「ただし、ちょくせつからだにおしえる
すこしきびしいしどうになるから
しなないでね」
と言っても、今の俺ではこの3人を相手にするには少し骨が折れる。グラトニーを使えば楽に勝つことが出来る。しかしそれでは指導にならない。
もう一度この模擬戦のルールを思い出してみようか。
①戦力は自由
②戦闘前の顔合わせ等は無し
③新人は不参加
「ふぇいと、なかじま」
「「何でしょうか?」」
「わたしは、たかまちとたたかうから、ほかのひととたたかって」
「他の人?どういう意味でしょうか?」
「ふぇいと?じょうけんおぼえている?」
「①戦力は自由②戦闘前の顔合わせ等は無し③新人は不参加です」
「うん。で?」
「え?」
「じょうけんにせんりょくはじゆう、ってある。だからいまからせんりょくをほじゅうする」
「「!!」」
「あいてのへいりょくをはあくせずに、たたかうせんたくしをえらんだの?それはぐさくちゅうのぐさく。かれらにしどうしてもらって」
俺は転移魔法を使い、予め配置についていた、部隊長2名を転移させる。
「おまたせ」
「「ご無沙汰しています!!一佐!!」」
「きょうはありがとう。おねがいできる?」
「「もちろんです!!」」
「じゃあ、おねがい。しなないていどに」
「「了解!!」」
彼らは強い。私が育てた中でも10本の指に入る実力の持ち主だ。リミッターを掛けているフェイトでは敵わないだろう。外した状態でも相手になるか分からないが・・・精々遊ばれないように頑張る事だ。
今回の模擬戦のように、もしも敵の作戦等で部隊から孤立もしくは全員がバラバラになった場合、通信妨害や念話傍受を懸念し、作戦前に合流箇所を決めておく。または傍受される事を前提に通信を行う。その際には暗号やコードネームを使用する。
連絡が不可能だった場合、無暗に動くのは危険だ。方角や生息している生物の種類がわからない状況で歩き回ると、さらなる被害を被る可能性があるからだ。そうなれば作戦の実行が不可能になるだけではなく、生還の可能性も低くなる。また無事に部隊と合流、集結できたとして、敵の陣地である事に違いない。敵の数、能力が分からない状態で戦った場合勝率は低い。しかし上記のような状態で敵と対峙する場合もある。その時どうするか?戦うか?それとも逃げるか?
もしも私の部下で戦うと選択した場合、即指導行きとなる。最初の選択肢は戦うでは無く、「逃げる」が最善と思っている。ただ逃げるのではなく、相手の能力の情報を得るために、無暗に逃げず、ちまちまと攻撃を実施する。能力だけでなく、相手の性格等もそれで把握可能だ。ちまちま攻撃する、逃げ回る、これだけで相手がイライラしている言動が分かれば、そいつは短気である。
情報は作戦成功率だけではなく、作戦生還率にも影響する。
俺は以前からここを上昇させるために色々案を提示し、実施してきた。
だから
それを
無視して
何も考えず
「戦う」を
選択した
このバカ共を
矯正してやろう
「おまたせ、たかまちいっとうくうい。さぁはじめようか」
俺はBJ(一般職員用)を展開し、銃型デバイス(M92Fモデル)を両手に持ち、高町に向かって歩き始まる。
「いまからしぬかもしれない
だから
しょうべんはすませたか?
かみさまにおいのりは?
へやのすみでがたがたふるえて
いのちごいをする
こころのじゅんびは
OK?」
俺は高町に銃型デバイスを向け、魔力弾を発射した。
ヘルシングいいですよね。久々に全巻読み返しました。
因みに、少女にヤンのセリフを言わしたことについては、後悔していません。
寧ろ言って欲しい名言と思ってます!!