無表情、無感情で行くリリカルなのは   作:yudaya89

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第39話「姉より優れた妹など・・・いるんじゃね?」

 

 

さぁ

 

 

 

 残りは7人

 

 

 

 どんな夢をみせてあげようかな♪

 

 

 

 「こちらβ、現在ユリカゴ内部です。現在高町一等空尉及びヴィータ三等空尉もユリカゴ内に到着。ヴィータ三等空尉は敵の攻撃で重症と思われます。いかがいたしましょう?」

ユリカゴに転送した職員より通信が入った。

「とくになにもしなくていい」

「了解しました。バックアップよろしくお願いします」

「うん」

 

 まったく敵の攻撃で重症?撤退しない?敵の不意打ちを受けてしまった事については問題ではないが、どうしてそれを報告しない。敵の捕虜になる可能性は考慮しないのか?どこまで無能なのか・・・それともプログラムだから死なないと?もしもそんな考えを持っているのであれば、一度教育しなくてはいけない。新人職員が真似をしないようにな。

 

 

「こちらα、フェイト執務官が敵と交戦中。2対1で押されていますが、いかがいたしましょう?」

「てきのとくちょう」

「紫のショートカットの女、武器は手足に生えた8枚の羽のような物体で攻撃しています。また近接時に羽のようなもので斬り付けるように攻撃しています。戦闘タイプは近接戦、空戦もこなせています」

 トーレだな

「つぎ」

「はい。ロングヘアーでピンク色の髪をした女で、額を防護するヘッドギアをつけています。武器はブーメランです。割とパワー系です」

セッテだな。原作とほぼ変更無し。

「わかった」

「どういたしましょ?」

「りょうめいとも、きわめてきけん。ほばくほうほうはまかせる」

「了解しました」

 

 トーレとセッテは彼等に任せていいだろうし、彼等のバックアップもオモイカネのみで問題ない。俺も現場に赴き、ジェイル・スカリエッティと再度交渉をしようと思う。彼の方もそろそろ先に捕縛したナンバーズとの連絡が取れない事に気付き、それに伴い、トーレとセッテとも連絡が取れなくなる。この事実からこちらの戦力が、ジェイル・スカリエッティの戦力を大きく上回っていることを認識する。そうなれば無用な犠牲を出さないよう、彼も良い選択肢を選ぶだろう。ただ、彼が無能で合った場合は、夢から覚めるように叩き起こさないといけない。そうならないように願うばかりだ。

 

 

 

 

トーレside

 フェイト嬢をDrが捕縛した。しかし数分後には管理局のウジムシ共が到着した。どうもおかしい。まるでフェイト嬢が捕縛されるのを何処かで監視していたようなタイミングだ。そして

 

「こちらは管理局首都防衛隊αチーム。君らには、テロリズム幇助・管理局魔導師撃墜・その他多数の容疑がかけられている。大人しく投降せよ」

まったく外の連中は何をしている!!ここまでウジムシの潜入を許すなど!!くそ!!死ね!!一人の管理局員に向かって攻撃を仕掛けたが、

 

「あなたには黙秘権がある」

 

 何!!今の攻撃を躱した?どうやって?確実に仕留めたはず。私はもう一度同じ管理局員に向かって攻撃を仕掛ける。先ほどよりも速く、フェイト嬢でも目で追えなかったスピードで、必殺の一撃を繰り出した。

 

 しかし

 

「なお供述は、法廷であなたに不利な証拠として用いられる事がある」

 

 何故?何故避けられる。今の攻撃は全力の一撃だった。それを!!

「セッテ!行くぞ!!」

 セッテとの同時攻撃を繰り出す。これなら確実に殺せる!しかし無常にも私達の攻撃は、男には届かない。そして男は言葉を続ける。

 

「あなたは弁護士の立会いを求める権利がある。もし自分で弁護士に依頼する経済力がなければ、公選弁護人を付けてもらう権利がある。・・・さて、権利の告知は終了した。これより両名の捕縛を開始する」

 

 彼が言葉を言い終えた瞬間、私の体に衝撃が走った。

 

 

「どうだ?呼吸できないだろ?背中を強打した事により衝撃が肺に到達し呼吸が一時的に困難になっている。もう一人のピンクの髪の女もお前と同じ状態を味わっている。余り動かないでくれよ?動かれると転送が面倒になる。」

