新武将の野望in恋姫†無双 ROTA NOVA   作:しゃちょうmk-ll

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※ちょっとキャラ崩壊、オリ設定注意です!

方言変換ソフトとかないかなぁ


第九話 口利き相手は次期当主がいい

 場面は変わらず船の上。真昼の長江の江上に二隻の船が隣り合って停泊している。大和屋の船上には黄蓋と孫策、その護衛達と彼らの応対をするタケマサ達のみ。他の船員たちは揉め事も起こらんだろうと昼食のため船室に戻っていった。

 

 4人の乙女たちが談笑していくうちに孫策はふと朱燐の腰の酒瓶に目を付けた。

 

「ねぇ子均ちゃん。その腰に下げてるお酒ってだいぶ上等なやつじゃない?さっきからいい匂いしてるわよ~?」

 

「おっ!良い鼻してんな。なかなかいける口かい伯符?」

 

「とーぜんよ。そんなおいしそうなお酒見逃すわけないじゃない!」

 

 のんべぇの朱燐は基本的に酒臭いのだがその中でも孫策の嗅覚は上等の酒の芳香をかぎ分けた。

 一応彼女らを形容するときには少女としているためあまり飲酒に関する描写は好ましくないのだが・・・「この作品の登場人物は全員20歳以上でーす♪」さいですか

 

 朱燐の腰にぶら下がっている酒瓶、その中身は十年以上熟成された老酒で早々お目にかかることができない代物だ。タケマサに出会うまでは行商の護衛や酒場の用心棒をやっていた朱燐には到底手が出ないものである。

 ならばその出所はおのずと限られてくる。酒の出所に感づいた陽花と杏命は顔を青くし朱燐たちから半歩距離を取った。

 

「朱燐さんそれってもしかして・・・」

 

「師匠が買ってた樽からぎってくるとか勇気あるっすね・・・」

 

「っバカ!でかい声でいうんじゃねーよ。聞こえたら「ほう。確かにいい酒じゃな。見る目があるのう大和屋殿」ってうわ旦那!?」

 

 やや離れた場所で話していたはずの黄蓋とタケマサであったがいつの間にやら朱燐の手から酒瓶を取って利き酒を始めた。銀蠅の証拠をばっちり聞かれていたため朱燐の顔も青くなる。思わず後ずさったがタケマサに視線で抑えられたため逃走も叶わずその場で力なく笑うしか他にない。

 

「うむ、香りよし味よし酔いもよし。実にいい酒じゃな。それで大和屋殿、やはり我が殿に力を貸しくれましか。その若さで店を立ち上げ、これだけの船を操って見せるその手腕は実に見事!それに酒の趣味もいいと来れば必ずや文台様も重用してくださろうぞ。」

 

「お言葉はありがたいのですが今は航路の最中故、申し訳ありませんが・・・それに公覆様も若くお美しいではありませんか」

 

「はははっさらに口もうまいと来たか!ますます気に入ったぞ」

 

 先ほどから話していた2人であるが、その内容はぜひ孫堅に仕官してもらいたい、というものでそれをタケマサがのらりくらりとかわしているという状況である。

 いうなればべらぼうに有能な浪人が目の前にいるわけだ。誰だって勧誘する俺だってそうする。

 

 基本的に親密度を上げようとする場合、毎月好みの贈り物をするか茶席に誘うことが常道である。もし相手が無欲だったり茶が嫌いな脳筋だったときは手合わせでしばきあげて仲良くなる。そうやって親密度を上げていくことで技能の師事や勧誘などが可能になるのだ。

 

 しかし相手が道場主の剣豪の場合は贈り物と茶席ができないため手合わせ一択となる。通常の剣豪ならまだしもKENSEI、特にあんまり出歩かない方の妖怪ジジイ相手だと親密度を上げるのが非常に困難となる。

 

 タケマサの場合はいうなれば無欲な上に武力100、おまけに仕官傾向が武士以外優先のため勧誘はおろか親密度を上げるのすらままならない。素直に編集で性格を書き換えた方が早いぐらいである。

 

「それにその酒は都での接待のために仕入れたもの。わたくしは酒よりも茶を嗜みますゆえ」

 

