「というわけで、落成式は以上だ! ペンデュラムカードが収録された新パックは明日発売されるので、是非試してみて欲しい。また、新カード発売を記念してデュエル大会を行うことが決定した!その名も、『ビッグバン・ゲーム』!!」
「おぉー! いつもなら発売の翌日とかにやるけど」
「今回はペンデュラムという新システムも導入されるので、普段よりも猶予を取る予定だ」
「うおぉぉぉっっ!! 待ちきれねぇっっ!!」
「そうだろうそうだろう! 参加資格および正確な日時は追って知らせる。この大会でこの街の頂点が決まることになる。こぞって参加するがいい、強者どもよ! そして掴め、栄光の勝利を! 闘いの神話が、ここに始まるのだっ!!」
「イエェェーイ! ウェッ、ウェェーイッ!!」
宣伝のためにリバースコーポレーションが用意したサクラかよと思われるほどのテンションの高さで騒ぐ遊旗。そんな彼に負けないほどのテンションの歓声が、街中に響きまくる。それはもう祭りだった。
そんな狂乱の中、アリスは表情を固めたまま、新海に歩み寄っていき。
「……なんだ?」
「最終ターン、あなたにはいっぱい手札がありました」
「……おっぱい?」
「いっぱい。対して遊旗の手札は尽きていた。なら危険をおかして攻め込まなくても、何ターンか後で安全に勝てていたと思います。なのに、どうして?」
張りつめた空気の中、アリスは新海の目を真っすぐ見つめ、問いを投げかける。その目は決して逸れない。遊旗のそれに似ているなと新海は思い、少し笑ってしまった。しかし、問いを無下にはしない。
「理由は明確だ。恐れていたからさ」
「……恐れ?」
「そうだ。俺はヤツの次の一手に恐怖した。だから決めれると判断したところで決めにいったまでのこと」
「あんなに優位だったのに、恐怖するんですか?あなたが?」
「俺を知ってるのか?」
「そ、それはもう! ジュニアチャンプになった頃のあなたのデュエルは豪快で、どんな格上にも怯まずに攻めていって! 本当に強くてすごくて、私の憧れでした! なんといってもあの」
彼のデュエルの映像を何度も巻き戻して見て研究していた頃の熱意が蘇り、思わず言葉も熱を帯びてしまう。だが、本人の前で盛り上がってしまっていることの恥ずかしさを感じ、顔を真っ赤にしながらうつむいてしまう。その姿は。
「美しいな。遊旗が惚れるのもうなずける」
「ふ、ふぇぇっ! い、いや、美しいなんて言われましても、わ、わわ私は遊旗に心火を燃やしてフォーリンラブっていうか……って、何言ってんだ私はーっ!! ゆ、遊旗に聞こえちゃった!? うわぁぁぁぁっ!!」
「喋ると残念だがな。まぁそんなに取り乱さずとも、遊旗は騒ぎすぎて警備員に連行されてるから聞こえはしない」
「そっか、よかったー」
「たしかに、昔の俺は恐れ知らずだったな。自信の塊のような男だった。敵を恐れることなどなかった。だが今は違う。変わったのだ」
「……変わった」
「それが進化なのか退化なのかは神のみぞ知るところだがな」
「蟹のみそ汁?」
「神のみぞ知る。さて、式も終わったしそろそろ引き上げるつもりなんだが、まだ何かあったか?」
「……は、はいっ!」
その少女は背筋を伸ばし、新海を真摯に見つめる。その目は、闘う意思を宿した者の目だった。だから、新海は戦慄し、口角を上げる。
「私と……デュエルしてください」
彼女がそう言うであろうことは分かっていた。なのに、その言葉に対して自分の内側の何かが喜びの雄叫びを上げる。それは強者との出会い。目の前の少女が強いということを、新海は決闘者としての直感で理解した。
「……ならばビッグバンゲームに出ることだ。俺と必ず闘えるぞ。もっとも、お前が勝ち進めばの話だが」
「私は勝ちます。新海さんにも、遊旗にも、この街の全員に!」
「……ククっ、やれるものならやってみろ」
嬉しそうに笑いながら、新海は去っていく。
「……やってやるぞー」
彼を見送りながら、アリスは自分のデッキを見つめる。そして、何となく引いた1枚。
「……えへへ、引きは最高。ね、ゴールデンジョーカー」
それは彼女のエースであり、最高の友達だった。
