無表情、無感情で行くリリカルなのは   作:yudaya89

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 今回は短いですね。それにしてもお気に入り、感想等ありがとうございます。
誤字脱字は目立ちますが、よろしくお願いします。



第06話「殺しはしない、ただ永遠に覚めない悪夢を見ているだけ」

   「わたしがおとりになって、ゆうかいはんつかまえる」

この事はその場に居た全ての人間が目を丸くし、ただ一人怒りの形相でアウインの元に駆け寄った。

「何を考えている?!!」

「はんにんかくほ」

「ダメだ!!」

「いいの?」

「どういうことだ?!」

「そうさはなんこう。ぎせいしゃはふえつづける。いいの?」

「・・・もう犯人の目星は付いている」

「それがはずれだったら?」

「その時はきみの言う通りしよう」

「わかった。そのげんばにたちあっていい?」

「どうしてだ?」

「しんがたばりあじゃけっとをちゃくようしたそうさかんのうごきをこのめでみて、しゅうせいかしょがないかかくにんしたいから」

「いいだろう。しかし勝手な真似はするな!!いいな?!」

「りょうかい」

 

アウイン

 

 容疑者は20代男性。過去に子供へのわいせつ行為で逮捕歴あり。今回現場に残っていたDNAが一致した事で第一容疑者となった。しかし疑問が残る。普通そういう犯人にはノコノコ付いていかない。それもこの容疑者の顔なら絶対だ。子供は本能的に逃げる顔だ。現に過去の逮捕の決め手が声をかけられた子供が逃げて近くの大人に助けを求めた。そんな人間がどうやって子供を攫い、暴行できる。クルマでつれ去り?監視カメラに写る。しかし不審車両は無い。強引に?それはない。それなら周りが気付く。変装?不審者で即職質。う~ん謎だ。まぁこの突入後に分かる。

 

 

 

 

「全員用意はいいか?」

「「「「はい」」」」

「ではいくぞ?」

 

「管理局だ!!抵抗するな!!」

 ドアを蹴破り容疑者のアパートへ突入した。捜査官のヘルメットについているカメラで現場の様子がリアルタイムで分かる。容疑者は机で寝ているみたいだ。学校の机で寝るみたいに。しかし

「だめ」

「え?」

 私の言葉を聴いて横に居た捜査官が声を出した。これはダメだ。

「これわな。ようぎしゃにふれてはだめ。そうさかんにつたえて」

「隊長から言われただろ?ダ「しぬ」え?」

「ばりあじゃけっとをちゃくようしているのは、とつにゅうしたそうさかん8にんのうち3にん。あとはみちゃくよう。5にんしぬ」

「・・・わかった。隊長!容疑者には触れないでください!!罠です!!」

「何を言っている!!だまっえ?」

 その瞬間周囲に爆音鳴り響き、振動が襲った。そして釘の弾丸が周囲の人間に飛び掛った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果として死者12名。重体6名。重症者5名。と最悪な結果となった。検視の結果容疑者は死後2日経っていた事が分かった。突入した捜査官は全員死亡。新型バリアジャケットを着用しても、至近距離での爆風、釘の雨は防ぎようが無かった。隊長ならびに捜査官の葬儀があった。小さい子供がいる捜査官も居たみたいで、子供の泣き声が聞こえた。

 

しかし事件はこれで終らなかった。また犠牲者が増えた。今度は2人同時に。違う場所で誘拐され、小さい体を弄び性的暴行を働いて切り刻み、ゴミのように川原に捨てられていたそうだ。

 

 

新たに捜査本部が設置されたが、捜査の士気は低かった。犯人は性犯罪者で爆弾の作成に精通している。もし犯人がわれても、死ぬ可能性がある。そういう感情が捜査官に芽生えていた。当たり前だ、捜査官だって人間であり、家族持ちなのだ。そして其処に一人の少女が居た。

 

