そう思って急遽書きました(笑)
急遽書いたので文章が荒いです。
それはプラウダ校との試合が終わって翌日の事であった。
「練習試合……ですか?」
「そうだよ西住ちゃん。何か相手側が是非にと言ってきたからね~」
戦車車庫に集められた西住みほ達は生徒会からそう聞かされていた。
「それに向こうもプラウダ戦を見ていて私らのたるんだ精神を引き締めると言ってるんだよね~」
「た、たるんでませんよッ!!」
四号戦車の装填手をしている秋山優香里がそう反論した。
「それで何処との試合なのよ?」
四号戦車の通信手を務めている武部沙織が急かすように言った。
「それがね~知波単学園なんだよ」
「ち……」
「知波単学園ですかッ!?」
会長の言葉に西住は驚き、秋山が興奮するように言った。
「グデーリアン、確か知波単学園は黒森峰女学院に……」
歴女チームのエルヴィンが秋山に聞いてきた。
「はい、知波単学園は黒森峰女学院に『公式戦では』負けています」
秋山は何かを言い含めたようにそう発言した。
「『公式戦では』ってどういう事なのゆかりん?」
「……確かに知波単学園は公式戦では一回戦負けです。ですが、練習試合では勝利か引き分けが殆どで唯一負けた試合が西住殿の母親であります西住しほが隊長をしていた黒森峰女学院だけなんです」
「えぇぇッ!? な、何でなの?」
「……知波単学園は旧陸軍の戦車関係者が創設された学園です。そのため使用戦車は九七式中戦車か九七式中戦車改だけですが……それは公式戦だけで練習試合は一式中戦車や三式中戦車、更には幻とまで言われる四式中戦車や五式中戦車を使用しているんです」
「ですが何故公式戦では九七式中戦車なんですか?」
砲手の五十鈴華が不思議そうに秋山に聞いた。
「『チハは公式では最弱でないといけない』という暗黙のルールが知波単学園にあるんです。言わば試合に負けて勝負に勝つですね。まぁ詳しくは向こうも公表しないので真否の方は定かではありませんけどね。でも、流石の知波単学園もアンツィオ高校やマジノ女学院には勝ちますよ」
「え? 負けるんじゃないの?」
「負けるのは自校より強いだけらしいですがこれも真否が定かでは……」
「まぁ兎に角、知波単学園と試合するからね~」
「は、はい。試合は何時ですか?」
「明日ぁ」
『明日ァッ!?』
会長の言葉に流石に皆が驚いた。
「向こうが行けるのは明日しかないと言うからね」
「……知波単学園……ますます分からないでありますね」
秋山はそう呟くのであった。
そして翌日、知波単学園はやってきた。試合は陸の大洗でする事となり西住達は学園艦から降りて港で知波単学園の学園艦が来航するのを待っていた。
「見えてきましたッ!!」
双眼鏡で海を見ていた秋山が叫ぶ。そして知波単学園の学園艦が大洗に入港した。
「……なんだが小さい学園艦だね」
知波単学園の学園艦は大洗の学園艦より小さかった。
「知波単学園の学園艦は鳳翔をモデルにしてますから大洗より小さいのは小さいです」
武部の言葉に秋山は補足するように言った。
「成る程ね~」
武部は感心するように頷いた。
「どうも、大洗の隊長はいるかしら?」
そこへカーキ色の服を着た女性がやってきた。
「は、はい。私です」
西住が手を上げる。
「どうもね、私が知波単学園隊長の中田瑞穂よ。よろしくね西住さん」
「え?」
「顔くらいは知ってるわ。これでも隊長だしね」
「は、はぁ……」
「今日は公式戦のチハとチハ改だけではないわ」
「そ、それではまさか五式中戦車でも……」
「さぁ、どうかしらね?」
瑞穂は苦笑してその場を去った。
「……これは五式中戦車も登場するのを予想した方がいいですね」
「そうだね」
そして練習試合が始まった。