「それはもったいないのぉ。かように見事な酒の目利き、ぜひ文台様とも語り合ってもらいたかった。それにしても茶か、たしか城の近くの邑でそろそろ茶摘みが行われる時期だっt「その話を詳しく!!」おおう!急にどうしたのじゃ一体!?」

 

「黄蓋殿茶の産地をご存じなのです茶良けれ茶その話を詳しくお聞かせ願いません茶また茶口利きなどしていただけるのであれ茶それはもう!!!」

 

「ちょ、ちょっとお主落ち着け!顔が近い!顔が近いぞ!」

 

 これまで飄々とした商人めいたタケマサであったが黄蓋から茶の話題が出た瞬間に態度が豹変する。肩をがっしり掴んだ上、黄蓋の眼前ににじり寄り早口でまくし立てる。どうやらカテキンが不足していた所にブロックワードを検知して情緒不安定になっているらしい。

 

 薬の仕入れの際に元悪徳商人の邸宅で茶を振舞われた時の衝撃から襄陽での活動の合間に独自に茶を入手できないものかとアレコレと探してはいた。しかし探してはみたもののどれも餅茶のように加工された後のものであった。

 

 それに嗜好品という扱いではなく薬の類として扱われていたため流通量も少なく襄陽では手に入れることができなかったのだ。また造船や弟子達の修行のため生産地である揚州に足を延ばすこともできずここに至ったのである。

 

「力強っ!?かなり痛いぞ!わ、分かったから落ち着けというに!ええい急に性格が変わったな!」

 

「おっとこれはお恥ずかしいところをお見せいたしまし茶。ですがよろしければその茶の産地の方に口利きをしていただきたいのです茶・・・?」

 

「語尾がおかしくなったままじゃぞお主」

 

 長らく茶を服用していなかったことによるカテキン欠乏症と思われる。巨乳を前にした陽花といい、この師匠にしてこの弟子ありとはよく言ったものだ。

 

まとわりついてきたタケマサを何とか引きはがしコホンと咳払い一つ。

 

 黄蓋曰く、孫堅の居城の近くで茶の栽培を行っている村があり、見回り等でよくそこに顔を出す。確かに高価なものだが薬の一種という扱いでそこまで量はないとのこと。規模はそこまで大きくはないが一筆書けばおそらく売ってもらえるだろう、とのこと。

 

「じゃがまだ葉をつんでおるかどうかという頃合いじゃぞ?もう少しの後がよいのではないか?」

 

「いえちょうどよき頃合いです。お手数ではございますができれば一刻も早く一筆いただきたいのですが」

 

「うーむ、流石にそこまで急な話になるといくらなんd「老酒3樽でいかがでしょう」うむ、それでは一筆したためるのでちょっとまっておれ!」

 

 見事なまでの変わり身である。今にも小躍りしそうな軽快な歩調で自らの船に帰っていく黄蓋を背に一仕事やり終えたかのようにすがすがしい汗を拭うタケマサ。

 戦術の基本の一つとして、効果的なタイミングで致命的な箇所を全力で殴りぬくというものがある。商談も同様に相手の好みに合った袖の下を送ることが重要となる。

 要は嫌がらせと死体蹴りだ。

 

 贈り物をケチって師事が受けられずもう1月待つより価値5以上のものを渡した方がよいときもある、どうせそのうち行商人が売り出すのだから。

 例えそれがプロポーズの時に嫁さんに贈った財宝だとしても・・・

 

「ずいぶんと気前がいいのね大和屋さん。祭が独り占めしないようにあとでお母様に言いつけとかないと♪」

 

「い、いいのかい旦那あんな気前よく渡して・・・あれ相当いい酒だろ?」

 

 上等の酒が不意に手に入ったことを無邪気に喜ぶ孫策と対照的に酒飲みとして酒の値段をなんとなく察して青くなっている朱燐。そんな彼女に向けてタケマサは肩をすくめ小さく笑みを浮かべる。

 

「別にかまわんさ。元々茶の代わりに仕入れたものだ、それで茶が手に入るなら別に構わん。むしろ儲けものだ」

 

「ならいいけどよ。そんだけ太っ腹ならオレにももっといい酒買ってくれよぉ旦那ぁ~」

 