「本日より捜査に加わる事になったアウイン三尉だ。」

「よろしくおねがいします」

 俺は三尉だった。なんでと聞いたら、研究所は管理局の管轄であり軍属だそうだ。そして俺の功績により三尉まで昇進していたそうだ。

「これからはんにんを「つる」ためのさくせんをおこないます。しかしきけんです。なのでそうさにさんかしたくないかたはでていってください。」

「どうしてですか?」

「かぞくがだいじ、じぶんのいのちがだいじ・・・このさくせん、しぼうりつは80%いじょう。それでもさんかしたいかたは、このばにのこってください。いじょうです」

 俺はそのままその部屋を出て行った。

 

 

 

 30分後

「7にん。」

「・・・」

「じゅうぶん」

「少しいいですか?」

「どうぞ」

「なぜ人数を絞ったんですか?」

「なぜ?」

「はい」

「ひみつ」

「はぁ?」

「ひみつ」

「どういうことですか!!」

「まずこれを見て。」

 これまでの捜査資料を見せた。簡単に説明すると

 捜査ポイントを絞った所、見事に違うポイントで誘拐事件が起こる。大規模捜査を行った際は何も収穫が得られない。これらから捜査情報が漏れていた。そして今回は囮を使って捜査する。だから捜査情報が漏れたら終了。

「我々の中にスパイが!?」

「ちがう」

「どういうことですか?」

「のぞいていた」

「ハッキング?」

「ちがう」

「じゃあなんですか?」

「たぶん1しゅうかんかんかくでそうさかんのいえにしのびこんでPCをのぞいてた。」

「どうしてわかるんですか?」

「それはひみつ。それとたいしょうしゃはわかった。そのひとからはなしをきいて。わたしはいまからまちにでる。さぽーとはふよう。もしわたしのついせきそうちのはんのうがきえてもあせらないで。ふたたびはんのうがでたらそこにきゅうこう」

「しかし危険では!?」

「大丈夫」

 

 

 私は居場所を示すビーコンを装着している。これにより半径10キロ圏内であれば捜査室で居場所がわかる。捜査資料からおおよその場所は分かっている。

 

黒のジャケット、赤いスカート。某戦車アニメのドイツの学校のジャケットによくにた服装で町に出た俺は普通に歩いた。子供のように振る舞い、アイスを買ったり、おもちゃを見たりした。そのうち一人だけ俺の後ろにずっと居る事に気付いた。捜査官ではない。そして

「こらアリス!!こっちにきなさい!!」

 知らない女に手をつかまれた。

「え?」

「このこったら、勝手に一人で!!ちゃんとお母さんの横に居ないとダメじゃない!!」

 そう言い近くの車に乗せられた。その時手錠もされた。そして一番おかしいものがクルマにあった。小型AMFがあった。ここまで小型のAMFは見たことがない。そして「ごめんね」

 そう言い女は俺に謎の気体をかけた。しばらく意識が朦朧とし、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ここは?」