 

 男の声はまるで子どもに注意するような言い回しで、私達に話しかけてきた。激痛と呼吸困難の状態でも分かる。この男は私達で遊んでいるのだと!!私は最後の力を振り絞り彼から離れようと、起き上がろうとした瞬間

「だから動くなって・・・言ってんだよ!!言葉わからんのか!!」

 

 

 

 男の怒声が私が最後に聞いた言葉だった。そして次に目覚めたと、私の前にはピンクの髪の少女が座っていた。そして

 

「こんにちは」

 なんとも子供らしい声で挨拶をしてきたが、私はこの子供を知っている。

「アウイン・アルパイン」

「うん」

「私に何のようだ?」

「いろいろ、ききたいことがあります」

「私が答えるとでも?」

「こたえるとおもう」

「馬鹿か貴様は」

「せって」

「何?」

「せっては、こたえてくれてる」

「貴様!!何をした?!」

「なにも」

「嘘をつくな!」

「なにもしていない。せってはいま、つみをつぐなっている」

「どういう意味だ!?」

「そのままのいみ。かのじょは、おかしたつみだけ、じゅうじかをせおっている」

「意味がわからん!」

「ならいちど、かのじょとおなじゆめをみるといい」

 彼女の言葉を聞いた直後、凄まじい睡魔が私を襲った。そして気付くとそこは砂漠の真ん中だった。360°全てが砂、砂、砂・・・そして

「何だこれは!!」

 私の背中に何か付いている。背中全体を見ることは出来ないが、断片的にそれが十字架とわかった。そして

「それはじゅじか。それをせおって、このさばくからまちになるところまであるいて」

「はっ。誰がそんな事をするか!」

「あるかないと、10びょうにつき10kgおもくなる。それにいそがないときおんもたかくなる」

「なんだ!!」

 私は最後まで言葉を発せなかった。急に背中が重くなり、のけぞってしまったからだ。

「はやくしたほうがいい。ごーるはちかい」

 

 

 

 

 

 

 

 それからアウイン・アルパインの言うとおり、砂漠の終わりを目指した。しかし歩いても歩いても砂漠は続いた。重い・・・十字架の重さは左程問題ではないが、この砂と気温が厄介だ。砂は歩きにくく、気温は40℃程度まで上昇しているため体力の消費が激しい。休んでもいいが、休むと十字架が重くなる。

 

 

 

 

 

 遂に私も体力が限界となり、砂の上に倒れこんだ。しかしそれは地獄の始まりだった。太陽の熱で熱しられた砂は想像以上に熱く、起き上がろうにも砂のせいでうまく立ち上がる事が出来ない。そうこうしているうちに、十字架は重くなる。何とか立ち上がろうとしたが、私は誤って仰向けになってしまった。こうなるともう身動きが取れなかった。砂の熱で十字架が熱せられ、背中が熱くてしかたない。おまけに太陽の熱が体を焼く。

 

 

 私は長い・・・長い・・・長い間、砂漠で一人体を焼かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう」

 私の前にはアウイン・アルパインがいる。どうして?何故だ?

「どういう事だ」

「?だってさっきはなしてから、3ふんしかけいかしていない」

 バカな!!そんなハズは!!

「そんなハズはない!!私は砂漠でお前の言うとおり、砂漠を歩いた」

「さいごまであるいた?」

「最後などなかった!!貴様!!嘘をついたな!」

「うそ?」

「そうだ!」

「でもせっては、さいごまであるいたよ?」

「な・・なに!?」

「あなたはろくにあるくことなく、あきらめたんじゃない?はずかしくない?」

「き・貴様!」

「いもうとにまけないでね。おねえちゃん」

 

 

 

 

 

 また私の前には砂漠が広がっている。そしてまた背中には十字架が・・・セッテが最後まで完遂しているのであれば、アウイン・アルパインは嘘をついてない事になる。私がセッテより劣っている?そんな事はない!!

 

 

 

 

 

 

 私は歩く・・・砂漠を・・・歩く・・・最後まで・・・・最後まで

 

 

 

 

 

「おはよう」

 

 

 そしてまた最後まで行けなかった。

 

 

「まただめだった?せってはさいごまでいけたのに」

 

 

「まだがんばれるよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おねえちゃん」

 

 

 そして・・・また砂漠・・・・・せな・・・じゅ・・じ

 

 


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