作者からの注意点
基本誤字脱字等はあると思って読んで下さい。
思い付きで書き始めたので不定期更新です。
それでもよろしい方は、気を付けて読んで下さい。
『ようこそ死後の世界へ。あなたはつい先ほど、不幸にも亡くなりました。短い人生でしたが、あなたの人生は終わってしまったのです。』
真っ白な空間の中、俺は唐突にそんな事を告げられた。
「…え?」
唐突の事で何がなんだか分からなかった。
目の前には羽の生えた一人の女性が俺の前に立っていた。
その女性は状況が掴めず固まったままの俺をじっと見ていた。
俺は、先ほどまでの記憶を思い出す事にした。
……俺は確か、仕事が終わって自宅に帰る途中だった。今日はバイト先の仕事が早く終わったため特にやる事がなかった俺は、久々に残業無しで帰ることにした。ほぼ毎日残業があるため、珍しいとは思っていたのだが…
俺は自転車に乗り自宅に帰る途中だった。いつもと同じ道を通り、いつもと同じように信号機に引っかかり信号待ちをしていた辺りまでは覚えているのだが、その先が思い出せない。
だが目の前にいる女性は、『不幸にも亡くなりました』と言っていた。つまり俺はあの後何かが起こり死んだ事になる。何が起こったのか何となく予想できるが、俺が答えるより先に答えが返ってきた。
「波風海斗様、あなたはあの後トラックに跳ねられそのまま亡くなりました。突然の事でしたので、おそらく記憶が無いと思います。」
悲しそうに答えてくれたその答えに俺は納得した。さすがにトラックVS自転車で勝てる筈がない。
俺が疑問の答えに納得している姿に女性は少し驚いていた。
「あなたはどうしてそんなに冷静で居られるのですか?」
「はい?」
「大抵の人は「俺を殺したのは何処の誰だ」とか「なんで俺が死なないといけないんだ」と動揺していましたが、あなたはどうして平気でいられるんですか?」
「まあ、色々あったんですよ。色々と…」
そう色々あったのだ。たった30年の人生だったが、死んでしまった今ではただの思い出でしかない。
俺の答えに納得したのか、それ以上の質問はなかった。どうやら納得してくれたようだ、俺としてもあまり思い出したくない事も多々あるので良かった。
「……さて、初めまして波風海斗様。私は日本において、あなたのように死んでしまった人間を導く天使です。あなたには二つの選択肢があります。一つは人間として生まれ変わり、新たな人生を歩むか。そしてもう一つは、天国的な所でお爺ちゃんみたいな暮らしをするか。」
「あの、天国的な所で暮すってのはどういう意味ですか?」
俺は目の前の天使に質問してみた。要約すると、なにも無い所で一日中ひなたぼっこするだけの場所らしい。
ちなみに生まれ変わるようなら現在の記憶は消されて真っ白な状態で生まれ変わるらしい。
「じゃあ、生まれ変わる方でお願いします。」
この選択肢の中で選ぶ必要など無いだろう。もし記憶を持っていけると言われても正直持っていきたくない、正直凄く助かった。マジ助かった。
「分かりました。では波風海斗様、あなたを転生させます、足元の魔法陣から出ないでください。」
俺の足元に巨大な魔法陣が浮かび上がり、俺の全身を光が包みこんだ。
光の中で俺は次の人生の事を考えてしまった。記憶を持っていけないのだから意味がないのだが、それでも考えてしまうくらい辛い人生だったのだ…
「それでは波風海斗様、次のあなたの人生が良いものでありま『その転生ちょ~とまったー‼』」
突然の事で、本日二度目の放心状態になった。先ほどまで足元にあった魔法陣はガラスを砕いた様にバラバラになり跡形もなく消えていた。一体何が起きたのか、俺は目の前にいる天使に聞こうと思ったのだが…
「……」
どうやら何が起きたのか分からないようだ、俺の事など見えていないのであろう先ほどまでのクールな姿など微塵もなくオロオロと落ち着きがなくなっていた。
「あの~今何が起きたんですか?」
「えっと、わ、私も何がお、起きたのかさっぱりでしてその…ただ、今の声はおそらく…」
いまだ落ち着かない様子だが、そんな事関係無いくらいの空気ぶち壊しの声が響いた。
「ぐはははは、わしは天使長。そう、わしこそそこの天使ちゃんたちを束ねる長…天使長である‼」
「「……」」
えっ?誰?天使長?誰それおいしいの?しかもなんで二回言ったのこいつ?