「(先生にしてはずいぶんと気前が良くないですか?)」

 

「(いやそろそろオチがつく頃合いだと思うっすよ?)」

 

 背中にしな垂れかかってきた朱燐の酒気を帯びた吐息を感じながらまだ見ぬ茶に思いをはせると同時にあることについて考えた。

 

 タケマサがこの世界にやってきていままでしばらくの時が経ったが、その中で彼は常々思っていたことがある。他の者たちは疑問にも感じていないようなので誰かに話したことはない。

 

女の子の露出が多すぎね?ということである。

 

 確かに温暖な気候とはいえ若い女子が足やら肩やら尻やらむき出しなのはいかがなものであろうか。他の男ども慣れてはいるようで露骨に前かがみになるようなことはないが、某リトさんだったら外を出歩くだけでToLoveル&ジエンドになりかねない。連載開始早々ダークネス不可避である。

 

 だが世の性少年と違いタケマサの場合、薄手の着物からこぼれんばかりの胸や内太腿にホイホイ誘われていった先に待っていたのは大概命を狙うむさい忍者であった。

一番酷かった時は抜け忍狩りから逃げる合間、匿ってくれた色っぽいおねえさんとのお色気シーンに及ぼうとした時だ。いざっ!とお姉さんの手に惹かれ股の間に手を伸ばした時、そこにあったのはアワビではなくお稲荷さんであった。

 

 一瞬なにが起きたか理解できず呆けているとそのまま変化をといた忍びの襲い掛かってくる。そのまま握りつぶしなんとか撃退したものの彼には深い心の傷が残されたのだった・・・

 

「(そのまま見えるよりも隠されたものにこそ想像が掻き立てられる。やはり露出が多いというのはいかんな、うむ。)」

 

 どうやら彼のムーブメントは低露出のようだ。

 

そうあれは茶の湯に目覚め茶仙と言われたあのころ、大名を茶室に呼びつけその間に奥方様とあれやこれやのそんなことまで・・・そんな間男まがいのこともやったようなやらなかったような。

※ただし吉川元春の嫁は除く

 

とんだ淫獣(ケダモノ)フレンズである。

 

 

 

 さて、まだ見ぬ茶へと思いを巡らすタケマサをじっと見つめる少女が独り。彼女は黄蓋たちについてきた護衛、その中でもやや小柄な少女であった。他の護衛達が珍しげに船を見ている中でその少女はタケマサから目を離さずにいた。

 

 タケマサは自分を見つめる視線には気がついていたが物珍しさからだろう、と気に留めていなかった。茶に思いをはせている間もその視線は変わらずにじっとこちらを見つめている。

 

 孫策や弟子たちはマストの見張り台に昇ってにぎやかにしている。それを他の護衛達がひやひやしながら見ている中も少女の視線はタケマサから動くことはない。

 タケマサとしては、よもや商人の演技が見破られたのでは、と内心穏やかならず。手持無沙汰というのもありひとまず少女に声をかけてみる。

 

「もし。先ほどからわたくしめを見ておられるようですが・・・なにか気になるようなことでもございましたでしょうか」

 

「あっ、えと、その、こ、こらいやったもし!」

 

 話しかけられた少女は動揺からか赤面しぺこぺこと頭を下げる。陽花ほどではないがその小柄な体で頭を下げている様子は小動物めいて愛嬌があった。それになにやら言葉に特徴的な訛りがある。今はやりの方言女子というやつであろうか。

 

「あ、あの、あたいは氣ぃの流ればみっことでくって!おはんの“氣”ぃばわっぜかみごってうっかいとみいほがいてしまいもした!どげんしたらそげんみごって“氣”ぃば習得でけもすか!?」

 

 かなり独特な訛りをした少女であった、主に九州南部あたりの。

じゃあ今はいったい何語で会話しているのだ?と聞かれてもそれは禁則事項である。基本的に二次元の公用語は日本語なのだ。

 

 タケマサは“氣”が見事、と言われて思わず面食らう。少なくとも今まで言われたことのない台詞だ。おそらく何らかの方法でその実力を感じ取ったのだと思われるが、今は商人ロールであるためすっとぼけるしかない。

 

