過負荷裁判   作:灯篭

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というわけではじまりました過負荷裁判。


逆転裁判6をやってて、『あー、めっちゃナユタ検事に球磨川先輩ぶつけてぇ...』って思ったのがきっかけです!


そこまでいくかは謎ですが、当面は甦る逆転くらいまでを目標にしていきます!


プロローグ~過負荷のその後~

 やあみんな!

 僕の名前は球磨川禊!

 

 

 知ってる人もいるかな?

 知らない人は初めまして!

 

 

 僕は今ね。

 

 

「『うぅ……』」

 

 

 行き倒れています。

 

 

 安心院さんを探すついでに僕が『大嘘憑き(オールフィクション)』でなかったことにしたことをさらになかったことにする旅を初めて早1年。

 

 

 ついに財産が底をついた。

 

 

 卒業するときに真黒ちゃんに援助金としてもらったお金も無くなり、働こうにも住所不定の僕を雇ってくれる物好きなところも見つからず、ゴミを漁るのにも限度があり、遂に空腹で動けなくなった。

 

 

 空腹感くらいはなかったことにできるのだが、栄養失調はなかったことにはできない。

 だって栄養が無いんだから。無いものはなかったことにできない。

 これは『虚数大嘘憑き(ノンフィクション)』を得た今でも当然変わらない。

 

 

 これで死んだとしてもまた生き返ることはできるが、生き返ったところですぐにまた栄養失調で死ぬだろう。

 

 

 咲ちゃんの『大嘘憑き(オールフィクション)』対策を思い出すな……。

 

 

 違うのはこれが対処不可能だということ。

 

 

 ああ、僕の最後は栄養失調による死の無限ループか……。

 

 

 後輩たちには見せられないな。

 

 

「あの……」

 

 

 薄れゆく意識の中、声が聞こえた気がする。

 

 

「大丈夫ですか……?」

 

 

 なんとなくそう聞こえたあたりで、僕の意識は途切れた。

 

 

________________________________________

 

 

 

 

「『……はっ!』」

 

 

 目覚めたら見知らぬ部屋だった。

 

 

 病院に運び込まれたのかと思ったが、どうやら違うらしい。

 

 

 んー……。

 何かの事務所だろうか。

 

 

 事務所というと、アイドル事務所かヤクザの事務所しか思いつかないが。

 

 

「あ、気が付いたみたいね」

 

 

 ここがどこか考えていると、この部屋の入り口から女性が入ってきた。

 

 

 年齢は20代前半、僕とそう離れてはいない漢字の女性だが、大人の女性的な色気も感じる。

 

 

「『えーっと……、ここはどこですか?』」

 

 

「ここは星影法律事務所。で、私はここで働いてる弁護士見習いの綾里千尋よ。あなた、この事務所の前で行き倒れてるんだもの、朝出社してきたときはびっくりしたわ」

 

 

 あー、なんとなく思い出してきた。

 あ、思い出したらお腹空いてきた。

 

 

「それより、あなたこそ何者なの? 所持品を見せてもらったけど、免許どころか携帯も持ってないじゃない。初めて見たわよ、身元不明の人なんて」

 

 

「『僕の名前は球磨川禊。受験と就職全て失敗してやることも無いから気ままに旅をしていたら、所持金が尽きてさっきのように行き倒れてました。何か食べ物を恵んでくれませんか?』」

 

 

「そんな人実際にいるのね……。ちょっと待って。私のお昼ご飯のおにぎりを分けてあげる」

 

 

 そう言って千尋さんはカバンからコンビニおにぎりを取り出し、僕にくれた。

 

 

 1週間ぶりのご飯だ!

 

 

 もぐもぐと食べつつ、これからどうするかを考える。

 

 

「球磨川君はこれからどうするつもりなの?」

 

 

 おにぎりを食べ終えたところで、千尋さんが僕に聞いてきた。

 

 

「『そうですねー。まずは住所不定身元不明の人間でも雇ってくれるところを探さないとですねー』」

 

 

 このまま旅を続けたところでこの町を出るまでももたないだろう。

 

 

「あ、ならここで住み込みで働いたらどう?」

 

 

「『え、いいんですか? ていうか上司に確認取らなくていいんですか?』」

 

 

「えーっと、それは、あれよ。説得するわ!」

 

 

 期待しないでおこう。

 

 

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 正直本当に期待していなかったのだが、千尋さんが説得するまでもなく、所長の星影宇宙ノ介さんは僕のことを雇ってくれた。

 

 

 名目上は事務員として勤めることになり、その他雑用をするのが僕の仕事となった。

 

 

 この事務所に所属している人たちも僕に親切にしてくれて、何度か泣きそうになった。

 

 

 ここで働き始めてから2ヶ月ほど経つと、星影先生が『どうせなら弁護士を目指してみないか』と僕に言ってくれた。

 

 

 高卒でも司法試験予備試験というものに合格すれば、司法試験の受験資格を得られるらしい。

 

 

 それから僕は仕事の片手間に法律の勉強を始めることにした。

 事務所の先輩たちも手が空いてる時は教えてくれたりした。

 

 

 中でも一番時間を割いてくれたのは千尋さんだろう。

 

 

 夜遅くまで僕の勉強に付き合ってくれ、しばしば終電を逃すことも。

 

 

 そんな時はお互いにいろいろな話をしたりした。

 

 

 僕は箱庭学園でのこと。

 千尋さんは故郷の妹のこと。

 

 

 明け方まで話し込んで、二人して居眠りで星影先生に怒られたりもした。

 

 

 そして、司法試験予備試験。

 何度も落ちたが、そのたびに千尋さんや星影先生が間違った点を教えてくれ、見事合格した。

 

 

 司法試験もそんな感じだった。

 

 

 その後、司法研修所で研修を受け、卒業。

 僕は晴れて弁護士となった。

 

 

 それと同時期に、千尋さんは星影法律事務所を独立。

 

 

 僕も連れていってほしいとお願いしたところ、千尋さんは『最初からそのつもりだったわよ』と笑いながら僕の手を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕にとっては、ここに書かれたことは人生の転機だったけど。

 この物語にとって、それはただのプロローグでしかない。

 

 

 これは僕が弁護士になる過程ではなく、僕が弁護士になってからの物語なのだ。

 

 

 これは、過負荷(マイナス)が逆転するという愉快痛快下剋上のお話。

 

 

 そういうの、みんな好きだろ?

 

 

 

 




おそらくこの作品を書いていくにあたって一番の難所は『球磨川先輩に弁護士資格を取らせること』だったでしょうね。


どうでしたでしょうか。

球磨川先輩っぽさが少ないかなーとは思いますが、そこはまだプロローグですのでご容赦ください。


ではまた次回。
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