無表情、無感情で行くリリカルなのは   作:yudaya89

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第23話「人の忠告は聞くものだ」

 

 

 

 

 ティアナside

 

「きょうのよる、いむしつにきて」

 アウイン一佐に午後の訓練前に伝えられた言葉だ。言われる事は分かっている。体の事だ。6課の訓練に加え、アウイン一佐の訓練を実施しているのだから、疲労の蓄積は当たり前の事だ。でも大丈夫。私はまだいける。

 

 

「てぃあな?」

「はい」

「さいさんのけいこくもむししてる」

「いえ、まだ大丈夫です」

「ひろうによる、ぎょうむこうりつのていか、さくせんへのえいきょうは、くちがすっぱくなるまでいった」

「でも最近体力も付いてきましたし、それよりも今自分の実力が目に見えて上昇しているのが分かるんです!!」

「・・・わかった。じゃあめをつぶって。かるくひろうかいぜんのまほうをかけるから」

「ありがとうございます!!」

 

 私は目を瞑り魔法をかけてもらう。重かった体が少し軽くなった気がした。

 

 

 

「はい、おわり」

「ありがとうございます」

「あまりむちゃはだめ」

「分かってます」

「・・・あすのあさ、くんれんする?」

「はい!お願いします!」

「わかった。またあした」

「はい!失礼します」

 

 

 

 

 アルパイン一佐の魔法はそこそこ効果があったみたいで、訓練や書類整理はスムーズに終わらせる事ができた。ミスショットの件は、隊長方に謝罪し、ミスを犯してしまった経緯等を細かく分析し、今後にどう活かすかを書類にまとめて提出した。そのこともあり現場復帰が認められた。まだ2,3回の出動だが、訓練の成果だろうか、私の指揮で3人に怪我等は負わせていないし、作戦失敗も発生していない。

 

 そして出動要請が来た。情報によると今回もガジェットとのことだ。最近ガジェットでの破壊行為が多数発生している。隊長達は数の多いところを重点的にまわり、私達は数の少ない場所を担当する事になった。

 

 

 

 そして現場に到着した私達はガジェットの掃討を実施した。しかし

「ティア!援護!!」

「「ティアナさん指示を!!」」

 

 どうもおかしい。いつもならスバルへの援護が間に合わないはずがない。キャロとエリオ達への指示もそうだ。それにガジェットの動きがいつもより速い気がする。

 

 

 どうして?なんで!!私は・・・私は強くなっている・・・はずなのに!!

 

「ティア!!」

「ティアナさん!!」

 

 

 

 

 なんで!!!

 

 

 

 

 いつも出来ている事なのに

 

 

 

 今までは

 

 

 

 別に問題なかったのに

 

 

 

 今はどうして

 

 

 

 体が重いの?

 

 

 考えが纏まらないの?

 

 

 どうしたの?今日の私・・・

 

 

 そして、思考が鈍った私にカジェットの攻撃が・・・

 

 

 その攻撃を回避出来ず被弾し

 

 

 

 私は

 

 

 

 

 意識を

 

 

 

 失った

 

 

 

 

 

 

 

 次に目を覚ました時は病院のベッドの上だった。

 2日後に八神部隊長からスバル、エリオの死亡キャロは重体で有る事を知らされた。八神さんはそれだけを伝え、病室から出て行った。また今回の件に関して、管理局本部より、小隊の指揮を担当していた私の責任であり、また新人の体調管理を疎かにし、それが原因で死者を出したということで、八神部隊長にも責任が追及される事になった。結果6課への風当たりは前よりも酷くなり、事件発生から3週間後には解体される事になった。部隊長の八神さんは2階級降格・・・今回の失態が原因で二度と部隊設立などは出来ないとのことだった。

 

 

 

 

 

 病室を訪ねてきたスバルの姉のギンガは「貴方のせいでスバルが!!返せ」と泣き叫び、最後は平手打ちをもらった。始終私は何も言えなかった。父親であるゲンヤさんは、そんなギンガさんを止める事も無く、始終病室で立っていた。一度だけ目を見たが、その目は・・・殺意を宿していた。

 

 

 キャロは事件発生から4日後に死亡した・・・2人をなくしたフェイトさんから

「ティアナ・・・エリオとキャロがいないんだ・・・どこにいるか知らない・・・ね?ティアナ・・・返してよ・・・返して!!」

 泣き疲れて糸の切れた人形のように崩れ落ちたフェイトさんを抱きかかえた、なのはさんは

「ティアナ・・・私はあなたを許せないよ。ごめんね。ティアナは悪くないって思っているんだけど、どうしても・・・ごめんね。だから2度と私達の前に現れないで」

 

 

 部隊が解散することになった事を伝えにきた八神さんは

「・・・ごめん・・・これだけ渡しとくな」

 

 

 置いて行った書類は・・・除隊申請書だった。遠まわしにクビと言う事だった。

 

 

 

 

 

 私の除隊申請書はあっさり受理され、晴れて無職となった。

 

 

 

 

 

 

 

 2年後

 私は安アパートに引きこもり安酒を煽っている。未成年?知った事じゃない。もう私には何も残っていない。

 

 

 

 信頼も

 

 

 親友も

 

 

 夢も

 

 

 希望も

 

 

 

 6課時代で貯蓄していたお金はもう底を付いている。明日からどうしよう・・・家賃も4カ月未払いで、明日には退去させられるだろう。

 

 

 

 あの時アルパイン一佐の忠告を守っていれば

 

 

 あの時体調を万全にして出動していれば

 

 

 

 

 

 でも・・・もう遅い。いくら考えても結果は変わらない。私は明日からどう生きればいいのか

 

 

 「誰か教えてよ」

 

 ポツリと弱音を吐いた。しかし何も返ってこない。当たり前の事だ。

 

 

 「誰か答えてよ!!」

 

 そう言っても何も返ってこない状況を選んだのは自分だ。

 

 「誰か・・・誰か・・・」

 

 全て自分が悪い

 

 

 「あ・・・もしも、もしも、時間を戻す事が出来れば!!」

 

 部屋に木霊する。

 

 「誰か!!私を!!

 

 

 

 

  あの頃に戻してよ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     「じゃすと3ふん、いいゆめ(あくむ)はみれた?」

 

 

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