女神を連れて帰るだけの簡単なお仕事   作:白黒しぐま

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あまり進みませんでした…
誤字脱字に気を付けてください。


第七話:変化

目が覚めると木でできた屋根、そして馬小屋独特の匂いがする部屋にいた。

 

どうやら今度こそ本当に目が覚めたようだ。この世界に来て既に一週間ちょっと、最初の二、三日はこの匂いや干し草にシーツを敷いただけの所で寝るのには抵抗があったが、今は何の抵抗もなく寝ることが出来るようになった。

 

俺の場合枕が変わると寝つきが悪くなるタイプのため、部屋の環境より枕の方が重要だったりする。このまま馬小屋生活が続く場合、自分に合った枕の入手を考えている。もっとも財布の中身がまだ寂しいのでそんな贅沢は出来ないが…

 

ゆっくりと体を起こし、体を伸ばしていると隣から女の子の声がした。

 

「おはようございます、カイト。昨日は随分うなされていましたが、何か悪い夢でも見ましたか?」

 

そこにはパジャマ姿のめぐみんが、眠たそうに眼を擦りながらこちらを見ていた。

 

何故めぐみんが隣に寝ているのか、多くの人が疑問に思うだろう。答えは簡単だ、この子は自分が泊まる場所、つまり宿または馬小屋がないからだ。

俺達の所に来る前に所持金全てを使い切り、泊まっていた馬小屋も追い出されたため寝る場所がないそうだ。

 

昨日のクエストの報酬で一人馬小屋に泊まる予定だったが、既に空き家が無く、俺か和真のどちらかの部屋で一緒に寝ることになった。

 

しかし和真の方にはアクアが一緒に寝ているため、一人で寝ている俺の方に必然的に一緒に寝ることになった。本人の同意も取れているため、決して俺がめぐみんをこの部屋に連れ込んだ訳ではない。

 

「まあ、悪夢と言えば悪夢だが…。もしかしてうるさかったか?悪い…」

 

あの天使のせいで、どうやら随分迷惑をかけてしまったようだ。俺はめぐみんに頭を下げたが、彼女は顔を横に振って否定した。

 

「大丈夫ですよ、私が少し前に起きた時に気付いただけなので…むしろ寝ている私にイタズラするのではないかと警戒していたのですが、その心配がなかったので安心しました…」

 

胸に手を当ててほっとするめぐみん。俺に寝込みの女性を襲う度胸も手を出す覚悟もないためそのような事をするわけがない。何より相手はパーティメンバー、下手に手を出して今後関係をギクシャクさせるような真似は避けるべきだ。

 

「そんなに信用できないかな俺って?これでも結構真面目に生きてるつもりだけどな…」

 

「いえ、信用しているからあなたの所で寝る事にしたんです。私にも選択権くらいありますし…お、男の人と寝るのは父親以外初めての経験なので…」

 

俺も女性と寝るのは初めての経験なのでこんな時気の利いた答えが思い浮かばない。ちなみに俺は両親と一緒に寝た事がないため、めぐみんより経験不足だ。しかし何だこの空気は…

 

「…あー、俺外で顔洗ってくるよ。その間にめぐみんは先に着替えてくれないかな?ほらっ、男の俺がいると何かと着替えづらいだろ?」

 

「そっ、そうですね!では私は着替えるのでカイトは外で待って居てください。終わったら呼びに行きますので…」

 

俺はこの不思議な空気に耐え切れず、外に逃げるように出て行った。正直俺が後ろを向いている間に着替えるという選択もあったが、それはそれでめぐみんに気を使わせるのは申し訳ないため却下だ、そんなのどこかの主人公の特権だ。

しかし和真とアクアはどうしているのだろうか?今度聞いてみる事にしよう。

 

実の所、俺が一人外に出たのにはもう一つ理由がある。別にあの空気に耐え切れず逃げ出しただけでは無い…と思いたい。

 

ポケットから冒険者カードを取り出し、ステイタスを確認する。あの夢が本当なら何か変化があるはずだ、俺はカードの内容を確かめた。

 

「ジャイアント・トード3匹倒してレベルが1上昇、今のレベルが2か。確か和真は4匹倒してレベルが3上がったって言ってたな。同じ職業でも成長には個人差があるのは知っていたけど…」

 

この世界に来るまでヒキニートだった男より成長が遅いのは少し悔しいが、今気にするのはそこではない。各ステイタスを確認していく中で一か所、特に変化があった場所があった。

 