突然の声に動揺したせいか、それともこの今にも殴りたくなるような声のせいか分からないが俺の思考が完全に追いつかなくなってしまった。そもそも何処から喋っているんだよこの天使長?て奴は。
「んん?ああなるほど、わしの登場に感動しているのだな!なかなか殊勝な人間だな。はははははっ」
勝手に勘違いしてるし、それと何故か目の前にいる天使さん頭抱えているんですけど…大丈夫かよこの世界。
「まあ、そう畏まる必要は無いぞ人間。お前はわしが呼んだのだ、それを勝手に転生させようとは…全く困った奴だ。おいお前、どういうつもりだ!」
「申し訳ありませ…っえ?今なんて言いましたか。」
「この人間はわしが呼んだのだ。それを勝手に「「ええええええええええええええええええええっ!?」」」
「何やってるんですか天使長様!それじゃあこの人が死んだのってまさか…」
「うむ!わしがこの人間の運命をちょっといじってな、ここに来てもらった訳だ。まあ、勝手に運命をいじるには色々まずいんじゃが…その辺は適当に誤魔化すからどうとでもなるだろ。とにかく人間、貴様にはやってもらいたいことがある。それが終わったら願いの一つでも叶えてやるから黙って聞いとれ。」
「……」
どうやらこの天使長?に俺の人生はぶち壊されたようだ…どうしよう、こいつ殴りたい。
「なかなか殊勝な人間だな、流石『適合者』だけはあるな。では、本題だが貴様にはある世界に行ってもらい、そこにいる女神を連れて帰る事だ。簡単じゃろ、『女神を連れて帰るだけの簡単な仕事』だ。」
「…あの質問いいですか?」
「何だ人間、これだけ簡単な話すら理解できんのか?まあ良い、質問を許す。」
なんか癪に障るが、今は我慢だ。
「その女神様と連れて帰ると言いましたが、その世界で何が起きているんですか?」
「なに、ただ魔王が暴れとるだけじゃよ。それをそこらの人間に退治してもらおうと送ってたんだが…それをあの人間がわしの酒仲間を勝手に連れて行きやがったんじゃ!」
…ん?
「そこで貴様にはその女神と一緒に魔王を倒して連れて帰って来るだけだ、簡単だろ?」
何となく理解した、理解したくないけど理解してしまった。つまりこの天使長?は連れて行かれた酒仲間を連れてくるためだけに俺を殺したのか…殴っていいですか、まじ殴らせて。
「全くなぜアクアを連れて行ったんだあのガキ。連れて行くならあのまな板娘にすれば良いものを・・・」
今度は愚痴り始めましたよこの天使長?所でまな板娘って誰?
「アクアは酒をチョロッとやれば着いてくるのに、あのパット娘は頭が固くていかんな。今度我輩自ら指導してやらんと。しかし、あの胸はダメだな。やはり胸はもっとこう…」
どうやらこの変態天使長は胸にこだわりがあるようだ。俺たち二人が居るにもかかわらず、あれからずっと愚痴ってますよこの変態。
「えーと、そろそろ詳しい話を・・・」
俺は隣にいた天使に助けを求めたが、駄目だった。何がだって、目が死んでいた。いや、あれはゴミを見るようなそんな目をしていた。
そして、何処からか取り出したマイクを使い
「エリス様、エリス様、至急天使長様の所へお願いします。繰り返します、至急お願いします‼」
どういう仕組みか知らないが、この広い空間を木霊する様にそのエリスコールが響いていた。
そして…
「やはり胸は大きい方か…ん?ちょっと何だエリス?いきなり入って来てどうしたんじゃ?あー、はいはい、わっかたからそう暴れるでない。そんなに暴れると自慢のパットが落ち…
ブヒーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…」
ブツン!
「いったい何が起きたんだ…」
俺は再び隣にいる天使を見ると、その天使はスゲー笑顔だった。まるで何か吹っ切れたような、すがすがしい笑顔だった。理由は…何となく判る、
ホント大丈夫かよこの世界。
「本当に申し訳ありません、波風様。今回はあの豚がご迷惑をお掛けしました。」
そう言うと頭を深く下げ謝罪してくれた。あれ、今豚って言ったよねこの天使。
「本来ならこのような事は出来ないのですが、どうやらあの豚が色々根回しをしたようでして…私ではどうする事も出来ません。誠に申し訳無いのですが、波風様には異世界に行ってもらい魔王討伐をお願いします。」
「無理です。」
「否定は出来ません、先ほどの魔法陣が砕けたのはあなたが異世界に行く事が決定事項の影響だと思われます。他に選択権は無いと思ってください。」
マジですか、てかあの天使長もう豚扱いされてるよ。どれだけ嫌われているんだ。
「でも、俺どうやって魔王を倒すのさ?今のまま行ったら即死だよ、あっという間にゲームオーバーだよ?」
「はい、その通りです。本当は嫌ですがあのゴミが用意した特典を使いますので仕方なく従ってください。」
そう言うと何やら巻物やら手紙やらビンなど出てきた。ついにゴミまで落ちたかあの天使長…
巻物を広げ中を確認したらしく、俺にドリンク剤のようなビンを渡してきた。
「何も言わず飲んで下さい。」
「……」
ラベルを見ると明らかにやばいマークが描かれている。
「……」
「飲んで下さい。」
もう一度確認したが、間違いではなかった。
「……」
「……」
もう後には引けないのだろう、次彼女の顔を見たら直接ビンを口の中に入れる雰囲気だった。いったい巻物に何書かれていたんだよ。あのゴミ野郎覚えていろよ…
俺は覚悟を決め、この訳の分からない物を一気に流し込ん……
俺の意識は突然途切れた。
そういえばこの先の事何も聞いてないけど大丈夫なのか俺?
最後まで読んで頂きありがとうございます。
次回更新はまだ決まっていませんが、なるべく早く頑張ってみます。