「ここはね。パラダイスさ♪ボクとボクのママとで作った!!永遠のパラダイス!!」

「魔法は使えないわよ。これがある限り。」

 そこにはAMFがあった。さっきより少し大きめだが、この部屋ぐらいなら余裕でカバーできる。

「ボクは小さい子が大~好きなんだ!!!だから愛し合おうww」

「雄太君ダメよ。まずお洋服を脱がさなきゃ♪」

「OKママ♪」

 アウインに男が近づき、ジャケットを破り捨てた。ジャケットの下に着ていたシャツが露になった。

「興奮するよ!!ママ!!」

「雄太君ちょっと待ってね」

「うん」

「ねぇ?どうしたの?もっと泣いていいのよ?」

「・・・・・・」

「どうしたのオシッコでももらしたのかな?」

 女はスカートの中に手を伸ばし確認した。

「ん~怖くて声が出せないとかじゃないわね。」

「どうしたのママ?」

「この子の親はお金持ちね。このビーコンは彼女が持ってたの。勿論早々に使えなくしてる。でもこれ軍用よ?普通絶対に手に入れられない。」

「あなたもとかんりきょく?」

「あらやっと声がきけたわ。可愛いわね♪そうよ元管理局で爆弾処理班をしてたんだけど、寿退社したんだけどね。」

「どうしてこんなことを?」

「子供のために決まってるじゃない~。雄太君のしたいことを母親が手助けして何が悪いの?」

「はんざい」

「ばれなきゃ犯罪は犯罪じゃあないのよ♪」

「そうだママの言うとおりだ!!」

 バカ親子は笑った。

「ねぇママ。そういえばこの「ゴミ」はやく捨ててよ。」

「そうね。今日の夜にでもゴミ捨て場に捨てておくわ♪」

 親子が「ゴミ」と言っていたのは、少女の死体だった。多分5~7歳ぐらいの。体中切り刻まれ、顔は恐怖の表情のままであった。さぞ苦しかっただろ、痛かっただろ。

「さぁ雄太君。この子といつも通り愛し合って。今まで一番可愛いい子だから、たっぷり時間をかけてね。」

「分かった!!!」

 そう言い男は近づく。

「さぁ愛し合う。ボクと、はぁはぁはぁはぁはぁはぁ。いぃいただきます!!」

 男はいつものようにベッドに手錠で身動きが取れない少女に飛び掛った。しかし

「え?」

 男は身動きが取れなかった。体に異常は無い。しかし体が動かない。どうして

「雄太君!!!!!」

 母親も息子の異変に気付き近づこうとしたが、体が動かなかった。彼女は魔力持ちだったのでデバイスに魔力を流したが起動しなかった。

「どうしたの?」

「「体が動かない!!」」

「しってる」

「あなたなの?でもこの部屋にはAMFがあるのに!なんで!それにデバイスも無いのに!!」

「でばいすはおなかにある」

「なぁ!!」

「でばいすにじょうぶないとをくくりつけてからのみこむの。そしたらあまったいとをはにむすぶ。これでいつでもきどうできるし、とりだせる。

 

自主規制

 

 

 

「こんなかんじに」

「でもAMFがあるのに」

「AMFはまほうをしようできなくするんじゃないの。まほうこうりつをていかさせるだけ。まりょくりょうがおおければかばーできる」

「あなた何者?!!」

「かんりきょくいん」

「そんな!!そんな情報しらないわ!!」

 

 

 彼女の情報元は2ブロックはなれた捜査員の家だった。この家では1回/wでお茶会があり、この母親も其処に参加していた。因みにこの親子、近所では仲のよい親子であり、息子は優秀大学に通っている医学生である。お茶会時に捜査員のPCを覗いていたのである。PWは専用のアプリで解析していた。この捜査官は規則に忠実で1回/2wでPWを変更していたが、効果は無かった。勿論上司もPCの持ち出しは許可していた。管理局のPWを解析、痕跡さえ残さない・・・こんなものを使われてはお手上げである。勿論盗み見された捜査官は処罰されない。しかし今後PCの持ち出しは禁止されるだろ。

 

「まぁでも、そんなの事はどうでもいい」

「どういうことよ!!」

「ママ~~何とかして!!」

「雄太君落ち着いて!!」

「だいじょうぶ・・・もうなにもするひつようはない」

「「え?」」

「だから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   モウナニモスルヒツヨウハナイ。コレカラハサメナイアクムヲミツヅケテ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                シネ 」

 

 

 

 

 

 

 事件は解決した。犯人の親子は発見時、気を失っていたとの事。搬送中に急に暴れだした。目を覚まさない事に不審を抱いた捜査官が検査を依頼した所、検査の結果は原因不明だった。しかし悪夢?にうなされているかのように親子揃って苦しみ、食事も出来ない状態だった。詳しい事情聴取が出来ない中、親子は意識が戻らないまま半年後に苦しみながら死亡した。

 

 しかし問題はこの後だった。

「アウイン!!!!!!」

 そう両親が大激怒した。バリアジャケットの開発はほぼ終了していた。しかしこの後の実戦データを取り、再度最適化しなければならない。それが終らない限り完成とはいえない。そのことを両親に話をした。

「なら今後危険な現場には出ない事!!これを破ったら即辞めさせます!!」

 そういう事でまとまった。

 

 

 

 

 しかしあの小型AMFの出所箇所は特定できなかった。あのAMFが世に出回ったら大変な事になる。完成度は高く、直ぐにでも実戦投入可能レベルだった。しかも直前までデータをどこかへ転送していた形跡があったが追跡できなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




  最後まで読んでいただきありがとうございます。

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