ポケモンリーグ、それはセキエイ高原で三年に一度開催されるポケモントレーナー達の夢の祭典。
毎年多くのトレーナー達が殺到し、凌ぎを削り、そしてその中の一名だけが輝かしい栄光を手に入れる事が出来るのだ。
「……はぁ、予想はしてたけど、これは流石に予想以上だなぁ」
更に言うとその開催会場セキエイ高原には出場者以外にも、その観戦者も数多く詰め寄り、最早会場はすし詰め状態である。
そんな熱気漂うセキエイ高原ポケモンリーグ本会場に、少年クリアはいた。
数日前、ルギアとの激戦後傷ついたイエローと彼女の叔父ヒデノリを育て屋につれていったクリアは、他に当ても無い、そしてアサギシティジムリーダーミカンのメモも入ってたという事で育て屋老夫婦にイエロー達は半ば強引に任せた。
アサギのミカンと育て屋の老夫婦は良好な関係を築いている、という情報を数ヶ月前にミカンから聞いていたクリアだ。ここぞという時の為に脳内メモリーに取っておいた情報を今こそ活用したのである。
だが老夫婦、特に御婆さんの方は凄く文句を言いたげに――というかクリアに滅茶苦茶文句を言って来て、
『だったら、この二人の介抱をしてやるから育て屋の仕事を手伝わんかーっ!』
と此方もクリアに負けず劣らず半ば強引にクリアに育て屋の仕事を強要。
その仕事とは少し前にゴールドという少年もやった事のある、育て屋で預かっているポケモン達との戦闘訓練――だったのだが、
『なぁおば……じゃなくてお姉さん、もう終わっちまったんだけど?』
『なん……じゃと…!?』
そこは七つのバッジを持つクリアである、御婆さんが用意した育て屋のポケモン達をその圧倒的な力であっという間に伸してしまい、手持ち無沙汰になった所で"とある情報"がコガネの市街を歩く彼の耳に入って来たのである。
『という訳で、今年度のポケモンリーグでは何とジョウト対カントー、それぞれの地方によるジムリーダー対抗戦が……』
コガネラジオ塔前でそんな情報を聞いて、それからすぐにクリアは行動に移した。
育て屋老夫婦に礼を言って、ついでにミカンの戦いの撮影係も任されて、彼はこの場にやって来たのである。
「いけ! ペルシアン"だましうち"!」
「なにを! "さいみんじゅつ"だゴースト!」
「……やってるねぇ」
会場入り口付近、彼の周囲ではウォーミングアップがてらのポケモンバトルする組が複数存在している。
恐らく、というか十中八九大会参加者のトレーナー達だろう、予選へ向けての景気づけという意味合いもきっとこのバトルには込められてるはずだ。
――というのもポケモンリーグは数多くのトレーナー達でいくつかのブロックに別れた予選ブロックを制した一名ずつで本戦トーナメントをやって、その勝者がその年のリーグ優勝者となるシステムとなっていた。
更に言うと今年度はこれに加えて新たに、バッジを八つ持つ者は無条件に本戦出場権を得られる、なんてルールが追加されたのだが、
「まぁ流石に厳しいよなぁ、カントーもしくはジョウトの八人のジムリーダー全員に認められるなんて」
――と、七つのジョウトバッジを持つクリアは呟く。ちなみに悔しそうに。
もしこの情報をもう少し早く知っていれば、彼は一度チョウジに戻る事も考えていたかもしれない。
育て屋にお世話になってた時はイエローや中年親父の看病、育て屋の仕事としてのバトル、と仕事が無くなるまではやる事もあって、イエローの事も心配でそこにいたのだが、同時に長らくチョウジに帰っていない事も少しだけ気にかけていた。
(一週間で戻るつって大分経つからなぁ、師匠心配してないといいけど)
まさしく"どの口が言うか!"である。散々彼が看病してた、黄色い少女に心配かけてた男の台詞とは思えない。
クリア自身、七つのバッジを持ってリーグ本戦出場権までは後一歩の距離、という所まで来ているのだから、最後に足掻いてみるのも手では無いか、と考えない事も無かったのだ。
