に鈴は落ち着きを取り戻した
「で、さっきの話しなんだが、ここに転入するんだよな?」
「えぇそうよ…あっそうだここで会えたのならちょうどいいわ!ねぇ士、ここの場所分かる?」
鈴は士に紙を渡した
「…本校舎一階総合事務受付?なるほど、ここに行く予定だったのか」
「この学園広すぎてわかりづらいのよ」
「まぁ、確かに広いからなこの学園。いいぜ案内するよ」
「本当!サンキュー♪」
ようやく着けることに喜びを感じた
そんなこんなで受付所までついた二人
「そういえばさ、あんたって何組なわけ?一夏も同じクラスなんでしょ?」
「まぁな。俺ら同じ一組だよ」
「そう、一組ね」フムフム
なにか考え込む鈴に士は小首をかしげる
「あっ、わりぃ鈴。俺そろそろいくわ」
「えっ?なんで?」キョトン
士がなぜそう言うのか鈴は不思議そうな顔を浮かべる
「これから一夏のクラス代表昇任祝いのパーティーがあるんでな」
「えっ?一夏ってクラス代表なの?」
「あぁ、まぁな。あいつにとってもいい経験になるだろうしさ」
クラス代表となることで成長してくれるであろうと一夏に期待する士は嬉しそうな顔でそういった
「そっか…」
嬉しそうな士の顔を見て以前と変わってないことに鈴は安堵する
「てなわけだから、またな鈴。転入したらクラスに遊びにこいよ」
「わかったわ」
そう言いながら士はパーティーが行われる食堂に急いでいった
「…さてと、あたしも受付済まさないとね」
そして鈴も転入の手続きのため受付所に向かうのだった