遊輝 side
「着替え終わったか?」
「こっちは大丈夫」
「こっちも大丈夫です」
「おう、皆似合うじゃないか」
部屋から出てきた人、浴衣に着替えたのは俺と龍亞、咲夜と慧音さん以外だった。
「えへへ、浴衣なんて初めて」
「フランやレミリアが和服を着ているところなんて想像出来ないもんな」
吸血鬼のレミリアやフランはやはりというべきか洋服のイメージしかないので、こんな和服を着るイメージが全くない。
「それじゃ早速行きますか。まずは一番有名な温泉場へと行くか」
「温泉温泉♪」
「そんなに温泉に入りたかったのか?」
「当たり前じゃない!温泉なんてあんまり行けない!」
温泉に入るのがよっぽど嬉しいのか、すでに霊夢は舞い上がり、魔理沙は突っ込む。
「舞い上がるのはいいけど、はしゃぐなよ」
「子供じゃないし、分かってるわよ!」
「へいへい、時間的に・・・・2・3カ所回れるけど?」
「さすがにそんなに行かないよ。1カ所でいいわ」
「わかった」
〜〜(少年少女移動中)〜〜
「着いた着いた。ここがこの温泉で一番有名な公衆浴場だ」
「結構デカイし、綺麗だな。公衆浴場って聞くからもうちょっと汚いと思ったぜ」
「こら魔理沙、人が多いのにそんな失礼なことを言わないの」
目の前にあるのはそこら辺に・・・・いや、この時代なら珍しいか、スーパー銭湯しかないから。ともかく、この辺では当たり前な一般的な公衆浴場に着いた。ただ、この公衆浴場はこの辺に住む住民も使うためか、かなり大きい。
「んじゃあ、入りましょうか。ほい、これを入り口で見せるんだぞ。そうだな・・・集合は5時で良いか?」
「大丈夫だ」
「私も」
「それじゃ行くか。俺と龍亞はこっちだな」
「私たちはこっちね」
俺と龍亞は男湯、それ以外の連中は女湯へと入っていった。
「いらっしゃい」
「はいよ」
「よろしく!」
「はいはい」
入り口から入って靴を靴箱に入れて、番台にいるおばちゃんに無料券を渡して、中に入る。
「あ〜あ、せっかく良い女がいっぱいいるのにな」
「お前はエロ親父かよ」
「遊輝だって、龍可の身体はみたいでしょ?いつもいつも一緒に寝ているんだから、アンナ事やコンナ事」
ガン!!!!!
「・・・・・・・(シュ〜〜〜)」
「お前はこの小説にR18のタグを付けたいのか・・・・(プルプル)」
あまりにも龍亞がアブナイ事を言い始めたので、俺は龍亞の頭にげんこつで殴った。たんこぶが出来て煙が少し立ち上がる中、龍亞は気絶した。
「ったく・・・・先に入るぞ」
「あ、あ〜〜い・・・・・」
自業自得で気絶した龍亞をよそ目に俺はお風呂場へと入っていく。中は大きく、ここ最近では珍しい大風呂と小さな変わり風呂、水風呂の3つしかない。壁には富士山の半分が・・・・と、いうわけにはいかずどこかの森と湖の絵が描かれていた。
「ふぅ〜〜・・・・」
お湯を掛けて、一番の大風呂に入る。少し熱めの設定にされている温泉が身体に染み渡る。
「あ゛あ゛〜〜〜・・・・・・温泉は良いなぁ〜〜〜」
この世界に来て、温泉という温泉には入ったことがない。スーパー銭湯も行ってない(そもそも行かなくても家の風呂がデカイ)ので、こういう温泉は別格に感じる。
「やっぱり温泉は良いわ・・・・頭や心もポカポカになる」
温泉は本当にいい・・・・科学的には疲れが取れないとか言うけど、精神的にはそんなこと無いと思うんだな。こうやって温泉に浸かることで気持ちがフワァ〜〜として楽になる。
「こうやってあったまると何も考えずにすむわ・・・・」
ピュッ!バチャン!
「や〜いや〜い!!女顔〜〜!!」
「・・・・・・ほほう、君は温泉でのマナーを知らないわけね(プルプル)」
「げっ!?(マズっ!!本気で怒らせた!!)」
「おんどりゃぁ!!!!」
ガポン!!!!!!!