「知波単学園の応援は凄いですね」
応援席には多数のオタクが集まって知波単学園の応援歌を歌っていた。
「まぁチハは相変わらず有名だからね」
秋山の言葉に西住は苦笑する。現在の大洗は聖グロリアーナ戦と同じく丘の上で待機していた。急な事だったので作戦は全く考えてなく、取りあえずは聖グロリアーナ戦と同じにして四号は偵察に出ていた。
「西住殿、知波単学園の戦車発見しましたッ!!」
岩場から双眼鏡を見ていた秋山が叫ぶ。西住も直ぐに双眼鏡で戦車を見た。
「チハ改一両は追加装甲型、一式中戦車チヘ一両、三式中戦車チヌ一両は五式七五ミリ戦車砲搭載型、凄い……海軍の短十二サンチ自走砲と二式砲戦車、そして四式中戦車二両と五式中戦車一両ですよッ!!」
見ていた秋山は興奮するように言う。
「……恐らくチハ改とチヘはあひるさんチームとウサギさんチームの対抗だね」
「どうしますか西住殿?」
「……此処は相手を引きずり込むしかない。前もよく分からなかった……」
「前も? まさか以前に……」
「黒森峰の時にね、あの時は四式中戦車の狙撃で側面からやられたよ」
そう言って西住は立ち上がる。
「兎に角、作戦は開始だよ。第二回こそこそ作戦ッ!!」
西住はそう言って四号に乗り込む。
「華さん、威嚇射撃で攻撃して下さい」
「分かりました」
「装填完了ッ!!」
秋山が叫び、五十鈴が引き金を引いた。砲弾は五式中戦車の前方に着弾した。
「……最初は様子見かしらね」
「四号発見。左十時方向、距離八〇〇(はちまるまる)」
「砲撃用意、砲搭旋回」
五式中戦車の砲搭が旋回して四号に照準する。
「四号、逃走します」
「此方も外しますか。撃ェッ!!」
瑞穂が叫び、五式七五ミリ戦車砲が火を噴いた。しかし、外れる。
「四号を追跡するわ」
知波単学園は聖グロリアーナと同じく四号を追いかけた。
『敵戦車、間もなく到着しますッ!!』
「全戦車、砲撃用意ッ!!」
無線を聞いた河嶋が準備をさせる。前回みたいに遊んでいる気配は無く、最初から戦車内にいた。
そして四号が通過して五式が現れた時に砲撃を開始した。
「成る程、待ち伏せな訳ね……」
「隊長ッ!!」
「慌てないッ!! 三式達は支援砲撃を、五式と四式は左右から突っ込むわよッ!!」
瑞穂が指示を出す。
「第九連隊は五式と一緒に突撃ッ!! M3を破壊よッ!!」
『了解ッ!!』
第九連隊のチハ改(知波単学園は当時の戦車が所属していた部隊名で呼び合っていた)が五式の後方に隠れながらM3中戦車を側面から攻撃する。
「チハ改が撃ってくるッ!!」
「砲搭旋回してッ!!」
「三七ミリしか無理だよ~」
大野が悲痛な報告をする。
「戦車をチハ改に向けて七五ミリも撃つよッ!!」
澤がそう言ってM3が車体を動かそうとするが、寸前にチハ改が四七ミリ戦車砲を撃ってM3の左側面に命中させた。
『すいませんッ!! 戦闘不能ですッ!!』
「みぽりんッ!! ウサギさんチームがやられたよッ!!」
「………」
武部からの報告に西住は黙る。
「よくやった第九連隊。第十四連隊の仇が取れたな」
その時、五式が震えた。
「八九式からの砲撃ですッ!! 損傷無しッ!!」
「砲搭、八九式へ」
砲搭が八九式に旋回して照準をする。
「狙われたッ!! 回避ィッ!!」
「撃ェッ!!」
結果的に八九式は吹っ飛んでひっくり返った。
「五式の主砲は三突より威力があるかもな……」
エルヴィンがそう呟いた。そしてルノーB1がチハ改を撃破した。
『すいません、やられましたッ!!』
「気にしないで。照準を三突にッ!! 此方に狙いをつけようとしているわよッ!!」
三突が砲撃する前に五式は動いて砲撃をかわす。
「準備完了ッ!!」
「撃ェッ!!」