「氣、ですか?あいにく不勉強ながら武術のことには疎いもので。残念ながらお力にはなれそうにないかと・・・」

 

「あたいはじっぱなぼっけもんばなりたかとです!なんぞ秘訣ばいっかせっくいやい!どうかお願いしもす!」

 

 少女のまっすぐな視線を正面から受け止める。透き通ったまっすぐな少女の目、その熱意を感じ不意に自らの修行時代を思い出した。

 

 弟子入りのため道場の門を叩いたあの日

 師匠に勝つための秘技を習得するためには師匠に勝たなくてはならないという矛盾

 金に目がくらんだ師匠の背中を思いっきり叩き斬った修行時代

 秘境で瞑想していたら筋骨隆々の漢女に襲われたあの夜、負けた次の夜明けはなぜだか尻が痛かったような・・・

 

 ・・・なぜだろう、ろくな思い出がないうえに思いだすと背筋に薄ら寒いものを感じた。

 

「ま、まぁ自分には武芸の覚えがありませんが知り合いの武芸者の方から聞いたお話をすることならできます。それでもよろしいでしょうか?」

 

「あいがとごわす!」

 

 さて話をするといったもののどうしたものか。見たところ彼女の得物は腰に差した剣のようだ。もちろん立ち合いでの心構えも重要ではあるが彼女は実際に戦場にたつ兵士である。実践的なアドバイスの方が好まれるであろう。

 一応商人ロールであるためあまり詳細には語れない。そのうえで的確な助言ができるようにうまく言い含めねばならん。

 

 やや頭を捻りつつ知人から聞いた話である、とタケマサが語った内容は、

・戦場で敵に切り込んでいく際、怯めば死につながるため己を鼓舞し敵を怯ませるため思い切り声を出す

・三寸切り込めば人は死ぬ。相手より長い得物を使い、毛一本でも早く打ち込むべし

・どう防ぐかよりどう殺すかが肝要、細かいことは斬り捨ててからでも構わない

・日々鍛錬を欠かしてはならない。心身の充実する早朝から鍛錬すべし

 といったものであった。

 

「・・・以上ですがなにぶん聞きかじりなものでお耳汚しだったやもしれませんが」

 

「うんにゃそげなこちゃなかとです!わっぜかためになりもした!ほんのこてあいがとぐゎした!」

 

 彼としてはほぼ当たり障りのない話をしたつもりではあったが根が素直でよい子なのだろう、彼女は必死にうなずきながら目を輝かせて聞き入っていた。

 タケマサはあまりに感謝されるので首筋がこそばゆくなるのを感じた。大大名や各地の有望な剣士を弟子にすることはよくあったがここまで純真なまなざしを向けられてはいささか据わりが悪い。

 

 どうしたものかとポリポリ頬を掻いていると書き物を終えた黄蓋が船に戻ってくるのが見える。それとほぼ同時、姦しくしていた孫策たちも甲板を一通り回り終えこちらに戻ってくる。

 

「おやおや大和屋殿、儂の部下を口説かれては困りますぞ?」

 

「あらあらこの子顔真っ赤じゃない。色男ね大和屋さん?」

 

  ニヤニヤとした笑みを浮かべながら二人してタケマサをいじりにかかる。見事な連携、流石に息ぴったりである。こうなっては敵わんとすごすごと礼をとり釈明も試みるも苦しい言い訳にしかならない。

 

「いやいや、こちらの方に聞きかじった話を語らせてもらっていただけですよ。ええっとあなたは・・・?」

 

「こここ、こらいやったもし!名ぁも名乗らんとごぶれさあぐゎした!