「いってぇ!!!!」
「こっちこい!!!!」
近くにあった桶で速攻で龍亞の頭を叩く。悶絶をしている龍亞の左手を引っ張り、俺は一度大きなお風呂から出て、龍亞を水風呂に叩き入れた。
ザッバーーーン!!!
「冷たっ!?」
「そこで反省していろ!!」
「痛っ!?な、何だ!?身体がうごけないぞ!?」
ちょ〜〜〜っとムカついたので、龍亞にはお仕置きとして水風呂に叩き混んで、あいつの身体をシークレットシグナーの能力を使い、身体を動かさないように龍亞の身体の一部の神経の機能をいじって動けないようにした。
「冷たい〜〜!!!出させて〜〜」
「黙れ」
色々と文句を言ってくる龍亞を無視して俺は水風呂から離れた変わり風呂に入って身体を温めなおすことにした。
遊輝 side out
龍可 side
「助けて〜〜〜〜・・・・・・」
「何か男風呂の方で騒いでいる奴がいるぜ」
「あれは龍亞さんですね。何かあったのでしょうか?」
「どうせ何かやって、罰を受けているのでしょ?頭が痛いわ・・・・・」
向こう側にある男風呂から龍亞の叫び声が聞こえて少し頭を押さえている。こっちは人数は多いけど、フランさんや魔理沙さん以外はみんな大人しく入っている。今、この大風呂に入っているのは私と霊夢さん、紫さんと文さん、少し離れたところでアリスさんと慧音さんがいる。魔理沙さんは小さな変わり風呂に、レミリアさん、フランさん、咲夜さんは何処か別のところに行ったみたい。
「それにしてもあなた、どうやって遊輝を仕留めたのよ」
「えっ?」
「あなたのその小さな身体でどうやって遊輝を仕留めたのか聞いているのよ〜〜」
モミモミ
「////ちょ!?ゆ、紫さん!!私の身体で遊ばないでください!!」
「こんな小さな身体の何処に遊輝は魅力をかんじたのかしらね〜、特にここなんか私の方が大きいのに」
モミモミモミモミモミモミ
「////ゆ、紫さん!!!!私の乳を揉まないでください!!!」
「あら?あなた達、一緒に寝ているのでしょ?毎日こんな行為をしているんじゃないかしら?」
「///し、してません!!私はまだ小学生ですからそんな行為出来ません!!」
「そうかしらね〜〜。今頃は小学生でもあんな事やこんな事をするって聞くわよ〜〜」
「紫、やめてあげなさい。龍可が困っているでしょ」
ずっと身体を揉んでくる紫さんを見て霊夢さんが注意をしてくれた。
「そんなこと言ったって霊夢、あなただって気になるでしょう〜〜?遊輝は龍可の何処に魅力を引かれたのか」
「私も気になりますね〜〜。遊輝さんは私たちの町でも人気者ですから良いネタになりそうです」
「////ちょ!?あ、文さん!!」
「うん・・・・まぁ、私も気になると言えば気になるけど」
「////れ、霊夢さん!?」
「それじゃあ皆で龍可の身体を徹底的に調べてみましょう」
「////ちょ、ちょっと待ってください!!」
怪しい目をした3人が私を取り囲むようにお風呂の隅へと追いやられていく。私はお風呂の角に背中をぶつけて、少し痛みを感じた。
「痛っ・・・」
「今よ!」
「えっ?ちょ!?あああああ!!!!!!」
【・・・こうして、龍可ちゃんは大人の階段を一歩登りましたby作者】
龍可 side out
遊輝 side
「は、鼻が・・・・ハ、ハックション!!!」
「自業自得だ。にしても・・・・・」
「/////////・・・・・・・・・」
「どうしたんだ龍可?顔が赤いし、ボ〜として」
お風呂から上がり、俺たちは残りのメンバーを待つために銭湯の入り口で待っていた。最初に私服で来た者も、今は全員浴衣を着ている。もちろん、俺もだ。龍亞は水風呂に入りすぎたせいで少し風邪気味。一方、龍可の方は頭がリンゴのように真っ赤になっていてボゥ〜としていた。
「のぼせちゃったみたいね。少し長く入りすぎたかしら」
「そうか。大丈夫か?」
「/////・・・・・・・・・・」
「まだ思考回路が追いついていないみたいですね」
「足もヨボヨボとしているし・・・・・お前ら、何していたんだ?」
「ちょっとした乙女の会議よ」