予選から出るつもりは無いが、本戦ともなれば話は別だ。
何より魅力的なのはその戦う数の少なさ、それによって得られる称号、一考してみるのも当然である。
――ちなみに予選から出る事も一応はクリアも考えてみたのだが、受付で申し込みを事前に出しておかないと駄目だと言われ、なら良いかと却下されたのである。
「まぁ別にいいけどさ、俺は今回は観戦だけでも十分だし」
何と言っても東西ジムリーダー達によるマッチ戦なのだ。
それは彼がこれまで戦ったジョウトジムリーダー達は勿論として、偶々出合って別れの挨拶も無しに別れたマチス、一年前に出会ったエリカやカスミ、タケシにカツラといった面々のバトルが見られるのだ。
それは一般トレーナーのそれとは比べ物にならない迫力だろうし、何より見るだけでも強くなれる――気がする。
そして一番の理由は、
「さぁってと、師匠はどこかなーっと!」
彼が師と仰ぐ人物の本気のバトルを久々にその目で見られる為であった。
「おまたせしました」
ポケモンリーグ本会場、天上の照明が消え、満員の観客席に座る人々が注目するバトルフィールドの真ん中に、ポケモンリーグ理事が開催の宣言をする為現れ立つ。
「三年に一度、全国ポケモントレーナー達の夢の祭典……セキエイ高原ポケモンリーグの開催です!!」
宣言された瞬間、会場は大歓声に包まれた。
温度が高まり、熱気で今にも汗が噴出しそうな程である、だがしかし会場の人々の高鳴る胸の鼓動はそれ以上だ。
選手も観客も、これから始まる熱く長い戦いに皆、期待に胸を膨らませているのである。
『第十回を数える今大会には、カントージョウトから約七百名のトレーナーが予選にエントリーされ、たった一つのチャンピオンの椅子を巡って戦いが繰り広げられます!』
湧き上がる会場に女性司会者の声が響き渡った。
司会の女性はコガネラジオでも御馴染みのアイドルクルミ、しかも今回の大会の模様は四時間スペシャルでラジオ生放送もされるらしい。
そしてこの紹介で更にヒートアップする会場内、そしてそれ以上に盛り上がるのは会場外もだ。
もう満員の為会場に入れなかった者や、そもそも会場まで足を運べなかった者まで、そんな人達でもリアルタイムで大会の進行が聞けるのである、盛り上がらないはずが無い。
『このポケモンリーグの中の過去の歴史の中で優勝者は常にカントーマサラのトレーナーだそうです。果たして、この記録が今回も更新なるのかそれとも破られるのか!?』
熱狂する会場内にクルミの解説が響き、そして出番は理事へと移る。
「それではセレモニー第一弾……」
マイクに持つ手に力を込めて、堂々とした態度で理事は叫ぶ。
「前回優勝者マサラタウン出身、レッド選手の入場です!」
片腕広げて入場ゲートに視線を移す理事。
だがそこで彼は気づいた、今のレッドの状況に、彼は今療養中の為大会セレモニーには参加出来ないとオーキド博士から言われた事を。
今更ながら思い出す――がそれでも広げた片腕は宙に投げ出されたままだ、凄く良い格好で"今からレッドが出てくるよ期待大だよ"的な感じに場は温められてしまっている。
――さて次にどう言おうか、そう理事が思案した時、入場ゲートの方から足音が聞こえた。
コツ、コツ、とゆっくりとした足取りで一人の少年が歩いてくる――が、それはレッドでは無い、前述の通りレッドは療養中だ。
さっきまでの熱狂が嘘の様な、静まり返った会場内にそうして一人の少年が現れた。
「あのうすいません、ジムリーダー控え室ってここであってます?」
あまりにも場違いに、空気を読まず、全国的にも絶賛無名の実力派トレーナークリアの登場に、会場は混沌の渦に包まれる。
さてこれはどうしたものか、まずクリアはそう考えた。
