無表情、無感情で行くリリカルなのは   作:yudaya89

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第15話「信仰」

「いや」

「そこをお願いします!!」

「いや」

「アウイン2尉!!」

「わたしはじむいん」

「空いた時間でいいので!!」

「どうしたの?」

「おーりす」「オーリス3佐」

「何の騒ぎですか?」

「このひとがわたしのぶかになりたいって」

「そこを是非お願いします!!」

「スットーーープ!!」

「「!!」」

「その件は一度私が預かります。アウイン2尉は特殊な条件で働いています。なので彼女には現状では部下を持てる資格はありません。それに彼女の同意も現状ありませんし。一度レジアス中将に確認してみます。よろしいですね」

「はい」

 

 

 

 

 

「と、いう訳です」

「なるほど、アウイン2尉」

「はい」

「経緯を」

「いぜんふぇいとをしどうした。そしたらしつむかんしけんにいっぱつ、ごうかく。そのうわさがひろまった」

「なるほど。アウイン2尉」

「なに」

「これを機に以前計画していた各地区に部隊を編成する計画を進展させてはどうだ?」

「たしかに。きほんてきなけいかくしょはできています」

 この計画を簡単に語るなら、日本の県にはいくつかの市がある。県自体に部隊を派遣しても全てをカバーできない。そこで県を2~4に区別する。勿論人手が掛かるシステムだが、今の管理局には問題ない。すべてはBJのおかげだ。しかしここで問題が発生する。それは無能者の存在だ。折角良いシステムを組んでも、それに無能者が組み込まれるとシステムにエラーが生じる。

 

「おおまかなしすてむはくんでいます。じんせんはだれが?」

「人選は私が」

 この人なら大丈夫だろ。

「じんせんがかんりょうしだい、けいかくをじっししていきます」

「頼んだ」

「では」

 

 

 

 

 

 

 

 4年後

 

 

「おーりす?」

「何?」

「Nちくたんとうしゃにれんらくしてください。さいきんやすみがとれていない。こちらからりんじしょくいんをはけんする。と」

「了解しました。アウイン3佐」

 

 私のシステムが実用化されてはや2年と半年。現在各都市には部隊が派遣され、犯罪発生率は大幅に減少した。人選に関してもオーリスの努力が実り、現在は不祥事などは発生していない。BJの横流しが何件か確認されたが、未然に防止出来ている。その当事者にはそれ相応の報いは受けてもらった。その功績により私はそこそこ昇進した。10歳にして3佐であれば、もうこれ以上昇進する必要はないように思う。

 

 それと契約が変更され、事務員→システム管理者→首都防衛隊システム管理者3等陸佐へ変更された。時たま開催される会議などに参加している。異様だろ?周りはおっさんだらけなのに、一人だけ10歳の女の子が居るとかw

 

 

 今日は2年間の経過報告を行うために会議室にてプレゼン中だ。

「げんざいのところ、しすてむはせいじょうにうんようできています。それにはんざいりつはもっともおおいときにくらべ67%だうんしています。ひとでぶそくはたしょうありますが、よそくはんいないにおさまっています」

「ありがとう。アウイン3佐」

「レジアス中将?」

「なんだ?」

「このシステムを運用していくのであれば、今後人手不足が懸念されます。職員の採用年齢を引き下げるのはどうでしょうか?」

「ダメだ」

「やはり、教育の面でしょうか?」

「そうだ。過去に実施した結果から最低でも15歳以上と出ている。10歳の子供に組織の仕組みを教えるより、15歳の人間に組織の意味を教える方が速い。それに未確認だが、オーバーワークの話も聞く」

「わかりました。申し訳ありません」

「いやいい。そういった意見をしっかり出せ」

「少しよろしいでしょうか?」

「八神はやて3等陸佐なんだ?」

「新たな部隊を設立したいと思います」

 

 内容は

 

 これは・・・これは愚策だろ?

 

 

 

「現在ロストロギア及びレリック関連の危険な任務を扱う部隊がありません。そこでレリックの対策と、独立性の高い少数精鋭の部隊を設立したいと考えています」

「それだけか?」

「はい。それに現在のシステムを超える災害、事件が発生した場合への対応部隊と思って頂ければ」

「ということは、現在のシステムは使えないと?」

「いえ、そういう意味では!」

「私にはそう聞こえたぞ?」

「レジアス中将の推進する計画を愚弄するとは!!」

 

 あ~あ、八神よ~。もっと言い方気をつけろよ。仕方ない。

「いいですか?」

「アウイン3佐・・・しずかに!!!」

 

「やがみ3とうりくさ?たしかにいまのしすてむにはけっかんがあります。しかしそれへのたいさくあんもすでにじっししています。せんしゅうのだいかさいにたいしてもじんそくにたいおうできています。ひとつききます。だいじけんがおこるかのうせいがあるからぶたいをせつりつしたいのか、それともだいじけんへのたいおうのためにぶたいをせつりつするのか・・・どっちでしょうか?」