「お待たせ〜」
中からフランとレミリア、咲夜さんがでてきて、これで全員だ。
「じゃあ宿に戻って少し休憩して、晩飯に行くか」
「/////////・・・・・・・」
「ねぇ、龍可がボゥ〜として動かないわよ。足もヨレヨレだし」
「・・・・しょうがないな」
龍可の様子が一向に良くならないので、俺は龍可の持っていた手提げ袋を左手に持って、一旦かがみ、龍可の身体を背中に乗せた。龍可の両手を俺の首まわりに回して、握ってもらい、龍可の両足をしっかりと持って脇の下に通す。
「よっと」
そう言って立ち上がり、龍可をおんぶした。
「おお・・・・大胆」
「/////////!?!?!?」
「おっ、目が覚めたか?」
「/////えっ!?えっ!?」
「お前、のぼせてしまったみたいだぞ」
「/////あっ・・・・・」
おんぶをした途端に龍可の意識が覚醒したみたいで、少し頭を左右に揺らした。
「(////わ、私・・・・遊輝におんぶされている・・・・)」
「どうする?自分で歩けるか?」
「//////・・・・・・(ブンブン)」
俺が少し顔を横向けて龍可に質問をしたが、顔を横に振ったので答えはNoみたいだ。
「そうか。じゃあこのままホテルまで歩くか」
「「「(((・・・・遊輝が龍可を好きになったのもちょっとは分かるかも)))」」」
「(////・・・・暖かい。凄く気持ちいい)」
龍可をおんぶして、俺たちはお土産屋が並ぶ街道を歩いて行き、ホテルへと戻っていった。
〜〜(1時間後)〜〜
「うっひょ〜〜!!スゲェ豪華だ!!」
「・・・・み、見た事もない料理ばかり(ジュル)」
「霊夢、よだれよだれ(汗)」
「お前、俺が料理を作った時と同じ反応だな」
時刻は晩飯を食べる時間。
こんなに大人数なので、部屋では食べずに少し大きめの個室を借りて、全員で食べることにした。皆の目の前にはすでに沢山の料理が並べられている。本当なら前菜から1品ずつ出てくるところなんだが、俺が予約の地点で先に全部出してくれと言った。理由?貧乏性の霊夢が料理に対して待つなんてことが出来るかいな。
「それじゃ、食べるか」
『いただきます!』
皆で手を合わせて「いただきます」の言葉を言って、目の前のご飯に箸を伸ばす。
「う〜ん、美味しい!」
「醤油は薄口でこの小魚の苦味がほんのりとしてなかなかいいな」
「このお魚美味しい!お寿司以外にも生で食べられるなんて!」
ふむ・・・・この茶碗蒸し、卵が美味しいな。ここまで濃い味の卵となるとかなりの量を使用したか、高めの卵を仕入れているのか。はたまた、この鰹出汁の出汁が卵の風味を殺さずに、活かす方向に持って行っているのか・・・・・恐らく後者だろうな。
「早くこのお肉焼き上がらないかな〜〜」
「かな〜〜」
「じゃあこれも〜らい!!」
「あっ!魔理沙!!」
「うんめぇ!!やっぱりこの天ぷらうまいぜ!!」
「私の天ぷらを返しなさい!!」
「さ、咲夜・・・・これとこれ、交換して」
「分かりましたお嬢様」
「お姉様、好き嫌いはダメだよ。ちゃんと野菜も食べなくちゃ」
「う、うるさいわね!私は咲夜が野菜が欲しいって言うからあげたのよ!」
うん、この野菜のおひたしも良い。普通、野菜のおひたしなんて庶民派の料理でこんなホテルだとなかなか出ないけど、これだったらメニューしてもいいな。ほうれん草と人参ともやし・・・・一見合わなさそうなんだけど、何で味付けをしてまとめているんだろう・・・ごま油?いや、違うな・・・油っぽい感じはするけど・・・
「この焼き魚、凄く美味しい・・・・」
「遊輝が選んだ宿だけあるわね。料理が別格に違うわ」
「そうかそうか。それは良かった」
う〜ん、このすまし汁もいい出汁が出ている。何でホテルや宿のすまし汁ってこんなにも美味いんだろう。自分で作ってもここまで美味しくなる事なんて無いからな。
とりあえず俺は騒がしくしている龍亞・魔理沙・霊夢の3人にげんこつをかまして、ここにある料理を堪能した。
〜〜(翌日)〜〜
「・・・・はい、ありがとうございます」
「どういたしまして」
