ナンバーズにはジェイルスカリエッティから今までの経緯及びこれからの予定を伝えてもらった。勿論全員がすんなり納得したわけではなく、数名俺への憎悪が未だ消えず非協力的な態度を示した。初めから全員が納得するはずもなく、非協力的な者に対しては、今後死ぬまで外の世界との情報を遮断した状態で過ごしてもらうことになっている。追加の処置として俺の能力により常に悪夢を見続けるというおまけ付だ。後から聞いた話ではこのおまけの話をした瞬間に、非協力的な態度をとったものは、全力で俺に協力すると態度を180度変えたそうだ。
ナンバーズ及びジェイルスカリエッティの協力が得られたところで、俺の計画はほぼ完了した。残すはナンバーズの戦力底上げ、ジェイルスカリエッティと今後の治療計画もとい、俺への人体実験計画の最終打ち合わせ、各部署へ俺の病状について報告する。以上3点を行い、俺の計画は完了する。
3点の内2点は説明したが、残りの1点に関してはまだ説明していなかった。何故俺の病状を報告する必要があるのか・・・それはスパイの炙り出しのためだ。過去殆どの素行不良な職員への処罰は行った。しかし時間が経てば、また同じことを繰り返すバカは現れる。だから部署ごとに微妙に報告する。その内容をテロリストに流す。テロリストが活動し、逮捕後尋問時に情報の内容を聞きだし、情報内容から情報漏洩を行った部署が特定可能となる。あとは対象部署の職員の通信記録を洗えばスパイが判明し処分する。 自分自身をエサにする事で、スパイの炙り出しテロリストの逮捕する。俺自信に敵が向かってくることから、周辺への被害も最小限に抑えることが出来る。
粗方準備が整ったところで俺は計画を実行した。人体実験という名の治療は苛烈を極め、あの人格破綻者であるジェイルスカリエッティですら、ドン引きしていた。まず俺のリンカーコアが現在異常活性しているので、あえて沈静ではなく活性化させてみた。活性化のため外部から魔力の過剰供給、反応がなかったためリンカーコアを意図的に破損させ、再度刺激を与えた。結果はよりリンカーコアが活性化しただけであった。仕方ないのでリンカーコアの80%を取り除き沈静させたが、結果は俺の短い命が更に短くなりかけた。取り除いた80%の部分は驚異的なスピードで再生された。
残念ながら大小いくつかの実験を行ったが何一つ俺の症状は改善しなかった。少し早いが俺への治療は終了とし、残り短い余生を過ごすことにした。
副官side 【第19話「JS始まります」】参照
第6犯罪防止課でアルパイン准将が1等陸佐であった頃より副官として側にいた。准将は昔から言い出したら聞かないところがあった。最初の印象は可愛らしい少女、指導後は悪魔、副官となってからはヤバイだった。そして今の准将の印象は我侭な14歳の女の子だ。余命が半年と聞いたときは耳を疑った。しかしその話は本当であったため、残りの余生は親元でゆっくり過ごすように提案したが、あっけなく却下された
「わたしとおなじやまいにおかされるひとが、こんごでるかもしれない。そのためにはわたしが、ちりょうにこうけんするひつようがある。だからゆっくりやすむひつようはない」
しかし治療と聞いていたが、実際に目にした光景は唯の人体実験・・・いや拷問だった。リンカーコアへの刺激はまだいいとしても、魔力の過剰供給やリンカーコアの意図的な破損は死ぬよりも苦痛なはずだ。それをたかが14歳の女の子が耐えている。主治医であるジェイルスカリエッティは数々の違法実験を行っている犯罪者であるが、その犯罪者ですら一歩引いているような治療方法だ。しかし用意した治療方法では効果が出ないと言う事で、当初予定していた治療期間3ヶ月から2ヶ月へ短縮された。治療終了後でも准将のリンカーコアの異常は変わらず魔法を使用する事で、全身に激痛が走る。激痛だけでなく、全身から血液が吹き出る症状も最近見られるようになった。
治療終了後から数日後に准将を狙うバカ共が現れた。我々が対処すると申し出たが、准将は頑なに自分が対処するという事を聞かなかった。
「アルパイン!!貴様が魔力を使えない事は分かっている。死ね!!」
本当に何も分かっていない。そんなバカ共に准将はスキルを使用し、捕縛した。
「何故魔力が使える!どうして!」
「まりょくがつかえないのではなく、つかうとからだにげきつうがはしるだけ。
それをがまんしたらつかえる」
「激痛だと?なら貴様を嘘を付いている!!激痛であれば何故平然としている!?」
准将はバカにそっと近づき耳元で囁く。
「どんなときでも、じょうかんは、ぶかのまえではへいぜんとしているもの」
これがアウイン准将
どこまでも残酷
どこまでも冷酷
どこまでも勇敢
そう、これがアウイン・アルパイン!!