ひとまず大会が始まる前にヤナギに会って挨拶しておかないと、そう考えた彼はリーグ警備員の眼を掻い潜りながら会場内に潜入、ここまで罪の意識無し。
そしてゲスト参加のジムリーダー達ならば当然、控え室位あってもいいだろうという考えで彼はそれを探し歩いていたのだが、気づくとその場所に立っていたのだ。
――ポケモンリーグセキエイ高原本会場の大舞台に、ジムバッジ八つ集める事無く、予選突破等せず、そもそも選手として出場登録すらしていない。
理事等の特別関係者を除いてこの大舞台に、絶賛開催中の神聖なポケモンリーグメイン会場に、何の権限も持たない者が立つなんて前代未聞だ。
過去出場者達が聞いたら本気で怒り出しそうな所業を無意識の内にやってのけたクリアは、周囲の様子をまず確認、そしてそこが"控え室"なんて裏方の場所とは程遠い場所だと瞬時に理解して。
「……あ、すいません間違えましたー」
「ま、間違えましただとぉ!?」
即座に振り返り、脱走――しようとしたが失敗に終わったらしい。
彼の首根っこを頭が少しだけ寂しい理事に掴まれ、クリアの眼前に最早怒り心頭の理事の顔が度アップで迫る。
「君! な、なんて事をしてくれたんだ一体!」
「……なんという事でしょう、レッド選手がまさかのビフォーアフター」
「ビフォ……き、君がレッド君の訳無いだろう!?」
「でもさっきレッド選手入場って……」
「私の間違いだ! というか君は一体こんな所で何をしてるのかね!?」
「何……何って言われてもちょっと師匠探してたって事位しか言えないっすね、そんな事よりいいんです? 何か会場凄い白けてますけど?」
「全部君の所為じゃないかぁぁっー!!」
少しだけ悪戯心を垣間見せるも、どうやら理事のお気には召さなかった様だ。
静まり返る会場に、理事の怒号だけが響き渡る、クリアは五月蝿そうに顔を逸らす。
「クルミちゃん」
「……分かってます、ディレクターが何言いたいか大体分かってます……」
「うむ、ではサポートは任せたぞ」
「は、はい、でも良いのでしょうか?」
「大丈夫だ、私が責任を持つ!」
怒号だけが響き渡る会場内で、クリアと理事の光景を見た
「とりあえず警備員を呼ぼう」
「おやっさんそれだけは勘弁っ!」
「逃げるんじゃない!」
流石にクリアもそろそろ真面目に逃げようとする、が一向に理事が手を離してくれなかった。
そもそも彼はこの場に、一般の観客として来たはずだ、きっと今の彼の心境は"どうしてこうなった!?"である、まぁ自業自得だが。
だが彼にも使命がある、育て屋の老夫婦から任されたミッションが、一度引き受けた以上はやり遂げるのがプロというもの。
――実際には使命を果たせなかった際の御婆さんの仕打ちが恐ろしいだけなのは内緒だ。
(どうしよう、やりたく無いけどここはポケモン使って……ってそれじゃあガチで犯罪者っぽく……)
『それではここで予定を変更してスペシャルサプライズ企画!』
「……む?」
四人の警備員がクリアに近づく中、会場にクルミとはまた違う男性司会者の声が響く。
コガネラジオのディレクターだ、突然の司会の再会、それもそんな企画は理事の耳には入っていない情報。
当然理事は怪訝な顔で放送席へと目をやるが、そこには瞳に情熱という名の炎を燃やしたディレクターの男性と、必死に顔の前で両手を合わせたクルミの姿が見えた。
『突然出てきた謎の少年、だがその実態は我がコガネラジオ屈指の名スペシャルゲスト!』
「なんだよ名スペシャルゲストって」
クリアのそんなツッコミは虚しく虚空へと消える。
『彼が出演した二回のラジオは過去最高聴取率を同時更新した程の言わばラジオ界の伝説ともなった少年!』
「初耳だけどなそんな情報」
またもやのクリアの呟きもやはり放送室までは届かない。
『そしてそして、さらにはそのバトルの実力はあのコガネジムジムリーダーで当ラジオでも御馴染みのアカネちゃんを凌ぐと言われ……』
