この脱力感・・・魔力枯渇による意識消失だな。俺はそんな事を考えながら意識を手放した。
時間にしてどのくらいだろうか・・・俺は意識を取り戻した。状況を確認したところ2日経過しているとのことだった。流石に今回は魔力を使いすぎた事を泣いている母親見ながら後悔した。2日間も寝ていたわりには脱力感と眠気は改善していなかった。そのため検査を勧められたが要らぬ心配は不要と断りを入れた。直ぐにでも仕事に復帰したい思いをレジアス中将に申し出したが、まだ休養するようにと強制的に5日間休みを取らされることになった。休みといっても俺の殊遇はゆりかご事件が始まる前は管理局での軟禁(仮)と魔力リミッター装着であったが、今回の件により事実上の管理局での軟禁及びリミッター装着となってしまった。軟禁といっても部屋から出ることが許されない・・・というわけでなく、普通に食堂やジム等の施設も利用可能であり、申請があれば監視つきであるが外出も可能である。
休みに突入したがやはり管理局内ですることが余りなく暇を弄ぶことになった。暇つぶしに体力測定を行い、結果以前より数値が著しく低下していた。勿論数値が低下した原因はギガスレイブであることは明白である。やはり俺の体に代償の異常が生じているのは明確であろう。現場に復帰前に検査を行い原因箇所を特定し治療しなければ復帰後に倒れてしまい、周りに迷惑がかかり要らぬ心配をかけてしまう。
管理局の医療班に話をつけ検査を行った結果、俺のリンカーコアは現在異常活性していることがわかった。リンカーコアは大気中の魔力を体内に取り込んで蓄積する、体内の魔力を外部に放出するという役割があり、現在俺のリンカーコアの状態は蓄積しすぎているとのことだ。要約すると、放出と蓄積の比率が蓄積寄りに大きく傾いており、このまま体内に蓄積されると蓄積量がオーバーとなる。そうなると魔力が体内に悪影響を及ぼし、最悪の場合死亡する。過去にリンカーコアについて検証した際、ある程度の症例は調査したが、このような症例はたった1例であった。勿論その症例の患者は死亡していた。死亡原因は、呼吸困難及び心不全であった。恐らく魔力が体の筋肉組織もしくは運動神経を低下させたのであろう。そして発症から約半年で死亡していたことから、恐らく俺の余命も半年と推測された。
俺がこの世に生を受け約12年・・・はっきり言って未練はある。
結婚もしていない
現在の管理局についてもまだまだ改善箇所を残している
ロマン武器もまだまだ作成途中
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まぁ仕方ない。そもそも俺はこの世界でいえばイレギュラー的な存在。俺の介入により本来は活躍しなかった人間、死んだ人間、生まれていなかった人間が居る。ならばそれらの人間にあとを任せて潔く死のう。勿論後半年間できっちり教え込むし、ロマン武器の作成は進めていく。
自分の中で今後の整理できたのでレジアス中将に検査結果及び症例に対する治療方法がない事を伝えた。レジアス、オーリスは突然の事で頭での処理が追いつかないのかフリーズしている。そのまま話を続けようと言葉を続けようとした時、フリーズから復帰したオーリスに腕をつかまれ
「何をしているの!!早く入院して安静にしないと!」
だから俺の症例に対する治療法は確立していないといっているのに
「だいじょうぶ、わたしはたすからない」
「わからないじゃない!!今まで貴女は不可能を可能にしてきたのよ?まだ探していない文献や世界があるかもしれないじゃない!!何勝手に諦めているのよ!!」
「わたしのいのちで、こんごおなじびょうじょうをはっしょうしたにんげんをたすけることができるなら、わたしはぜんりょくでそれにとりくむ。おーりす、わたしはもうたすからない、それはかえることのできないじじつであり、れじあす、おーりす、わたしのははおやがうけいれないといけないじじつ」
「で・・でもなんであなたが・・・なんで」
オーリスは私の肩を掴みながらひざから崩れ落ちた。レジアスは私を見ながら、
「お前の好きにしろ。今から半年間はお前は自由だ。何かする時は私の名前を使え」
「中将!!そんな言い方!!アウインは!!」
「オーリス、落ち着け。アウインにはアウインの考えがある。それに・・・私がお前にしてやれることはこれぐらいだ。
アウイン・アルパイン准将
最大限結果を出せ、それが管理局における最後の命令だ
結果を報告後、貴様には新たな命令が出されるまで待機を命じる
分かったな?」
この命令はレジアス中将からの直々の命令となる。そうなれば何かトラブルが生じた場合においても相手が引く事になる。流石に権力で解決するのはどうかと思うが、半年という短期間で結果を出すために必要な事なんだとう。そうとなれば最大限有効活用させてもらう。その後の待機は、俺の体調面での考慮だろう。体は動かす事も出来ず、呼吸も人工呼吸器が必要になり、経口摂取も出来ず、点滴での栄養補給になっている。勿論俺に対して殺意を持っている人間もいるため、警護の面でも管理局での待機が効率がいい。俺はレジアスに敬礼し部屋を後にした。あとから聞いた話であるが、俺が退室したあとレジアスは声を荒げて泣いていたとの事だ。
その後両親に自分の状況と今後のことについてを説明したのだが、2人とも大反対された。もう管理局を辞めて自分達と一緒に居て欲しいと泣いて懇願されたが、自分は管理局の准将であり、上官の命令に従う必要がある。半年後に死ぬからといって命令を無視するという事は現場の人間にも同じことが言える。彼らは1分、1秒後には命を落としている可能性があるのだから。両親を半ば無視するような形で家を出た。
今後俺は自分自身の命を自分で守ることができなくなる。まだまだ俺に恨みを持つ犯罪者は五万と居る。彼らが俺の病状を知れば必ず手足が動かない状態になってから狙ってくる。そうなると周りへの被害が大きくなるし、俺の警護に職員をつけることで、街の警備に穴が空く。それで犯罪率が増加傾向を示したのであればレジアスの評判も悪くなる。これらを解決するには犯罪者を一網打尽にする。短期間に職員の教育を行う。何~簡単簡単。
アウインにお任せってね