あたいの名ぁは呂蒙、字を子明ばいいもす!こんたびはほんのこてあいがとぐゎした!」

 

 上司二人に絡まれたせいか、彼女は余計に委縮しまい慌てて礼を取りうわずった声で名乗りを行った。

 

「へぇ~自己紹介より前に口説きにかかるんだぁ。ほぉんと手が早いのね?」

 

「これは儂も気をつけねばならんかのぉ~策殿も酒につられてホイホイ寝屋について行ってはなりませんぞ?」

 

「いい加減に勘弁してください・・・」

 

 口利きをしてもらう身、強くは出れず気のすむまで2人の玩具にされるタケマサと、そのそばでアワアワと顔を真っ赤にしてうろたえている呂蒙。

 そして珍しく師匠がいじられているところをニタニタとみている弟子たちの姿はしばらく続くのであった。

 

 

・・・・その後しばらくのち

 黄蓋と孫策は長江を下り去っていく大和屋の船を見送っていた。船はすべての帆に風を受けみるみると加速し、すでに水平線に差し掛かっている。

 あのどこか掴みどころのない、茶キチの主人はこれより呉群によりつつ海を北上し黄河を遡り都へと向かうと語った。

 

「なかなか面白いものたちでございましたな雪蓮様。それにみな腕も立ちそうじゃ」

 

「ほんとね。呂範ちゃんはそうでもなかったみたいだけど蒋欽ちゃんと王平ちゃんはかなりできそうね」

 

「それにあの大和屋殿の手腕、あの若さで見事のなものじゃ。ぜひ炎蓮様に会っていただかねば。必ずやお気にめされるであろう」

 

「確かにそうなんだけどなぁんか引っかかるのよねあの人・・・」

 

 大和屋と名乗ったあの若い男、孫策はその姿にどこか違和感を覚えていた。確かに会って話した感じ、町でたまに見かけるやり手の商人のような飄々とした雰囲気ではあった。

本心を悟らせずこちらを立てる物言い、親切のように見えても内心算盤をはじいているようなどこか胡散臭い感じ。それらをすべて分厚い面の皮で覆い隠しているような独特の気配がある。

 

 だがそれだけではない、そう野生の勘ともいえる彼女の直感が囁きかけてくる。それがどういったものかまではわからない。しかしたがかの少年ともいえる年頃の男になにやら底知れぬものを感じていたのだ。

 

「なんじゃ雪蓮様、そのように考え込まれて?もしや儂がおらん間に大和屋殿にでも口説かれましたかな?いけませんぞぉ~孫家の姫がそのような・・・」

 

ニヤニヤとした黄蓋の視線に考えが霧散する。彼女はそれで深く考えることをやめた。たしかに別に今気にすることもない。それに、

 

「(また近いうちに会えそうだわ。なんとなく長い付き合いになる、そんな気がするわ」

 

 こういった根拠のない勘ほどよくあたるものだ。

 

「そんなんじゃないわよ!あっそういえばあのお酒私にも頂戴ね。ねこばばしたら母様に言いつけてやるんだから!って聞いてるの祭!?」

 

「はっはっはっどうでしょうなぁ!さてこちらも警邏を続けるぞ。者ども帆を張るのじゃ!」

 

 黄蓋の一声で兵士たちは動き出し船は長江をゆくのだった。

 

 

 

 

 




方言女子ってかわいいよね(白目)

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以下、作者のスーパー言い訳タイムとなります。

 さて、これ以降は新武将が言った「襄陽から長江を下り、北上して黄河をさかのぼり洛陽へ向かう」についての作者なりにがばがば考察というか理由付けというか。
 まぁ結論から言えば、「こまけぇことはいいんだよぉ!!(AA略」ということになりますが・・・

 一応いろいろグーグル先生に聞いてみた結果をまとめたものになるので興味がなければ飛ばしていただいてもかまわないです。いろいろ考えてんだぜへっへっへということです。

 さて問題点となるところは「黄河を遡り洛陽へ」というところです。すでに大河とはいえ比較的浅い河川で喫水(船底から水面の距離)の深い西洋帆船とか無理があるだろjk、ということになりかねませんがそこは置いときます。

 中学高校で世界史、もしくは地理の時間に学んだ方も多いかもしれませんが、黄河は非常に氾濫しやすい河だそうで2年に1回の割合で大規模な洪水が起こったり、ひどいときには河の流れが変わるほどの大氾濫になってました。

 またチベットの方から土砂を運んできて河口付近の黄海、渤海のあたりは水深が低くなっているため座礁の危険性が大きく、大型船の航行にはむかない、というかほとんど無理だったようです。

 三国時代から400年後ぐらいの隋の時代になり、有名な大運河ができてようやっと大型船での交易が可能になりました。Wikipediaで見てもらえばわかりやすいと思いますが、だいたい濮陽あたりから北京までの約800kmを掘って作った永済渠という運河です。