「というか他六人にも勝ってるんだけどね実は」
そう言って彼が集めたバッジをジャラリと音立てて掌に乗せて見せる。
計七つのバッジが彼の手の上で光り、今度こそ放送室で叫ぶディレクターは声を失う。
勿論彼の首根っこを掴む理事もだ、まさかジョウトジムバッジを七つも集めた者がいるとは思わなかったのだろう。
そしてそれは会場も同じ、バッジを三つ四つまでなら集められる者もいたのだろうが、流石に七つも集めた者はその会場に誰もいなかったのである。
『……こ、これは驚いたぁ! まさかこの少年が七つもバッジを集めていたなんて我々の想定外だ! これなら実力的にも申し分無いだろう!』
「だから一体何やらせるつもりなんだよ……」
もういい加減飽きたよ、そうクリアが呟くのを理事は聞いて。
『ではこれより、
「なっ! わ、私はそんな事聞いていないぞ!?」
『そのはずです! 今私が決めました!』
「!?」
その独断と行動力にはポケモン協会理事も驚きと呆れの両方で言葉を失う。
そしてその隙に、あまりの驚きで手の力が緩んだのを見てクリアは理事の手元から抜け出す、が理事は最早そんな事気にしていない。
「……ふ、ふふふ、いいでしょう! そういう事ならそこの少年の力、とくと見せて貰いましょう! 警備員の方々!」
「い、いいんですか理事!?」
「構いません!そのかわり"本気"でかかりなさい!」
「……分かりました」
マスメディアとしての仕事魂に火がついてしまった
さらにただ見ていても、ここまでリーグを滅茶苦茶にした
ならばいっその事、ディレクターの企画に乗ってやろうと、もう自棄だと、そう決断してちょっとだけ泣き目になりながら理事は警備員にそう指示を出す。
「そういう事なら、ウインディ!」
「仕方無いですね、クロバット!」
「やれやれ、カモネギ!」
「大人しく捕まるのです、ウツボット!」
理事の指示を受け、クリアを囲む様に四方を陣取った警備員の四人。
四人はそれぞれの手持ちポケモン達を出し、そして一斉にクリアへと襲い掛かる。
「行け! "しんそく"のウインディ!」
「抵抗は無駄ですよ、"どくばり"ですクロバット」
「さっき捕まえたばかりの奴だがこいつは中々の、"つばさでうつ"だカモネギ!」
「ウツボットは"つるのムチ"なのです!」
前方からはウインディが、右方からはクロバットが、左方からはカモネギが、後方からはウツボットが、それぞれの持ち技でクリアを襲って、
「ったく……」
そう彼が呟いた瞬間、彼の立つ場所に一斉に技が直撃した。
「やったか!?」
理事が叫び、煙が上がる。
四方からの一斉攻撃だ、一匹だけを迎撃してる様じゃ他三体にやられる様な攻撃手段、だがポケモン四匹を出して指示を与えている暇等先の攻撃の間には無かった。
だからといって回避手段等ほぼ不可能――そう、ほぼ――、
「……行け、お前達!」
"真上"以外に、ありはしないのだ。
「こっちも一斉攻撃だ!」
そして上空からクリアは彼の持ちポケモン達と一緒に落ちてくる。
先の一撃で完全に"やれた"と思っていたのであろう、というより真上へと移動したクリアの姿が、その高速に急上昇する姿が警備員達と理事には見えていなかったのがそもそもの敗因だろう。
彼の手持ちポケモン――"でんきだま"を持ったPの電撃が、傷だらけの勲章を持つレヴィの水流が、黒い火竜のエースの火炎が、そしてVの"めざめるパワー"がそれぞれ弱点となるポケモン達にヒットして、
『……き、決まったーっ! 一撃! 一瞬! 一対四という圧倒的ハンデを覆す高速戦闘術! これが七つのジムを制したクリアの実力なのか!?』
「つーか速攻しか無いでしょ、今の場合は」
さも当たり前の様にクリアは言うが、果たしてそれを実行出来る者はこの場に何人いるのだろうか。