「ふっ。ビッグバンゲーム、思ってたよりも面白くなるかもだな」
「はい」
帰り道、新海の背後にどこからともなく現れたその少女は、とても美しかった。その黒い長髪は綺麗で、メイド服もよく似合っていた。その幼い顔立ちは可愛らしく、少し不機嫌そうな表情がそれをさらに際立たせていた。背も小さく、体も華奢。それは、この世界に迷い込んだ妖精のようだった。
「で、仕事は済んだか?遊傑」
「片方は。外にいたヘブンの部下たちは殲滅いたしました。しかしシルバーの行方はいまだ知れず」
「そうか。ま、焦る必要もないだろ。お前は引き続き連中の処理にあたってくれ」
「……はっ。では早速行って参ります」
「へー。もう目ぼしがついているなんて、さすがだなぁ」
「恐縮です。このデュエルパークの最奥の一部の部屋が現在占領されており、警備員のカードでは太刀打ちできません。それほどのクリスタルを宿すカードを持っているとなれば」
「なるほどね」
このワールドはデュエルが支配している。機械の類いを使用する際は必ずカードを介して使用しなければならず、ハッキング等を行う場合は、ハッキングの技術ももちろん重要だが、機械を操るカードの『強さ』がさらに重要になってくるのだ。
この場合の『強さ』とはそのカードに宿るクリスタルの力の強さを指している。このクリスタルの強さはカードの能力やステータスの高さには比例しない。たとえば新海のドラゴンナイトは強力なカードではあるがクリスタルの力は特別強くはない。対して遊旗のゴールデンレジェンドは、特殊能力を持たないもののクリスタルの力は破格に強い。このように、クリスタルの強さがどういった基準で決まるのかはいまだ明らかになっていない。
「最奥といえば、さっき遊旗が連れてかれてたな。なるほど、連中は早速ゴールデンレジェンドを狙ってきたってわけか。ヘブンのエースモンスター、あれのクリスタルの力は凄まじい。あれに正攻法で太刀打ちできるカードは俺でも3枚しか知らん。そのうちの1枚ともなれば、今後のためにも確保しておきたいのだろうな。ところで遊傑、この後なんだが」
満面の笑みで振り返れば、そこにもう彼女はいなかった。
「……つれぇ」
新海は寂しく呟いた。
「俺にエロいことする気だろ……同人誌みたいに!」
両手両足を拘束されながら、金色遊旗は叫ぶ。しかしどんなに叫んでも、声は外に漏れない。彼が監禁された部屋の防音は完璧だった。
最初は、騒ぎすぎた自分が悪かったなぁと思った。だから、手足を拘束されてもまぁ妥当かなと思った。次に、持ち物を全部チェックされた。まぁ、ヤバいヤツと思われてるんだからしょうがないかなと思った。だが、デッキをとられた時、さすがに遊旗は黙っていなかった。
「おい!」
「ねぇ、このゴールデンレジェンド……お姉さんにちょうだい」
「ふざけんな!」
遊旗を監禁していたのは、20代前半くらいの女だった。赤色の長髪で、少し鋭いながらもやわらかい感じの目つきで、端的に言って美しかった。だが美人なくらいで遊旗は誤魔化されない。
「それを奪ってみろ、あとで絶対に後悔させてやる!」
「そうね。カードの譲渡を行うにはリバースコーポレーションを通して正式な手続きをしないといけない。その手続きを踏まずに他者から入手したカードを持っていれば簡単に捕まってしまう。そんな愚はおかさないわ」
「わ、わかってるならこんなことやめろ!」
「……今日の遊旗くん、素敵だった。私ファンになっちゃったなぁ」
「……?」
まるで意味が分からなかった。しかし、その声色にウソはない。怪訝に思う彼をよそに、彼女は彼の頭を撫でる。
「な、なにすん」
「負けちゃったけど、かっこよかったよ」
彼女は綺麗で、その目には慈愛の色があった。そんな彼女に労われながら撫でられるのは、遊旗にとって悪いものではなかった。だから彼は頬を染めて微笑む。そんな彼は。
「……かわいいぃ♡」
「っ!」
目を細め、遊旗を愛おしげに見つめる彼女は、獲物を見つけた獣のようだった。撫でられる安らぎの中にいた遊旗も、さすがに黄色信号を悟る。
「ちっちゃいのに生意気で……健気で、デュエル頑張ってて……顔も可愛くって……うんうん」