「スキルポインが20…流石に多すぎないか?」

 

各ステイタスの伸びも悪くないが、スキルポイントの増え方は明らかに異常だった。初期状態でスキルポイントがゼロの為、今回のレベルアップで一気に20ポイント入った事になる。

流石に初回特典やボーナスだったとしてもこれは多すぎる…。こんな直ぐにポイントが貯まれば誰もが上級魔法も爆裂魔法も覚えたい放題なのだから、これはおかしい伸び方だ。原因はやはり…

 

「…魔神族の血…か」

 

あの天使が与えた特典、加護か呪いか分からないが既に影響は出ているようで間違いないようだ。

正直誰かに相談したり、対策を考えたりしたい所だが…その手の話が出来ないようされているため、一人で何とかしなくてはならない状態だ。

今すぐ何か起こるとは思えないが、何時あの天使がやらかすか分からない以上早めに対策は取っておきたい。

 

一人考え事をしている間に、着替え終わっためぐみんが外に出て来た。女性は支度に時間が掛かると思ったが、予想以上に早かった。

 

「着替え終わりましたよカイトって、どうしたんですかそんな所に立って?何を見ていたんですか?」

 

ひょいっと後ろから俺の冒険者カードをのぞき込む。俺はすかさずカードをポケットにしまうが、めぐみんは不敵に笑う。やばい、中身を見られたようだ。

 

「なるほど、昨日の戦いであんなに苦労してカエルを倒したのに、レベルが二しか上がっていない事に悩んでいたんですね。大丈夫ですよ、冒険者はレベルが上がりやすい職業ですし、成長には個人差がありますから気にしなくても大丈夫ですよ」

 

そう言って笑顔で慰めてくれるめぐみん。どうやらレベルは見られたようだが、肝心のスキルポインは見えなかったようだ。

 

別に隠すようなことではないが、彼女のように才能と努力で頑張っている人にとって、俺のようなチート人間はずるい人間なのだろう。この事は隠すべきか悩んだが、めぐみんに隠し事はしたくない。これは罪悪感の問題では無くではなく、俺自身の経験から彼女に嘘をつく事は今後間違いなく問題になると感じたからだ。

 

「実はスキルポイントについて考えていたんだが、レベルが上がった時にポイントが増えたんだが…」

 

俺は冒険者カードをめぐみんに見せた。それを見ためぐみんは思った通り驚いていた。やはりこの増え方は異常なのだろう、しばらくだまっていためぐみんがポツリと喋りだした。

 

「…レベル2で20ポイント、確かにすごいですが別に変ではないですよ、才能がある人は最初からポイントが入っている人もいますし。それよりどうですか、このままポイントを貯めて共に爆裂道を歩むというのは!」

 

ズイっと顔を近づけるめぐみん、どうやら俺の心配は奇遇だったようだ。考えてみればアクアの場合、アークプリーストになった時に全部の魔法を覚えたと言っていた、つまりスキルポイントは初めからかなり持っていた事になる。

そう考えると俺の増え方は対して異常ではないように思えて来た、まあ女神相手だけど…

 

「爆裂魔法についてはまた今度な。それよりも今は現実的なスキルが欲しいんだけど…」

 

「そうですか…爆裂魔法にはかなりのポイントが必要ですから貯めるなら早めに貯めて下さいね」

 

残念そうにするめぐみん、爆裂魔法の理解者が少ないせいだろうか。実際爆裂魔法を習得するなら百ポイントは覚悟した方がいいだろう、それこそ人生のすべてを捧げる覚悟がないと出来ない芸当だ、まさにめぐみんのように。

 

その後の俺達は和真とアクアの泊まっている馬小屋まで行き、今日の予定を確認しようとしたが、和真が起きてこない為午前中はフリーに行動する事になった。

 

「カイトは何か用事はありますか?私は特にありませんので、手伝う事があれはやりますよ」

 

「俺も特に有るって訳じゃあないけど、会っておきたい人ならいる」

 

「会いたい人ですか?それは誰ですか?」

 

興味深そうに聞いて来るめぐみん、別にやましい相手ではない。

 

「その人は多分今なら冒険者ギルドにいると思う」

 

俺達は冒険者ギルドに向かった。その人物は俺にこの世界について色々教えてくれた人物なのだ、困った時にはこの人に相談する事にしている。その相手とは…

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます。

時間を見つけて書いてはいますが、難しいですね…

次回の更新も未定ですので、気長にお願いします。



28.8.19 原作とレベルがずれたので修正しました。
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