フロントでチェックアウトの受付をして、荷物を持ち、宿の外で待っている皆の所まで小走りでいく。
「お待たせ」
「やっと来たぜ。何していたんだ?」
「お金払っていた」
「何だ、宿屋の金は先に払うんじゃないのか?」
「追加料金とかあるからさ。今回はなかったけど」
「追加料金?」
「プール入りました、これ追加で注文しましたなど」
「成る程ね」
「ねぇお兄様!今日は何するの!?」
「今日はお土産買って帰るだけだよフラン。ああ、でも先にこの近くにある観光名所を1か所だけ回ろうかな」
「観光名所?どんな所なの?」
「少しここから離れた所に農場があってな、そこの花畑が有名なんだ。この季節だからヒマワリが沢山咲いているって聞いた」
「へぇ〜。風情があっていいわね」
「行こう行こう!」
フランや魔理沙、アリスに引っ張られて俺たちは次なる目的地となる花畑があるとある農場へと赴くことにした。
〜〜少年少女移動中〜〜
「うっわ〜〜〜・・・・・」
「このヒマワリの数は圧倒されるわね・・・・」
というわけで目的地の農場に着きました。入場料を払って、中に入ると早速辺り一面、地平線の先までヒマワリがお出迎えをしている。
「ここまでヒマワリがあると逆に怖いわね・・・」
「いい絵になりますね〜〜(パシャッ、パシャッ)」
幻想郷のメンバーの中で唯一カメラを持っている射命丸はヒマワリ畑を背に皆の写真を撮っていく。
「綺麗・・・・・」
「そうだな。ここまでヒマワリがあると圧巻だわ」
俺と龍可は皆とは少し離れて別グループで行動している。普段は俺も龍可も友達に囲まれることが基本なので、こういう二人っきりにいられるチャンスはめいいっぱい楽しまないと。
「こうやって二人で出かけるのって・・・・あの時以来ね////」
「・・・・・////そ、そうだな」
あの時・・・・・メイド服に強制的に着替えられて、着替えられなくなって、龍亞に嵌められた時だ。正直、黒歴史にしかならない////。
「////あれはあれで色々と忘れられないわね」
「////あれを忘れられたら逆に凄いわ」
「////でも・・・・良いきっかけになったよね」
「////そうだな・・・・」
正直言ってあれ以降、本当の意味で龍可と一緒にいることが多くなった。それまでは何か二人でどこか行こうと言っても、周りの目が気になって、お互いにどこか少し遠慮しがちなところがあったけど、あれ以来お互いに良い意味で積極的になった。周りの目なんか全く気にせず、自分たちのやりたいことを好きなようにやれるようになった。
「////・・・・ねぇ遊輝」
「////な、何だ?」
「////これからも・・・・色々とあるけど、こうやって二人で出かけようね」
「////そうだな」
視界中に広がるヒマワリ畑を背景に俺と龍可はそう言って、お互いの顔を向かい合い、キスをした。
「・・・・・いや〜、青春だな(ニヤニヤ)」
「そうですね〜〜(ニヤニヤ)」
〜〜(数時間後)〜〜
「皆、お土産の買い忘れとかないよな?」
「大丈夫だぜ!」
「俺も!!」
「ふぅ〜〜、さすがに全員に配ろうと思うと荷物も重くなったわね」
あれから農場を1時間半で見学し終えた俺たちは再び温泉街に戻り、お昼を済ませて、お土産を買った。今は駅にいる。皆の手荷物には行きには無かった買い物袋がいっぱいだ(全部俺の金で買ったけど・・・・)
「よし、それじゃ帰るか」
「おう!」
「はい」
全員に切符を配り終わって、俺たちは改札機を通っていく。
魔理沙「なかなか良い経験をさせてもらったぜ。幻想郷であんな温泉街って無いから」
霊夢「料理が美味しかった・・・・特に朝飯・・・・食べ放題だなんて・・・・夢見たい・・・・」
遊輝「お前は料理以外のことに触れろや(汗)」
魔理沙「次回でいよいよ楽しい旅も終わりだぜ・・・・」
遊輝「1週間ちょっとだけど、結構濃い内容だっただろ?」
霊夢「そうね。幻想郷にいたらありえないくらいの経験をたくさんしたわ」
遊輝「というわけで次回でこの短編小説は最終回です」
魔理沙「最後までよろしくだぜ!」