「それは事件が発生する可能性があるからです」

「わかりました。れじあす?」

「ここでは中将と呼べといつも言っている」

「もうしわけありません」

「なんだ」

「ちゅうじょう。このはなしはうらがあります」

「どういう事だ?」

「じけんがはっせいする、それもいまのしすてむでたいおうできないじけんがはっせいすることをやがみ3とうりくさはどうしてしっているのでしょうか?」

「八神3等陸佐?」

「そ、それは」

「聖王教会かね?」

「!!」

「せいおうきょうかい?」

「知らないのか?」

「はい」

「先ほど八神3等陸佐が話していた危険なロストロギアやレリックの調査と保守を使命としている宗教団体の事だよ」

「なるほど、そのそしきのろすとろぎあのかんりほうほうなどにかんしては?」

「不明だ。あちらさんは、そのあたりの情報を開示しようとしない」

 

 最悪だ。ロストロギアの管理方法が分からない?おまけに情報を開示しない?今の管理局においてはロストロギアの管理方法は市民への開示はしていないが、最低限開示はしているぞ?一体何を扱い、どういう管理をしているかを知っていなければ、それこそ、大事件に発展する可能性がある。そもそも宗教団体如きに危険物を扱わすなど・・・論外だ。おまけにそこの息の掛かった人間が部隊を設立?話にならない。

 

「こんご」

「アウイン3佐?」

「こんご、このようなきけんなしゅうきょうだんたいには、ろすとろぎあのかんりはまかすことはできないとかんがえます」

「私も以前からそれは考えていた」

「そもそも「事件が発生する可能性があるから」というはつげんがありましたが、そのだんたいのかんりぶそくでだいじけんがはっせいするかのうせいもあります」

「「「確かに」」」

「やがみ3とうりくさ?」

「は・・はい」

「こんごそのだんたいへのちょうさをおこないます。よろしいですね?」

「・・・」

 

 

 

 

 この会議の次の日から聖王協会への調査が始まった。まぁ出てくる出てくる杜撰な管理方法の数々。ロストロギアの管理方法も半分以上は適当。まぁ仕方ない。管理局ですら、そんな状態だったしな。まぁあちらはレジアス中将に任せて俺はもう一つのお仕事、「古代の遺跡を分析する」を進めていく。

 

「アウインちゃん?」

「なに?」

「この部分の文字は読める?」

「よめる」

 最近遺跡の洗浄が終了した。その事で読めなかった遺跡の文字が読めるようになった。これは大きな進展だった。いや~結構頑張ったと思うよ?

 

 なになに?

「やみよ・・・おく・・もの、よるより・・・・・・もの、

 

こんとんのう・、たゆたいし、

 

・・・・なりしやみのおう、われここに・・・にねがう、われ・・・なんじにち・・、

 

われらがまえにたちふさがりし

 

・・・・・・・・・・・・、わとなんじが・・・もて、

 

ひとしく・・・・あたえんことを」

 

 

 

 

 

 

 あかん

 

 

 あかん

 

 

 これやばい。

 

 これギガ・スレイブやん・・・

 

 

 それも完全版やん。

 

 

 いやいやいや、あれ、ロード・オブ・ナイトメア降臨するやつ・・・

 

 

 あれ?聖王を信仰しているのは聖王協会だろ?この遺跡は古代ベルカの時代のものと判明している。ということは聖王の居たころにロード・オブ・ナイトメアはこの時代に降臨していた?いや、違うな。

 

 

 

ロード・オブ・ナイトメア=魔王・魔族・人間・神・世界の源が原作だ。ならば

 

 

 

あ、この世界も「ロード・オブ・ナイトメア」が作った事になる。創造主だからな・・・

 

 

という事は聖王と呼ばれていた人間があがめていたのが、ロード・オブ・ナイトメアということなる。大戦でロード・オブ・ナイトメアの資料が失われた。そして今まで創造主を崇めていたが、いつの間にか聖王を崇めるようになった。

 

 

 

 

「なるほど」

「どうしたんだい?」

「このいせきのいみがわかった」

「「「「「!!!」」」」」

「このいせきはかこにべるかのじだいに、いま、せいおうとよばれているにんげんが、あがめていた。このよを、このせかいを、このうちゅうをそうぞうしたそうぞうしゅ。そのなまえは「ロード・オブ・ナイトメア」」

 

「「「「「・・・」」」」」

「本当かい?」

「うん。いまこのいせきのないようからすいそくした。ほとんどまちがいはない」

「聖王が信仰していた宗教の遺跡。それも失われた歴史が今此処に現存している・・・」

「世紀の大発見・・・」

「我々は今奇跡的瞬間に立ち会った・・・」

「これは・・・」

 

 

 

 

 

 次の瞬間、この施設で地響きのような歓喜の声が上がった。後日結果を報告し、民間学者や専門家へ情報公開をした。勿論世界中、いや次元中で話題となった。そして恐ろしい事に全ての学者や歴史家はこう言った。

「本物である」と。

・古代ベルカの文字の原型である

オモイカネと共同で翻訳ソフトを作成し、今まで読めなかった古代ベルカの文字が、誰でも読めるようになった。これにより原型である事が証明された。ソフトを民間に無料で配布した事で、今まで解読できなかった資料が解読された。そしてある施設で保管されていた資料に「ロード・オブ・ナイトメア」の事が詳細に書かれていた。これが発表された事で、本物と証明された。

 

 

 

 

 

 

 


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