今回はダクネスが登場です。
基本誤字脱字等はあると思いますので、気を付けて読んで下さい。
現在俺達はジャイアント・トードの討伐を終え、アクセルの街に戻ってくることができた。時刻は既に夕方、人通りが少なくなってはいるが、通り過ぎる周りの人の視線がイタイ。
「うっ…うぐっ…。ぐすっ…。生臭いよう…。生臭いよう…」
「カエルの中って、臭いけどいい感じに温かいんですね…」
「知りたくもない、そんな知識…」
「…早く風呂に入りたい…」
和真以外全身粘液まみれ、アクアに至っては泣きながら付いて来ている。めぐみんは魔力を使い尽くした為、俺の背中におぶさっている。
ちなみに和真に頼んだ所、「生臭いから嫌だっ」と全力で否定されたので俺が背負う事になった…
「今後、爆裂魔法は緊急の時以外は禁止だな。これからは、他の魔法で頑張ってくれよ、めぐみん」
和真の言葉に、背中におぶさっためぐみんが、肩を摑む手に力を込めた。
「…使えません」
「…えっ?」「…はっ?」
俺と和真はめぐみんの言葉に、めぐみんの方を振り向いた。
「…めぐみん、今何て言ったんだ…」
「…使えないと言ったんです。私は、爆裂魔法しか使えないです。他には、一切の魔法が使えません」
「…マジか」
「…マジです」
「…ははは、参ったな…」
めぐみんの爆弾発言に三人は静まり返る。爆裂魔法しか使えないって、使い捨てのマジックアイテムと変わらないんですけど、この子正気なのかただのアホなのか…
「…えっ、爆裂魔法以外使えないってどういう事?爆裂魔法を習得できる程のスキルポイントがあるなら、他の魔法を習得していない訳がないでしょう?私なんか、まず宴会芸スキルを全部習得してから、アークプリーストの全魔法も習得したわ」
珍しくアクアがまともな事を言っているのに驚いた。確かに爆裂魔法には大量のスキルポイントを使用する、だが他の魔法にをスキルポイントを使用すれば魔法を習得する事はできる。
「…宴会芸スキルって何に使うものなんだ?」
「…確か、大道芸人が習得するスキルのはずだったけど…戦闘には全く使わないスキルだな」
何故アクアが宴会芸スキルなんてのモノを習得しているか問いただしたいいが、今の問題は背中に背負っているめぐみんだ。爆裂魔法を習得できるなら、他の魔法も習得できるだけの才能も知識もあるはずなのになぜ…
「…私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード。爆発系統の魔法が好きなんじゃないです。爆裂魔法だけが好きなのです!もちろん他のスキルを取れば楽に冒険が出来るでしょう。…でもダメなのです。私は爆裂魔法しか愛せない。たとえ一日一発が限度でも、魔法を使った後に倒れるとしても…それでも私は、爆裂魔法しか愛せない!だって、私は爆裂魔法を使うためだけに、アークウィザードの道を選んだのですから!」
「素晴らしい!素晴らしいわ!その、非効率ながらもロマンを追い求めるその姿に、私は感動したわ!」
なるほど、この魔法使い爆裂魔法しか覚える気が無いみたいだ…夢と現実の区別ができていないとか、間違いなく問題児だな…優秀なんだけど残念な子とかもったいないな~しかしそうなると、この子をこれからもパーティーに入れるかどうかが問題になってくる。アクアは入れる気満々の様だが和真どうだろうか?