砲弾が三突に命中して行動不能にさせた。これで残りは四号、38t、ルノーB1である。
「みぽりんッ!! このままだと……」
「全戦車、煙幕展開して下さいッ!! この場から脱出しますッ!!」
四号から煙幕が出てその場から逃げる。それに続いてルノーと38tも煙幕を出して逃げた。
「ちぃ、逃がしたわね……」
煙幕が晴れた時には三両はいなかった。
「……一式と三式、それに自走砲は悪いけど偵察という名の囮よ」
「自走砲も出すんですか?」
「当たり前よ。ごめんね」
『気にしないで下さい隊長ッ!!』
『公式戦に負けても練習試合では勝てばいいんですッ!!』
二両はそう意気込んで三両が逃げたのを追いかける。
「……五式と四式がいない……でも此処は三両を撃破しておかないと」
岩の陰に隠れていた四号はゆっくりと三式に照準した。他の二両もそれぞれ自走砲と一式に照準している。
「撃てッ!!」
三両が火を噴いた。全弾が命中して三式達を行動不能にする。
「秋山さん次弾急いでッ!!」
西住はそう言いつつ辺りを警戒する。そして此方を狙っている砲身を見つけた。
「全車前進急いでッ!!」
動きが早かったのは四号と38tでルノーは撃破された。
「いつの間にか回り込まれていたなんて……」
五式と四式はあえて坂道から登坂して四号達の後方に回り込んでいたのだ。
「撃てッ!!」
四号が発射して四式一両を撃破する。
「駆け降りながら砲撃よッ!!」
瑞穂は一気に決着をつける気であった。突撃してくる二両に四号と38tはギリギリで避けて砲搭を旋回させて砲撃するが、五式の砲弾が38tに命中して行動不能にさせた。
四号は二両目の四式を撃破して、残りは五式だけとなり一騎討ちの戦いになる。
「一気に決着をつけましょうッ!!」
「はいッ!!」
二両は砲撃しながら丘陵地帯に向かう。二両は砲弾を弾き返して耐えるが、四号の砲弾が五式の砲搭の根本付近に当たる。
「四号、左に旋回」
「砲搭、左に旋回」
しかし砲搭が回らない。
「砲搭動きませんッ!!」
「……ターレットリングがやられたようね」
五式の異変に四号も気付いた。
「どうやら五式はターレットリングがやられたようですッ!!」
「華さんッ!!」
四号が停止して照準する。
「四号停止ッ!!」
「砲を四号に向けるよう車体を動かすのよッ!!」
砲はまだ生きているので車体を四号に固定すればまだ勝機はあった。
「「撃ェ(撃て)ッ!!」」
四号と五式はほぼ同時に発射して四号は右側面に、五式は至近距離だったため前面に命中した。
『両車、戦闘不能。試合は引き分けッ!!』
スピーカーからはそう流れた。同時に白旗が出たためらしい。
「西住さん」
「中田さん」
瑞穂が五式から降りて西住に近づいてきた。
「まさか引き分けるとは思わなかったわ」
「そ、そんな……此方が負けそうでした」
「謙遜しなくていいわ。五式まで出したのにやられちゃうしね」
瑞穂はそう言って右手を差し出した。
「次は此方が勝つわよ」
「負けません」
二人はがっしりと握手するのであった。
「そぅそぅ、流石に38tと八九式は代えた方がいいわよ」
「そ、そうですね」
「何なら八九式の代用チハ改をあげるわよ」
「アハハハ……」
瑞穂の言葉に苦笑する西住であった。後に38tがヘッツァーに代わったのもこの練習試合が原因だったとか……。
「それじゃあ決勝戦、頑張りなさいよ」
「はいッ!!」
思わぬ練習試合だったが知波単学園の伝説がまた拡がるのは確実であった。
『知波単学園』、彼女達は今日も公式戦ではチハ改とチハを使い続け練習試合は本気を出しているのであった。
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m
最後は簡潔に書きました。