 地図だけ見れば黄河があるんだからそっち使えばええやん、と思ってましたがわざわざそんな大工事をしなければならないほど黄河、特に河口部は船での航行にはむかなかったようです。
 1800年後の現代の話ですが、ある記事に漁船ぐらいの船で渤海から黄河を遡ろうとしたら底がめっちゃガリガリいってビビった。とありました。


 んじゃあどう落とし前つけんねん?という話ですが

・言い訳その①:後漢の初めの方で治水工事がめっちゃ頑張ってた
・言い訳その②:西からの遊牧民族の拡大で牧草地帯が増えたため土砂が流れにくかった
ということにしたいと思います。

 ①については、治水策として華北の平野部から当時最も低く、なおかつ渤海へ最短距離で到達する河を選び、勾配をつけ土砂を押し流しやすくすることと、河北平野への分流を設け黄河の勢いをそぐことが行われました。このおかげで以後800年間は大氾濫がなかったようです。

 ②についてはそのまんまで、非常に分かりにくいですが黄河の流れは ~凡~ のような形になっていて、後漢の末期には 凡 の右上あたりまで匈奴、鮮卑の支配下でした。ちなみに洛陽は右の ~ の左端ぐらいです。
 その広い牧草地帯のおかげで流れる土砂が減り、多少は船が通りやすかったんじゃないかなぁ~と考えました。

 まぁ結局は主人公の分身と白眼もどきの技能札&チート性能頼りなんですがねぇ・・・


 あと太閤立志伝は知ってるけど大航海時代はやったことがない方もいらっしゃると思います。という自分もPSP版4しかやったことないんですが・・・
 まぁ交易やったり宝探ししたり、商売敵とエクストリーム外交したりと古き良きKOEIのゲームとなっております。

 んで大航海時代4の要素は主に帆船関連についてです。史実では19世紀半ば、紅茶の輸送のため上海からマラッカ海峡、インド洋、喜望峰を経てロンドンへと向かう約25000kmの航路を100~110日で航海したという記録が残っており、その船の最大巡航速度は14。5ノットで現代のタンカーと同じぐらいの速さでした。

 あんま早くなくね?と思いがちですがそれまでの船が1~2年かけていたものを3か月とちょいまで縮めたのはマジで画期的。

 それとほぼ同じ航路を積み荷なし+食料マシマシ+船員能力ほぼMAXのデータで航海すると無寄港で上海からロンドンまで風向きもありますが約50日でつきました。まぁゲームですしおすし・・・

 これを一日14時間操船したとして速度に直すと約20ノット、貨物船と同じくらいの速さになる。んでうちの主人公は船上サバイバルブートキャンプ2年コース温泉付きをやったという設定になっております。
 よって季節風の利用できる夏と冬に限り、ほぼ能力カンスト+分身+睡眠不要-他の船員の疲労=だいたい12ノットぐらい出せると仮定してます(それでも大概だが・・・)
ちなみに普通のガレオン船は3。5ノットぐらいだそうです。

 距離についてですが、襄陽~洛陽だとスペシャルアバウトな計算で、襄陽から長江河口まで約1000km・長江河口から黄河河口まで同じく約1000km・黄河河口から洛陽まで約800kmの計2800kmを航海します。

 ちなみ襄陽から洛陽まで直線距離だと金沢~名古屋と同じぐらいらしいです。太閤立志伝5の場合、名馬(移動速度UP)+操船術秘伝(海上移動速度2倍)+早駆け(山間部移動速度UP)のマシマシで行く1日以内に着けます。こりゃひでぇ、まぁ函館から鹿児島まで6日ジャストだったんですけどね・・・
 普通だとどのくらいかかるのかはちょっとよくわからないです。

 あと現在の船はやや大き目なガレオン船といったところで積載量は最大で300t、リアルな兵糧に換算すると5000人が1月食える分になる。確かそんな計算になったはず・・・

 今んところの設定は以上です。
いや~こういう細かな設定考えるのって楽しいっすわ。本編は進まないけんども・・・

これからもぼちぼちやっていこうと思ってます。

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