俺の体が動かなくなるまでに何としてでも戦力の確保が必要になる。余命が半年であれば、あと3ヵ月後には体の機能が著しく低下する。そんな短期間で戦力をどのように確保するのか、勿論現場以外から戦力を確保しなくてはならないといった無理難題が立ちはだかる。しかし、実はそんなに難しいことではない。なぜなら既に我々はまぁまぁ戦力となる人材を確保している。また俺の体について調査を行う上で人体、魔法、DNA関連に詳しい人物も我々は有している。有しているというよりも捕縛している。
「君が死ぬって?」
「そう」
「だから助けろって?」
「ちがう。あなたたちのせんりょくをかりたいだけ」
そう捕縛した戦力とはジェイルスカリエッティ及びナンバーズのことである。先の戦闘で各々の戦力は調査済みであるので、あとは再犯防止の教育プログラムの検討と再犯時の罰則について検討するだけだ。勿論既に教育プログラムの作成と派遣場所の選定、指導教員の選定と許可はもらっている。再犯時には俺が過去に行った「教育とは恐怖心を植え付けること」をそのまま提出したらあっさり申請が通ってしまった。
「僕らが君に協力すると思うかい?」
「おもう」
「なぜだい?」
「これからあなたたちにかせられるばつは、あなたたちがおもっているよりもきびしい。でもわたしがていじするじょうけんは、それよりもはるかにやさしい」
「嫌だといったら」
「べつに」
「では、こちらとしては協力はしない」
「きょうりょくするじょうけんのなかに、わたしをすきにしてもいい、そういうこうもくがあっても?」
「どういう意味だい」
「ことばとおり。ていじするじょうけんのなかに、わたしをすきにできる。というじょうけんがふくまれている。どう?せかい、いえ、このじげんにおいてただひとりのろすとろぎあきゅうのちからをもつにんげんをすきにできる。あなたにとっては、さいこうのじっけんたいとおもうけど?」
「流石にそれは無理だろう?なんたって君の周りの戦力は強大だ。下手な事をして、殺されるのは目にみえている」
「じゃあ、あなたは、わたしのしゅじい。そうすれば、たしょうのじっけんは、ちりょうといいはれる」
「なるほど・・・そこまで切羽詰まっているということかい?」
「そう」
「即答かい。あの天下のアルパインが、犯罪者の私に助けを乞うとは。これは何とも気持ちいいね」
「・・・」
「嫌味の1つや2つは言ってくれないと張り合いがないね」
「わたしはもうすぐしぬ。でもしぬまでにしたいことがある。それはこれからのせかいにはひつようになるとおもう。だからしゅだんはえらばない。もうかくごはできている。だからひっしにいま、わたしはみらいのためにうごく。へんじはいまきく。きょうりょくする?しない?」
「・・・」
「・・・」
「分かった。快く協力しようじゃないか。断ると娘たちがまたひどい悪夢をみるかもしれないしね」
「けんめいなはんだんをかんしゃします。じゃあいこう」
「??何処へだい?」
「ほんきょく。そしてむすめたちのところ」
ジェイルスカリエッティの釈放に関しては既に許可は得ている。協力しようが、しまいが、彼はこの留置所を今日中に出ていく予定だった。勿論非協力であれば、彼は二度と・・・いや、これに関してはもうかたる必要はない。あとはナンバーズが収監されている留置所にいって、ジェイルスカルエッティから協力するように説得してもらうだけだ。勿論私が言ってもいいのだが、何人かは私の顔をみるだけで、一時的にパニック障害になる。そうなると貴重な時間が無意味に消費されてしまう。