「な、なな、なにする気だっ!?」
「私の役目は、君からゴールデンレジェンドを奪うこと。そのためには、君が私に自主的に渡す気にならないとダメ。つまり、君と仲良しにならなくちゃ」
「……仲良し……?」
「うん。とりあえず今日はお互い味見ってことで。楽しみましょ?」
彼女は上着を脱ぐ。彼女の服はノースリーブで生地が薄かったので、体のラインがくっきりと現れる。その肢体はすらっとして美しく、その胸はアリスのものよりもさらに大きくて、それを見た遊旗の体に。
「……っ……!」
「あっ……」
隠しようのない変化が現れる。彼女はそれを見て、嬉しそうに目を細める。そんな表情の彼女は妖しくて、美しくて、遊旗の変化はさらに顕著になってしまう。彼女はしゃがみこみ、彼のズボンに手をかける。そして、腕を引く。
「だめなおまわりさん。こんな時に、こんな……」
「や、やめろ……あっ」
風を直接受け痙攣するそれは、禍々しく天を仰ぐ。
「……これが遊旗くんの……♡」
「あ、あんまり……見るな……ぁ」
彼女は楽しそうにそれを眺める。自分自身をじっくり見られるのは恥ずかしくて、遊旗は撫でられてる時よりも顔を真っ赤にしてしまう。
彼の体は、風通しがよくなったからか、少し冷えていた。しかしすぐにまた暑くなる。それは、彼女の手のぬくもり。
「あ、あぁっ!? お、おま……!」
「気持ちいい……かな?」
「そ、そん……なの……っ……!」
優しく、握られる。そして上下運動。彼は喘ぐのみだったが、、それの状態からして、気持ちよくなっていることは明確だった。
「や、だめっ、そんなはげし……あっ!」
「じゃあ……じっくりと……たっぷりと……えいっ」
「っ!!?」
言葉の通り、優しく可愛がられる。その細くて綺麗な指によって、硬さと大きさを変え続けるそれは完全に支配され、弄ばれる。もはや彼の全ては彼女の手の動き次第だった。恥ずかしくて、嫌で、なのに気持ちがよくて……。もう、頭がおかしくなりそうだった。それが、長く、長く続き……彼女は頬を染め、その行為に及ぶ。
「……ちゅっ」
腰が、砕けるような感覚だった。
「っ!?ーーっ!?」」
自分が何をされたのか、理解できないでいた。目を白黒させ、あわてふためる。彼女はそんな彼が可愛くてしょうがなかった。だから、そんな物わかりの悪い彼に教え込んでやるように。
「んむ……っ……ん……はぐっ……ん♡」
それを、密室へ誘う。
「つぅっ!!? なっ……あっ……あぁっ!?」
その密室は完全なる密室。暑く、蒸れていて、逃げ場はない。自分自身に彼女の舌が絡み付いてくる感覚、そもそも、こんな綺麗な人にこんなことをされていること、それが気持ち良くて、たまらなく嬉しくて。
「ちゅっ……ちゅる……んっ……♡」
彼女は少しずつ上下に動き始める。すると彼は刺激され、さらに良くなってしまう。彼は密室の中を動き回るが。
「んっ♡ちゅっ……れ……ろっ……んっ♡」
「あ……うぁぁっ!!」
どこへ行こうとも、彼女の舌の上。彼女が舐め上げてしまえば、もう快楽の奔流から逃れることはできない。もはや、どうしようもなかった。
「はむぅ……んんぅっ♡」
「あぁっ!?」
彼女が口をすぼめれば、遊旗は圧迫され、その中に秘められたそれが飛び出そうになってしまう。もう、遊旗は限界を迎えようとしていた。
「……くっ!」
抵抗しなければ、遊旗はそう思い、己を前進させる。それは起死回生の一手。それは肥大化し、体積を増している。ならば。
「……んんっ!?」
彼女の奥をノックすることも容易い。そこはあまりにも気持ちよかったから、ノックするまでで何度も限界を超えそうになったし、ノックした時も危うかった。しかし彼はそれを成し遂げ、彼女に一瞬の動揺を与えることに成功する。あとは、この動揺に乗じれば。
「ん……ちゅっ、んん……♡」
しかし、彼女は揺るがなかった。むしろ、遊旗が自らの奥を突くほどの大きさになったことを悦んでさえいた。その悦びを返すように、遊旗に愛を刻み込んでいく。丹念に、じっくりと、たっぷりと。
「あ……お姉……ちゃん……」
