無表情、無感情で行くリリカルなのは   作:yudaya89

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第46話「謝罪は遅れると意味を成さない」

「ぎが・すれいぶ」

 

 

 俺の放ったギガ・スレイブはゆりかごを直撃した。直撃と同時に激しい閃光と衝撃が我々を襲った。激しい閃光は俺の視界は一時的にマヒさせ、衝撃は俺を艦から引き離そうとした。しかし幸いにもBJの機能により宇宙外へ飛ばされることはなかった。

 危うく宇宙の藻屑になりかけたがBJの機能により回避出来た。またこの機能が宇宙での作業任務外時の安全性が担保できたという結果も残す事も出来た。これは後でキチンとレポートとして提出しよう。

 

 視界が回復するまでの数分間で俺は今後について考察していた。そして視界が回復し、ゆりかごの状態を確認した。しかし先ほどまで目の前に鎮座していたゆりかごが消えていた。そう文字通り消えていたので。俺は慌てて周りを見渡したが、ゆりかごは見当たらなかった。

 

 どういう事だ?ゆりかごのシステムはある程度把握していたが、攻撃時に自動転送システムなどはなかったはず・・・まさか俺の把握していないシステムが?やはりもう少しゆりかごのシステム把握に時間をかければよかったか?いや待て、ゆりかごがもしも自動転送されていれば、その痕跡が残っているはず・・・オモイカネに画像解析と魔力解析を至急依頼し、居場所が判明次第俺の部隊を向かわせよう。地上への被害に関しては俺だけの首では責任は取れない・・・

 

 

 

 マイナスの事を考えている内に通信が入った。それは艦内で待機している部隊の副長からだった。

『一佐ご無事で?』

「もんだいない。ゆりかごは?」

『はい一佐。消滅しました』

 

 

 

 は?消滅?

 

 

 

「しょうめつ?」

『はい一佐。完全消滅です』

「そう。それで?」

『え?』

「ゆりかごがしょうめつした。それで?」

『いえ・・・あの・・・』

「しょうめつしたのであれば、つぎはひがいかくにん、ほうこく」

『はっはい!一佐!申し訳ありません!』

「めのまえのてきがしょうめつしたからといって、ひがいはしょうめつしない。いそいで」

『了解しました!』

 

 

 俺はまったく悪くない副官に被害状況の報告と言う、結構時間が掛かる命令を出し、その間今の状況把握に努めた。そもそも消滅って何よ!破壊とかじゃなくて消滅?あのゆりかごが?あんな大きなものが消滅?何?ギガスレイブって思ってたよりもヤバイじゃん。俺の目標の1番である管理局での監禁生活阻止が事実上阻止不可能になってしまった!!

 

 

 

『一佐!報告します!』

「おねがい」

 今後の自分の立場について考えている間に、副官が報告してきた。恐らくオモイカネが気を使って情報をまとめ、伝えたのだろう。

 

『はい一佐。予め一佐が地上全域に注意喚起を行っていたため大きな犯罪等は生じていません。逆に一佐がゆりかごを消滅した際の閃光と衝撃で被害が生じています。閃光による一時的な視力障害による交通事故、転倒、転落等による負傷者120名となっています。衝撃に関しては、我々が居る艦隊内で、転倒、転落、落下物による負傷等により負傷者85名となっています』

「・・・わたしのせい?」

『はい、いいえ一佐・・・仕方のない被害かと・・・』

「それでもげんいんはわたし」

 

 

 ごめん!副官!ちょっと時間頂戴!!数分でいいから!この状況をなるべく穏便に収める方法考えるから!

 

 そして俺に救いのヒーローが舞い降りた(お助け料10億万円というブタではない)

 

『一佐!!』

「なに?」

『一佐の髪の毛が!』

「かみ?」

 

 

 

 

 

 『白髪になっておられます!!』

 

 

 

 

 

 

「そう」

『はい、いいえ一佐!!今すぐ医務室に!!』

「ふくかん」

『はい!一佐』

「いまからかんないにもどります。おもいかねにちじょうぜんいきへのつうしんをよういしておいてと」

『はい。しかし一佐!』

 

 

 

 

 

「ふ・く・か・ん?」

『!!!』

「ふくしょうしろ」

『はい一佐。オモイカネに地上全域への通信を用意するように伝えます』

「おねがい」

 

 

 

 

『だい6はんざいぼうしか、アウイン・アルパイン1とうりくさです。さきほど、こだいへいきであるゆりかごのはかいにせいこうしました。またみなさまのごきょうりょくのおかげで、はんざいなどはしょうじていない、ということもかくにんできました。みなさま、ありがとうございました。

 しかし、ゆりかごはかいじのこうげきにより、せんこう、しょうげきがしょうじ、そのえいきょうで、たすうのふしょうしゃがでてしまったことはたいへんもうしわけありませんでした。さくせんりつあん、しきをおこなっていたわたしのせきにんです。このばをかりてしぁざいいたします。こんごさいはつぼうしにつとめさせていただきます』

 

 

 最後にぺこりと頭を深く下げる。

 

 

 

 どうよ!!先ほどまでピンクの髪の毛の子供が白髪になって謝罪する。そして最後に子供らしさを少し見せる子供ッポいお辞儀・・・これなら世間はある程度許してくれるはず!!

 

 

 しかし救いのヒーローの登場はそこまでだった。深く下げた頭を上げようとした瞬間、俺のしかいは「ぐにゃり」と歪む。まわりから聞こえてくる慌しい声、足音を尻目に私は意識を手放した。

 

 

 

 

 そうか

 

 

 

 魔力枯渇による意識消失だな。

 

 

 

 

 




次回予告

 意識を消失した一佐は病院で検査を行った

「やっぱりむり?」
「はい一佐。一佐の体は徐々に・・・」
「そう。もってどのくらい?」
「もって1ヶ月」





「アルパイン一佐!!貴様が魔力を使えない事は分かっている。死ね!!」




「何故魔力が使える!どうして!」


「まりょくがつかえないのではなく、つかうとからだにげきつうがはしるだけ。
それをがまんしたらつかえる」

「激痛だと?なら貴様を嘘を付いている!!激痛であれば何故平然としている!?」


そっと耳元で囁いてやる
「どんなときでも、じょうかんは、ぶかのまえではへいぜんとしているもの」




「一佐!魔力使用は控えてください!!」
「わたしのいのちは、さいごまでかんりきょく、いっぱんしみんのためにつかう」












「ふくかん」
「はい、一佐」
「もうよる?」
「はい・・・いっ・さ」
「そう。どうしてないてるの?」
「・・っ!」
「そう、いまはよるじゃないのね。これであとはちょうりょくだけ」
「っ・・一佐!!」
「どうしたの?」
「失礼を承知で伺います。最後に何をされたいですか!?」
「かんりきょく、しみんにこうけんしたい」
「もう一佐は十分貢献されました。さい・・ご・っ・最後の時間は自分のためにつかってください!!」
「そうか・・・じゃああそびたい」
「遊び?」
「かくれんぼ?がしたい」
「かくれんぼですか!わかりましたいますぐ「ふくかん」なんでしょうか?」







もういいかい?



もういいかい?



ふくかん


いままでありがとう


いつかまた、わたしをみつけてね















この時一つの時代が終わりを告げた




次回無表情、無感情で行くリリカルなのは




第47話「妖精、還らず」




銀河の歴史が また 1ページ
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