突如始まったバトルに臆する事無く臨み、四方を囲まれ退路を阻まれた状況での一斉攻撃に自棄にならずに対処する事が出来、対戦相手の目にも止まらぬ速さで飛び上がって、相手の体力を一気に奪う大技を確実に急所に当てなければいけないのだ。
理解しても、実行出来るとは限らない、そこには確かに彼の強さの証明があった。
単身ジョウトへと渡り、各地のジムで七つのバッジを手にし、そして伝説のポケモンとも渡り合えるだけの強さ。
今のバトルは、この場において彼以外に出来る者等、そうはいないのである。
唯一の例外と言えば、可能性があるのは既に会場している新ポケモン図鑑所有者であるゴールドやクリスぐらいか。
だがそれでも、その実力を会場が認めるかは別問題だろう。
クリアのバトル後も、辺りは今だ静けさを保っている、その様子に決定を下した理事は目に見えて焦り、発案したディレクターも内心焦り、クリアはいつも通りだ。
「……よかったぜ」
誰かが言った。
そしてそれはまるで伝染する様に大きく広がっていく。
「うおぉぉぉぉぉ! やるじゃねぇか小僧!」
「凄ぇもん見せやがってこの野郎ぉ!」
「死ねークリアー!」
「アキヒトさん煽らないでください!」
彼の実力を認め、絶賛する声が辺りに広がっていく。
中には不満を訴える声もあるにはあるのだが、その声もクリアを賞賛する声に掻き消されていく。
――そもそも、ここに集まるのはバトルが大好きな、ポケモンが大好きな人達ばかりなのだ。
そんな人々が、流れる様にレベルが高い警備員のポケモン達を瞬殺する様を、先のバトルを見せられて興奮しない訳が無い。
更に言うとレッドが来れない不満が、先程のクリアのバトルをより面白く見せていたのだ。
何も無いよりは有る方がマシ――それも代わりとなったセレモニーで一定レベル以上の戦いが見れたのだ、そこに満足した者も多かったのである。
『えー、それでは興奮冷めぬバトルの後ですが、この熱気を残したままセレモニー第二弾へと移らせて貰います!』
歓声沸きあがる会場内にクルミの声が響き、クリアがその声の主に気づいた瞬間。
彼と理事の傍、メイン闘技場が真ん中から二つへと別れていきそして、
『本大会の目玉、果たして一体どんな戦いを見せてくれるのでしょうか!……カントー対ジョウトのエキシビジョンマッチ、ジムリーダー対抗戦です!』
クルミの言葉を切欠にして、別れた闘技場の真ん中、敷かれたレーンの上に驚く程の速さで一つの列車が到着した。
それはカントーとジョウトを繋ぐ新しい足として大会後より活用される予定の、リニアモーターシステム。
磁力で走る次世代の技術、それを今大会、ジムリーダー達を運ぶというたったそれだけの為に今回初投入、お披露目されたのである。
「お、お待たせしました! 急遽セレモニー第一弾の変更というアクシデントもありましたが、無事に会場を程良い熱気が包んだ所でそろそろ本丸の登場です!」
「……なんだよ、俺は前座かよ」
「し! 今のバトルに免じて今回は見逃してあげるから黙ってなさい……コホン、ではあらためて、カントーの八人、ジョウトの八人、全ジムリーダーの登場ですっ!」
そして理事の言葉を最後のキーとして、リニアから煙が立ち篭り、その扉が開く。
それぞれのスーパーボールから、カントー、ジョウトのジムリーダー達は自身の自慢の一匹を外に出しながらリニアから足を踏み出し会場入りを果たし、
「っ、師匠!」
更に盛り上がる歓声を聞きながら彼等が見た最初の人物は、理事と共にメイン闘技場の中心に居座る人物、クリアだった。
シリアスに入ったと思った!?俺も思った!
でもギャグになりました、何やってんだよクリア…。
後作中でのクリアの持ち上げられ方が半端無い気がするけど、伝説相手に戦ったり、バッジ七つって結構凄いと思うんですよ。