「和真、この魔法使いどう思う?」
「ははっ、そんなの決まってるだろ」
先ほどまで苦い顔をしていた和真は、何かを決心したかのようにめぐみんに言った。
「まあなんだ、多分茨の道だろうけど頑張れよ。ギルドに着いたら報酬は山分けで、機会があったらまた会おう」
その言葉に、めぐみんの手に力がこもる。
「我が望みは、爆裂魔法を撃つ事のみ。何なら、無報酬でもいいと考えています。そう、アークウィザードの強力な力が今なら食費と雑費だけで…これはもう、長期契約を交わすしかないないのではないだろうか!」
「いやいやいや、その強力な力は俺達みたいな駆け出しの弱小パーティーには宝の持ち腐れだ」
「いえいえいえ、弱小でも駆け出しでも大丈夫です。私も上級職ですけど、まだレベル6ですから…」
「いやいやいや、一日一発しか使えない魔法使いとかないわ~。というか、ダンジョンにでも潜った際には、爆裂魔法なんて狭い中じゃ使えないし、いよいよ役立たずだろ」
めぐみんの必死の説得にも関わらず、その全てを跳ね除ける和真。遂にめぐみんは涙目になりながら懇願し始めた。
「もうどこのパーティーも拾ってくれないのです!荷物持ちでも何でもしますから!お願いです、私を捨てないでください!」
「いーやーだ!もうこれ以上問題児は…「なあ和真」」
流石にこれ以上は可哀想に思えて来たので、助け船を出してやろう。むしろ、ここまで頼んでいる女の子を突き放すとか…いや、それより周りの視線が滅茶苦茶イタイので早くなんとかしなくては…
「ここまで言ってくれてるし、別にいいんじゃないか。条件も悪く無いし、むしろここまで言ってくれる奴なんてそうそういないだろう…それにレベルが上がれば魔法を使っても倒れなくなるだろうし。」
俺の説得に、未だうなっている和真。背中にいるめぐみんの握る手が強くなった気がする。
「それに、俺達みたいな駆け出し冒険者に入ってくれる人なんていないだろ。多少問題があるけど、悪い奴じゃなさそうだし」
「うおいっ、私の何処に問題があると言うのですか!」
背中にいるめぐっみんが首を絞めながら文句を言っているが、誰のために説得してると思ってるんだ。ちなみに、俺が問題視しているのは爆裂魔法しか覚えない事であって、彼女の性格などの問題ではない、多分。
「あと和真、一度冷静になって周りを見てみろ」
俺の言葉に和真は周りを見回す。あれだけ叫んでいれば、通行人達が集まるし、俺達のやり取りを見てひそひそ話をしている人もいるだろう。当然今のやり取りに誤解している奴も…
「-やだ…。あの男、あの小さい子を捨てようとしている…」
「-隣には、なんか粘液まみれの女の子を連れてるわよ」
「ーあんな小さい子を弄んで捨てるなんて、とんだクズね。見て!女の子は二人ともヌルヌルよ?一体どんなプレイをしたのよあの変態」
…間違いなくあらぬ誤解を受けている。まあ事情を知らない人から見れば女の子をヌルヌルにしている変態男が、女の子を捨てようとしている様に見えるだろう。
周りを見渡した和真は、今まさに顔を青くして嫌な汗をダラダラと流している。それを見ためぐみんはこれをチャンスとみたのか、またも爆弾発言をした。
「どんなプレイでも大丈夫ですから!先程の、カエルを使ったヌルヌルプレイだって耐えてみせ」
「よーし分かった!めぐみん、これからよろしくな!それと海斗、こいつの世話はお前がみろよ、俺はあの駄女神で手一杯だからな!」
こうしてめぐみんが仲間に加わった。何故か俺が面倒を見ることになったが、めぐみんは「宜しくお願いします」だ、そうだ。年頃の女の子の考える事は理解できない…
その後俺たちは和真と別れ大衆浴場に向かった。流石にこの姿でギルドに行く事が出来ないのでクエストの確認は和真に任せて、俺たちは大衆浴場に向かったのだった。
