そして罰を与えよう
トラウマという名の悪夢を
ゆりかごが起動したことで、ジェイル・スカリエッティ、ナンバーズ、原作キャラクター達は原作通りの動きを開始した。少し異なる点があるとしたら、ジェイル・スカリエッティがナンバーズにレジアスと最高評議会について語る点だ。原作ではレジアスが戦闘機人に拘り、最終的にどうしようもない状況に追い込まれたが、この世界では最初こそ拘っていた可能性があるが、証拠はなく、計画も何時の間にか誰かが凍結した。かわりにミッドの復興に力を注ぎ、治安のために自ら現場に赴き、必要に応じて新たな部隊の設立、人員不足への対応等を行った、と説明した。最高評議会については、凍結された戦闘機人計画を裏で再開したという点に変更されていた。
なるほど、原作の流れを壊さずに戦闘機人を登場させるにはこの流れが最も違和感がない。これが世界の補正というものか。
まぁ俺としては、「レジアスが関わっていた」という事から、「関わっている可能性がある」に変更になり、さらも「証拠もない」という事になっている点に大いに満足している。これで誰もレジアスを責める事が出来なくなり、レジアスの地位は安泰という訳だ。それに伴い俺の現在の地位なども安泰という事だ。もしもレジアスが逮捕や更迭されるような事があれば、俺が進めていた計画は凍結、俺の身の保障もなくなってしまう。それは流石に避けたいイベントである。
またレジアスや最高評議会について3提督が原作キャラクターに対し語るシーンがあるが、それも同じように変更されている。先に言っておくと戦闘機人計画は割と極秘内容が含まれているので、一般回線や、はやて、フェイト等以外の一般職員に話す内容でない。また話の所々に「レジアスは少し強引な所がある」というレジアスを批判する内容が含まれている。現在八神部隊長には反乱を起こす可能性があるため、その防止のため俺が6課に派遣されている。この通信内容を記憶し管理局に報告する義務が俺にはある。例え相手が伝説の3提督であろうと。
まぁ以前俺と話しをしたいと言っていたので、色々な証拠(部隊壊滅後にアースラーを手配した件等)を手土産に会いに行ってあげてもいい。勿論普通の話し合いで終わるわけではないので、オーリスを従え色々俺の「ONEGAI」を聞いてもらおうと思う。少々彼等にはキツイ話になると思うが、自業自得と思い諦めてもらうとしよう。
ここで何故ジェイル・スカリエッティや原作キャラ達の動きを俺が把握しているのか・・・少し疑問に思うかもしれないが、単純な話で全ての電子機器にハッキングしているからです。彼らの通信回線や、原作組みの周りにある電子機器、過去にメンテナンスと偽って盗聴コードを仕込んだ。そしてそれらから得られる会話や情報をオモイカネで処置、俺に転送している。
何故このような犯罪紛いな行為をしているのか・・・それは状況確認のため。誰が、何処に、何を、どうしているのか、これから、誰が、何処にいくのか・・・それらの情報を収集する。そうする事で絶妙なタイミングでジェイル・スカリエッティの動きを封じる事が出来る。
ジェイル・スカリエッティ side
「世界の全てが我々の遊び場だ」
私は通信を切る。そこへ
「ああ、お帰りウーノ」
「はい」
戻ってきたウーノから状況報告を受ける。
「トーレとセイン、セッテも戻りました。迎撃準備完了です。クアットロとディエチはゆりかご内に、他の妹達はそれぞれのミッションポイントと地上本部に向かっています」
「ルーテシアにもお願いしたよ。上手く動いてもらうとする」
「騎士ゼストも動かれています・・・予想外の動きをされたら」
「問題ないさ。現在の任務を完了次第、ドゥーエが地上本部へ向かってくれる」
「その件ですが、ドゥーエと連絡が取れません」
「何?」
「どういたしましょう?」
「何、今は大事な任務中だ。任務終了後に連絡がくるだろう」
「分かりました」
アウイン・アルパインside
俺は首都防衛隊、第6犯罪防止課、そして俺の要請を受け集まってもらった元第6犯罪防止課、計100名の前で
「さぁ、われわれのちからを、かんりきょくのちからをなめているばかどもにてっついをくだせ。むずかしいことはいわない。すべてのてきをほばくせよ。ほうほうはとわない。
あいてのにくたいをふみにじれ
あいてのこころをふみにじれ
なめたことをぬかす、ばかなごみぐずたちをきょういくしろ
ごめんなさいしかいえないぐらいとらうまをうえつけろ
しょくん、かんりきょくをしゅごするしょくん、ばかどもを
おろかにもわれわれにたちむかってきたばかどもを、わたしのまえにつれてきたまえ
そしてさいどきょういくしてあげよう。
にどと、さからえないように」
物語の終わりが始まった。原作キャラはゆりかごに潜入しようと奮闘する。しかし俺はそんな無駄なことはしない。相手の動きを先読みするため情報を集め解析する。そして結果から最も最適なポイントを探し、そこに部隊を送り込む。
見せてあげるよう。これが本当の
殲滅戦だ。