しかし最強と謳われる彼女も病には勝てなかった。余命3ヶ月を過ぎた辺りから、病状が悪化し、歩行困難、食事摂取不足による体調不良などにより寝たきりとなった。寝たきりとなった彼女を殺そうとするバカ共は相変わらず定期的に現れる。それらに対してはナンバーズで対応した。准将の命令で一時的に第6犯罪防止課で勤務したお陰で戦力が40%上昇した。
そして
訪れる
終わりの時
アウイン准将希望により、家族には自分の最後を見て欲しくない、生きている時の自分の姿を最後にしたいという希望により、最後に見取るのは私を希望された。准将の両親に挨拶を行い「お願いします」と泣き崩れた母親を父親に預け、病室へと向かった
「ふくかん」
「はい、准将」
「もうよる?」
ここに来て視力も・・・
「はい・・・准将」
「そう。どうしてないてるの?」
「・・っ!」
「そう、いまはよるじゃないのね。これであとはちょうりょくだけ」
「っ・・准将・・いえ!アウイン・アルパインさん!!」
「きゅうにどうしたの?」
「もう准将と呼ぶのはやめます。今は一人の少女として、彼方に聞きたいことがあります。失礼を承知で伺います。最後に何をされたいですか!?」
「かんりきょく、しみんにこうけんしたい」
「もう十分貢献されました。さい・・ご・っ・最後の時間は自分のためにつかってください!!」
「だめ、わたしは、たくさんのものをうばった。わたしがうしなった、しりょく、しょかくなんて、いままでうばってきたりょうにくらべれは、ささいなりょう」
「ですが!彼方はそれ以上に与えました。しかしそれは傲慢です。何を失わずに、何かを得よう等傲慢です!!それこそ子供の我侭です!!」
私の言葉にアウインは見えない目を丸くさせた。そして
「そうか・・・わたしは・・・もうやすんでもいいんだな。だってこんなにもゆうしゅうなぶか・・・いや、ゆうしゅうなしょくいんがいるんだもの・・・まったくわれながらふがいない」
「そんな事はありません。全てはアウインのお陰です」
「ありがとう」
その時・・・アウインが一瞬笑った。
「・・・その笑顔が・・・」
「え?」
「笑えています!アウイン!!」
「わたし、わらえてる」
神が居るのであれば、今この時、彼女に感情を与えてくれたことに感謝する。勿論この笑顔はオモイカネ端末で高画質保存だ!
「さっきのはなしのつづき・・・あそびたい」
「遊び?」
「かくれんぼ?がしたい」
「かくれんぼですか!分かりました!!今すぐ全員を「ふくかん」何でしょうか?」
「わたしがかくれたあと、かならずみつけてくれる?」
「勿論です!!全員で!!第6犯罪防止課全員であなたを探します。そして、また一緒にあなたと現場で・・・あなたの指揮下に入りたいです!!」
「そう、じゃあ・・・はじ・・・めよう・・・か」
もういいかい?
もういいかい?
ふくかん
いままでありがとう
いつかまた、わたしをみつけてね
6月1日 2:55
アウイン・アルパインの人生は13歳で停止した
この時一つの時代が終わりを告げた
銀河の歴史が また 1ページ