カエルの粘液を風呂で流し終わった俺は冒険者ギルドに向かった。アクアとめぐみんはまだ大衆浴場から出て来ていないが、女性のお風呂は長いと聞くし、女の子同士積もる話もあるだろう。ここは先に戻って食事の用意をしているのが賢明だろう、何より一人残した和真と今後の事も話しておきたいと思った。主に魔王討伐の件である、どうやったら倒せるのか皆目見当がつかないからだ。正直あの女神が使えないのは痛かった。アクアが使えないのでは最早俺達に勝てる要素がないのである。
そんな事を考えながら冒険者ギルドに着いた俺は早速和真を探しいると机の上で頭を抱えている男がいた、そう和真である。
「どうした、和真」
俺の問いかけにゲンナリした顔で答えた。
「…もう日本に帰りたい…」
「なら魔王を倒さないとな。ところで、クエストの報酬はどうだった」
和真は机の上に置いた。今回の報酬はクエストの達成報酬十万エリス、カエルの引き取りが七匹、ちなみに一匹はめぐみんが吹き飛ばした為入っていないが、送料込みで三万五千エリス。前日に討伐したカエルの一万エリスを引いて机には十二万五千エリス置いてある。
「四人で分けて一人約三万ちょいか…少ないな。他に割りの良いクエストはあったか?」
俺の質問に顔を左右に振る和真、この世界で生きていくのは甘くない様だ。本当にこれからどうするか話し合おうとした時後ろから声がした。
「…すまない、ちょっといいだろうか…?」
「なんでしょう…か?」
俺達は声の主を見て絶句した。
女騎士、それもとびきり美人だった。
パッと見た感じだと、クールな印象を受ける少女。装備は白の金属鎧、間違いなくオーダメイドだろう。顔立ちは良く金髪碧眼の美少女だったので、何処かの貴族か王族の人間ではなかと思わせる程である。
和真は完全に見惚れている為、顔を赤く染め目の前に現れた美女に釘づけになっている。
「…えーと、なんでしょうか?」
代わりに答えた俺も意外と緊張していた。異世界に来て一週間はたったが、これ程の美人に会ったのは初めての事だからだ。
「うむ…。この募集は、あなたのパーティーの募集だろう?もう人の募集はしていないのだろうか」
「あー、まだ募集はしてはいるんですが…正直言ってあまりオススメはしませんよ?」
やんわり断ろうとした俺の手を、突然ガッと掴んだ。
「さっきのドロドロの女性二人はあなたの仲間だろう!いったい何があったらあんな目に!」
「あー、いえ、ジャイアント・トードに捕食されて粘液まみれに…」
「なっ…!想像以上だ!」
何だろうこの女騎士…さっきから何を言っているんだ。
「いや違う。あんな年端もいかない二人の少女があんな目にあうだなんて騎士として見過ごせない!」
この女騎士、目がやばい。しかもハアハア息が荒いんですけど…和真の方も先程のトロけた顔が、今では引きつっている。どうやらこの女騎士、アクアやめぐみんに通じる何かがあるタイプだ。和真は意を決して答えた。
「いやー、オススメしないですよ仲間の一人は何の役に立つか良く分かんないし、もう一人は一日一発しか魔法が撃てないし。そして俺たち二人は最弱職、ポンコツパーティーなんで、他の所をオススメしますよ」
「なら尚更都合が良い!いや実は、ちょっと言い辛かったのだが、私は力と耐久力には自信があるのだが不器用で…。その…、攻撃が全く当たらないのだ…」
やはり俺の勘は間違ってなかったようだ…
「という訳で、ガンガン前に出るので、盾代わりにこき使って欲しい!」
女騎士が、今度は和真の方に端整な顔をズイと寄せてくる。和真、色香に惑わされるな!思春期の男には刺激が強いかもしれないが持ち堪えろ。
「すまないが、女性が盾代わりになんて…」
「望むところだ!」
「それこそ毎回モンスターに捕食されて…」
「むしろ望むところだ‼︎」
………ああ、分かった。こいつも、性能だけでなく中身もダメな系だ。
「和真、この女騎士アウトそれともセーフ?」
「チェンジ!」
アウト三つ、妥当な判断だ。ああ、どうして俺の所にはこうも癖の強い奴が集まるのだろうか。
これでは魔王討伐所の話ではない、どうしよう…
最後まで読んで頂きありがとうございました。
正直、書いておいた小説が消えた時は投げ出しそうになりました…
今後もがんばって書いていきますが、次の投稿は未定です。