絶望感が、遊旗を支配する。もはや彼女と自分自身はひとつになってしまっているのではないか、そうとさえ思った。そう思わざるをえないほど、そこは居心地がよくて。
「あ……もぉ……限界…………ぅっ!」
大きく、脈動する。その時は来た。彼女もそれを悟り、密室をさらに狭くし。
「……っ♡」
それを、愛した。それは最高の快楽で。
「つ……うぅっ ♡」
だから、彼も彼女に己の全てを注がざるを得なかった。それは密室に満ちる、白き爆発。熱く、濃く、そして激しい。彼女はそれを。
「んっ♡んっ♡」
「あ……の……んで……うぁぁっ!」
「ん……ご……くっ……♡」
一切外にもらさず、己の中に受け入れていく。この瞬間、完全なる密室犯罪は成った。
「はぁ……はぁ……お、お姉ちゃん……!」
「アール」
「あ、あーる?」
「私の名前」
「そっか……あ、アールお姉ちゃん、あの……」
「ふふっ、お礼はまだ要らないよ。だって、お楽しみはこれからだもの」
「え?」
「もっと先に……行ってみましょ」
その言葉に、遊旗は反応する。それを誇らしげに見たあと、アールは優しく握った。そして、ふたりは次のステージへ……。
「行くわけナッシーングっ!!!」
部屋に、美少女メイドが現れる。アールは露骨に不機嫌そうに、その少女を見やる。
「誰?」
「おい、デュエルしろよ」
白銀遊傑が、笑った。
俺はっ!もう!!エロ入れるのを我慢できなかったんだよ!!!
お読みいただきありがとうございました。作者アホなんじゃねぇかと思われる展開だったと思いますが、遅かれ早かれこういう展開は入ったと思うのでお諦め下さい。無能な私を許してくれ……。
最初は前回の後書きで言ってた通り、遊旗がアカデミアに入学する話をやるはずだったのですが、アールをここで出しておきかったということでこんな感じになりました。唐突過ぎるだろと思いましたが唐突な方がエロいかもと思い、このようになりました。
この話は自分的にはけっこう攻めたつもりなので、あとで修正が入るかもしれません。その時はまた改めて報告します。
以下、予告です。この予告書くの存外難しいのでそのうち書かない回が出るかもです。
みんな「次回の遊戯王リンゴは!!」
遊旗「不可抗力だから許してくれ!」
アリス「しょうがないなぁ……じゃあ、私にもちょうだい♡」
遊旗「わ、わかった。ほら」
アリス「あ……んむっ♡」
絶「……あっ、俺か。遊旗とアリスはなんかどっかに行きました。ていうか俺と道っちゃんいつ出るの?」
皇「それはともかく、アール先生のおっぱいうらやましいなぁ。90……いやもっとあるかも」
遊傑「女の価値はYO! おっぱいだけじゃねぇんだYO!!」
斬「はははヤッホー、その通り! さて今回は、遊傑ちゃんの初期設定をチェーック!」
遊傑「イェー! ちなみに初期設定では私は遊旗の生き別れの兄でした。最初は遊旗は遊姫っていう女の子だったけど」
斬「女の子ですらなかったとは驚きだ。で、名前が遊血。うーん、この名前を娘につけるやつとはぼくはあまり食卓を囲むことに積極的にはならないだろうね」
遊傑「遊姫の兄の遊血→遊傑という男キャラ→現在に至る、というわけです。まぁ名前が変わるのは良いんですけど、遊傑ってなんか男っぽいしもっとファンシーな名前にしてほしかったような」
斬「原形を残したかったんだろう。そういう願望は往々にしてあるものさ。でも君のメイド服はすごく可愛いし、今の君のあらゆる側面は女の子らしさだらけさ」
遊傑「やばい、この人の喋り方超ウザい」
斬「はははヤッホー。さて、ミスター新海、今はなかなかの好機だと僕は提案するよ。作者のスタミナが切れて来たというか、いや、ここから先は言わぬがハッピーだ」
新海「俺に指図するな。貴様……死ぬぞ」
斬「俺が死ぬ?ふっ、片腹いたいな。この決着はいずれ付けるぞ、新海。
……よしっ、因縁つくった! これで本編に出れる! 勝ったっ!!」
遊傑「ていうかこの人誰ですか?」
新海「うるせぇ! 次回の遊戯王リンゴはぁ! 『アイアンメイドデュエリスト、白銀遊傑見参!』だ、お楽しみに! ところで俺の出番はあるのだろうか」
遊傑「ないです。次回は待ちに待った私のデュエル! 楽しみにしつつ、まったね〜」